記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402

  • 死角なき安倍政権を惑わす消費税引き上げ手法の舞台裏

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    死角なき安倍政権を惑わす 消費税引き上げ手法の舞台裏

    2013年8月24日号  

    首相の安倍晋三が参議院選挙で圧勝してから約4週間。安倍は昨年末の首相就任以来、初めてまとまった休暇を取った。首相の健康管理は国家の危機管理だ。英気を養って秋の政治本番に向かう決意を固めているに違いない。13日に訪れた地元の山口県萩市では、吉田松陰ゆかりの松陰神社に参拝した。幕末の思想家に思いを重ねるように安倍は記者団に心境を語った。

  • 日中首脳会談の開催に薄日障害は安倍の靖国神社参拝

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    日中首脳会談の開催に薄日 障害は安倍の靖国神社参拝

    2013年8月17日号  

    袋小路に入り込んでいた対中国外交が本格的に動きだすのか──。首相の安倍晋三は27日、訪問先のマニラで行った記者会見で大きくかじを切った。「日中関係は最も重要な2国間関係の一つで、外交当局間の対話を進めるよう指示している。条件をつけることなく、なるべく早く外相、首脳レベルの会合を持ちたい」

  • 消費増税めぐりゴング鳴った安倍と麻生の静かなバトル

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    消費増税めぐりゴング鳴った 安倍と麻生の静かなバトル

    2013年8月3日号  

    参議院選挙は予想通り自民党の大勝に終わった。首相の安倍晋三は悲願の衆参ねじれ解消を実現させた。開票が進行中の21日夜、自民党本部に現れた安倍の表情は、これまでに見たこともないほど晴れやかだった。翌日の記者会見でも、安倍は胸を張った。

  • 助走期間を終えた安倍政権選挙後の3カ月が命運決める

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    助走期間を終えた安倍政権 選挙後の3カ月が命運決める

    2013年7月27日号  

    ちょうど1年前の今ごろ、首相の安倍晋三を囲んで懇談する機会があった。当時、安倍は首相経験者とはいえ国会議員の1人にすぎなかった。まだ自民党総裁選に立候補することすら迷っていた。それから約1カ月後に総裁選への立候補を決め、逆転で総裁に返り咲いた。その後の展開は周知の通り。野党自民党の総裁から首相の座へ。そして安倍が「親の敵」と繰り返していた参院選で悲願を達成、衆参ねじれ解消が現実のものとなった。まさしく一瀉千里──。安倍の独り舞台の1年といっていい。

  • テレビ報道も「低調参院選」だが原発再稼働問題でにわかに脚光

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    テレビ報道も「低調参院選」だが原発再稼働問題でにわかに脚光

    2013年7月20日号  

    長く選挙報道に携わってきたが、これほど盛り上がらない国政選挙は初めての経験だ。新聞の候補者広告も、めっきり減った印象を受ける。自民党幹部の「参院選は有権者と候補者が最も遠い選挙」という言葉を実感するが、要因はそれだけではない。圧倒的優位が伝えられる自民、公明の与党勢に対して中小野党が乱立。しかも選挙協力がないままバラバラ状態で選挙戦に臨む。「大砲に鉄砲で向かうような選挙」(自民党選対)なのだ。

  • 安倍が描く参院選後の課題は族議員への対応と対中関係

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍が描く参院選後の課題は 族議員への対応と対中関係

    2013年7月13日号  

    どうにも盛り上がらない第23回参議院選挙が7月4日に公示された。このままでは投票率が50%を割り込む懸念もある。盛り上がりを欠く最大の理由は圧倒的な支持率を維持する与党自民党に対して中小野党が7党も乱立しているからだ。しかも、強力な選挙協力体制が組めないまま本番に突入した。とりわけ勝敗を分ける31ある定数1の選挙区選挙で、自民党好調の流れが止まらない。

  • 都議選の完勝で参院選に弾みも自民の公約集ににじむ逃げ腰

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    都議選の完勝で参院選に弾みも 自民の公約集ににじむ逃げ腰

    2013年7月6日号  

    首相の安倍晋三にとって待ちに待った参議院選挙がいよいよ7月4日に公示される。その参院選の前哨戦と位置づけられた東京都議会議員選挙で自民、公明の両党は完勝した。「全員当選」は公明党のお家芸ともいえるが、自民党にとっては初めての経験だった。この完勝の意味は極めて大きい。過去の都議選と、その直後の国政選挙の結果には明確な相関関係があるからだ。都議選の流れがそのまま国政選挙に引き継がれる──。これが“鉄板”と表現できる経験則だ。

  • 霞が関人事で安倍が狙った「政高官低型」への切り替え

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    霞が関人事で安倍が狙った 「政高官低型」への切り替え

    2013年6月29日号  

    首相の安倍晋三が、参院選後をにらんで布石を打ち始めた。もともと安倍には昨年9月に自民党総裁に就任したときからの宿願があった。 「ホップ(衆院選)、ステップ(参院選)、自前政権」(安倍側近) まさしく安倍が描いた通り、衆院選は圧勝して政権を奪還。7月21日投開票の参院選でも勝ちが見えてきた。「衆参ねじれ国会」の解消も時間の問題といっていい。7月からは2014年度予算編成が本格化する。安倍にとって実質的に初の「安倍予算」だ。

  • 政府が描く中国包囲網の裏で敷かれる日本包囲網の脅威

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    政府が描く中国包囲網の裏で 敷かれる日本包囲網の脅威

    2013年6月22日号  

    米大統領のバラク・オバマと中国国家主席の習近平による米中首脳会談が行われたカリフォルニア州パームスプリングス。全米有数のリゾートに全世界の視線が注がれた。今から23年前、このパームスプリングスは当時の首相、海部俊樹と米大統領のジョージ・ブッシュ(先代)との日米首脳会談が行われた舞台でもあった。当時筆者は海部に同行してこの会談を取材した。

  • 国益に直結する安倍の健康管理不安視される過密スケジュール

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    国益に直結する安倍の健康管理 不安視される過密スケジュール

    2013年6月15日号  

    首相官邸の中で、首相の安倍晋三の過密スケジュールを心配する声が上がっている。6月1日から3日間の日程で開かれた第5回アフリカ開発会議(TICAD)で議長を務めた安倍は、約40人のアフリカ諸国の首脳とのマラソン会談をこなした。さすがに官房長官の菅義偉もまずいと思ったのだろう。5月30日の記者会見で懸念を表明した。

  • 安倍悩ます参院選の大勝観測と消費税引き上げという一大決断

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍悩ます参院選の大勝観測と 消費税引き上げという一大決断

    2013年6月8日号  

    「あまり勝ち過ぎないほうがいい」──。自民党幹部の驚きの発言を耳にした。7月21日投開票の参議院選挙のことだ。これまでも自民党大勝の流れが出ていたが、日本維新の会の迷走でライバル不在の参院選になることが極めて濃厚だからだ。自民党は47都道府県すべてに候補者を立てる。このうち3人区の千葉県と5人区の東京都にそれぞれ2人を公認しており、選挙区選挙の公認候補は合計49人。沖縄は依然として苦戦をしており、47~48人の当選が見込まれる。これに比例区が加わる。当初は24人を公認したが、足りなくなる恐れが出てきたため急きょ追加公認する。最終的に30人の比例区候補がそろい踏みする。

  • サミットへの波及も懸念される従軍慰安婦問題めぐる橋下発言

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    サミットへの波及も懸念される 従軍慰安婦問題めぐる橋下発言

    2013年6月1日号  

    7月21日投開票予定の参議院選挙まであと2カ月を切った。競馬に例えるなら第4コーナーを回り、最後の直線勝負の場面だ。騎手がいっせいにムチを入れてゴールを目指すところだが、ダークホースとみられた日本維新の会が迷走を始めた。

  • 飯島が電撃的な北朝鮮訪問最大の使命は安倍・金正恩会談

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    飯島が電撃的な北朝鮮訪問 最大の使命は安倍・金正恩会談

    2013年5月25日号  

    内閣官房参与である飯島勲の日頃の言動から、「いずれは」とみていたが、こんなに早いとは想定外だった。飯島の電撃的な平壌訪問のことだ。14日夕、北京から平壌空港に降り立ったあの個性的な飯島の姿がテレビ画面に映し出された。

  • 海外メディアが安倍政権に懸念問われる近隣外交のしたたかさ

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    海外メディアが安倍政権に懸念 問われる近隣外交のしたたかさ

    2013年5月18日号  

    大型連休明けの7日早朝、1人の政治家の訃報が届いた。元官房長官の五十嵐広三(87)である。五十嵐の名が全国に知られたのは1969年。当時、五十嵐は北海道・旭川市長を務めており、日本で初めて旭川平和通商店街に「歩行者天国」を導入した。そして今や国民的な人気スポットになった旭山動物園も五十嵐が創設したものだ。

  • 内政順調も外交は一転視界不良大型連休が安倍の胸突き八丁

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    内政順調も外交は一転視界不良 大型連休が安倍の胸突き八丁

    2013年5月11日号  

    会期150日間の通常国会をマラソンに例えるなら、ゴールデンウイークはちょうど折り返し点に当たる。首相の安倍晋三が政権の座に返り咲いてから数えて4カ月余。安倍が発足時に宣言した「ロケットスタート」は想定以上に成功している。安倍は後方のランナーの姿が見えないほどの独走状態で折り返した。

  • 順風満帆の安倍政権の足元を北朝鮮の挑発が思わぬ形で直撃

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    順風満帆の安倍政権の足元を 北朝鮮の挑発が思わぬ形で直撃

    2013年5月4日号  

    北朝鮮の瀬戸際外交は元国家主席、故金日成の生誕記念日である4月15日までにミサイル発射がなかったことから、収束に向かいつつあるとの見方が強まっている。政府高官はこう語る。「北朝鮮はほぼ目的を達した可能性が高い。孫子の兵法にある『戦わずして勝つ』だ」確かに日本政府は当初から、北朝鮮の狙いは米朝直接対話の道を開くことにあるとみていた。

  • 安倍と距離置く重鎮が鍵出口なき対中外交の神経戦

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍と距離置く重鎮が鍵 出口なき対中外交の神経戦

    2013年4月20日号  

    首相の安倍晋三と中国国家主席の習近平との神経戦が続く。昨年12月26日に安倍が首相になってから100日余。安倍の1日を追う新聞の「首相動静欄」をすべてチェックしてみたが、電話会談すら行っていないという異常事態だ。例年通りなら来月にはソウルで日中韓の首脳会合が開かれるはずだが、外務省幹部によると、その前段、露払いの場となる外相会談すら設定されていない。

  • 国民栄誉賞ダブル授賞の裏に透ける参院選対策という打算

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    国民栄誉賞ダブル授賞の裏に 透ける参院選対策という打算

    2013年4月13日号  

    久しぶりに「え、ほんと?」と思わずつぶやいたニュースに出くわした。プロ野球元巨人軍監督、長嶋茂雄(77)と元大リーガー、松井秀喜(39)の国民栄誉賞のダブル授賞だ。これを最初に報じたのが群馬県の県紙「上毛新聞」の4月1日付朝刊。1面には2人の顔写真もなく見出しだけだった。「長嶋、松井氏に国民栄誉賞」記事は2面に掲載された。ニュースの大きさからいえば極めて地味な扱いである。4月1日付ということもあって読者から「エイプリルフールの記事なのか」と問い合わせもあったそうだ。

  • 安倍・菅ラインが密かに進める少人数の「閣僚会議」システム

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍・菅ラインが密かに進める 少人数の「閣僚会議」システム

    2013年4月6日号  

    「漁協の同意が取れたら、すぐ申請します」官房長官の菅義偉は、首相の安倍晋三にこう耳打ちした。「申請」とは米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移転先となる名護市辺野古沿岸部の埋め立て許可申請のことである。安倍は3月15日に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を決断したばかり。矢継ぎ早の決断の背景には、安倍の日米同盟強化に懸ける意気込みと同時に、菅との絶妙なコンビネーションがあった。3月22日午後3時50分すぎ、沖縄県庁に沖縄防衛施設局から段ボール箱に詰められた申請書類の山が運び込まれた。受理は午後4時。菅の計算通りの展開である。安倍はホワイトハウスで行われた先の日米首脳会談で、米大統領オバマに普天間問題を前に進めることを約束していた。1996年の返還合意から既に17年。東アジアにおける安全保障環境は中国の台頭、北朝鮮の核実験など激変した。それに合わせて在日米軍の再編計画が発表されたが、普天間問題が立ちはだかり再編は遅々として進んでいない。 主な理由は、在日米軍基地の4分の3が沖縄に偏在しているにもかかわらず、負担の軽減が一向に進まないこと。沖縄が重い負担と犠牲を強いられてきた戦前からの歴史。さらに民主党政権の迷走。とりわけ元首相、鳩山由紀夫の普天間の移転先をめぐる「最低でも県外」発言。沖縄県民の期待を高め、逆に混乱に拍車をかけた。

  • TPP交渉の裏に隠された中国包囲網という安全保障

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    TPP交渉の裏に隠された 中国包囲網という安全保障

    2013年3月30日号  

    歴史は繰り返す──。手元に今から20年前、1993年12月14日午前4時から行われた首相、細川護煕(当時)の記者会見を報じた新聞の切り抜きがある。──この決断が世界、日本の将来にとって決して間違いでなかったと評価される日が来ることを固く信じている。──コメの一部輸入、乳製品、でんぷんの関税化の影響を最小限に食い止め、農業の将来展望を切り開き、農業維新の実現ができるよう全力で国内対策に取り組むことを約束する。──この苦しみは世界の中で日本が真に開かれた国となるための陣痛の試練だ。その痛みを農家の方々だけに負わせることなく、われわれ国民のすべてが理解し、分かち合っていきたいと思う。最近どこかで聞いた記憶があるだろう。3月15日夕、首相の安倍晋三が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明した際の記者会見の発言と全く同じといっても過言ではない。細川会見は、7年にわたって協議が続いた関税貿易一般協定(GATT)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)をめぐり、最後まで未解決の課題として残った日本のコメ市場開放問題で細川が決断したのを受けて行われた。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…