記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402

  • 無投票再選で解きにくくなった内閣改造という「連立方程式」

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    無投票再選で解きにくくなった 内閣改造という「連立方程式」

    2015年10月3日号  

    「正式決定は安保法が成立してからにしてほしい」──。首相の安倍晋三の望み通り、24日午後5時から自民党本部8階のホールで両院議員総会が開かれた。8日に告示された総裁選で無投票再選を決めていた安倍の続投が正式に承認されたのだった。安倍は総裁として2期目に入った。残り任期はあと3年間、2018年9月まで。ところが皮肉にも宿願だった安全保障関連法が成立してみると安倍の手には新たな政策目標がない。

  • 読売、産経が反対キャンペーン軽減税率、財務省案は風前の灯

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    読売、産経が反対キャンペーン 軽減税率、財務省案は風前の灯

    2015年9月26日号  

    自民党総裁として再選された首相の安倍晋三は残り任期3年を手にした。これを全うすれば政治の師、小泉純一郎を超える長期政権になるが、それほど簡単ではない。安全保障法制に匹敵するような大きな政治目標が定まっていないからだ。1期目はアベノミクスを掲げ“ロケットスタート”に成功した安倍だが、再選後のインタビューで「継続は力」と述べている。それは新たな政策目標が定まらないことの裏返しともいえる。逆に安倍の背中には多くの「継続案件」が重くのしかかる。

  • 政権の体力を奪うリスクあり安倍の圧勝ではない無投票再選

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    政権の体力を奪うリスクあり 安倍の圧勝ではない無投票再選

    2015年9月19日号  

    自民党総裁選挙が告示された9月8日。この日、首相の安倍晋三は午前7時半すぎに首相官邸から目と鼻の先にある東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急の宴会場に向かった。自民党総裁選の出陣式に出席するためだった。届け出の受け付けの午前8時に合わせてのものだが、「出陣式」とは名ばかりの「祝勝会」といってよかった。

  • 復活した「橋下劇場」を支える大阪押しと官邸中枢とのパイプ

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    復活した「橋下劇場」を支える 大阪押しと官邸中枢とのパイプ

    2015年9月12日号  

    大阪市長の橋下徹(46歳)がまたまた仕掛ける。5月17日の「大阪都構想」の是非を問うた住民投票で大阪市民から「ノー」の審判が出た際に橋下はこう語っていた。 「市長任期(12月18日)まではやりますけども、それ以降は政治家はやりません」「あと半年ありますけど、思う存分やらせてもらいましたし、(中略)本当に幸せな7年半だったなと思います」 「舌の根が乾かないうち」というのはまさにこのことをいうのだろう。それからわずか100日余。橋下が政界復帰に大きくかじを切った。それも最高顧問を務めていた維新の党を割って「大阪維新の会という国政政党を誕生させる」(橋下)と宣言したのだ。

  • 中国発の世界同時株安の裏で直面したもう一つの中国問題

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    中国発の世界同時株安の裏で 直面したもう一つの中国問題

    2015年9月5日号  

    「二つの中国問題」(自民党幹部)が首相、安倍晋三の足元を揺るがしている。一つは中国が震源地となった東京株式市場を襲った世界同時株安の嵐だ。8月17日には2万0620円だった東京株式市場の日経平均株価は18日を境に下落が始まり、25日の終値は乱高下を繰り返した末に1万7806円まで急落した。6営業日続落は第2次安倍政権発足以来初めてだった。同時に外国為替市場の円ドル相場も急速に円高ドル安に振れた。

  • 安倍談話は世論に好感されたが安保法案、内閣改造と課題山積

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍談話は世論に好感されたが 安保法案、内閣改造と課題山積

    2015年8月29日号  

    8月18日の昼下がりの国会議事堂。予定された安全保障関連法案を審議する特別委員会の再開が19日に先送りされたため議員の姿はまばらだ。夏休みを利用した一般の見学者が大きな固まりをつくって国会職員の説明に耳を傾けている姿が目立った。そんな森閑とした国会でただ一つ議員が集まる部屋があった。衆院側の3階にある自民党の国会対策委員長室だ。委員長の佐藤勉を筆頭に委員長代理の小此木八郎、さらに首相、安倍晋三の実弟で副委員長の岸信夫ら国対幹部が顔をそろえた。岸は山梨県鳴沢村の別荘で静養中の安倍の元から駆け付けた。

  • 党内のオウンゴールが止まらず「守り」を強いられる安倍政権

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    党内のオウンゴールが止まらず 「守り」を強いられる安倍政権

    2015年8月22日号  

    「攻め」が持ち味の首相、安倍晋三が「守り」を強いられている。その原因は言うまでもなく安倍が何よりも優先させて成立を急ぐ安全保障関連法案の国会審議をめぐる迷走にある。安保関連法案をまとめた実質的な責任者である自民党副総裁の高村正彦が思わず8月9日の講演で本音を漏らした。「頼むから、オウンゴールをやめてくれ」

  • 総裁選は出馬の大義名分なく安倍の無投票再選が濃厚

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    総裁選は出馬の大義名分なく 安倍の無投票再選が濃厚

    2015年8月8日号  

    ここにきて新聞や週刊誌の見出しに「総裁選」の活字がしばしば登場するようになった。9月末に首相、安倍晋三(60)の自民党総裁としての任期が迫っているからだが、理由はそれだけではない。安保関連法案の国会審議や新国立競技場の建設問題などで内閣支持率が急落していることも関係しているようだ。

  • 内閣支持率が安全圏の40%割れ大きく揺れ始めた政権の足元

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    内閣支持率が安全圏の40%割れ 大きく揺れ始めた政権の足元

    2015年8月1日号  

    首相の安倍晋三は首相執務室で、元首相で東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗と向き合っていた。7月17日午後2時前。時間にして約35分間。会談の目的は国民から袋だたきに遭った五輪のメインスタジアムとなる新国立競技場の建設計画をどうするかにあった。前日には安倍は執念を燃やす安全保障関連法案の衆院通過を強行した。安倍自身が「国民の理解が進んでいない」と認めざるを得ないほど、国民世論の反発が高まりを見せる中での採決だった。

  • 新国立競技場の建設見直しが安倍にとって起死回生の一打

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    新国立競技場の建設見直しが 安倍にとって起死回生の一打

    2015年7月25日号  

    首相の安倍晋三が政権の命運を懸けた安全保障関連法案が衆院を通過した。表面的には成立に向け大きく前進したように見えるが、実態はそれほど甘くない。二つの壁が政権の前に立ちはだかっているからだ。国民世論と自民党が過半数を持っていないという参院の厳しい現実がある。

  • 筋の通らぬ懸案が同時進行中 光明見えるも安倍の傷は大きい

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    筋の通らぬ懸案が同時進行中  光明見えるも安倍の傷は大きい

    2015年7月18日号  

    何から何まで 真っ暗闇よ すじの通らぬ ことばかり 昨今の政治の動きを見るにつけ、故鶴田浩二の大ヒット曲「傷だらけの人生」の歌詞が思い浮かぶ。日韓外相会談で合意しながら土壇場までもめにもめた「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録問題。最終的に何とか玉虫色の文案で妥協が図られたが日韓関係の溝の深さをあらためて浮き彫りにした。これでは外相会談で合意した首相の安倍晋三と韓国大統領、朴槿恵の首脳会談実現も簡単ではなさそうだ。

  • 国会運営で追い詰められる自民安倍応援団の大き過ぎる代償

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    国会運営で追い詰められる自民 安倍応援団の大き過ぎる代償

    2015年7月11日号  

    一般社会で「勉強会」といえば、テーマを決めて仲間と一緒に学ぶ集まりを意味するが、政治の世界に登場する「勉強会」は単純でない。中には純粋に政策を勉強する勉強会もあるが、それは例外で大半は政治的な思惑を秘めた政治家の集まりとみて間違いない。常に権力闘争のにおいが付きまとうからだ。

  • 国会は戦後最長の超大幅延長「60日ルール」でも燻る懸念

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    国会は戦後最長の超大幅延長 「60日ルール」でも燻る懸念

    2015年7月4日号  

    日本を代表する女性指揮者の西本智実が振る白いタクトが、東京・六本木のサントリーホール全体を支配した。6月22日夜、韓国外務省主催の「韓日・日韓国交正常化50周年記念コンサート」で、かろうじて「友好」を維持したとげとげしい日韓関係が嘘のように一体化した。しかし、舞台に向かって右側2階のVIP専用席には空席が目立った。高円宮妃久子さまをはじめ森喜朗、鳩山由紀夫の首相経験者夫妻、公明党代表の山口那津男夫妻らの顔が見えたが、首相の安倍晋三をはじめ政府与党中枢の列席はなかった。

  • 想定外の早さで橋下と会談局面打開したい安倍の胸算用

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    想定外の早さで橋下と会談 局面打開したい安倍の胸算用

    2015年6月27日号  

    いずれはあると思われていた会談が想定外の早さで設定された。14日夜の首相、安倍晋三と維新の党最高顧問、橋下徹との会談だ。橋下は「大阪都構想」をめぐる住民投票で敗退、「政界引退」を表明していたが、この会談は橋下が依然として維新の党の実権を握り、政治的野心に衰えがないことを証明した。

  • 魔物がすむ国会の会期末安保関連法案に黄色信号

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    魔物がすむ国会の会期末 安保関連法案に黄色信号

    2015年6月20日号  

    「厳しい状況が出てきているのは間違いない」。自民党幹事長の谷垣禎一は9日の記者会見で、国会運営に暗雲が垂れ込めてきたことを認めた。通常国会には「6月の壁」が付きまとう。毎年1月に召集される通常国会は会期が150日間と決められており、必ず6月に会期末が訪れるからだ。

  • 鬼門の年金で苦悩する安倍は再び重要法案を葬り去るのか

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    鬼門の年金で苦悩する安倍は 再び重要法案を葬り去るのか

    2015年6月13日号  

    首相の安倍晋三にとって「年金」は“鬼門”かもしれない。6月1日午後、日本年金機構の理事長、水島藤一郎が厚生労働省内で行った緊急記者会見で頭を下げた。機構がサイバー攻撃を受け、約125万件の個人情報が漏えいしたというものだった。安倍は夜になって記者団に政府の対応を語った。 「国民の皆さまにとって大切な年金です。年金受給者のことを第一に考え、万全を期すように厚生労働大臣に指示した」

  • 中国脅威論に言及なく成立急ぐ安保関連法案の審議は隔靴掻痒

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    中国脅威論に言及なく成立急ぐ 安保関連法案の審議は隔靴掻痒

    2015年6月6日号  

    戦後の安全保障政策を大きく変える安全保障関連法案を審議する特別委員会が5月26日から始まった。衆院3階にある第1委員会室がその舞台。その委員会室を見渡してまず驚くのが自民党議員の多さだ。委員総数45人のうち6割以上の28人が自民党所属議員。民主党代表の岡田克也がトップバッターとして質問席に立ったが、岡田の後ろに座っているのも自民党議員。テレビの委員会中継を見ると、質問者以外は野党議員が映らない。

  • 維新の求心力低下が引き起こす民主党内での驚きの“化学反応”

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    維新の求心力低下が引き起こす 民主党内での驚きの“化学反応”

    2015年5月30日号  

    首相の安倍晋三(60)に政治家にとっての「運」の大切さを自身から聞いたことがある。 「運を失うと、手から砂がこぼれ落ちるように、いくらギュッと握ってもこぼれてしまう。リーダーが決して運を失ってはいけないのは国家に影響が出るからだ」 わずか1年で退陣という苦い挫折を振り返りながら安倍はこう語っていた。確かに2012年12月に戦後の首相としては吉田茂以来、実に半世紀ぶりに復権した安倍は絶えず、「運」を味方に付けてきたように思えてならない。

  • 政権が「安倍-菅」の直線型から二階を加えた「三角形型」に変質

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    政権が「安倍-菅」の直線型から 二階を加えた「三角形型」に変質

    2015年5月23日号  

    新聞各紙の政治面を開けば必ずどこかに氏名が登場する政治家が3人いる。首相、安倍晋三(60)、官房長官、菅義偉(66)。この2人は役職柄露出度が高いのは当然だが、もう1人、異彩を放つ政治家がいる。自民党総務会長の二階俊博(76)である。安倍が政権の命運を懸ける安全保障関連法案の党議決定を波乱なく収めたのも二階だった。

  • 安倍訪米は「百点満点」の成果も気掛かりな首相歓待に潜む打算

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍訪米は「百点満点」の成果も 気掛かりな首相歓待に潜む打算

    2015年5月16日号  

    首相の安倍晋三にとって政権の命運を懸けた訪米が終わり、2015年政局は第2ステージに入った。訪米のハイライトは安倍と米大統領オバマとの日米首脳会談(4月28日)と、日本の首相として初めて行った米議会上下両院合同会議(29日)での演説。成果について政府関係者は異口同音に「百点満点」と語る。確かにオバマの安倍への厚遇ぶりは目を見張るものがあった。

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

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表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…