記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402件
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後藤謙次 永田町ライヴ!
統一地方選以上の重みを持つ 「小沢王国」でのダブル選挙
2015年5月2日号今回の統一地方選は実に多くの過去に例を見ない不名誉な“記録”を残した。史上最低の投票率と無投票当選候補の多さである。例えば12日に投開票が行われた前半戦で埼玉県の「さいたま市北区」では県議、市議共に無投票当選となった。約11万人の有権者が選挙権を行使できずに終わったのである。この選挙区に限らず、統一地方選の低調さは目を覆うばかりだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
10道県知事選の全勝で高まる 「晋三・ヒラリー会談」の可能性
2015年4月25日号「普通の米国人には擁護者が必要だ。私はその擁護者になりたい」米民主党の前国務長官、ヒラリー・クリントンが来年の米大統領選への立候補を表明した。もともと昨年の秋ごろに出馬表明するとみられていたが、国務長官在任中に公務で個人メールアドレスを使用していた問題が発覚、表明が延び延びになっていたようだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
基地移設で溝深まる政府と知事 次の焦点は安倍・翁長の会談時期
2015年4月18日号官房長官の菅義偉と沖縄県知事の翁長雄志が初めて顔を合わせたのは4日午後、沖縄県宜野湾市で開かれた米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区の返還式典の会場だった。そこで菅が声を掛けた。「お互い法政大学出身ですね」両者の経歴を照らし合わせると、ただ単に同窓というだけではない因縁が浮かび上がってくる。共に同じ法学部で、しかも1970年代初頭に東京・千代田区の市ケ谷キャンパスに通っている。その時期は72年の沖縄の日本復帰とも重なり合う。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
中国主導のAIIBをめぐって 日本政府が犯した致命的なミス
2015年4月11日号歴史認識、尖閣諸島の領有権問題などに続いて中国の対日外交攻勢は国際金融分野に拡大した。「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)のことだ。中国が創設メンバーになるための条件に掲げた参加申請期限の3月31日までに参加を表明したのは約50カ国に達した。この中に名前がなかった主要国は日本と米国だ。首相の安倍晋三は「焦って参加する必要はない」と漏らしたと伝えられているが、政府内の動揺は隠せない。米国に歩調を合わせるとみられていた韓国やオーストラリア、さらにG7(主要7カ国)の英独仏伊が参加を表明したからだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
基地移設めぐり官房長官が怒気 政府と沖縄が「全面戦争」に突入
2015年4月4日号3月24日午後4時すぎ、官房長官の菅義偉は使い慣れた大きなブリーフィングノートを持って首相官邸の記者会見場に現れた。しかし、その口調には明らかにいつもとは違う怒気が含まれていた。 「指示は、違法性が重大かつ明白で、無効だと判断した」 菅が怒りの矛先を向けたのは沖縄県知事、翁長雄志だということは疑う余地がなかった。原因は翁長の前日23日午後の記者会見にあった。米軍普天間飛行場の移設先として同県名護市辺野古沿岸部で政府が進めている埋め立て工事に関連したボーリング調査を、1週間以内に停止するよう沖縄防衛局に指示したからだ。
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安倍が歴代の首相経験者と会食 内政は盤石も外交は人脈が枯渇
2015年3月28日号「料亭政治」が華やかなりしころ、自民党の実力政治家にとって料亭は「夜の派閥事務所」といってよかった。夜な夜な料亭を根城に、ありとあらゆる政治工作が行われた。それだけにひいきの料亭は、実力者にとって特別の思い入れがあった。最大のメリットは、百鬼夜行の政界にあって秘密が外に漏れることがなかったこと。それが老舗料亭の矜持であり、信用もそこから生まれた。
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震災後2度目の統一地方選に 自民党本部は異例なほど注力
2015年3月21日号マグニチュード9.0の巨大地震が東北地方を中心に襲ったのは4年前の3月11日午後2時46分。その大地震は未曽有の大津波を伴い、多くの人命を奪った。死者は1万5891人(警察庁発表)に達する。東日本大震災以来、何度も被災地に足を運んだが、復興を実感させるのは仙台ぐらい。大地震が起きた2011年の秋に地元で聞いた言葉は今も胸に深く残る。「震災以来、何も変わっていない。変わったのは季節だけだ」
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TPPのハワイ会合に高い関心 裏に潜む極東の安全保障戦略
2015年3月14日号2月下旬から新聞の1面を埋めたのは三つのニュースだった。「川崎の中学1年生殺害事件」「安全保障法制をめぐる自公協議」「政治とカネ」──。扱いの大小は違っても必ず目にした。中でも中学1年生の上村遼太が犠牲になった痛ましい事件は日本人の心を大きく揺さぶった。事件現場に足を運び、手を合わせ、献花する人の姿が絶えないのは事件が与えた衝撃の大きさを物語っている。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
西川農水相の辞任劇が炙り出す 安倍談話巡る自民党内の不満
2015年3月7日号やはり昨年9月の党役員人事と内閣改造は失敗と言わざるを得ないだろう。2月23日夕、農林水産相の西川公也が自身をめぐる献金問題の責任を取って辞任した。改造以降、前法務相の松島みどり、前経済産業相の小渕優子が辞任しているが、約半年で3人はあまりに多過ぎる。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
首相は安保政策で強硬姿勢 鼎の軽重が問われる公明党
2015年2月28日号過激派組織「イスラム国」(ISIL)による2人の日本人殺害事件に遭遇しながら、首相の安倍晋三は「攻め」の姿勢を崩さない。かつて安倍は元首相、中曽根康弘にこうアドバイスされたと話していた。「首相というポストは一瞬たりとも弱気になったら駄目だ。とにかく攻め続けていかなければ立っていられなくなる」
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後藤謙次 永田町ライヴ!
農協改革がスピード決着 全中完敗でも拭えぬ疑念
2015年2月21日号全国農業協同組合中央会(JA全中)の会長、万歳章は日曜日だった2月8日夜、東京・紀尾井町にあるホテルニューオータニの一室に向かった。そこには自民党の農業政策を決める上で中心的な役目を果たしているインナーと呼ばれる7人が待っていた。俗にいう「農政7人の侍」たちだ。前農林水産大臣の林芳正、自民党環太平洋経済連携協定(TPP)対策委員長の森山裕、自民党農林部会長の斎藤健、前農水副大臣の江藤拓、元農水副大臣の宮越光寛、参院議員で鹿児島県農協中央会出身の野村哲郎、党のチーム(PT)座長、吉川貴盛。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
イスラム国が「日本人標的」発言 情報力低い政府に備えはあるか
2015年2月14日号通常国会が召集されて約2週間が経過したが、論戦というには程遠い審議が続く。背景に「イスラム国」(IS)によって殺害されたジャーナリストの後藤健二と、湯川遥菜の拘束事件があることは言うまでもない。どこか野党側に遠慮や腰が引けた印象が付きまとうからだ。今回の事件ほど異常な展開を見せたものはない。後藤の殺害映像がアップされたのが2月1日午前。3日後の4日になってもう一つの焦点だったヨルダン人パイロットのムアーズ・カサースベの焼殺の場面が動画サイト「ユーチューブ」にアップされた。さらに直後には、後藤の解放をめぐって交換条件として持ち出されたイラク人テロリストのサジダ・リシャウイの死刑をヨルダン政府が執行した。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
イスラム国との難交渉めぐり 外交安保で問われる安倍の真価
2015年2月7日号「これまで経験したことのない行動パターンなので手の打ちようがない」長く日本の安全保障問題に関わってきた政府高官は、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人拘束事件に焦りを募らせる。最初に動画サイトで日本人2人の拘束の映像を外務省が確認したのは1月20日午後2時50分。ジャーナリストの後藤健二(47)と湯川遥菜(42)。湯川は昨年8月にイスラム国に拘束され、後藤も昨年10月末にイスラム国支配地域で消息を絶っていた。
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中東歴訪中の安倍を狙った イスラム国の邦人殺害脅迫
2015年1月31日号オレンジ色の服を着せられた2人の日本人の間に立ち、サバイバルナイフをかざす黒服の男。衝撃的な映像が動画サイト「ユーチューブ」から流れた。黒服の男はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の一員とみて間違いないだろう。官房長官の菅義偉は2人の日本人について、すでにシリア国内で拘束が報じられていた湯川遥菜(42)と、取材のため現地入りしたフリージャーナリストの後藤健二(47)と断定した。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
収まらない「佐賀の乱」の余波 減速が避けられない農協改革
2015年1月24日号「佐賀の乱」の余波が収まらない。衆院選大勝からわずか1カ月。自民党のわが世の春も佐賀県知事選の思わぬ敗北であっという間に吹き飛んだ。 「国政選挙と地方選挙は全く別物だ。地元の気持ちを無視すると手痛いしっぺ返しを受ける」 長年選挙事務に関わってきたベテラン党職員は首相官邸と自民党選対(委員長・茂木敏充)の候補者選びに苦言を呈した。副総裁の高村正彦も「負けに不思議な負けなし」と元プロ野球監督、野村克也の格言を引いて注文を付けた。
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日本外交の今年のポイントは 米国も口を挟む安倍談話と訪米
2015年1月17日号2015年の元日以降、「戦後70年」の活字を見ない日がない。首相の安倍晋三も5日に行った記者会見で「戦後70年」に当たっての「安倍談話」を発表する意向を表明した。国内的には昨年末の「抜き打ち総選挙」で大勝を果たした安倍に死角はないといっていい。9月の自民党総裁選をめぐっても、最有力候補の1人の地方創生担当相、石破茂が不出馬を宣言。前回の総裁選で安倍と相まみえた前農林水産相、林芳正も安倍と同じ山口県出身を理由に“試合放棄”。早くも安倍の再選は動かなくなった。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
橋下の維新代表辞任で揺れる 民主党による野党再編の行方
2015年1月10日号2015年の永田町は不思議な空気感が漂う中で新年を迎える。自民党議員ですら首相の安倍晋三の「奇襲解散」がいまだに「年の瀬の夢物語」のような錯覚にとらわれているかのようだ。12月24日召集の特別国会で行われた首相指名選挙はある種の虚脱感を象徴した。選挙戦を勝ち抜いた議員に共通する高揚した気分は皆無といってよかった。前3回の衆院選のような新人議員の大量当選がなかったことの反映かもしれないが、議場全体に新鮮味、緊張感はなく、いつもの法案採決の本会議と同じ空気が支配した。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
衆院選の大勝で見えてくる 安倍の2度目の解散タイミング
2014年12月20日号首相の安倍晋三が仕掛けた「奇襲解散」は戦略、戦術共に安倍の完勝でゴールとみられる。選挙前に自民党総務会長の二階俊博が漏らしていた言葉を思い出す。 「原作・安倍晋三、演出・安倍晋三、主演・安倍晋三。私は単なる劇場の切符切りです」 安倍は思惑通りに権力基盤を強化して第3次安倍内閣の発足に向けて動きだすことになる。現時点で首相指名選挙を行うための特別国会召集は12月24日が有力だ。問題は9月3日に内閣改造を行ったばかりの現閣僚の顔触れをどうするか。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
衆院選勝利でも政局混乱の懸念 分水嶺となる自民の50議席減
2014年12月6日号解散風が吹き始めたのが11月初旬。それから1カ月もたたないうちに衆議院選挙は本番を迎える。衆院選史上例を見ない超短期決戦といっていい。まさしく首相の安倍晋三が計りに計り、練りに練った解散戦略がズバリ的中している。安倍の狙いは、選挙はないと高をくくっていた野党側を急襲して政権基盤を安定させることにあった。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
衆院解散で火ぶた切る短期決戦 勝敗ラインは自公で過半数
2014年11月29日号「国民の声を聞きたい」「信なくば立たず」──。18日夜、衆院解散を表明した首相、安倍晋三の記者会見は政治の師でもある元首相、小泉純一郎の郵政解散の解散会見をほうふつさせた。選挙の勝敗ラインについては「自公で過半数」と語った。これも小泉の常とう句。そして安倍はこう明言した。 「21日に解散します」