記事一覧:Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」225件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
今だからこそ読んでおきたい 丁寧な仕事が光る幸之助翁伝
2018年12月15日号松下幸之助と言えば、“昭和の大経営者”である。平成元年に94歳で逝ったときには、一つの時代が終わったと感じられたものだ。その幸之助翁を、平成の終わりに振り返るとどのように見えるのか。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日銀の前総裁が在り方を問う 民主主義の下での“中央銀行”
2018年12月8日号評者の近年の関心事の一つは、政府と中央銀行との関係である。1990年代以降、私たちは“決める政治”を目指し、選挙制度や執政制度を大きく変えてきた。その結果、官邸主導に移行したが、自立性や専門性の発揮が期待される金融政策にも強い政治圧力が加わるようになった。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
AIの時代を予見していた? 意識に分け入る知的冒険の書
2018年12月1日号今から30年以上前の1985年、書店では700ページを超える分厚い本が山積みになっていた。それが、ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハあるいは不思議の環』(略称、GEB)である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
“労働力不足”が好景気を誘引 世間の悲観論を一蹴する快著
2018年11月24日号経済を語る上で、「楽観論は知的ではない」と思われがちなこともあり、日本経済の問題点やリスクを多々指摘する書籍が世間には溢れている。そんな中で本書は、世の人々は“悲観論のバイアス”に晒されているという認識が必要だとする。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
国際社会における日本から 戦後史の呪縛を丹念に解く
2018年11月17日号見慣れたと思っていた景色をよく見てみると、想像外のシーンが映っていることがある。歴史もそれと似ている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
英国の著名学者が書き下ろす 通説を覆す古代ローマ史の妙
2018年11月10日号英ケンブリッジ大学の古典学教授で、古代ローマの碩学による、一般向けの古代ローマ千年史である。書名のSPQRとは、ラテン語の「ローマの元老院と人民」という言葉の頭文字で、今でもローマ市のシンボルとして随所に使われている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
第2次世界大戦時のナチスを 裏側から支えた地政学の古典
2018年11月3日号米トランプ政権が中国との貿易戦争を本格化し、世界情勢はますます混沌としている。現代の私たちは、果たして今後を見通せる“視座”のようなものを持つことができるのだろうか? 異論はあるかもしれないが、そのヒントの一つは国際政治を“地理”という概念から見る「地政学」なのかもしれない。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
米軍を中心に今も続けられる 「拷問」が効果的ではない理由
2018年10月27日号米同時多発テロ事件から17年が過ぎ、世界は大きく変わった。その一つは、違法だった「拷問」が当たり前になったことだ。米軍が、イラクのアルグレイブ刑務所やキューバのグアンタナモ基地で、テロリストと目された外国人戦闘員を拷問していた事実はよく知られている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
実はさっぱり分かっていない 「好き嫌い」というメカニズム
2018年10月20日号人の好みはどのように形成されるのか。なぜ、自分は阪神タイガースのファンで、競走馬のステイゴールド産駒を贔屓(ひいき)するのかと聞かれれば、要するに「蓼食う虫も好き好き」であり、うまく説明はできない。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
焼却されたはずの報告書から 日米開戦時の矛盾を徹底分析
2018年10月13日号なぜ、日本は勝ち目のない対米戦争を開始したのか。通説は、経済学者が無謀と主張するも、それを軍が握り潰して開戦に踏み切ったというものだ。本書は、新たに発見された資料を元に、気鋭の経済史家が通説を覆す日米開戦史である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
縦横無尽に豊富な話題を扱う 福岡ハカセの圧倒的コラム集
2018年10月6日号『生物と無生物のあいだ』や『動的平衡』などのベストセラーを生み出してきた生物学者の福岡ハカセ(著者)が週刊誌に連載したコラムに加筆・修正したのが本書である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
景気循環論の第一人者による 日本経済が盛り返す大胆予測
2018年9月29日号景気の回復局面が始まったのは2012年12月だった。その後、17年9月には、高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目となった。現在、日本の景気循環に対する関心が高まっている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
生物学の世界における定説を 歴史を掘り起こして検証する
2018年9月22日号私たちの身体を構成する約60兆もの細胞には、一つひとつに「核」と呼ばれる部分があり、その中に遺伝情報が格納されている。その構造は、単細胞の原生生物から哺乳動物まで共通している。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日本経済120年を概観した 経営者たちの人間喜劇・悲劇
2018年9月15日号著者は、「日本経済新聞」の証券記者を振り出しに、40年にわたって名経済ジャーナリストとして鳴らしてきた。本書は、2016年の『バブル』に次ぐ力作である。戦後の経営者列伝という体裁を取っているが、実は著者が理想と考える「渋沢資本主義」(日本資本主義の父である渋沢栄一にちなみ、明治維新からバブル経済崩壊までの時代を指す著者の造語)を基準にした経営者たちの成績簿だ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
英国では歴史を楽しんで学ぶ 大英帝国を扱った壮大な物語
2018年9月8日号私たちはごく一般的に、歴史上の「帝国」は人類に負の影響しかもたらさなかったというイメージを持っているが、「大英帝国」は他の帝国とは異なり、実は世界に素晴らしい遺産をもたらした──。今回、紹介する本は、このようにやや逆説的なテーマを扱った歴史書だ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
伝統文化の風刺画で活写する 近現代の英国宰相たちの実相
2018年9月1日号本書は、18世紀の英国で誕生した風刺画を皮切りに、1990年代のメイジャー首相時代までの夥(おびただ)しい数の風刺画を再録し、英国政治史を追うユニークなもの。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
「ギフテッド」な天才少年には どのような景色が見えるのか
2018年8月25日号最初に言うと、書評の枠を逸脱するかもしれないが、評者は本書が描く天才、テイラー・ウィルソン君を間近で見たことがある。今年4月、日本原子力産業協会(旧原産会議)が開いたイベントにゲストとして来日し、基調講演を行ったときだ。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
なぜ大企業は失敗するのか? 経営の問題に経済学者が挑む
2018年8月11日号「トップ企業も、組織的、心理的要因でイノベーションに失敗し、新興企業に取って代わられる」。米ハーバード大学の著名な経営学者、クリステンセン教授が『イノベーターのジレンマ』(原題)でこう論じたのは1997年。世界的なベストセラーは、20年後の今でも世界中の経営者が座右の書として挙げる。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
10歳で旧ソ連に行った少女が 25年ぶりに訪れたロシアの今
2018年8月4日号昨年、衛星放送のBSフジで「レニングラード 女神(ミューズ)が奏でた交響曲(シンフォニー)」というドキュメンタリー番組が放送された。その企画、プロデュースに関わっていた著者による本書は、まるでドキュメンタリーを文章化したような映像的な作品である。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
左派復権の鍵を握るのは経済 鼎談方式で進められる入門書
2018年7月28日号米国でのトランプ現象や、ブレグジット(英国のEU(欧州連合)離脱)、極右政党の台頭などに対する欧州の左派の最優先課題が「経済」となる中で、日本の左派の経済への関心は低い。