関東地方が梅雨入りである。平年より一週間も一〇日も早いそうだ。私は母と同じく晴れ女とよく言われるのだが、雨も好きである。強い雨が木の葉を打ち、地面をぬらし、屋根をたたいて軒先から落ちてくる。あの雨垂れの音がいい。まだ若くていまよりずっとたくさん時間があったころ、窓や扉を開けてよく雨の音を聞いた。長い午後をずっと聞き入っても、少しも飽きなかった。雨の音はあのころの私に、なぜ、あんなに優しく響いてきたのだろうか。

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