記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370件
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
市場経済も軍事力も拡大中の北朝鮮 日本は国民守る手立ての早期整備を
2017年6月10日号「北朝鮮はわれわれが考えていた以上に強い国力を有していて、経済は成長を続けています。市場経済が発達して、恐らく、国民の生活水準は過去になかった程、高くなっていると思います」米国のジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮分析サイト「38ノース」の編集長兼プロデューサーを務めるジェニー・タウン氏が、都内で開かれた小規模の勉強会で語った。
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「自分ファースト」に映る小池都知事 言葉に信を置けない同氏の実行力を注視
2017年6月3日号飯島勲氏といえば長年小泉純一郎元首相に仕えた人物として名高い。小池百合子氏といえば、政党を渡り歩き、多くの政界実力者に接近してきたことで名高い。都知事就任以降の氏は、敵を作って対立構造に仕立て、相手を悪者、自身を改革の旗手と位置づけて、高い支持率を保つ。
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自衛隊は違憲のまま放置すべきでない 国際情勢の厳しい今こそ改正へ歩みを
2017年5月27日号安倍晋三首相が、憲法改正の直球を投げた。現実主義の極みを行くその提言で、停滞しきっていた憲法改正論議が賛否両論共に、俄かに活性化した。首相は五月三日の「読売新聞」紙上で単独インタビューとして改正への斬新な考えを披瀝した。同日午後には「民間憲法臨調」などが主催する「公開憲法フォーラム」へのビデオメッセージで、「読売」に語ったのと同じ内容を繰り返した。
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経済政策の具体論見えない共産党 共闘の民進党ともに描けぬ明るい展望
2017年5月20日号連休中に読んだ『共産主義の誤謬』(福冨健一著、中央公論新社)がためになった。民進党が日本共産党と選挙協力を深めようとするいま、共産党が一体どんな政策を実現しようとしているのか、知っていればきっと役に立つ。皇室については「一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は民主主義および人間の平等の原則と両立するものではない」として、否定する。
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戦後七〇年を経て再演された「海道東征」と 根源的な自然の力宿す高千穂の巡り合わせ
2017年5月13日号過日、偶然が重なって日本をお創りになった神々の世界に触れることができた。感動の重なりで心が充たされる経験だった。四月一九日、東京で「産経新聞」主催のコンサートがあり、初めて「海道東征(かいどうとうせい)」を聴いた。周囲の人たちに尋ねても海道東征のことを知っている人は多くはなかった。私とて詳しいわけでは、全くない。
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国益重なる蔡総統の台湾と日台関係強化を 関係法の議論だけでも現政権の支えに
2017年4月29日号台湾総統の蔡英文氏の試練が続いている。二〇一六年初めの総統選挙で台湾(本省)人の政党である民進党を率いて、外省人の政党、国民党に歴史的勝利をおさめた。一六年五月に総統に就任以降、国民党政権の負の遺産を振り払おうと攻勢をかけてきた。
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トランプのシリア攻撃で複雑化した中東情勢が日本に及ぼすこの上なき深刻な脅威
2017年4月22日号ドナルド・トランプ米大統領はシリアの化学兵器使用にも手を打たないのか。そう考えて、先週、本欄で批判した。ところがその直後の四月七日(日本時間)、米国は断固たるシリア攻撃に踏み切った。一八〇度の方針転換。それを受けて異例のスピードで展開されたシリア攻撃は、短時間の準備であったにも拘わらず極めて周到になされており、米国の力を見せつけた。
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自国の繁栄ばかり優先する米中により 世界情勢の先行きに大きな不安要素続出
2017年4月15日号北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、シリアでは猛毒サリンと見られる化学兵器が使用された。世界情勢の先行きに大きな不安要素が続出している。諸国の蛮行を抑制するには、力のある国が力を背景に説得しなければならない。力のある国といえば、米国である。
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森友学園問題で脇の甘さはあるものの社会の一隅に光を当て続けた昭恵夫人
2017年4月8日号森友学園問題で首相夫人の安倍昭恵氏を国会に証人喚問すべきだと野党が主張すれば、片や自民党側は証人喚問は刑事罰に相当するかもしれない行為をした人物に対するもので、今回の事例は全く該当しない、加えて夫人は公人ではないと、反対する。
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ツイートとは異なるまともなトランプ外交で西側総崩れは回避でも厳しい北朝鮮対応
2017年4月1日号「米国外交における最重要の二人の大人」。三月二一日付の「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)紙に、こう書かれたのは、国防長官のジェイムズ・マティス氏と国務長官のレックス・ティラーソン氏だ。ドナルド・トランプ大統領のツイートは依然として矛盾だらけで、米国外交の展望が見えない。私がそう言うと、米国のヴァンダービルト大学教授のジェイムス・E.アワー氏が笑った。
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左右陣営双方が絶対に譲らない構え 内乱とも言うべき切迫した韓国情勢
2017年3月25日号韓国は革命前夜だと言ったら、韓国人の洪熒(ホン・ヒョン)氏が「前夜ではありません。すでに内戦です」と反論した。憲法裁判所が朴槿恵大統領弾劾訴追を承認して、罷免の決定を下したのが三月一〇日だった。保守派はこの判断を合憲だとは認めず、「国民抵抗権」の旗印の下に「国民抵抗本部」を設置し、街頭に出て弾劾を弾劾すると気勢を上げる。
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北朝鮮戦略で自衛に対する準備必要 それでも安倍首相に考えてほしい拉致問題
2017年3月18日号マレーシアの国際空港では金正男氏をVXガスで殺害、ミサイル発射では事実上、標的は在日米軍基地だと発表してみせる。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の一連の決定は、危機が新たな段階に入ったことを示している。
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施政方針演説は“安全運転”で好感されても 本質は“はったり”のトランプ大統領
2017年3月11日号二月二八日夜、ドナルド・トランプ米大統領が、上下両院合同会議で施政方針演説を行った。「アメリカ人は世代を継ぎ一貫して、今日に至るまで真実、自由、正義の松明を掲げてきた。松明はいま我々の手にある。我々は松明で世界を照らす。ここに私は団結と力強さを発信する。それは私の心奥からのメッセージだ」。
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左派勢力主導で進む韓国大統領の弾劾裁判 異議を唱える保守勢力がデモで巻き返し
2017年3月4日号朝鮮半島情勢は北も南も緊迫事態だ。北朝鮮は金正恩氏の指示による金正男氏殺害事件という国家犯罪を引き起こした。身内の異母兄を刺客を放って外国で殺害させた最大の要因は、正恩氏の恐怖心だと分析されている。
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大統領補佐官の辞任は政権内の闘争か 万全な目配りが必要な日米関係の構築
2017年2月25日号ドナルド・トランプ米大統領の政策や決定を評する中で最も頻繁に使われる語彙が衝動的、或いは直感的という言葉である。CNNの政治討論番組で、論者の一人がトランプ氏を見ているとベーブ・ルースを思い出すと言った。アメリカ野球界の英雄、ベーブ・ルースはある日「なぜそんなにホームランを打てるのか」と問われ、「ただ直感的に打っているのさ」と答えたそうだ。
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キッシンジャー元国務長官の影響で暴言沈静化 くすぶるトランプ大統領が中国と手を結ぶ可能性
2017年2月18日号リチャード・ニクソン元米大統領に仕えた元米国務長官、ヘンリー・キッシンジャー氏は親中派の中の親中派である。一九二三年生まれの高齢の氏がいまワシントンと北京、ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席を「つなぐ人物」といわれる。
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友を退け敵をつくるトランプ政権の未来は孤立化と衰退の道
2017年2月11日号邦字紙は無論、英字紙の外信、経済、政治のどの面も、連日、ドナルド・トランプ米大統領関連の記事で埋まっている。米大統領選挙期間中、米国のメディアはトランプ旋風で視聴率が上がり、収益が改善したと、悪い冗談のようにいわれている。大統領になればなったで、次々と繰り出す刺激的な大統領令で、氏はメディアの主役を張り続ける。
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ポピュリズムに突き進むトランプ大統領 求められる民主主義の「内なる敵」への正対
2017年2月4日号自由の旗手であるはずの米国大統領、ドナルド・トランプ氏が「保護主義は国益に資する」と就任演説で語り、市場経済を政治の道具にする中国の習近平主席が「自由な市場経済こそが繁栄のもと」と、ダボス会議で世界に訴える。
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慰安婦像どころではない厳しい局面へ 左翼勢力が攻勢をかける韓国との関係
2017年1月28日号韓国と付き合うのはほとほと疲れるという日本人は少なくない。ソウルの日本大使館前の慰安婦像に続いて釜山の総領事館の裏門前にもう一つ像が設置された。釜山区長は像を永久保存する方針だそうだ。
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国内経済に特化したトランプの会見 懸念される米国の地位と力の弱体化
2017年1月21日号「ハロー、シカゴ!」。バラク・オバマ米大統領が晴れ晴れとした表情で呼び掛けた。任期八年を締めくくる退任演説をホワイトハウスではなく、自身の活動の原点、シカゴで行ったのだ。会場を埋めた熱心なオバマ支持者らが終始去り行く大統領をたたえる声援を送り、演説は、なんと、七四回も拍手で中断された。