記事一覧:Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」225件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
充電後の執筆再開を熱望する 塩野七生、最後の歴史大長編
2018年2月24日号今、「月刊文藝春秋2月号」に掲載された塩野七生氏と小泉進次郎衆議院議員の対談が評判になっている。塩野氏は、「長編歴史エッセイはこの本が最後」と言い、進次郎氏は「年末年始はこの本にどっぷり浸かりました」と語っている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日本銀行はどのようにして政治的に追い込まれたのか
2018年2月17日号経済学の理論モデルでは、専門家集団を率いる中央銀行の総裁が、政治的な雑音のない静かな環境の中で、メリットとデメリットを比較考量しながら、不確実な将来をにらんで金融政策の運営を行う。現実の世界ではどうなっているか。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
なぜ安藤建築に惹かれるのか 50年の仕事を50の視点で解剖
2018年2月10日号昨年9月から12月にかけて、東京の国立新美術館で「安藤忠雄展─挑戦─」が催された。代表作の「光の教会」が原寸大で野外展示場に再現されたことから話題になり、連日満員の盛況だった。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
最悪の選択は現状維持と分析 黒田日銀の5年間を問う好著
2018年2月3日号今春の3~4月にかけて、日本銀行の現執行部が任期を迎える。アベノミクスの第一の矢として大きな成果を挙げてきた「大胆な金融緩和政策」は、まだ2%のインフレ目標を達成せず不十分だとする向きがある一方で、将来の出口戦略がどうなるかを注視する向きもある。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
大学が舞台の米中スパイ合戦 聖域の実態をえぐる告発の書
2018年1月27日号留学が人生の転機になる場合は多い。家族や友人と別れ、不慣れな生活環境と格闘しながら外国語での勉強に打ち込む日々。その結果得たものは、かつては想像もつかなかった知識や経験だったり、新たな職業だったりする。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
破壊者に狙われる既存企業は いかに立ち向かえばよいのか
2018年1月20日号2000年前後のインターネットバブルのころから、ITを活用した起業や新興企業の話が、ビジネス書の一つのジャンルとなっている。これらの大半はノンフィクションの読み物としては面白い。また現代のビジネスは、デジタル技術の発達で革命的な影響を受けていることは事実である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
戦争の矛盾がよく理解できる 存在自体が珍しい軍事技術書
2018年1月13日号かつて、古代ギリシャの哲学者・ヘラクレイトスは「戦いは万物の父である」という言葉を残した。日本の一般的な教育では「戦争は悪である」と学ぶが、ある一面では戦争が実に多くのポジティブなものをもたらしてきたことは否定できない。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
ネット時代のテロリズムはどこから生まれてくるのか
2017年12月30日号西欧では、2016年に30件以上ものテロ事件が起き、150人以上の死者を出した。世界中で新左翼テロの嵐が吹き荒れた1970年代と比べればまだ少ないが、未遂事件なども含めれば潜在的なテロ発生の確率は高いままだ。当局の必死の対策にも係(かかわ)らず、テロはなぜやまないのか──。本書はその謎を理解する手掛かりを与えてくれる。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
著者の知的誠実さに打たれる日韓問題を深く理解できる書
2017年12月23日号「韓国は許せない」と怒っている人が、あなたの周りにもいるだろう。いや、あなた自身がすでにそうかもしれない。慰安婦問題から竹島における領土問題、北朝鮮への対応まで、怒りのポイントは無数にある。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
人の判断はなぜ歪むのか 2人の研究者の友情物語
2017年12月16日号今年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大学で行動経済学を教えるリチャード・セイラー教授が受賞した。現実の人間は、感情に支配され、間違いを犯すこともあり、限定的な合理性しか持たないのであって、それを考慮して経済学を作り直すというのが行動経済学である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
JR九州の勢いの秘密を凝縮 読んで元気が出る人間の物語
2017年12月9日号旧国鉄の分割民営化には、3人の立役者がいる──。松田昌士氏(元JR東日本会長)、井手正敬氏(元JR西日本会長)、葛西敬之氏(JR東海代表取締役名誉会長)だ。JR東日本は1993年、JR西日本は96年、JR東海は97年に株式上場している。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
元財務官僚のエコノミストが 日本経済復活の処方箋を説く
2017年12月2日号先の衆議院選挙において、自民党は選挙公約で2019年10月に消費税率を10%に引き上げる一方で、全世代型社会保障への転換などの“人づくり革命”を実現するとしていた。その財源は、10%となった消費税の一部が充てられるという。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
加工食品はどこから来たのか 軍隊と科学の密な関係を読む
2017年11月25日号爆薬、ミサイル、潜水艦、戦闘機──。「軍事研究」という言葉でわれわれが思い浮かべるのは、ふつう、そういうものだろう。だが、軍事研究の成果は、はるかに広く、深く、日常生活に浸透している。行軍中の兵士のためには、ポケットに入り、カロリーが十分で、他の栄養素も摂取できる食品が望まれた。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
私たちの食卓はどうなるのか 工業化された食糧生産の脆さ
2017年11月18日号19世紀中盤のアイルランドでは、ジャガイモの作付けが壊滅したことで大飢饉が発生し、百万人単位の人が餓死したといわれる。なぜ、このような事態が発生したのだろうか。ジャガイモは、16世紀にスペイン人の征服者により、南米のアンデスから欧州大陸に持ち帰られた。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
前政権で解任、現政権は辞任 率直過ぎる米情報将校の直言
2017年11月11日号トランプ米政権が発足して早くも10カ月になるが、政権の発信するノイズがあまりにも大き過ぎるため、逆に慣れてきたような気がするから不思議である。ところが、政権発足当初にロシアとの関係を疑われて最初に辞任に追いこまれた人物を覚えているだろうか。それが、マイケル・フリン元米陸軍中将だ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
英国は“対岸の火事”にあらず 新自由主義による悲惨な末路
2017年11月4日号「チャヴ」とは聞き慣れない言葉だが、英国の若い白人労働者層を指すものとして、2000年代ころから広く使われるようになった。新作が公開された英国の映画「トレインスポッティング」の主人公なども当てはまりそうだが、日本では「マイルド・ヤンキー」が意味合いとしては近いだろうか。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
凜とした背中で語り続けた“直接話法”の人、土光敏夫
2017年10月28日号ある世代以上の人は、「メザシの土光さん」と言えば、それだけで通じるだろう。しかし、平成生まれのゆとり世代なら「メザシって何?」と尋ねるかもしれない。去る者が日々に疎くなる世の中で、こういう本が出たことを素直に喜びたい。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
人材開発でもPDCAを回す 戦略的に人事を考える必読書
2017年10月21日号働きやすい職場として知られる米グーグル。かつて従業員の採用には、16~25回の面接を行っていたという。しかし、5回目以降の面接は採用の精度に1%しか影響を与えないことを統計的に発見する。その後の面接は4回とし、採用に費やす日数は大幅に短縮された。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
舌鋒鋭く世の中の本質に迫る 地球規模で読まれた洞察の書
2017年10月14日号4年以上の年月を経て、『ブラック・スワン』(上・下)で有名なタレブの新作が、ようやく翻訳・出版された。2冊で総ページ数は800ページを超えるが、一度読み始めれば時間がたつのを忘れさせる。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
経済財政諮問会議の参画者が2025年に向けて読み解く
2017年10月7日号先の7月にドイツのハンブルクで開催されたサミットG20では、日本の成長戦略の主要公約として女性就業の促進や働き方改革、企業競争力の向上が打ち出されたが、財政健全化は主要でない公約とされた。