記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402件
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後藤謙次 永田町ライヴ!
安倍が描いた解散戦略の全内幕 消費増税は1年半先送りで実施
2014年11月22日号永田町に衆院解散の突風が吹いた。11日午後1時すぎ。衆院本会議が散会すると、ほとんどの議員が小走り状態で本会議場を出て国会に隣接する議員会館に向かった。ほぼ例外なく議員たちは携帯電話を耳に当て、早口に指示を出していた。首相の安倍晋三がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合のために日本を出発する前に仕込んだ衆院解散総選挙の“時限爆弾”がものの見事に炸裂した。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
追加緩和で急激な株高・円安 それでも燻る消費増税の先送り
2014年11月15日号「黒田ショック」で株式市場が活況に沸く。日本銀行が10月31日に突如として決めた追加の金融緩和で11月4日の日経平均株価は一時的とはいえ1万7000円台を回復した。その一方で外為市場では円安が進行、こちらは114円台を記録した。2年前に野党自民党総裁として安倍晋三が目指した「株高・円安」の状況が生まれている。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
内閣改造の失敗で環境一変 カジノ法案も成立は困難に
2014年11月8日号手元に自民党本部が作成した第2次安倍晋三改造内閣の「閣僚スキャンダル一覧表」がある。この種のものを自民党が作成するのも異例だが、その内容も驚きだ。首相の安倍を除く17人の閣僚のうち週刊誌報道を含めて“無傷”の閣僚は8人だけ。辞任した前経済産業相の小渕優子と前法務相の松島みどりの2人を加えると、改造以降の閣僚11人が何らかの問題を抱えていることになる。
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前代未聞の緊急手術で危機回避 2閣僚が「同日時間差辞任」
2014年11月1日号政治は何が起こるか分からない。おそらく今後も目にすることがないと思われる政治ドラマが展開された。前代未聞の2閣僚の「同日時間差辞任劇」だ。順風満帆に見えた第2次安倍晋三改造内閣が突風にあおられるように大きく揺れ始めた。
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安倍外交の真価問われる1カ月 日中首脳会談の実現は「五分五分」
2014年10月25日号第2次安倍晋三改造内閣がスタートして約50日が経過した。改造内閣の目玉は自民党の幹事長に、石破茂(現地方創生担当相)に代え、元自民党総裁の谷垣禎一を起用したことと、「女性の活躍」をアピールするために5人の女性閣僚を登用したことだった。
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公明党代表が口火切った解散論 官邸で浮上する変則ダブル選挙
2014年10月18日号「年末に衆院議員の任期の半分が過ぎれば、常在戦場の心構えがあっていい」10月5日に放送されたラジオ日本の番組での公明党代表、山口那津男の発言が静かな波紋を広げている。公明党は解散時期をめぐっては与党内の「ブレーキ役」に回ることが多かったが、今回は山口が解散論の口火を切った。山口はさらにこうも付け加えた。
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低調を極める臨時国会の論戦 安倍の演説は国民の関心素通り
2014年10月11日号土井たか子が死去した。享年85歳。気取りがなくさっぱりした性格。そして「明治の女性」をほうふつとさせるような気丈さを持ち合わせたあっぱれな人生だった。女性で初の党首、初の衆院議長。首相の安倍晋三が推進する「女性の活躍」を四半世紀以上も前に実践した先駆者だった。中でもハイライトは1989年の参院選で自民党を完膚なきまでたたきのめしたことだ。そこから日本の政治は「衆参ねじれ国会」が始まった。
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看板政策「地方創生」の成否握る石破-河村ラインの役割分担
2014年10月4日号「一つ手作りの目標みたいなものを作ってみようじゃないか。手作りのふるさとの青写真のようなものを描いてみてはどうだろうか」今から約四半世紀前。元首相の竹下登は演説の中で必ずこのフレーズを入れた。これが、竹下が唱えた「ふるさと創生」の核心部分であった。
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民主党の新執行部は反海江田 迫られる説明責任と対安倍戦略
2014年9月27日号民主党が16日の両院議員総会で執行部人事を一新した。会場となったのは盛岡市内の繋(つなぎ)温泉のホテル大観。昨年8月の豪雨による洪水被害から復興した温泉街。民主党復活への思いがにじんだ場所でもあった。この人事のポイントは代表の海江田万里に辞任を迫っていた「反海江田グループ」に執行部の中枢を委ねた点だ。代表代行・岡田克也-幹事長・枝野幸男-政調会長・福山哲郎が一直線に並んだ。
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露骨な安倍政権へのすり寄り 経団連が5年ぶりに献金再開
2014年9月20日号経団連が5年ぶりに政党への政治献金の再開を決めたが、評判はいまひとつだ。経団連会長の榊原定征(東レ会長)は8日の記者会見で再開を「社会貢献の一環」と説明したようだ。だが、どうひいき目に見ても、求心力を高める首相の安倍晋三へのすり寄りとしか映らない。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
安定重視の谷垣-二階コンビ 2人の重鎮起用は両刃の剣
2014年9月13日号「石破さんの問題から人事の性格が全く変わった」。首相の安倍晋三(59)は内閣改造前夜の2日夜、こう語った。「石破さんの問題」とは言うまでもなく前幹事長の石破茂(57)が幹事長続投を希望、しかも安倍が正式要請する前に安全保障担当相での入閣を拒否するという想定外の行動に出たことだ。このため安倍が考え抜いた末に出した結論が前自民党総裁の谷垣禎一(69)の幹事長起用だった。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
「人事予告」に「拒絶予告」── 政権の2トップがバトル開始
2014年9月6日号首相の安倍晋三は8月26日朝、現体制で実質的に最後となる自民党役員会で内閣改造と自民党役員人事を9月3日に行うことを全役員に伝えた。もともと安倍はこの日の夜、首相公邸で幹事長の石破茂以下の役員全員を招いての慰労会を予定していた。それが前日夜になって各役員に突然キャンセルのお触れが回った。キャンセルの理由は安倍と石破の“神経戦”の影響とみて間違いない。
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政財界のリーダーが山梨に結集 別荘で膨らんだ安倍の求心力
2014年8月30日号「山梨県鳴沢村」──。この夏の新聞各紙の首相動静記事はしばしばこの書き出しで始まった。首相の安倍晋三の別荘があるからだ。もともと安倍の父で元自民党幹事長、安倍晋太郎が建てたもので、安倍は父の秘書時代から一緒に寝泊まりしていた。この別荘から車で10分ほどの場所に元首相、竹下登も別荘を構えていた。中曽根内閣当時、大蔵相の竹下と外務相の晋太郎が夏になると別荘近くの「富士桜カントリー倶楽部」でゴルフに興じた。「安竹ゴルフ」と呼ばれ、夏の政界の風物詩だった。
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首相主催の慰労会と同日に 石破が研修会開き安倍を挑発
2014年8月23日号首相の安倍晋三は目下2週間の大型夏休みを満喫中だ。主に山梨県の河口湖に近い別荘に滞在、ゴルフざんまいの日程を組む。まさに秋をにらんで英気を養っている。おそらく安倍の頭の大半を占めているのが9月の第1週に予定している内閣改造と自民党の役員人事。そして法律通り来年10月1日から消費税率を今の8%から10%に引き上げるかどうかの決断だろう。
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軽視できない期限切れ鶏肉問題 日中間の最重要課題に急浮上
2014年8月9日号工場の床に落ちた肉片を拾って製造マシンに入れ直す従業員。青カビが付いたステーキ肉──。何ともおぞましい映像がテレビから流れる。中国の上海福喜食品で行われていた使用期限切れの鶏肉の出荷問題。このとんでもない映像が全世界に流れてから10日余がたつが、その余波は収まる気配がない。
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撃墜事件で一変する日本外交 プーチンとは絶縁の可能性も
2014年8月2日号ウクライナで起きたマレーシア航空機撃墜事件が、首相の安倍晋三が掲げる「地球儀を俯瞰する外交」を揺さぶる。安倍は就任以来、ロシア大統領、プーチンとの個人的な信頼関係を背景に多国間外交で足場を固め、その延長線上に北方領土問題の決着を目指すという大きな戦略を描いてきた。
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安倍政権の高支持率に異変 試練となる知事選3連戦
2014年7月19日号集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を契機に安倍内閣の支持構造が変化した可能性がある。マスコミ各社の世論調査の結果が物語る。「朝日新聞」の支持率は44%(前回43%)でほぼ横ばいだったが、行使容認を支持する「読売新聞」が前回の57%から9ポイント下落して48%、「読売」の調査では初めて5割を切ったからだ。共同通信も4.3ポイント下落の47.8%。閣議決定に対して否定的な世論を反映する。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
集団的自衛権の行使容認で 自民と公明が背負い込んだ代償
2014年7月12日号首相の安倍晋三が宿願ともいえた集団的自衛権の行使を容認する新たな憲法解釈を閣議決定したのは7月1日。その翌2日の朝刊各紙の論調は真二つに割れた。 「戦争の歯止めあいまい」(東京新聞) 「『積極的平和』へ大転換」(産経新聞) 在京6紙のうち「東京」と同様に安倍の決断を批判したのが「朝日」と「毎日」。一方、「産経」に加え「読売」「日経」の3紙が安倍支持の姿勢を明らかにした。戦後の日本が堅持してきた「専守防衛」の安全保障政策を大転換させたのだから新聞論調が分かれるのも当然のことだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
公明党が連立離脱カードを封印 内閣改造は完全に安倍ペース
2014年7月5日号首相の安倍晋三が第2次政権を担ってから6月26日でちょうど1年半を迎えた。その安定ぶりは、民主党の前首相、野田佳彦まで1年ごとに政権が変わっていたことを思い起こすとウソのような状況だ。「1強多弱」と呼ばれる国会の勢力が背景にあるにせよ、際立つのが安倍の老獪さだ。硬軟自在の対応で目的に向かって着実に歩を進める。その原動力の一つが政治カレンダーを安倍が完全に掌握していることにある。サッカーに例えるならボールの支配率は100%に近い。野党側は好きなようにボールを回されて簡単にゴールを奪われる。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
独り勝ちで制止役不在の危うさ 石原発言から透ける政権の慢心
2014年6月28日号安倍晋三内閣が発足して1年半が経過する。おおむね順調な政権運営が続いたといっていいだろう。その大きな要因に閣僚をめぐるスキャンダルや問題発言が極めて少なかったことがある。ところがここにきて耳を疑うような問題発言が飛び出した。環境相の石原伸晃の「金目発言」のことだ。