記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370件
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
森友文書だけが日本の問題ではない 国の安全への責務を政治家は自覚すべきだ
2018年3月31日号三月一九日の参議院予算委員会で安倍晋三首相は、森友文書書き換え問題で「行政全体に対する最終的な責任は首相である私にある」と陳謝した。その上で、「私や妻が国有地払い下げや学校の認可に関与した事実はないことは明らかだ。書き換えを指示していないし、そもそも財務省理財局や近畿財務局の決裁文書などの存在も知らない。指示のしようがない」と語った。
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政権非難溢れる森友文書書き換え問題 メディア側は確たる証拠を示すべきだ
2018年3月24日号今日(三月一五日)の新聞広告で「週刊文春」の激烈な見出しに驚いた。「総力取材『森友ゲート』これが真相だ!」「安倍夫妻の犯罪」と大書している。「犯罪」とは尋常ではない。私は財務省発表の「決裁文書の書き換えの状況」と題した資料、七八ページ分を精読したばかりだ。
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韓国の社会主義化や北朝鮮化が進行中 文大統領と保守派のせめぎ合いに注目
2018年3月17日号南北朝鮮の動きが急である。二月九日に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正氏が訪韓、韓国の文在寅大統領の特使団が三月五日に訪朝し、翌日には、板門店の韓国側施設で四月末に首脳会談を開くと発表した。
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世界で進む“中国対民主主義”のせめぎ合い 価値観守るには国民全体の力が必要に
2018年3月10日号過日、高須クリニック院長の高須克弥氏に会った。チベット亡命政府がロブサン・センゲ首相の来日に合わせて開催したレセプションでのことだ。テレビのCMでお馴染みの高須氏が「昭和天皇独白録」原本をオークションで落札し、皇室にお渡しすると発表した。そんなことで氏は愛国の人なのだと、私は感じていた。
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弾圧に耐えるチベットの人々 暴虐を隠蔽し続ける中国共産党
2018年3月3日号中国共産党の弾圧を逃れたチベット仏教最高位のダライ・ラマ法王一四世が、インド北部のダラムサラに亡命政府を樹立したのが一九五九年である。今年から来年の一年間をチベット亡命政府樹立から六〇年と位置づけ、ロブサン・センゲ首相が国際社会にチベットの自由への闘いの意味を語る旅を続けている。来日した首相が強調した。
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予測できない金兄妹の韓国呑み込み作戦 日本は憲法改正の一日も早い発議を
2018年2月24日号北朝鮮の独裁専制君主、金正恩氏の妹の金与正氏は「氷のような女性」だった。アゴを上向きにし、人を見下すような目線が目立った。金王朝支配の死臭の漂うような北朝鮮では、人々は高官も含めて、一人の若い女性のこのような目線に怯えるのであろうか。
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韓国大統領が指示続ける「革命的政変」 わが国の憲法改正は隣国の危機踏まえよ
2018年2月17日号韓国の文在寅大統領が、「革命的政変」の指示を出し続けている。日本では韓国系の「統一日報」が二月七日付で報じただけだが、同月五日、文大統領が政策企画委員会の丁海亀委員長に憲法改正の準備に入るよう指示した。韓国では憲法改正を大統領もしくは国会が発議できる。
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韓国の朴前大統領に続く苛酷な裁判 なぜ検察は北朝鮮の法律を持ち出すのか
2018年2月10日号韓国では朴槿恵前大統領に対して、裁判とは到底言えない苛酷な裁判が続いている。公判は週四回も行われ、それぞれが一〇時間を越える長さに及ぶ。朴氏の弁護人は、これは司法の名を騙った拷問だとして全員が辞任した。朴氏も出廷を拒否している。米国のメディア、CNNも「人権侵害」として報じた。
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反対強い中での安倍首相の訪韓決意 政治家としての判断しっかり見守りたい
2018年2月3日号一月二四日、安倍晋三首相が二月九日に行われる平昌五輪の開会式に出席するとの考えを、開会式出席に最も強く反対していた「産経新聞」のインタビューで明らかにした。自民党内には反対の見地から大きな波紋が広がった。この開会式には主催国の韓国でも強い反対論がある。
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庭に猛禽類飛来の大事件 愛でる小鳥が狩られた自然の摂理
2018年1月27日号わが家の庭には水溜まりのような小さな池がある。竹の樋からチロチロと流れ込む水がヤゴやおたまじゃくしの寝床をつくる。小鳥たちは樋に止まって小さな嘴で流水を掬い上げ、喉を潤し、浅い池に飛び込んで水浴びをする。このところ度々飛来するのが一群の目白である。無駄のない素早い動きや抹茶色の美しい姿はいつまで見ていても飽きない。だが、私は締め切りだと思い直してまた、原稿に戻る。
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北朝鮮と中国を恐れる韓国の文大統領 日本は弱気と見られぬよう主張押し通せ
2018年1月20日号友人で拓殖大学教授の呉善花氏が、彼女にしては珍しく強い口調で断じた。「安倍首相が平昌五輪に行かないのは正解です。文在寅韓国大統領の慰安婦合意の事実上の破棄は、断固無視することです」
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中国の野望の牽制へ十分な抑止力を 現実主義で対峙する日本政府は評価に値
2018年1月13日号中国の実像は、その言葉ではなく行動の中にある。一九五一年、建国間もない中華人民共和国はチベットに「一七か条の協定」を突きつけた。中国共産党がチベットを支配するという強硬策の表明だったが、彼らはこうも約束していた。
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憲法改正の機会は2018年しかない 成し遂げねば日本の真の再生は難しい
2017年12月30日号二〇一八年は、大袈裟でなく日本の命運を決する年になる。戦後七二年間かけて日本人の「常識」となった種々の価値観が根底から覆される年になるだろう。私たちはそのような大変化に対処する覚悟ができているだろうか。
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解決されない北朝鮮の日本人拉致問題 憲法改正を急ぎ国際社会と攻勢続けよ
2017年12月23日号拉致被害者のご家族にとって拉致された子供や兄弟と会えないまま、自分たちの生命が尽きてしまうのは、本当に悲しいことだ。一二月一二日、増元るみ子さんの母、信子さんが九〇歳で亡くなった。娘の写真を部屋に飾り、お花やお茶を供えるのを日課とし、「一目会いたい」と呟くのが信子さんだったと、るみ子さんの弟の照明さんは語る。照明さんはいま、家族会の事務局長だ。
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資金潤沢なNHKの受信料判決に失望 立法府を動かすには国民の意識が重要に
2017年12月16日号一二月六日、最高裁判所大法廷がNHKの受信料について初の判断を示した。一言でいえば、判決には失望した。テレビを所有していながら、受信料支払いを拒否していた男性に、NHKは受信料を請求できるか、受信設備を持ったらNHKと契約しなければならないと定めた放送法六四条一項は合憲か、が争われていたケースだったが、寺田逸郎裁判長は「表現の自由を実現する放送法の趣旨にかなう。NHKが受信料を請求することは合憲」と判断した。「テレビを設置したからといって、NHKと受信契約を結ばなければならないのは、契約の自由を侵すものだ」という原告側の主張は完全に退けられたわけだ。
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中国共産党大会後に不穏な変化の兆候 強権体質の習氏に安易な妥協は禁物
2017年12月9日号「産経新聞」北京支局の藤本欣也記者が一一月二九日付紙面で、中国軍元高官の自殺を報じた。自死したのは中国人民解放軍(PLA)上将の張陽氏で、先に拘束された徐才厚、郭伯雄両軍人の事件に関連して取り調べを受けていた。張氏は軍の人事や政治・思想部門のトップを務めていた。このような重要な地位にあった人物の自殺が大きな衝撃を与えていると、藤本記者は報じた。
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七三一部隊を巡る中国の対日歴史復讐戦 事実の歪曲・捏造阻止へ全容の解明を
2017年12月2日号米国と中国の大きな相違は民主主義体制か専制独裁体制かとの点にとどまらない。米国は呑み込まない国、中国は呑み込む国である。米国は自国の広大な国土に満足しており、それ以上に植民地や国土を拡張しようとは考えていない。中国はすでに広大な土地を手に入れているにもかかわらず、これからも他国の領土領海を奪い膨張しようとする国である。
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米国と対等の地位を印象づけた中国 日本にとって最悪の国際環境が到来
2017年11月25日号後世、ドナルド・トランプ米大統領の初のアジア歴訪は、米中の力関係逆転の明確な始まりと位置づけられるだろう。そこに含まれている歓迎すべからざるメッセージは中国共産党の一党独裁が、米国の民主主義に勝利したということであろう。
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北朝鮮情勢や中国の脅威こそ重要なのに より大きな危機を後回しにする韓国政府
2017年11月18日号ドナルド・トランプ米大統領歓迎の晩餐会で韓国政府が「独島エビ」を献立に、元慰安婦をゲストに加えたのにはいささか驚いた。菅義偉官房長官は、「外国が他国の要人をどのように接遇するかについて政府としてコメントを差し控えるが、どうかとは思う」と語った。本当に、どうかと思う。
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ユネスコ巡る日本外交は三連勝も中韓との歴史戦争はまだこれから
2017年11月11日号久々にほっとするニュースだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会(IAC)が、中韓両国等九カ国一五団体が「世界の記憶」として共同申請した慰安婦資料の登録の見送りを一〇月三一日、正式決定した。彼らの申請資料は二七四四点、慰安婦を「強制連行の被害者」「性奴隷」ととらえて日本を非難するものだ。