記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370

  • 五輪招致交渉の強固な相手は宮内庁と「朝日新聞」だった

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    五輪招致交渉の強固な相手は 宮内庁と「朝日新聞」だった

    2013年10月12日号  

    九月二六日、私の出演しているインターネットテレビ番組に下村博文文部科学大臣を招き、オリンピック・パラリンピック招致の苦労話などを聞いた。招致の成功は日本が、ご皇室、首相、選手を含む「オール・ジャパン」の総力戦で臨んだ成果だった。その中で、気にかかったのが宮内庁の対応であり、「朝日新聞」の社説だった。両者共に高円宮妃久子さまがブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席なさることへの反対論を展開した。

  • 泉田裕彦新潟県知事が展開する論は理解不能

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    泉田裕彦新潟県知事が 展開する論は理解不能

    2013年10月5日号  

    東京電力福島第1原子力発電所(以下1F)の一連の事故を防ぐ第一歩が、早期にベント(排気)を行って水素爆発を防ぐことだった点について異論はないであろう。そのベントに関して、新潟県知事の泉田裕彦氏が展開する論は、正直言って訳がわからない。

  • 国家存亡のふちに立つ韓国議員を内乱陰謀容疑で逮捕

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    国家存亡のふちに立つ韓国 議員を内乱陰謀容疑で逮捕

    2013年9月28日号  

     月刊誌「文藝春秋」で過日、日中韓米の論者による座談会があった。参加したのは米国のケビン・メア元沖縄総領事、中国の王曙光・拓殖大学国際学部教授、韓国の金恵京・明治大学法学部助教、日本は私であり、司会は宮崎哲弥氏だった。領土、歴史問題などを語り合う中で、興味深いやりとりがあった。竹島問題が提起されたとき、私は日韓には竹島問題を論ずる余裕などないと強調した。韓国はいま、国家存亡のふちに立たされており、このままいけば北朝鮮勢力に乗っ取られ、さらに中国の支配を受けるようになりかねない。韓国という国家が消滅しかねないいま、論ずべきはいかに日中韓三国が協力して朝鮮半島を韓国主導で統一するかということのはずだと指摘した。

  • 五輪招致でも被災地の現実は厳しいその中で全てを前向きに捉える人々

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    五輪招致でも被災地の現実は厳しい その中で全てを前向きに捉える人々

    2013年9月21日号  

    日本が二〇二〇年の五輪開催を勝ち取った。安倍晋三首相は五輪は「明日の未来のためのスポーツ」であり、未来を担う人間への投資だと訴えた。私がキャスターを務めるインターネットテレビ番組、「君の一歩が朝(あした)を変える!」で、スポーツジャーナリストの二宮清純氏は最後のプレゼンテーションはいわば最終面接試験であり、ここで約一〇〇人の国際オリンピック委員会(IOC)委員の胸深くに「あふれる情熱」を届けることができるかが決め手だと語った。東京の勝利は、国ぐるみの努力で日本の情熱を表現した結果だが、このことを殊のほか喜んだのが福島の友人たちだった。

  • 最高裁で平等を担保するより責任ある大人として振る舞うこと

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    最高裁で平等を担保するより責任ある大人として振る舞うこと

    2013年9月14日号  

    結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定は法の下の平等を保障した憲法に違反すると、最高裁判所が九月四日、判断した。発表文には、国民意識の変化、国際社会の勧告などに加えて、非嫡出子の相続を嫡出子の半分とすることの合理性が認められないと書かれている。

  • 【1000回記念拡大版】前を見つめる次元に立った日本 自らへの信頼が国力の基礎である

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    【1000回記念拡大版】 前を見つめる次元に立った日本 自らへの信頼が国力の基礎である

    2013年9月7日号  

    自民党が政権を取り戻して半年余り、私は、「外交にも物理的原則が働く」と喝破した清澤洌の言葉をかみ締めている。外交は「厳にその国の実力の線に沿う」のであり、国の実力とはその国の総合力と同義である。客観的に測れる経済力や軍事力とともに、数量では表現できない国民の良識や気概、勇気や信念の固さを含めた日本の力を、考えるべきときだと思う。

  • 根本において動物である人間の生後3年間に必要な安心感

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    根本において動物である 人間の生後3年間に必要な安心感

    2013年8月31日号  

    六年前に創設したシンクタンク「国家基本問題研究所」でこの秋、教育問題委員会を明星大学教授の髙橋史朗氏を迎えて設置することになった。教育は長年考えていたテーマの一つだ。だが教育ほど幅広く、奥深い課題はない。大学以上の専門的な知的分野、中学高校を中心とする分野、基本としての小学校、根源的に重要な部分としての家庭教育などがある。いずれも重要性において優劣つけ難い。けれどあえて言えば、日本の教育の最も深刻な問題は家庭教育における失敗ではないかと思えてならない。私たちは長く、人間の生きる力、その力強さを、子どもたちの中から引き出すことに失敗してきたのではないか。

  • 日本に殉じた英霊は等しく心を込めて祀るのがよい

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    日本に殉じた英霊は等しく 心を込めて祀るのがよい

    2013年8月24日号  

    八月一五日の「産経新聞」一面に北京発時事伝が掲載された。それによると、中国共産党の毛沢東政権が一九五六~五七年当時、日本との関係正常化を目指して日本の元軍人を含む「右派」への工作を展開し、「A級戦犯」の畑俊六(しゅんろく)元帥の訪中を熱望していたという。日中友好促進のために中国共産党が「A級戦犯」を熱烈歓迎しようとしていたわけで、現在とは正反対の政治状況が読み取れる。靖国をはじめとする歴史問題がどれほど政治的に利用されてきたかを示す事例である。

  • 呉氏の韓国入国拒否事件背景に内戦と情報戦あり

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    呉氏の韓国入国拒否事件 背景に内戦と情報戦あり

    2013年8月17日号  

    呉善花氏が韓国入国を拒否された事件は、「産経新聞」が一面トップで報じるなど、日本では大きく扱われた。拒否の理由は不明だが、彼女の韓国批判が原因であるのはほぼ間違いないだろう。呉氏は一五年前に日本国籍を取得した。元韓国国民による祖国に対する批判は許せないという感情が、韓国内にあるのは確かだ。しかしそれが入国拒否という政府の行動につながっていくのは常識では考えられない。彼女が語ったように、これは言論の自由への挑戦であるとともに韓国の文明度をおとしめるだけのことだ。

  • 新たな質的ねじれの解消公明党に期待される役割

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    新たな質的ねじれの解消 公明党に期待される役割

    2013年8月3日号  

    安倍自民党の圧勝に終わった参議院議員選挙を振り返ると、いろいろなことが見えてくる。NHKをはじめ各テレビ局が主催した党首討論会では、自民党対その他の政党という構図の中で、自民党が孤立しているかに思えた。原子力発電、集団的自衛権の行使、憲法改正などを例に取れば、公明党および野党にニュアンスの違いはあってもほぼ反対一色で、安倍晋三首相一人がその他の党首を相手に闘っているという風情だった。自民圧勝という結論は、メディアが報ずるこの雰囲気が世論の実態と大きく乖離していたことをあらためて感じさせた。国民が考え、感じている方向に沿って、事前の党首討論のあり方をもっと充実させる方法はないのだろうか。そうすれば議論は深まり、国民にとって考える材料を提供できるはずだ。政策論争のあり方にひと工夫もふた工夫も凝らす責任がメディアにあると思うことしきりである。

  • いまこそ憲法改正をはじめ根本的変革を目指すべきとき

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    いまこそ憲法改正をはじめ 根本的変革を目指すべきとき

    2013年7月27日号  

    安倍自民党政権の参議院選挙での圧勝を前提にして、選挙後の政治課題についての議論が盛んである。その中で安倍晋三首相周辺から発信されるメッセージの中に、気になるものがある。例えば安倍氏の直面する課題は二つあるとして、それにどう対処するかを論じた元ベテラン外交官の提言である。二つの課題とは、靖国問題や従軍慰安婦に関する河野談話の見直しなど、いわゆる歴史問題と、安全保障体制の確立、すなわち集団的自衛権の行使、防衛費の増額などによる日米同盟の強化という捉え方だ。

  • 防衛白書が詳述した中国の脅威日本はいかに防衛を強化するか

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    防衛白書が詳述した中国の脅威 日本はいかに防衛を強化するか

    2013年7月20日号  

    二〇一三年版の「防衛白書」が七月九日に発表された。冒頭に小野寺五典防衛相の言葉があり、目立つ縦書きで「国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜く」と明記されている。従来の防衛白書に見られなかった表現であり、日本国政府の決意がうかがえる。日本国民が日々感ずる国土や主権への脅威は何といっても中国による尖閣諸島海域の侵犯だ。だからこそ、白書は他のどの国よりも多い二〇ページを割いて中国の軍事動向を記した。

  • 日本よりも中国を向く韓国の対外政策の危うさ

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    日本よりも中国を向く 韓国の対外政策の危うさ

    2013年7月13日号  

    朴槿恵韓国大統領の中国訪問時の詳細を知るにつけ、韓国と朝鮮半島の未来が案じられる。六月二七、二八両日の北京訪問で、朴、習近平両首脳は計七時間半、会談した。中韓間には宗主国としての中国が韓国を属国として扱った過去の既視感が漂っている。顔合わせの席で朴大統領が「韓国と中国は感性が合いますね」と発言したが、かつて宗主国として支配し、二〇〇回以上も朝鮮半島を侵略した中国と、どのような具合に感性が合うのであろうか。自主独立の精神を持つ人間や国家にとってこの発言は理解できない。

  • 日本の主張に耳を傾け始めた英国との絆を深めていく好機に

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    日本の主張に耳を傾け始めた 英国との絆を深めていく好機に

    2013年7月6日号  

    六月二六日、英国公使のジュリア・ロングボトム氏と日本の憲法改正について語り合った。彼女の関心の一つは自民党憲法改正案の意味と改正の時期だった。「朝日新聞」などの報道故か、自民党改正案は保守的過ぎないかという感じ方があるのは興味深い。自民党案は確かに「国防軍を保持する」と明記しているが、国防軍は国会と法律によって律せられる。その役割は国民、国土の防衛と国際平和への貢献で、どの国もこの種の使命を国軍に課している当たり前のことである。

  • 事故を科学的に見ようとしない政治が福島復興を妨げている

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    事故を科学的に見ようとしない 政治が福島復興を妨げている

    2013年6月29日号  

    自民党政調会長の高市早苗氏が「東京電力福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら(原発を)活用するしかない」と発言し、民主党幹事長の細野豪志氏が一八日、即反応した。細野氏は避難生活で亡くなった「震災関連死」に触れて高市氏を「当事者意識もなく原子力政策を進めるのは与党政調会長として失格だ」と厳しく批判した。福島県は一八日、「震災関連死は一四一五人、現在も県民一五万人以上が避難生活中」と発表した。

  • 中国の太平洋進出の野望と焦りが明らかになった米中首脳会談

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    中国の太平洋進出の野望と焦りが明らかになった米中首脳会談

    2013年6月22日号  

    六月七、八日の両日、米西海岸の美しい保養地に立つアネンバーグ別荘で行われた米中首脳会談の全容についての情報はいまだ明らかではない。したがって、会談の意味について断定はできない。そうした中でも確かなことは、米中両国が友好関係の確立を演出したものの、ほとんどの事柄について、合意が得られなかったこと、中国の野望と焦りが明らかになったことなどであろう。

  • 中国に利用され国益を損ねた野中広務氏の不明瞭な発言

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    中国に利用され国益を損ねた 野中広務氏の不明瞭な発言

    2013年6月15日号  

    野中広務元自民党幹事長が北京を訪れ、六月三日、中国共産党政治局常務委員の劉雲山氏と会談した。その席で、野中氏は、「尖閣諸島の棚上げは日中共通認識だった。日中国交正常化交渉の際、当時の田中角栄首相と中国の周恩来首相の間で棚上げの合意があったという趣旨の話を、田中氏から後に聞いた」と伝えたそうだ。野中発言は中国の思惑にぴったり沿うもので、中国メディアが大きく報道したのも当然だ。私は氏の発言を知って、思わず慰安婦問題を連想した。

  • スズメの子育てを眺めるぜいたくでゆったりした時間

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    スズメの子育てを眺める ぜいたくでゆったりした時間

    2013年6月8日号  

    関東地方が梅雨入りである。平年より一週間も一〇日も早いそうだ。私は母と同じく晴れ女とよく言われるのだが、雨も好きである。強い雨が木の葉を打ち、地面をぬらし、屋根をたたいて軒先から落ちてくる。あの雨垂れの音がいい。まだ若くていまよりずっとたくさん時間があったころ、窓や扉を開けてよく雨の音を聞いた。長い午後をずっと聞き入っても、少しも飽きなかった。雨の音はあのころの私に、なぜ、あんなに優しく響いてきたのだろうか。

  • 沖縄での苛烈なせめぎ合い介入する中韓とメディアの偏向

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    沖縄での苛烈なせめぎ合い 介入する中韓とメディアの偏向

    2013年6月1日号  

    五月一九日の日曜日、祖国復帰四一周年を記念する会で講演するため、沖縄を訪れた。日帰りではあったが、県議会・市議会・町議会議員、防衛関係者、教育関係者ら、多くの人々とも意見交換した。そこであらためて感じたのは沖縄でのせめぎ合いの苛烈さである。ありきたりの表現で言えば、保革勢力のせめぎ合いである。しかし、それだけでは言い切れない複雑さが沖縄にはある。中韓両国が影響を及ぼすべく、さまざまな形であらゆる問題に介入し、そうした外国勢力に呼応する動きが沖縄側にも顕著である。

  • 歴史になり切っていない大東亜戦争時の従軍慰安婦

    櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
    歴史になり切っていない 大東亜戦争時の従軍慰安婦

    2013年5月25日号  

    NHKも各新聞も連日、安倍晋三首相の歴史認識を否定的に取り上げている。韓国や中国の対日歴史批判は実は日本国内メディア、NHKや朝日新聞の報道が誘導してきた面がある。それにしても歴史認識とは何か、歴史をどう定義するのか、一〇〇年前のことは歴史なのか。では五〇年前、一〇年前のことはどうか。

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…