記事一覧:Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」225件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
問題の本質は少子化ではない 企業投資で経済は復活できる
2019年5月25日号現在、日本の経済成長率は、主要先進国の中でも最低となる1%ほどの低い水準を続けており、日本経済は世界の中で相対的に縮み続けている。こうした流れの中で、今回紹介する『日本経済 低成長からの脱却』は、日本型格差社会の到来への強い危機感をあぶり出す。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
元財務大臣の父が語り尽くす 世界中で歓迎された経済読本
2019年5月18日号資本主義の矛盾が蓄積する現在、貧富の格差は広がる一方で、金融政策や財政政策のような伝統的な経済運営手法の限界が露呈している。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
過去に直視を避けてきた現実 欧州リベラリズムの末期症状
2019年5月11日号現在、安倍晋三首相の主導により「出入国管理法(出入国管理及び難民認定法)」の改正が進む。外国人が就労する際の新たな在留資格に「特定技能」というカテゴリーが追加される。今後5年間で、最大34万人を受け入れるという。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
当代屈指の歴史家が取り組む 「世界を動かした男」の前半生
2019年4月27日号米国の政治家キッシンジャーといえば、1960年代後半から70年代後半にかけて、政権の中枢でベトナム和平協定や、米中接近などの外交を仕切り、最近でもトランプ大統領に助言する、泣く子も黙る世界的な人物だ。東西冷戦の真っ最中に大統領補佐官、次いで国務長官を務めた同氏は、キューブリック監督の映画「博士の異常な愛情」(64年)の主人公ストレンジ・ラブ博士のモデルにもなった。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
トランプ支持者の今を伝える 労働者の街を歩いた定点観測
2019年4月20日号日本の新聞社で、米ニューヨーク駐在を務める記者の担当領域は、本来なら国際連合本部などの取材である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
リベラルと保守の断絶を越え トランプ支持者の深奥に迫る
2019年4月13日号なぜ、米国の貧しい白人労働者は大きな政府のリベラル派ではなく、小さな政府の保守派を支持するのか。本書は、リベラル派の総本山、米カリフォルニア大学のバークレー校で研究する著名な社会学者が、保守派の牙城である南部のルイジアナ州の小さな町に乗り込み、5年間にわたる丹念な聞き取り調査を重ねたルポルタージュだ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
国家と法の支配と民主主義 フクヤマが描く人類興亡史
2019年4月6日号本書の前作『政治の起源』(上・下)で、フクヤマは政治が機能するには三つの政治制度、すなわち「国家」、「法の支配」、「政府の説明責任」が整い、これらがある種の均衡を持たなければならないと主張した。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
超大国を内面から掘り下げる 洞察に満ちた波乱の米国通史
2019年3月30日号米国は、風変わりな国だ。独特の変わったところがある。かつて日本人は、そのライフスタイルや文化を、ひたすらに仰ぎ見て取り入れた。だが今日では、冷静な観察と認識が広がっているように思える。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
大胆な金融緩和政策をしても なぜ、経済の回復が遅いのか?
2019年3月23日号厚生労働省が発表する「毎月勤労統計」の調査過程の一部で不適切な行為があった問題で、雇用保険などの給付額が少なかった人は延べ2000万人規模に達し、過少に給付された額は500億円以上になることが分かった。これは、国の根幹を成すばかりではなく、賃上げを柱の一つに掲げるアベノミクスの成果を測るものでもある。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
多様な協働が求められる中で 敵と手を組んで前進する方法
2019年3月16日号私たちの毎日は、個人、家族、友人、仕事、社会などのあらゆる局面で問題に溢れている。これらのうち、例えばダイエットや定期的な運動のような個人の問題に限り、自らがしっかりした問題の理解、優先順位、計画、強い意志を持って実行すれば解決できる場合が多い。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
古今東西を縦横無尽に駆ける 戦略思考の本質を伝授する書
2019年3月9日号昨年10月、米ペンス副大統領がハドソン研究所で行った対中国政策についての演説により、「米中新冷戦」が始まったとされる。これから、日本は国家運営をどう考えていけばよいのだろうか? このような不透明な時代における「国家戦略の考え方」を教えてくれるのが、今回紹介する『大戦略論』だ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
混迷が続く世界情勢の渦中で 少数民族の将来はどうなるか
2019年3月2日号移民などの民族的マイノリティの権利や文化をホスト国で認める「多文化主義」に近年、逆風が吹いている。2010年代初めにドイツのメルケル、英国のキャメロン両首相がともに「多文化主義の失敗」を口にし、移民統合の在り方に再考を促した。最近では、難民流入もあり、多文化主義を批判するポピュリスト政党の支持も伸びる。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
ウッドワードの新作ながらも 不完全燃焼を感じる政権批判
2019年2月23日号冒頭から異様なシーンに息を呑(の)む。米国家経済会議委員長のゲーリー・コーンが、トランプ大統領のサインを待つばかりだった親書を大統領執務室のデスク上から盗み出す。手紙は、韓国の大統領宛てで、米韓自由貿易協定を破棄するという内容であった。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
"ディストピア"は不可避か 新技術がもたらす階級社会
2019年2月16日号世界的大ベストセラー『サピエンス全史』では、人類がどこから来たのかが論じられた。7万年前、人類が人類たり得た最初の「認知革命」が起こった。人類は、他の動物とは異なり、想像力で社会を構築し、ルールや宗教など虚構(物語)を共有することで、仲間と緊密に協力して地球最強の生物となった。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
世界的作家をめぐる誕生秘話 本人を含む関係者の声で検証
2019年2月9日号本書は、村上春樹の小説で描かれた世界の謎解きを行う、いわゆる「ハルキ本」ではない。いかに村上春樹の作品が、世界の市場に受け入れられていったのかを関係者への丹念なインタビューに基づいて綴った一種のドキュメンタリーである。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
消費増税という手段に頼らず 日本は生活経済大国になれる
2019年2月2日号昨年11月15日、安倍晋三首相は臨時閣議の中で、「法律で定められた通り、2019年10月に(消費税を)10%に引き上げる」と打ち出した。そして、前回(14年4月)の8%への増税時における経験を生かし、(今回は)あらゆる施策を総動員して経済に影響を及ぼさないように全力で対応するとしていた。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
科学と軍事と民生技術を集約 謎のイノベーション推進組織
2019年1月26日号科学に基づく新たな技術が国家の安全を左右する。1957年、最初の人工衛星スプートニクの打ち上げで旧ソ連(現ロシア)に先んじられた米国は、改(あらた)めてそれを痛感した。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
元米軍の技術将校が警告する “未来の戦争”での重大な懸念
2019年1月19日号「戦争というものは、軍人たちに任せておくには重要すぎる」とは、第1次世界大戦でフランスを勝利に導いた首相であるクレマンソーの言葉だ。本書は、今日の戦争が社会や政治から放置されている傾向によって、社会が重大な倫理問題に直面していると警告を鳴らす。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日常生活でも使われる「戦略」 その本質を追求する渾身の著
2019年1月12日号「戦略」という言葉は、当然ながら軍事や戦争に由来する言葉だ。ところが、いつのころからか、ビジネスだけでなく、日常生活でも口にされるようになった。曖昧に使われる「戦略」という概念は、過去の人類の歴史の中でどのように考えられ、実践されてきたのだろうか。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
他人と違っても欠点ではない 「排除しない社会」を考察する
2018年12月22日号妊婦の血液を採取して、胎児にダウン症などがあるかどうかを検査する「新型出生前診断(NIPT)」が日本で導入されてから約5年。これまで、5万組以上の夫婦が検査を受けたとされている。