記事一覧:元特捜部主任検事のざわめき59件
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元特捜部主任検事のざわめき
マイナンバー汚職に思う 贈収賄捜査の苦労と困難さ
2015年10月16日厚生労働省の室長補佐が受注業者から現金100万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された。14億円超という受注総額からして複数の余罪が見込まれるし、何かと話題のマイナンバーに関連する事件でもあり、立件価値は高い。では、一般にこの種の事件をどのようにして察知し、捜査を進め、立件へと繋げているのか。今回はこの点に言及してみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
日歯連迂回献金事件に見る 政業癒着の懲りない体質
2015年10月2日安保関連法案の可決で長かった通常国会が閉会した。政局への影響を懸念して開店休業状態だった東京地検特捜部も本格的に動き出した。「秋の陣」の目玉の一つと見られていた日本歯科医師連盟による迂回献金事件だ。今後の展開などを見てみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
司法試験漏えい事件に見る 法曹養成制度の行き詰まり
2015年9月18日司法試験考査委員を務めていた明治大学法科大学院の元教授が教え子に試験問題を漏えいしたとされる事件。東京地検特捜部の捜査が進められる中、法務省も原因究明と再発防止策を検討するワーキングチームを設置した。今回はこの事案を取り上げたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
酒もタバコも18歳から? 改めて問う大人と子どもの境界線
2015年9月4日2日、自民党の特命委員会で少年法の適用除外年齢や民法の成人年齢、飲酒喫煙可能年齢などのラインを18歳まで引き下げるべきとする政府への提言案が示されたが、了承には至らず、継続審議となった。少年法については既にこの連載で取り上げていることから、今回はその他の分野に関する問題点を示したい。
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元特捜部主任検事のざわめき
池袋暴走事件に見る 危険運転の罪と罰
2015年8月21日JR池袋駅東口近くの歩道に暴走車が突っ込み、女性1名を死亡させ、男女4名に重軽傷を負わせた事件。運転手の男性(53)に対する捜査が進められているが、事故原因によってその罪と罰も大きく変わってくる。今回はこの事案を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
岩手中2自殺事件に思う いじめ問題で親にできること
2015年7月31日岩手県矢巾(やはば)町で町立中学2年の男子生徒(当時13)が電車に飛び込み、自殺した事件。学校側はいじめが自殺の一因と考えられるものの、これを認識できず、自殺も予見できなかったとの調査報告書をまとめた。こうした事件が起きた時、親として法的に何ができるだろうか。今回はこの問題を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
東芝の「不適切会計」が 大型経済事件に転じるポイント
2015年7月24日東芝の「不適切会計」を巡る問題は、歴代3社長らが引責辞任する事態に発展した。彼らを厳しく指弾する第三者委員会の調査報告書を読む限り、極端な上意下達と成果主義に走った典型的な「粉飾決算」の様相が垣間見え、司直の手による徹底捜査が望まれる。今回は、この事案を取り上げたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
安保法案の影で静かに審議が進む 刑事司法改革法案に思うこと
2015年7月10日何かと話題の安保法案と比べると地味で目立たないものの、今国会ではいずれ国民生活に重大な影響を与えることとなる刑事司法改革法案の審議も着々と進んでいる。改革の元凶となった張本人として多方面からこの法案に対する見解を求められていることから、この機会に思うところを示したい。
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元特捜部主任検事のざわめき
再犯必至の凶悪事件で注目される 知られざる仮釈放の決まり方
2015年6月29日12日、千葉地裁は、強盗殺人などに問われた柏市連続通り魔事件の被告人(25)に対し、求刑通り無期懲役を言い渡した。被告人の控訴で判決確定には至っていないが、このまま確定した場合、何年くらいで社会に戻ってくるのかが話題だ。
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元特捜部主任検事のざわめき
年金情報流出で改めて垣間見えた 危機意識の低さと情報管理の甘さ
2015年6月12日サイバー攻撃で約125万件にも上る個人の年金情報があっけなく流出した日本年金機構。こうした事態だからこそ機構自ら逐次正確な情報発信を行うべきだが、そのホームページにまで脆弱性が発見されて閉鎖となるなど、混迷の一途をたどっている。今回はこの問題を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
店員のミスでも詐欺罪で逮捕? 釣り銭間違いで留意すべき点
2015年5月29日5月21日、宮城県のコンビニエンストアで会社員の女性(47)が約4万5千円の釣り銭をだまし取ったという詐欺の容疑で逮捕され、話題となっている。店員が間違って釣り銭を多く渡しすぎたことが一因とされる一方、女性もその間違いに気づかなかったと述べているからだ。少額であればよくある光景であり、身につまされる方も多いだろう。そこで今回は、この事案を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
間の抜けた官邸ドローン事件に見る 穴だらけの危機管理体制と法規制
2015年5月15日安全運転に努めていても、無謀運転の車にヒヤッとさせられた経験があるドライバーは多いだろう。4月13日、そうした「もらい事故」に関し、もらった側の賠償責任を認める異例の判決が下され、理不尽だと話題になっている。ただ、誤解を招く記事が多く、報道されていない事実もあることから、今回はこの事案を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
居眠り運転の車両と正面衝突 「もらい事故」でも賠償責任あり?
2015年5月1日安全運転に努めていても、無謀運転の車にヒヤッとさせられた経験があるドライバーは多いだろう。4月13日、そうした「もらい事故」に関し、もらった側の賠償責任を認める異例の判決が下され、理不尽だと話題になっている。ただ、誤解を招く記事が多く、報道されていない事実もあることから、今回はこの事案を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
検事に対する殺人予告で逮捕 知られざる「お礼参り」の実態
2015年4月17日13日、法廷で実刑判決を受けた後、公判担当の男性検事(38)に「殺したるからな」などと言って脅した容疑で男(37)が逮捕された。珍しい事案であることから、今回はこれを取り上げるとともに、検事に対する「お礼参り」の実態などについて触れてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
フルフェイスのヘルメットが必要? プロ野球観戦中の事故で初の賠償判決
2015年4月3日プロ野球のペナントレースが開幕した。高額年俸を蹴ってアメリカから凱旋帰国した広島東洋カープ・黒田博樹投手の活躍など、低迷するプロ野球人気を盛り上げる話題も多々あり、経済効果が期待される。他方、奇しくも開幕前日である先月26日、観戦中のファウルボール直撃事故に対し、初めて観客側の賠償請求を認める判決が下った。臨場感か安全性か。自己責任論とも関連する問題だが、報道されていない事実もあるので、今回はこの事案を取り上げたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
川崎中1殺害事件に見る 大人と子どもの境界線
2015年3月20日今国会で選挙権が18歳まで拡大される見込みだ。民法の成人年齢も引下げに向けた検討が始まる。次は厳罰化を含めて少年法も、という話になるだろう。そうした中、川崎中1殺害事件で逮捕された少年らの実名や顔写真がネット上に流され、一部雑誌でもそれらの情報が報じられた。今回は、この問題を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
拒絶がなくてもセクハラはアウト 改めて問われる企業の取組み姿勢
2015年3月6日先月26日、言葉によるセクハラで出勤停止や降格とした処分の妥当性が争われ、一審、控訴審で結論が分かれていた裁判で、最高裁がこれを妥当とする判決を下した。あらゆる企業に影響を与える重要な判断であることから、今回はこの事案を取り上げたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
相次ぐ判断の覆しと辞退続出で 存在意義が問われる裁判員制度
2015年2月20日死刑判決を含め、一般から選ばれた裁判員らが様々な知識や社会経験に基づいて熟慮を重ね、素朴な市民感覚に基づいて下した判断。それが高等裁判所や最高裁判所のプロの裁判官によって覆される事態が続いている。今回はこの問題を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
日本人人質拉致殺害事件で 警察にできること、できないこと
2015年2月6日イスラム過激派組織ISIL(自称「イスラム国」)の日本人2名に対する人質拉致事件は最悪の結果で終わった。憎むべきはこの犯人グループにほかならない。被害者の住居がある警視庁と千葉県警は合同捜査本部を設置した。今回はこの問題を取り上げてみたい。
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元特捜部主任検事のざわめき
2代続く絶対的エースの登板 新特捜部長の人物像と当面の課題
2015年1月23日現職時代、数多くの上司先輩に仕えたが、厳しいながらも人格見識や気配りに優れ、この人のためなら真冬の日本海に飛び込んでもいいと思えるほど惚れ込んだ検事が2人いた。1人は大阪地検特捜部の主任や副部長、名古屋地検特捜部長などを歴任し、現在は性犯罪の厳罰化を進める法務省有識者検討会委員の最高検・田中素子氏。もう1人が東京地検特捜部の新部長に就任する齋藤隆博氏(52)だ。齋藤氏は前任部長の山上秀明氏と同じ中央大学法学部卒。2代続けて特捜系エース検事の登板となる。そこで今回は、間近で見たその人物像や想定される当面の課題などを示したい。