記事一覧:櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽370件
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
対露外交は希望的観測を持つことなく 厳しい要素を過小評価しないのが大事だ
2019年2月2日号「心配が現実になった」と感じた日露首脳会談だった。一月二二日、日本時間の夜八時四五分から小一時間遅れで始まった日露首脳会談は、約三時間続いた。その後、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の共同記者会見が行われたが、中継画像で両首脳が会見場に入った姿と表情から不首尾は瞬時に見てとれた。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
法を無視する「力治」思想の国家に対し 日本は力なき国である限り苦しい立場だ
2019年1月26日号一月一四日、河野太郎外相とロシアのラブロフ外相が、安倍・プーチン会談の前座としてモスクワで会った。ラブロフ氏の表情は硬く、視線は険しく、まるで領土返還への日本の期待を憎んでいるかのようだった。
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米大統領選挙に向け最初に名乗り出た女性 ウォーレン氏の出馬表明が映す米国の分裂
2019年1月19日号一月三日、昨年一一月の中間選挙で改選された米連邦議員らが初めて議会に招集された。四日付の米各紙は下院に集った民主党議員団の写真を大きく掲載したが、女性議員が多いために文句なしのカラフルさだった。
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「同盟重視論」が見えないトランプ大統領 米国の攻勢に中国・習政権は後退の一年か
2019年1月12日号二〇一八年は最後まで気の抜けない一年だった。一九年の今年はその延長線上で、より大きな変化と試練が生じるだろう。そうしたことを念頭に置いて決断を下せば、逆に日本にとっては好機の年になる。
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韓国との情報戦に立ち遅れている日本 手強い存在と心して戦うことが必要だ
2018年12月22日号一二月四日、東京の日本外国特派員協会、通称外国人記者クラブで、「朝鮮人戦時労働者」の裁判について、韓国側弁護団が会見した。
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「赤札大王」でハクビシン撃退に成功も まだ残るペットの飼い主のお行儀問題
2018年12月15日号庭に出没して食べ頃に熟した柿の実を食い散らしてしまうハクビシンの撃退に、私はこの夏、見事に成功した。ハクビシンの苦手な赤い色の、長さ三〇センチメートル、幅一五センチメートル程の札を吊したのだ。
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中国と対話を続けるダライ・ラマ法王 チベット仏教は人類の幸せに貢献する
2018年12月1日号ダライ・ラマ法王にお会いするのは二年振りだった。昨年秋、来日予定だったが、医師の助言で急遽中止された。今年、法王のお顔は明るく、頬は健康的なうすいピンク色だった。
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将来に禍根残しかねない入管法改正案 日本は外国人政策の全体像を見直す時だ
2018年11月24日号安倍晋三首相も自民党も一体どうしたのか。まるで無責任な野党と同じではないか。外国人労働者受け入れを大幅に拡大する出入国管理法改正案についての国会論戦を聞いていると、普段は無責任な野党の方がまともに見える。それ程、自民・公明の政権与党はおかしい。
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韓国の徴用工問題の背後に広がる深い闇 ネット媒体も駆使して実態を伝えたい
2018年11月17日号ネット配信の「言論テレビ」を始めてよかったと思うことがふえている。本が好きで、雑誌も新聞も紙で読むことが一番しっくりする私でさえも、ネットの力、その可能性に驚かされる毎日である。
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改憲案の提示が国民主権の一丁目一番地 国会は国民に投票の機会を与えるべきだ
2018年11月10日号臨時国会は一〇月二四日に始まったばかりだが、その様子を見ていて、政党も国会議員も現実を見ていない、余りに無責任だと、腹立たしい思いになる。とりわけ焦眉の急である憲法改正について、なぜ、こうも無責任でいられるのか。
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これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から脱せるか
2018年11月3日号一〇月二三日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数の全国紙に掲載した。中国政府は一〇〇万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。
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柿の実をいかにハクビシンから守るか 臭いで撃退も小鳥が去って思案の日々
2018年10月27日号庭のまん中あたりまで張り出している柿の木の枝にとまって、その小動物は、じっと私の方を見た。丸い大きなヌレヌレとした黒い瞳。鼻スジが白くスーッと通っている。かわいらしい顔だ。図鑑で確かめたらハクビシンだとわかった。これが彼と私の初めての出会い、柿の実が食べ頃に熟す丁度去年の秋のことだった。
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米中対立は中長期にわたり本格化する 日米の連携を一層強めていくのがよい
2018年10月20日号米国が遂に中国の本性に気づいた──。一〇月四日、マイク・ペンス米副大統領が有力シンクタンク「ハドソン研究所」で行った演説のメッセージがこれだった。米国の「覚醒」は遅すぎるとも思えるが、それでも彼らが中国の長期的国家戦略の意図を正しく認識するのは日本にとって歓迎すべきことだ。
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南北協力の道をバラ色に描く韓国の悲劇 偏向報道が目に余る日本の韓国化も心配だ
2018年10月13日号韓国の著名な言論人、趙甲濟氏がこんなことを呟いた。「韓国人の考える能力、理解力が低下しています。わが国が直面する危機について、どれだけ発信してもわかってもらえない」
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中国が世界各地で仕掛ける「債務の罠」 「第二のスリランカ」阻止への正念場だ
2018年10月6日号広域経済圏構想「一帯一路」を推進して、世界に覇権を打ち立てるという中国の思惑が、またひとつ崩れ去るのか。日本や米国、インドやオーストラリアは中国の横暴な世界戦略に修正を加えることができるのか。
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八百万の神という神道の宗教観は 多様性重視に向かう国際社会の手本に
2018年9月29日号友人の伊藤穰一氏が慶應義塾大学から博士号を授与され、お祝いの会があった。氏の研究テーマを説明することは私の能力に余るが、お祝いの席での会話は刺激的で、私の頭の錆を少しずつ剥がしてくれた。
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アリババ集団マー会長退任の背後に 金持ち排除を進める習近平主席の影
2018年9月22日号中国電子商取引(EC)最大手、アリババ集団のジャック・マー会長が五四歳の誕生日、九月一〇日を期し会長職を退くと米「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じた。
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支離滅裂に映る細川元首相のインタビュー 闇雲な政権批判はメディアの真価にあらず
2018年9月15日号雑誌「選択」があらぬ方向に迷走中だ。巻頭インタビューは控え目に言って無意味である。明らかな誤報や歪曲報道も目立つ。選択の誇りは日本の大戦略を示し、論ずることで言論界に重きをなすことだったのではないか。闇雲な政権批判が物言うメディアの真価だと考えているとしたら、無責任な野党並みだ。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
人権は軽視されるのか改善に向かうのか 目が離せない中国共産党内の権力闘争
2018年9月8日号「産経新聞」外信部次長の矢板明夫氏が、ノーベル平和賞受賞者で中国政府に弾圧され、昨年七月に事実上獄死した劉暁波氏について『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(ビジネス社)で書いている。