記事一覧:Book Reviews オフタイムの楽しみ418件
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食】 イタリア料理の「創造者」 期待の日本料理人の哲学
2017年12月30日号毎年、インターネットで発表される「世界のベスト50レストラン」というワールドワイドのレストランガイドがある。2016年、このガイドで世界一の栄冠に輝いたシェフ、マッシモ・ボットゥーラの実像に迫るのが『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 うまさで無理筋を克服するも最後は「惜しい」日米の作品
2017年12月23日号正月休みの前はいつも不作だが、今回はもう「ミニオンズの漫画でも見てください」と言いたくなるくらいだった。そうも言えないとビデオショップに行く。いちばん筋(プロット)が面白そうなのは『22年目の告白 私が殺人犯です』で、藤原竜也以下キャストもいい。
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【健康・医療】 認知症への偏見と思い込みを 根底から変えてくれる本
2017年12月16日号高齢になることで増える疾患の代表は「がん」、そして「認知症」。65歳以上の4人に1人が認知症、もしくはその予備軍という時代を迎えている。それでも、まだ多くの人は認知症を「自分が誰かも分からなくなり、徘徊などの行動異常を起こす」と決め付けている。
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【サイエンス】 巧みな展開に新鮮な切り口 良質映画の感動と興奮を堪能
2017年12月9日号映画化を夢想させる想像喚起力豊かな3冊を紹介しよう。まず実際の映画も好評な『ドリーム』は、上映期間だけで読み捨てられてしまうにはもったいない良質の原案作。戦中から戦後にかけてNASAとその前身機関で働いた優秀な黒人女性計算手を追った本書は、これまで私たちが「アポロ計画」と聞いて連想してきた白人男性ばかりの制御室のイメージを覆す。
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【旅行・乗り物】 鉄道車両の運命と多彩な顔 列車で出掛ける温泉ガイド
2017年12月2日号鉄道車両は数多くのバラエティーに富んだものが誕生し、長年にわたって利用された後、役目を終えたものは惜しまれながら消えていく。ところが中には、期待された役割を果たせないまま、不遇のうちに消えていくものがある。
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【スポーツ】 切なさと温かさが込み上げる濃密な時間と闘いの記録
2017年11月25日号新神戸の新幹線ホームで私が山中伸弥先生にご挨拶したのは、故平尾誠二氏の「感謝の集い」の直後だった。この会で山中先生は弔辞を述べられた。ノーベル生理・医学賞を受賞した山中先生は神戸大学医学部時代、実はラグビーの選手だった。そのキャリアもあって、平尾氏とは対談が縁で親交を深めていた。
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【ファッション】 洋裁とスタイル画から始まった戦後日本のファッション文化
2017年11月18日号本年度ファッション編のベストワンに推したいのが『洋裁文化と日本のファッション』である。著者はかわいい、ロリータ、アバンギャルドをクールジャパンだとする風潮を批判。むしろ日本らしさの土台は、戦後から高度成長期直前までブームになった洋裁にある、とする視点が斬新だ。
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【酒・酒文化】 引き継がれたビール事業の夢 バーとワインを楽しむガイド
2017年11月11日号明治・大正年間にワインやウイスキーの国産化という難事業に挑んだ起業家、鳥井信治郎の生涯を克明に描いたのが『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』だ。ウイスキー事業に挑戦する過程でいったんは断念したビール事業への夢は、現在まで引き継がれている。題名の琥珀はビールの色を象徴するものだ。
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【ミステリー】 読み始めたらやめられない 奇想とミステリーの見事な融合
2017年11月4日号まず、第27回鮎川哲也賞を受賞した今村昌弘著『屍人荘の殺人』から。いやはや、面白い。読み始めたらやめられず、一気に読むのがホント、もったいなかった。では何が面白いのか。それを説明するのが難しい。なぜなら、この長編の基本設定を紹介しなければ面白さが伝わらないと思うのだが、それを知らずに読んだ方が絶対に面白いからだ。
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【音楽・演芸】 独自視点のクラシック入門 日本の大衆音楽とロックの歴史
2017年10月28日号平原綾香は幼少期からクラシックに親しみ、ホルストの組曲「惑星」の「木星」に日本語歌詞を付けたデビュー曲「Jupiter」をはじめ、クラシックの名曲を数多く取り上げている。そんな彼女にとって特別な存在である“クラシック”を主題とした『平原綾香と開くクラシックの扉』は、タイトル通りに彼女がナビゲーターとなり、クラシック音楽を彼女ならではの独自の視点で分かりやすくかみ砕いて解説しているので、初心者にとっても入りやすい内容となっている。
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【映画(DVD)】 従来のジャンルの枠を超える詩情豊かな問題作とアニメ
2017年10月21日号こんなに物事の境界線があいまいになると、もうこれはドラマだ、これは違うといったジャンル分けもできない。例えば『ラ・ラ・ランド』は以前なら、「ミュージカル」の棚に並んでいるはずだが、今は「ドラマ」扱いだ。
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【サイエンス】 科学者の自伝・伝記の魅力 鮮やかな描写と透明な読後感
2017年10月14日号「私はすぐれた観察家ではない。(中略)証拠の示すところによれば、私はほどほどに有能な説得家であるらしい」と、『利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店)の英科学者リチャード・ドーキンスは『ドーキンス自伝 1』で書く。
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【子育て・教育】 本音を語り、背中を見せる 父としてレベルアップする本
2017年10月7日号塾という現場で、多くの子どもたちを見てきて、子どもよりも「親を変える」ことが、最も効果的だと分かった。それはご立派な親であれということではなく、中心の太陽たる母(妻)が安心してニコニコでいられることを目標とすべきということだ。その意味で、夫の意識改革こそが最大の難関である。
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【料理・食】 食卓に入り込んだ加工食品 源にあった軍隊の研究開発
2017年9月30日号スーパーで見掛ける安くて長持ちするレトルト食品、それに大手チェーン店の、今や知らぬ者がいない成型肉で出来上がったハンバーガーなど、そのいずれもが、兵士たちのために開発された糧食がルーツだった。旧石器時代からの動物と獲物、人間と食料の考察から始めて、米国の軍隊と加工食品の関係を解き明かしてみせたのが『戦争がつくった現代の食卓』である。
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【健康・医療】 死体から見える格差の現実 等しく訪れる「死」と向き合う
2017年9月23日号人気テレビドラマの中には「法医学解剖医」が活躍するものがあるが、それは“事件の真相”を推理していくもの。しかし、実際の法医学解剖医の仕事は「その人はなぜ死んだのか?」という、あくまで“死の真相”を探ることで、事件の真相ではない。
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【旅行・乗り物】 世界の美術館、ロケ地巡り テーマを持った旅の楽しみ
2017年9月16日号旅の目的はさまざまだが、テーマを持った旅からは、各自のこだわりが感じられる。『悩むなら、旅に出よ。』は、執筆や放送のための取材旅行とあって、美術館や画家ゆかりの地を訪ねる旅、ゴルフコースを巡る旅、など多彩なテーマを持って国内はもとより世界各地を訪れていて興味深い。
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【スポーツ】 暴力なしで強くなるのか 高校野球を思い、満喫する
2017年9月9日号今回は高校野球をテーマに3冊を選んでみた。まずは暑さも吹き飛ぶ刺激的なタイトルの『殴られて野球はうまくなる!?』から。毎年のように報じられる高校野球界の不祥事。その多くは監督や部員同士の暴力事件だ。そのたびに期限付きの活動禁止処分や大会への出場辞退が発表される。なぜこうしたことが繰り返されるのか。
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【ファッション】 秀でたファッション本の裏に著者を支える編集者の存在
2017年9月2日号服はイケメンから買うな、という格言がある。恵まれた容姿を持つ店員はコンプレックスを克服する技術に乏しい、というのがその理由だ。『男のお洒落道 虎の巻』の著者は巨体な上に個性的な顔立ち。それ故本書には体型など、欠点を個性に変えてお洒落道にまい進した著者の秘訣が詰まっている。
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【酒・酒文化】 酒は文化のバロメーター 楽しむにも大人の心得
2017年8月26日号ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界最古の生産地とされるジョージアのワインだが、その実態はあまり知られていないのではないだろうか。『ジョージアのクヴェヴリワインと食文化』では興味深い製法や生産地ごとの特徴に加えて、その豊かな食文化が数多くの写真と共に紹介されている。
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【サイエンス】 ストーリーは作れるか? AIの進歩と知の本質を学ぶ
2017年8月12日号『ベストセラーコード』は海外小説愛好家必読。著者らは計量文献学の研究者で、NY(ニューヨーク)タイムズベストセラーリストに入った小説と入らなかった小説5000冊をコンピュータに機械学習させ、theやofの出現頻度、会話内の省略癖、主題の配分具合等を比較分析し、8割の確率で実際にベストセラーかどうか当てられるようになったという。