記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370件
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
大目標を共有する勢力の結集が 衆議院議員選挙後の大きな課題
2012年12月15日号一二政党が林立する衆議院議員選挙が眼前に迫っている。各政党の名前や各党の政策の詳細も不確かなまま、投票する人は少なくないだろう。そんな中、一二月六日の各紙は選挙予測を報じた。大筋において自公が過半数を取り、民主が一〇〇議席を割り得るとの見方だ。小選挙区制では信頼を失った党は議席を激減させられるが、今度もそのようになるのであろう。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
「TBS映像事件」はテレビ等の偏向報道を示唆してはいないか
2012年12月8日号ネットを見なければわからないニュースがある。その中でもごく最近驚いたのが、TBSによる悪質としか言えない映像の「誤使用」である。一一月一六日放送の、みのもんた氏の「朝ズバッ!」で、痴漢事件で逮捕されたNHKのアナウンサーの件を報道する映像の中に、安倍晋三自民党総裁の笑顔がごく短い時間入れ込まれていた。見ると安倍氏の笑顔が、「強制わいせつ容疑」などの文字スーパーと共に報じられている。番組司会者は番組内で不手際を謝ったが、安倍氏側は「単なる不手際なのか」と疑問を抱く。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
再選後初の外遊先をタイ、ミャンマー、カンボジアとしたオバマ外交の真意
2012年12月1日号再選されたオバマ大統領がタイ、ミャンマー、カンボジアの三カ国を、再選後初の外遊先として選んだことの意味を考えてみる。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
明確な政策を掲げて選挙を戦い 強く賢い自主独立の国づくりを
2012年11月24日号一一月一四日の党首討論は野田佳彦首相が仕掛けた大技だった。それは党首討論という次元のものではなく、首相の捨て身の戦いだった。しかも相手は自民党ではなく、党内反対勢力だったと考えてよいだろう。首相のやることなすことすべてに反対するのは野党ではなく、党内勢力だった。彼らは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に反対し、尖閣諸島国有化後は種々の施設の整備にも反対した。中国の侵略的動きを抑止するための日米合同軍事訓練が予定より大幅に遅れたのも、党内反対勢力故だった。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
クリントン国務長官の退任後 懸念されるオバマ政権の中国政策
2012年11月17日号二期目のオバマ政権の最重要課題の一つが、領土拡張の野望を隠さず、米国に挑む中国への向き合い方である。とりわけ注目すべきはクリントン国務長官が言葉通り来年一月に退任する場合のオバマ政権の中国政策である。中国の習近平新体制の目指すところは依然として不明瞭だ。九月に突然、習氏が約二週間にわたって姿を見せなかったことについてさえ、情報がないのだ。閉鎖性の高い中国をめぐる外交を取り仕切ってきたのがクリントン長官であり、氏はオバマ政権一期目の対中政策を大きく変えた。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
農地集約で競争力が増すコメ TPP参加で市場拡大を
2012年11月10日号過日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関して、農業を営む木内博一氏の話を聞いたが、驚きだった。ちなみに氏は農事組合法人和郷園の代表理事である。和郷園は「和を育み、郷土を愛し、園芸を志す」という標語から命名された。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
人材を多数輩出した会津藩 歴史と価値観を伝えた教育
2012年11月3日号今年書き進めてきた著作の一つが、会津人の物語だ。苛酷な戊辰の役を戦った会津人の群像の足跡を辿れば、自ずと心は粛然となる。賊軍とされ死よりも辛かったであろう人生を、なぜ、彼らはあのように私心なく公と大義のために生きることができたのか。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
私がインターネットテレビで 週1回のニュース配信を始める理由
2012年10月27日号この一〇月二六日、金曜日から週一回のインターネットテレビを始める。現在も原稿はすべて手書きの私がなぜそんなことに挑戦するのか。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
有事の真っ只中の今 なぜ防衛予算の削減か
2012年10月20日号野田佳彦首相の頬がぷっくり膨らんでいる。元々丸い体形ではあったが、他の国家指導者の就任一年或いは二年後の体形や外見と比べると、そこには大きな違いがある。小泉純一郎氏は就任一年もすると髪の白さが目立ち始めた。痩せ型の人がさらに痩せたことは、頬の肉がこそげ落ち、頬骨がさらに高くなったことからも見て取れた。宰相の日々は激務なのだと思ったことだ。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
矛盾だらけのエネルギー政策 野田民主党政権の責任は重い
2012年10月13日号野田民主党政権の下で日本のエネルギー政策が漂流中だ。一九五六年一月の創設以来、わが国の原子力政策を推進してきた「原子力委員会」が二日、原子力政策大綱の策定を中止し、有識者による策定会議も廃止した。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
中国問題を乗り越えるための 米韓豪印、東南アジア諸国との連携
2012年10月6日号漁船団に尖閣行きの資金、500万台湾元(約1350万円)を提供したのは旺旺グループの蔡衍明会長だが、彼は江沢民元中華人民共和国国家主席の系譜につながる人物だ。つまり中国資本が漁船団を派遣したことになる。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
問題を妥協で収めることは 日本の敗北の一歩となる
2012年9月29日号尖閣諸島問題で、中国政府は反日デモを抑制しており、それ故に日本政府が尖閣防衛で積極的に動かず、「冷静に対処」するのが正しい道だという政府や多くのメディアの主張や説明は根本から間違っている。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
中国の不安定化が増す中 尖閣防衛体制の確立は急務
2012年9月22日号領土問題は究極的には戦いである。武力に訴えてでも守り抜かなければ奪われる。中国の激しい反応はその意味で領土に関する国家の姿勢としては理にかなったものだ。無論、日本の領土を奪おうとする無法は許せないのは当然だが、今回の問題はむしろ国家らしからぬ姿勢を取り続ける日本にある。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
生活インフラの整備が全く進まず住民が戻れない福島原発警戒区域
2012年9月15日号八月末、福島第一原子力発電所(F1)事故の後遺症に苦しむ市町村を取材した。F1から二〇キロメートル以上離れた広野町を手始めに、海岸沿いに、八月一〇日まで警戒区域に指定されていた楢葉町を抜け、現在も警戒区域の富岡町、大熊町、双葉町、浪江町とたどって南相馬市まで、一日かけて見てきた。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
大使の国旗を奪われても 強国の中国には怒れない日本
2012年9月8日号八月二七日夕方、北京駐在の丹羽宇一郎大使の乗った公用車が襲われ、日本の国旗が奪われた事件の意味の重大さを、野田佳彦首相は理解しているのだろうか。日本の外務省自身、日本の名誉を守り、日本の立場を主張し、国益を守る責務を忘れてしまっているのではないか。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
尖閣諸島を中国に奪われたとき 日本はこれを奪還できるか
2012年9月1日号南シナ海に中国が初めて軍事侵攻をかけたのが一九七四年一月だった。南ベトナム(当時)が領有していた西沙諸島の西半分を奪うため、海と空から攻撃し、南ベトナム軍哨戒艦二隻を撃沈、多数の兵を殺傷した。泥沼化していたベトナム戦争で南ベトナムを支援していた米国にはもはや対中反撃能力はないと見越した上での攻撃だった。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
外交は戦いである 全力で国を守らなければならない
2012年8月25日号戦後最大の危機である。北方領土、竹島、尖閣諸島から、日本の主権が切り崩されていきかねない。この最悪の状況は、自民党時代からの日本外交の失敗に基本的原因がある。とはいえ、国家観なき民主党政権誕生以来、特に際立ってきた。外交は戦いである。背景には常に武力がある。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
原発事故後の対策の拙劣さが 感情論を高めてしまっている
2012年8月18日号二〇三〇年に原子力発電の割合をどの水準に定めるべきかについて国民の意見を聞く聴取会が八月一日、福島県で開かれた。意見を述べた三〇人のうち二八人が、三〇年かそれ以前に、原発をゼロにするよう求めた。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
現在の中国はいかにしてできたか 特異な隣国についての自覚を促す書
2012年8月4日号少々前の本だが、あまりに興味深くて、書かずにはいられない。『もし、日本が中国に勝っていたら』(文春新書)である。著者は趙無眠氏、ネット上にしか存在しないペンネームだ。日本語訳は富坂聰氏。
-
櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
野田首相は信ずる政策の実現に向け、輿石幹事長を即刻更迭すべきだ
2012年7月28日号民主党幹事長の輿石東氏が原発再稼働問題に関連して、菅直人前首相に日本のエネルギー政策の提言を取りまとめるよう要請したというベタ記事が七月一八日の「産経新聞」に出ていた。驚きを通り越してあきれてしまう人事である。幹事長としての輿石氏の考えを疑わざるを得ない。