記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370件
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
沖縄基地問題を巡る壮大な矛盾の構図 『不都合な真実』の予見は説得力がある
2018年9月1日号沖縄県が熱い政治の渦の中にある。翁長雄志知事の死去で、知事選挙が九月三〇日に繰り上がった。氏の後継者として小沢一郎氏の同志で、自由党幹事長の玉城デニー氏が出馬する可能性が濃厚だ。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
日本国憲法を「絶対善」とする不可思議 改憲で自由なくなるなら根拠示すべきだ
2018年8月25日号日本は大東亜戦争で敗北したのである。辛い体験であるのは当然だが、NHKの報じ方はあえて言えば「軍と政府が悪い」「国民が犠牲にされた」という相も変わらぬ短絡な構図だった。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
中国マネーが席巻する征服と略奪の網 日本は負の流れ変える歴史的使命がある
2018年8月11日号中国で異変が起きている。七月二六日、北京の米大使館付近で爆発事件が発生、中国当局は内蒙古自治区出身の二六歳の男を拘束した。情報筋は、少数民族に対する苛酷な監視の網をくぐってモンゴル系の青年が爆弾を所持して北京中心部の米大使館に近づくなど、あり得ないと強調する。
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人口学から見て非常に脆弱な中国 日本の真の国難も同様だ
2018年8月4日号シンクタンク「国家基本問題研究所」は今年五月、創立一〇周年国際セミナーにフランスの歴史人口学者で家族人類学者のエマニュエル・トッド氏を招いた。氏は国家や国際関係を経済や軍事を軸とした戦略論ではなく、人口や家族形態の変化を軸に論ずることで知られる。
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敵味方逆転の摩訶不思議な米露首脳会談 トランプ氏の非難はいつか必ず日本にも
2018年7月28日号七月一六日、フィンランド・ヘルシンキでの米露首脳会談はおよそ万人の予想を超えた。米CNNのクーパー・アンダーソン記者は「自分が報じてきたこれまでの如何なる首脳会談に較べても、米国と米国民にとって恥ずかしい内容だった」と伝えた。CNNはトランプ政権に必要以上に厳しいが、今回は、「米国人ならそう感ずるだろう」と、共鳴できた。
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敵味方の区別つかないトランプ外交で 欧州情勢が激変する可能性に現実味
2018年7月21日号六月上旬、カナダでの先進七カ国首脳会議(G7)に出席したトランプ米大統領は孤立した。「六対一」のサミットと表現されたG7の二日目午後の会合を欠席して、トランプ氏は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長に会うためにシンガポールに向かった。
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国会は一日も早い憲法改正の実現に向け 国民の意思問う機会をつくるのが責務だ
2018年7月14日号七月五日付の「産経新聞」が、与党は憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の、いまの国会での成立を断念する方針だと報じた。五日の衆議院憲法審査会で趣旨説明は行うが、実質審議には入らずに、継続審議にするという。
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判事と長官が対立する韓国の異常事態 司法の頂点に立つ最高裁まで左翼が侵食
2018年7月7日号朝鮮問題専門家の西岡力氏が、シンクタンク「国家基本問題研究所」の定期会合で語った。「韓国は政治とメディアだけでなく、司法も北朝鮮にやられてしまいました。韓国に残っているまともな保守は在野の言論人だけです」
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日本が非難浴びる国連の慰安婦問題議論 資金力活かし道理や公正さを説くべきだ
2018年6月30日号トランプ米政権が六月一九日、国連人権理事会からの脱退を表明した。パレスチナ問題でイスラエルに対する偏見の度合いが過ぎているという理由だ。「朝日新聞」は六月二〇日夕刊の一面トップで同件を、「また国際協調に背」という見出しで報じた。パレスチナ対イスラエルの問題に踏み込むつもりはないが、朝日流の批判だけで済む問題ではないだろう。国連人権理事会に日本も言いたいことは少なくないはずだ。
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北の核廃棄も拉致問題解決も相当厳しい 日本は運命を他国に依存してはいけない
2018年6月23日号英紙「ガーディアン」のコラムニスト、ジョナサン・フリードランド氏が六月一二日付で書いた。「世界最強の国家がこの無能者の手に握られていることは、われわれにとって悔やみきれない」
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眼前に迫った米朝首脳会談の先見据え 拉致解決が最優先との国民世論重要に
2018年6月16日号眼前に迫った米朝首脳会談の成功も失敗もすべてトランプ米大統領次第である。米国主導で、短期間に「完全に、検証可能で、不可逆的な核の廃棄」(CVID)を行うと誓約させれば文句無しだが、六月七日時点の見通しは明るくはない。
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お家騒動の真っ只中にある文藝春秋 論壇の中心を形成する日はくるだろうか
2018年6月9日号月刊「文藝春秋」は「中央公論」と共に輝くような雑誌だった。物書きを目指す者たちが、その両方に毎月でも記事を書きたい、書かせてもらえる力量を身につけたいと願っていたはずだ。
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首相が加計氏に便宜との批判は疑わしい 愛媛県職員の作成文書は一体何なのか
2018年6月2日号愛媛県知事の中村時広氏が五月二一日に参議院予算委員会に提出した文書は加計学園問題を蒸し返すきっかけとなるのか。愛媛県職員が作成した文書には、加計学園側から県担当者に、「二〇一五年二月二五日に理事長が首相と面談(一五分程度)」、加計孝太郎氏が首相に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」「首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記されている。
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北朝鮮が中国援助の下で生き延びる 最悪の事態もあり得ると認識すべきだ
2018年5月26日号北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は五月一六日、部下の第一外務次官、金桂冠氏に、「米国が圧力ばかりかけるのでは米朝首脳会談に応じるか否か、再検討せざるを得ない」と発言させた。
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朝鮮半島勢力巡る歴史的闘いが展開中も 日本の野党は政治責任を果たしていない
2018年5月19日号北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の動きが派手派手しい。五月七日から八日、妹の与正氏と共に中国の大連を訪れた。習近平国家主席と共におさまった幾葉もの写真を北朝鮮の「労働新聞」に掲載し、米国に対して「僕には中国がついているぞ」と訴えるのに懸命である。
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平和憲法重視の宏池会の外交方針では 国際政治の大きな変化に対応できない
2018年5月12日号米朝関係を背後から操るのは中国である。米中関係の中で翻弄されるのは韓国である。米中韓朝の四カ国が狙うのは日本国の財布である。他方、日本は北朝鮮の核やミサイル問題も、そして拉致問題も解決しなくてはならない。日本がどの国よりもしっかりと足場を固めるべき理由である。
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米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題 「リビア方式」による解決可能性を示唆か
2018年4月28日号四月一七日の日米首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三首相に、「極めて高いレベルで北朝鮮と直接対話している」と語り、その後記者団が「金正恩氏と直接話しているのか」と問うと、「イエス」と答えた。マイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官が三月三〇日から四月一日の復活祭の連休を利用して訪朝したのだという。
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加計問題巡る首相への「嘘つき」批判 重要政策の反転こそ天に唾するものだ
2018年4月21日号四月一〇日、「朝日新聞」が朝刊一面に「加計巡り首相秘書官」「面会記録に『首相案件』」の見出しを掲げて報じた。三年前の二〇一五年四月二日、愛媛県及び今治市の職員と加計学園の幹部が(首相官邸で)柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会し、その際柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べたというのだ。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
わが国で今も未確立の公文書管理ルール 無責任という意味では旧民主党も同罪だ
2018年4月14日号過日財務省が発表した「決裁文書の書き換えの状況」からは、森友学園への土地売却で、財務省が森友側と価格交渉をしていたことが見てとれた。佐川宣寿理財局長(当時)が国会で価格交渉を否定したために、その発言と齟齬を来さないための書き換えであることが明白だった。
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読み取りづらい朝鮮半島情勢の行方 正恩氏は圧力で動くと忘れるべきでない
2018年4月7日号金正恩朝鮮労働党委員長の電撃訪中は、拉致問題の報道にどの社よりも熱心に力を入れてきた「産経新聞」のスクープだった。大きく動いた朝鮮半島情勢の展開は読み取りにくい面もあるが、こんな時こそ基本構造をおさえておきたい。