記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402件
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後藤謙次 永田町ライヴ!
党内対立に気の早い内閣改造論 与野党共に乱は参院選後にあり
2013年3月23日号参院選まであと4カ月もあるというのに、気の早い永田町は参院選後をにらんで動き始めた。首相の安倍晋三が「リベンジ(仕返し)」を心に誓った参院選での「衆参ねじれ国会」の解消が、ほぼ確実になってきたことが最大の要因だ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
スピーディな決断で安倍が狙う TPP交渉への早期の参加表明
2013年3月16日号「復興は少なく見ても1年は遅れた」──。あの3・11から満2年。福島県出身の復興担当相、根本匠はこう悔しがる。民主党政権の「間違った政治主導がもたらした結果だ」と根本はみる。各省庁の横の連携が不可欠な復興事業が縦割りでは復興計画が前に進むはずはないというのが、旧建設省の官僚だった根本の分析だ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
安倍を陰で支える郵政造反組 右肩上がりの支持率も後押し
2013年3月9日号首相、安倍晋三の勢いが止まらない。やることなすことがズバズバ的中する。2月26日夕の参院本会議場でもドラマが起きた。2012年度補正予算案の採決。与党は参院では過半数に16議席足らない。常識的には否決とみられていたが1票差で逆転可決したのだ。安倍も採決後、盟友関係にある新党改革幹事長、荒井広幸に「すごい」と驚きの声を上げた。予兆は、本会議に先立つ参院予算委員会の採決からあった。与党の自民、公明に加え、みどりの風、日本維新の会、新党改革が賛成に回り、賛成多数で可決されていたからだ。しかし、参院本会議では票が読み切れず「1票差の攻防」(荒井)が続いた。採決直前には「可否同数」の見方もあったが、自民党執行部の望みは民主党を離党した植松恵美子(香川選挙区)が賛成に回ってくれること。そうなれば「1票差で可決の可能性あり」と読んでいた。ところが植松は欠席。いよいよ117対117で「可否同数」の可能性が高まった。
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自民党政権下で相次ぐ議連復活 求められる党内、業界の調整能力
2013年3月2日号日米議員連盟が4年ぶりに復活した。会長には元外相の中曽根弘文(67)が就任した。弘文の父は言わずと知れた元首相、中曽根康弘(94)。昨年、夫人の篤子を亡くしたが、側近によると、「しっかり見送りができた」と、淡々とした心境という。その中曽根康弘は首相時代に米大統領、ロナルド・レーガンとの「ロン・ヤス関係」を築いた。
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突然の核実験とレーダー照射 明暗分かれた安倍の危機対応
2013年2月23日号「北朝鮮が核実験」──。12日午後0時14分、韓国の通信社聯合ニュースが第1報を伝えた。その時、首相の安倍晋三は衆院予算委員会の合間を縫って首相官邸で財界首脳と会談していた。経団連会長の米倉弘昌、日商会頭の岡村正、経済同友会代表幹事の長谷川閑史ら。「アベノミクス」推進の一環として民間企業の報酬引き上げを要請するためだった。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
露出激減で薄れる民主党の存在 予算委と日銀人事で攻勢なるか
2013年2月16日号昨年12月の総選挙大惨敗のショックが癒えない民主党に再び衝撃が走った。2月4日付の「毎日新聞」朝刊だ。同紙が実施した全国世論調査で民主党の政党支持率はわずか5%。順位も第4位に転落した。みんなの党(同6%)の後塵を拝したのである。自民党は32%と、背中すら見えないほど距離を広げられた。自民に続くのは日本維新の会の11%。民主党の倍の数字を叩き出した。
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わずか1カ月で構築された 安倍主導の政治報道システム
2013年2月9日号第183通常国会が召集された1月28日、衆院本会議場に足を運んだ。第一印象は小選挙区比例代表並立制という現行選挙制度の持つある種の怖さだ。昨年11月の衆院解散まで議場の片隅に追いやられていた自民党の議員席が扇形の議場を大きく占めていた。今や自民党の若手ホープとなった青年局長、小泉進次郎(31)は、これまでの最前列からいきなり、最前から数えて7列目、真ん中より後ろの場所へ移動した。“大出世”である。参院からのくら替え当選組を除く115人が小泉の前方を占拠するからだ。
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人質事件の対応と相次ぐ失言で 露呈する安倍政権の脆さ
2013年2月2日号第2次安倍晋三政権が発足して26日でちょうど1カ月。安倍自身が「ロケットスタートを切りたい」と公言したように、日本経済は円安・株高に動く。各メディアの内閣支持率も60%台で推移し、出足は快調そのものだった。しかし、「好事魔多し」──。しかも安倍が得意分野と位置付ける外交で思わぬ展開に遭遇した。安倍を襲った試練は言うまでもなくアルジェリアの人質事件。首相就任後、初めての外国訪問先のベトナムでその第一報がもたらされた。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
税制改正大綱づくりが本格化 試される自民党のニュー税調
2013年1月26日号まだ道路に14日の雪が残る東京・永田町。その中で自民党本部だけは冬の寒さを忘れさせるほどの熱気で覆われる。9階の一番広い901号室を目指して連日のように次々と党所属の国会議員が玄関をくぐる。自民党税制調査会の来年度の税制改正大綱づくりが本格化したからだ。15日午前からはその中のハイライトとも言える会議が始まった。
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ASEANを重視する安倍外交 問われる米中との向き合い方
2013年1月19日号「国益を守る主張をする外交を取り戻さなければならない」首相の安倍晋三は昨年末の就任記者会見で、安倍外交の基本姿勢をこう表明した。その上で、「米国、ロシア、インド、ASEAN諸国など、世界地図を俯瞰するような視点で戦略を考えていく必要がある」と語った。こうした言動を重ね合わせると、安倍外交の狙いが浮かび上がる。「日米同盟を固めて、中国と向き合う」(政府高官)──。安倍が訪米を急いだ背景もここにあった。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
安倍は長期政権を築けるか 命運握る内閣官房参与の3人
2013年1月12日号2013年の年明けとともに新首相、安倍晋三が始動した。安倍にとって2007年以来2度目の首相としての新年だが、来年も同じ立場で新年を迎えられるだろうか。そもそも「賞味期限1年」の首相交代が続くようになったのも安倍がきっかけだ。はたして安倍は長期政権を手繰り寄せることができるかどうか。安倍がやるべき課題は決まっている。何をおいても「経済」と「外交」、この二つの立て直しだ。安倍もそのことを十分に理解しているのだろう。この2大テーマで一定の成果を短期間で出さなければ、7月の参院選で再び手痛いしっぺ返しを食らうことになるに違いない。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
経産省と財務省が主導権争い 安倍政権では早くも“内紛”勃発か
2013年1月5日号「カド番大関が勝ち越しできればいいと思って臨んだ本場所で、思わぬ全勝優勝を果たした。衆院選の結果に一番驚いているのは安倍晋三総裁ではないか」──。自民党選対幹部はこう解説した。安倍自身も投開票日から一夜明けた12月17日午後の記者会見で率直な思いを口にした。「自民党に完全に信頼が戻ったとは言えない」確かに選挙戦を振り返ると与党民主党が小選挙区候補者を立てられない選挙区が続出、結果として事実上の「自民党の不戦勝」がいくつもあった。第三極も「稽古(経験、実績)」が足りずに相撲にならなかったと言っていい。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
選挙後の焦点は自民党役員人事 カギ握る石破、菅、麻生の処遇
2012年12月22日号「強い強いと言われても実感が湧かない」──。衆院選の情勢報道で各メディアとも自民党優位を伝える中で、自民党総裁の安倍晋三は首を傾げた。投票日まで1週間を切った12月10日午後9時すぎ。安倍は都内の応援演説を終えると、自民党本部に直行した。選挙戦最後の“作戦会議”に出席するためだった。そこで示された世論調査の結果で、自民党が単独で過半数を占める数字がはじき出されていた。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
現実的な安定政権で浮上する 「自公」と「みんな」の連携
2012年12月15日号衆院の選挙戦は早くも折り返し点を迎え、各党ともラストスパートに入った。16日深夜には次の日本の政治を担う480人の衆院議員が決まる。ただし前半戦を見る限り、過去2回の「郵政選挙」(2005年)、「政権交代選挙」(09年)の熱気はない。落ち着いた選挙と言えば聞こえはいいが、それとは明らかに次元が違う。12党の乱立に加え、選挙本番直前まで繰り広げられたドタバタ劇。とりわけ本番前の主役たちが立候補しないことが有権者の失望を招いた大きな要因と言っていい。
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「日本未来の党」への合流で 最後の賭けに出た小沢の命運
2012年12月8日号準備体操も終わり、それぞれのチーム名が書かれたゼッケンを胸に選手たちがスタートラインに並ぶ。あとはスターターの号砲を待つばかり。その時だった。後ろから大声を上げながら駆け付ける一団が視界に入ってきた。 「ちょっと待った」先頭を走るのは女性ランナー。その後ろにはいかつい顔の男たちが続く──。11月27日。衆院選公示の12月4日まで残すところ1週間。選挙戦に最後の政党が名乗りを挙げた。
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野田が放った年内解散の矢 背後に小沢封じと財務省の影
2012年11月24日号「私は今週16日に衆院を解散してもいいと思っている」衆院3階にある第1委員会室。14日午後3時から始まった党首討論。定刻の5分前だった。最初に姿を見せたのが首相の野田佳彦。遅れて大きな拍手を背に自民党総裁の安倍晋三が入室した。いつものように始まった党首討論は、このサプライズ発言で野田の独り舞台となった。この部屋を埋めた与野党議員の何人がこの野田の決意を知っていただろうか。わずかに閣僚席の最前列にいた国家戦略担当相の前原誠司が興奮したように顔を紅潮させていた程度だった。やはり野田はただの「ドジョウ」ではなかった。図りに図った上での解散戦略が炸裂した。
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崖っぷちに立つ野田がすがる 経済政策と外交の一縷の望み
2012年11月17日号米大統領のバラク・オバマが再選した。民主党政権の続投は決まったが、国務長官のヒラリー・クリントンや国防長官のレオン・パネッタら重要閣僚が交代するとの情報を日本政府はつかんでいる。一足先に衣替えして再スタートを切る米国とは対照的に、日本の政治は遅々として進まない。自民党と公明党が首相の野田佳彦に繰り返し求める「年内選挙」のタイムリミットは刻一刻と近づくが、依然として「ある」とも「ない」とも言えない不透明な状況が続く。野田政権中枢から全く異なる発信が続くからだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
異常国会で増す解散躊躇の空気 背景に石原新党と都知事選
2012年11月10日号「やることをやって、早く解散しろ」──。「異常国会」が始まった。10月29日午後2時から開かれた召集日の衆院本会議場に響いた第一声は、野党席からのヤジだった。参院は通常国会での首相、野田佳彦に対する問責決議可決を盾に、この日の所信表明演説をボイコットした。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
泥縄人事が横行する野田内閣を襲った前原発言という思わぬ矢
2012年11月3日号法相兼拉致担当相の田中慶秋が23日午前、就任からわずか3週間で辞任した。これで野田佳彦が首相に就任して以来、閣僚の辞任は元経済産業相の鉢呂吉雄に次いで2人目。意外に少ないように見えるが、実はこの間に野田は3回も内閣改造を行っている。参院で問責決議を受けた閣僚が続出、その都度、改造の形で更迭を繰り返したからだ。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
“政界の寝業師”が目論むのは 国会召集先送りの年明け選挙か
2012年10月27日号「あれぐらいの政治家は、昔の自民党にはぎょうさんおったわ」──。こう語るのはこの20日で満87歳を迎えた元官房長官の野中広務である。野中が「あれぐらいの政治家」と評したのは、言うまでもなく民主党幹事長の輿石東(76)。自民党の新幹事長、石破茂(55)を怒らせることぐらいは朝飯前だ。