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  • 誰もが主役になる快感を演出ハーバード流宴会術48の心得

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    誰もが主役になる快感を演出 ハーバード流宴会術48の心得

    2013年2月23日号  

    まもなく新年度。異動や昇格でそわそわしたり不安な方も多いのではないでしょうか。今週は、そんな皆さんへお薦めの3冊。まず『ハーバード流宴会術』。元三菱商事社員で留学経験もある著者が、宴会やホームパーティの仕切りの極意を伝授します。宴会の原理はただ一つ。「誰もが主役になる快感を味わいたがっている」。そのために幹事は何をなすべきか。そこで示される48の心得には「宴会芸は、単純明快、どっかん、バカだなぁでいけ」「外国人との宴席はピンポンパンゲームで盛り上がる」等々。ホイチョイ風のテイストながら実に愉快で、実に売れています。新年度に向け必読の一冊です。

  • 超進学校の弱小野球部に学ぶ組織を活性化する手法

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    超進学校の弱小野球部に学ぶ 組織を活性化する手法

    2013年2月16日号  

    組織を活性化し、強くするにはいくつもの手法があることを実感させてくれる著作が相次いでいます。まずご紹介したいのが『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』。本書は、弱小・弱体の超進学校の野球部が、2004年夏の東東京大会でベスト16にまで進んだ理由を探ったノンフィクションで、ビジネス書ではありません。しかし、読み進むと、ビジネスに通じる組織論だとわかります。野球をロジックで考え、エラーは仕方がない、ピッチャーはストライクを取れさえすればよい、その代わり打ちまくる“開成野球”を見いだします。強豪校を打破することだけを目標とし、「弱さにもハリのあるなしがある」を知らしめる。時にロジック倒れになりながらも挑む姿は痛快です。

  • 信頼の獲得が最上の喜び職人に学ぶ“仕事の流儀”

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    信頼の獲得が最上の喜び 職人に学ぶ“仕事の流儀”

    2013年2月9日号  

    年明けに店舗から仕入本部へ異動になり、仕事が変わったせいなのか最近は仕事に関係する著作が気になって仕方がありません。「あぁ、羨ましいなぁ」と素直に感服したのが『建設業者』。鉄骨工やクレーンオペレーター、宮大工など建設に関わる37人の職人に聞いた仕事の流儀です。こういう専門職が確立しているという驚きだけでなく、信頼の獲得を最上の喜びとする職人魂に脱帽です。

  • 最前線の弁護士が説く交渉のゴールデンルール

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    最前線の弁護士が説く 交渉のゴールデンルール

    2013年2月2日号  

    八重洲ブックセンターは、場所柄なのか「仕事術」「交渉術」といった実用書がよく売れますが、『弁護士に学ぶ! 交渉のゴールデンルール』は、類書とは一味も二味も違う著作です。弁護士が説く交渉術なので、相手を打ち負かして勝つためのものかと思いきや大間違い。事件や調停を上手に解決するには「WIN・WIN」の視点で構えるのが大切だと説き、わかってもらえないときには「沈黙」を使うなど具体的な手法が満載です。目次に沿って考えをまとめたり手を打つだけで解決に向かうでしょう。

  • 一人ひとりが当事者意識を持ち社会を変える方策を探る3冊

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    一人ひとりが当事者意識を持ち 社会を変える方策を探る3冊

    2013年1月26日号  

    昨年来ヒットを続ける『採用基準』や『イノベーション・オブ・ライフ』に共通するのは、自らの力で考え抜き、目先の利益や成果ではなく、友人や家族、社会をも巻き込んだ成果を目指し、そこに至るプロセスを大事にするというものでした。そのための“羅針盤”が「理論」でした。

  • 新幹線を陰で支える優れたサービスを生む現場力

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    新幹線を陰で支える 優れたサービスを生む現場力

    2013年1月19日号  

    年明け第1弾に私がご紹介したいのは、着実に売れているけれども、「本当はもっと売れてもよいぞ」という3冊です。『新幹線お掃除の天使たち』は、JR東日本の新幹線車両清掃会社の話。「単に車両を清掃するだけではなく、礼儀と技術に支えられたおもてなしを提供する」という企業の姿勢と、優れたサービスが成長してきた現場力を探ります。

  • “小説仕立て”で興味を引く自分の真意の伝え方

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    “小説仕立て”で興味を引く 自分の真意の伝え方

    2013年1月12日号  

    売り場では、お問い合わせ電話の対応中に別のお客さまから声をかけられたり、上司から電話が入ったりと終日バタバタ状態。だから『本番5分前! 絶体絶命な彼らの華麗なる決断』は身に染みます。本書は、副題にもあるようにインバスケット思考を紹介した著作です。インバスケット思考とは、トラブルが同時多発した場合の対処法を身に付けるためのトレーニング手法のこと。限られた時間内でトラブルの本質を見抜き、打つべき対策のポイントを解説します。イベントプロデューサーにとんずらされたアマチュアバンドが、無事、コンサートを開けるかどうか。小説仕立てで20のトラブルを一つひとつ考えます。

  • 激しい環境変化に対応して女性が賢く生き抜くコツ

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    激しい環境変化に対応して 女性が賢く生き抜くコツ

    2013年1月5日号  

    今回、私が注目したのは女性のキャリアについての2冊。実は、「資格を取ろう」といった著作は多くても、女性のキャリア形成を真正面からテーマにした著作は多くはありません。まず『女子のキャリア』は、まさに女子たちを叱咤激励します。帯には「ハピキャリでいくかバリキャリでいくか」のキャッチ。ハピキャリは円満結婚退社、バリキャリは仕事に生きる。しかし、ハピキャリ志向でも環境変化に対応していないとシナリオ通りにはいかない時代になっていると言います。

  • 成長する企業に不可欠「責任を持つ組織」のつくり方

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    成長する企業に不可欠 「責任を持つ組織」のつくり方

    2012年12月22日号  

    日本の風土では、責任について「公共の観点から非難されるべき責(せめ)・科(とが)」という側面のみ強調されますが、「引き受け全うすべき任務」という側面は曖昧です。それを放置したままで、企業は成長の糧を得られるのでしょうか。組織コミュニケーション論の立場から「責任」を検証したのが『実行と責任』です。著者は、「現場の一人ひとりがどれだけ責任を感じているかが、組織の強さのバロメーター」と指摘。トップの責任として目標・実行・事実の共有、リスクテークを奨励するガバナンスの構築などを挙げ、内外の名経営者たちの事例を織り交ぜながら「責任を持つ組織」をいかにつくるかを解き明かします。目からうろこの指摘が並びます。

  • 新しい市場の創造に結び付く幸せな状態をつくるための何か

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    新しい市場の創造に結び付く 幸せな状態をつくるための何か

    2012年12月15日号  

    言うまでもなく書名は重要です。これで売れ行きが左右されます。『新しい市場のつくりかた』を手にしたときは、出版社の営業担当者に、「重厚過ぎて、広がりに欠けるのでは」と注文を付けたのですが、読後は、このタイトルしかあり得ないのだ、と心から納得。

  • 外資系のプレゼンの神髄は一目見て理解させる資料作り

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    外資系のプレゼンの神髄は 一目見て理解させる資料作り

    2012年12月8日号  

    今月はまず、“外資モノ”でお薦めの2冊からご紹介していきましょう。プレゼン関連の書籍は、書棚に一区画ができるほど多いのですが、『外資系コンサルのスライド作成術』は、コンサルタント会社を渡り歩いてきた著者による類書とはまったく違う衝撃的なプレゼン本です。その神髄とは、プレゼンをしなくてもすべてを理解してもらえる資料作りです。しかも、読み解かせるのではなく一目見てストンと理解させる資料作りです。

  • アルバイトは重要な人材資源モチベーションを経営に生かす

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    アルバイトは重要な人材資源 モチベーションを経営に生かす

    2012年12月1日号  

    書店にはアルバイトスタッフが多く、共に働いている者としては『アルバイトだけでもまわるチームをつくろう』は無視できません。一見、アルバイトを軸とする変動費経営を勧めているかのようにも思える書名ですが、内容はまったく逆で、類書を見ない「アルバイトマネジメント論」です。アルバイトに、「会社は自分たちを大事にしてくれる」と実感してもらい、モチベーションを高め、本来の強さを発揮してもらう。アルバイトを重要な人材資源と位置付けて、それが強みとして経営に反映されるマネジメント手法の数々を示します。

  • ソーシャルは「善なるもの」?お金で買える“いいね!”の裏側

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    ソーシャルは「善なるもの」? お金で買える“いいね!”の裏側

    2012年11月24日号  

    今さら「アラブの春」を持ち出すまでもなく、ソーシャルネットワークが持つ社会変革力は強靱で、ツイッターで多くのフォロワー数を誇る新しいスターも誕生しています。それらは一貫して「善なるもの」として受け入れられていますが、はたして本当にそうなのか。『ソーシャルもうええねん』は、そう問いかけます。著者自身も著名なブロガーで、本業はプログラマー。だからソーシャルネット(業界)の裏事情にも精通していて、例えば「“いいね!”1万人分はいくらで買える」とか「なぜ3日間で多額の義援金を集められたか」などを明かしていきます。

  • 「意志力」の強化に不可欠な自分を観察すること

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    「意志力」の強化に不可欠な 自分を観察すること

    2012年11月17日号  

    昨年の今ごろは『スティーブ・ジョブズ』が出て大ヒットしただけに、経済書担当として今年はどうしようかと頭が痛い日々です。しかし、救いの神になりそうな本が出てきました。

  • 社員の意識改革にもつながった水戸岡デザインの全貌を読む

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    社員の意識改革にもつながった 水戸岡デザインの全貌を読む

    2012年11月10日号  

    今回も、新宿の街から楽しくて売れている3冊をご紹介します。

  • 有力ビジネス思想家が描く働き方、マネジメントの未来図

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    有力ビジネス思想家が描く 働き方、マネジメントの未来図

    2012年11月3日号  

    「Thinkers50」は、クライナー・ディアラブ社がウェブ投票や専門家のアドバイスを基に2年に1度公表している「最も影響力のあるビジネス思想家」ランキングです。2011年版で12位と3位になった2人の学者の著作が今、快調に売れています。

  • 組織はあるがチームがない似た者同士がつくる日本社会

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    組織はあるがチームがない 似た者同士がつくる日本社会

    2012年10月27日号  

    ジム・コリンズの『ビジョナリーカンパニー4』が9月下旬から店頭に並びました。理由は省きますが、創業から2002年までの間に、株価が市場・業界平均を10倍以上上回ることを継続している「10X型企業」7社を発掘。その特徴を、例えばインテルに対するAMDというように同一業種の他社との対比を織り交ぜながら分析しています。

  • 成り上がり的上昇志向はなし謙虚に仕事に向き合う働き方

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    成り上がり的上昇志向はなし 謙虚に仕事に向き合う働き方

    2012年10月20日号  

    売れている本を並べてみると、そこには今日びのスマートな仕事論とは違う、肩の力が抜けた解放的な気分が共通してありました。

  • 上手に読み解きスマートに使う誰もが憧れる「数」のリテラシー

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    上手に読み解きスマートに使う 誰もが憧れる「数」のリテラシー

    2012年10月13日号  

    「数」を上手に読み解き、スマートに使う。誰もが憧れるリテラシーで、だからこそ『「経済効果」ってなんだろう?』とくれば手に取らないはずがありません。

  • 人生を盗まれないための仕事にしがみつかない生き方

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    人生を盗まれないための 仕事にしがみつかない生き方

    2012年10月6日号  

    仕事を頑張るのはよいが、いつしか仕事にしがみつき、他の生き方や価値観があるのを忘れ、「負けてもいいじゃないか」という気持ちすら失ってしまう。四十路も半ばというのに、なかなか大人になれません。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…