記事一覧:特集22552

  • 特集2
    伊藤隆敏(東京大学大学院経済学研究科教授)インタビュー

    2013年2月2日号  

    2006年と08年の数カ月を除いて、日本ではこの15年間デフレが続いている。すべて日本銀行のせいだとはいえないが、長期的に見れば金融政策が物価に対して最も大きな影響力を持つことは確かだ。その点で日銀の責任は重い。

  • 特集2
    【EPILOGUE】 日銀内を活性化させた“外圧” ポスト白川体制に残された課題

    2013年2月2日号  

    不毛な消耗戦を終えた日銀は、一見すると安倍政権の要求を丸呑みしたかに思えるものの、ふたを開けてみれば“軌道修正”をなんとか図った様子がうかがえる。だが、課題は山積したままだ。

  • 特集2
    【Part 2】 ◎金利上昇 住宅ローンは変動から固定へ 早めの切り替えも検討する

    2013年2月2日号  

    「早期に2%の物価上昇率目標を達成する」──。日本銀行と政府が合意した新たな金融緩和の枠組みで、住宅ローン金利はどんな影響を受けるのだろうか。

  • 特集2
    【Part 2】 ◎国債暴落 銀行が危ぶむ最悪シナリオ 国債保有増でたまるマグマ

    2013年2月2日号  

    融資の低迷であり余った資金を国債に振り向けてきた銀行業界。保有資産の中で極端に膨れ上がった国債という風船には、暴落という“針”が迫りつつある。

  • 特集2
    【Part 2】 ◎副作用 シャープ危機を助長した温床 BISが警告する四つの弊害

    2013年2月2日号  

    シャープが約4000億円を投じて大阪府堺市に新工場を建設すると発表したとき、当時(2007年7月)の日本銀行のボードメンバーの1人は「不安を覚えた」と明かす。日銀の超金融緩和策による異常な円安が、彼らを“過信”させる一因となってしまってはいないか、というのである。もちろんシャープの過剰投資は超緩和策だけが理由ではあるまい。ただ、それが一因となって生まれた心地よい円安と低金利環境が、真の問題を覆い隠し、国内企業の生産性向上などによる競争力強化の努力を鈍らせたとの見方は少なくない。

  • 特集2
    【Column】 日銀はデフレ脱却のために ケチャップよりテレビを買え!

    2013年2月2日号  

    そもそも日本のデフレの原因は何か。人口減少など諸説あるが、プリンストン大学教授時代に日銀批判の急先鋒として知られていたバーナンキFRB議長は当時、こう述べた。「日銀はケチャップでも何でもいいから買え。そうすればデフレから脱却できる」。

  • 特集2
    【有識者提言(3)】 井上哲也(野村総合研究所金融ITイノベーション研究部長)インタビュー

    2013年2月2日号  

    日本経済を巡る状況がやや好転しているにもかかわらず、日銀が追加緩和に踏み切った。金融市場はともかく、広く国民の間では、日銀が金融緩和に消極的であったという見方が強いようだ。日銀が大規模な資金供給やリスク資産の買い入れを行うだけでは、景気や物価を押し上げる効果には限界があることが、十分に理解されているとは言い難い。

  • 特集2
    【有識者提言(2)】 池尾和人(慶應義塾大学教授)インタビュー

    2013年2月2日号  

    なぜ日銀は政治要求を正論で突き返さないのか、との批判がある。しかし、選挙に大勝して勢いのある政権に対して、そのような姿勢を取って「玉砕」する道を選んでどうするのか。それは日本的美学には適うかもしれないが、無責任である。

  • 特集2
    【有識者提言(1)】 須田美矢子(前日本銀行審議委員)インタビュー

    2013年2月2日号  

    日本銀行を巡る環境が非常に悪化している中、日銀の政府に対する姿勢が受け身のように見える。2012年7月28日号の週刊ダイヤモンド「挑戦する世界の中央銀行」で述べたように、政府が「実質2%成長・名目3%成長」という目標を達成すべく、独自の政策手段が乏しい日銀に期限付きでデフレ脱却を迫るのではと危惧していたが、まさに現実のものとなりそうである。

  • 特集2
    【有識者提言】 ここがヘンだよ日本銀行

    2013年2月2日号  

    日本銀行の苦労を知るよき理解者であり、ゼロ金利以降、複雑さを極める非伝統的金融政策にも造詣が深い国内きっての有識者たちが、日銀にあえて直言する。

  • 特集2
    【Part 2】 ◎効果 膨らみ続ける日銀の総資産 「ヘリコプターマネー」の勘違い

    2013年2月2日号  

    「日本の金融政策に関する若干の考察」。2003年、こう題した日本講演で日本銀行の量的緩和の不足ぶりを批判したとされるバーナンキ氏(現FRB議長)は、ひっそりと日銀の審議委員を訪ねていた。「購入している国債は、どうやって売るつもりなのか」量的緩和の技術的な手法を説明すると、バーナンキは「そんなことができるのか」と感心して帰っていったという。

  • 特集2
    【Column】 世界の中央銀行が注視する 超金融緩和策の“出口”とは?

    2013年2月2日号  

    今は大量の金融資産を買い入れて超金融緩和策を実施している世界の中央銀行だが、将来景気が過熱すれば、適切なタイミングで資産を売却する必要がある。その“出口政策”は困難を極める。

  • 特集2
    【Part 1】 超緩和策で崩壊した“日銀哲学” あるべき姿を見失った中央銀行

    2013年2月2日号  

    世界に類を見ない規模で金融緩和を実施してきた日銀が、なんとも割り切れない表情を見せるのはなぜなのか。そこには、かつての自分とのギャップに戸惑い、自己喪失に陥る姿があった。

  • 特集2
    【Part 1】 失策を繰り返した歴史 日銀の金融政策・徹底検証

    2013年2月2日号  

    「看過できない」2012年12月19日、日本郵政が決めた新社長人事に自民党が異議を唱えた。2代続けて旧大蔵省OBがトップに就くことに対し、菅義偉・自民党幹事長代行が強く反発したのだ。菅氏といえば当時、安倍政権の官房長官に既に内定していた安倍首相の側近。この様子を眺めていた日本銀行周辺では、「これで財務省OBは厳しくなったのでは」との憶測が飛び交った。次期日本銀行総裁のことである。13年4月8日に任期を終える白川方明総裁の後任は、衆参両院の同意を得て内閣が任命する。有力候補として取り沙汰されるのは、財務省OBか経済学者で、日銀プロパーは蚊帳の外。その後も与野党を問わず財務省OBが適任かどうかで意見が噴出し、情勢は混迷を極めている。

  • 特集2
    【Part 1】 募る不信 揺らぐ独立性

    2013年2月2日号  

    中央銀行が政府の言いなりになると困りものだ。だからこそ、世界の主要中央銀行には“独立性”なるものが与えられている。だが、安倍政権が日銀にその必要性を感じないのには訳がある。

  • 特集2
    【大図解】 日本銀行の基礎知識 金融緩和って何?

    2013年2月2日号  

    安倍政権誕生以降、「日本銀行」と「金融緩和」が話題に上らない日はない。日銀が行う金融緩和とは、いったいどういうことなのか。仕組みをわかりやすく図解しよう。

  • 特集2
    【Column】 インフレ目標は時代遅れ 世界の金融政策運営の実態

    2013年2月2日号  

    世界を見渡せば、インフレ目標政策はもはや“役目を終えた”制度。日本がインフレ目標を導入するかどうか不毛な議論をしている間に、世界は“次”のステージに移行しようとしている。

  • 特集2
    【PROLOGUE】

    2013年2月2日号  

    それはいかにも不毛なやりとりだった。「もう、目標という表現にはこだわっていません」 1月21~22日に開催された日本銀行の金融政策決定会合。そのおよそ1週間前、そう語ったある日銀幹部の表情はどこかさっぱりとしていた。「デフレ脱却とは一体何を意味するのか、国民的な議論が巻き起こることを期待しています」。幹部はそう心情を吐露した。日銀を取り巻く環境が急変したのは2012年12月16日、安倍晋三総裁率いる自民党が衆議院選挙で大勝してからだ。機動的な財政政策や成長戦略に加えて、「大胆な金融緩和」を3本柱の一つに掲げる安倍政権が、日銀に強く干渉してきたのだ。

  • 特集2
    日銀陥落

    2013年2月2日号  

    1月22日、日本銀行が安倍政権の要求を丸呑みする形で、2%の“インフレ目標”を導入した。「2%」とは実現可能な数値なのか。はたして日銀は、政府の要求を何でも聞くようになったのか。日銀陥落の真相に迫る。

  • 特集2
    クラウドファンディングの夜明け

    2013年1月19日号  

    英語で「群衆」を意味するcrowdと、「資金調達」を意味するfundingを組み合わせた造語、クラウドファンディング。新たな資金調達の手段の一つだが、日本ではまだ緒に就いたばかりだ。先行している米国事情と併せてお届けする。 

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…