記事一覧:Book Reviews オフタイムの楽しみ418件
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【医療・健康】 健康体質に変わりたいなら 身に付けたい継続の“こつ”
2014年5月3日号健康のためにと前向きに始めたはずのウオーキング、テニス、ゴルフ……。ところが、三日坊主。日本人は寿命と健康寿命との間に開きがある。ぴんぴんころりはなかなか難しい。そうなるには継続こそ力なり。
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【旅行・乗り物】 思考を巡らし理解を深める テーマを持った旅のススメ
2014年4月26日号日本に帰化した作家、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。松江ではへるん先生と呼ばれていたそうだが、彼の足跡を列車に乗ってたどったのが『へるん先生の汽車旅行』である。ニューヨークを起点に、米国での記者時代からカナダを経由して日本へ。国内では、焼津、松江、熊本、神戸、東京と壮大な旅が続く。単なる紀行に終わることなく、ハーンが本当に表現したかったこと、日本人の精神論にまで話が及ぶ。TSUNAMI(津波)という言葉を最初に発信したのがハーンであり、東日本大震災を契機に、もう一度ハーンの作品を通して社会のあり方、われわれの生き方を再考すべきことを力説している。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 スピーディで目がくらむ 四人組マジシャンの欺し(イリュージョン)
2014年4月19日号日本中に「欺(だま)し」の風が吹き荒れているが、欺されて喜ぶものが一つだけある。それはマジックだ。その大がかりなのをイリュージョンと呼ぶ。『グランド・イリュージョン』は四人組のマジシャンが、ラスベガスの舞台にいたままでパリの銀行から大金を盗み出す、といった奇想天外な犯行をやってのける。ちゃんと魔術のネタはあるのだが、あの『トランスポーター』の監督(ルイ・レテリエ)だから、その映像の派手でスピーディなこと、目がくらむ。名優(モーガン・フリーマンとマイケル・ケイン)は出ているし、楽しめる。
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【スポーツ・ホビー】 五輪後の豊かさにつながる 「おもてなし」の本質とは
2014年4月12日号五輪招致活動で、滝川クリステルさんが世界に訴えた「おもてなし」。はたして、2020年の五輪パラリンピックが東京開催に決定したが、「おもてなし」とは、具体的に何をすることを意味するのだろうか? 狭義に解釈すれば、日本らしいホスピタリティ(歓待)ということになるだろうが、それだけでは寂しい。
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【ファッション】 実力派の若手テーラーが描く パリの仕立て屋の世界
2014年4月5日号タイユールとはフランス語で仕立て屋を意味する。『夢を叶える』の主人公鈴木健次郎は夫婦でパリに渡り、一流のタイユールで日本人として初のヘッドカッターに就任。その後独立を果たした実力派の若手テーラーである。
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【料理・食文化】 外国の料理をそしゃくする 日本人の旺盛な好奇心と情熱
2014年3月29日号日本橋にある「たいめいけん」は今から50年前、私がまだ10代のころから、洋食の名店としてその名をはせていた。浅草のすし屋の親方が私を連れていってくれたのが始まりで、そのときに店主の茂出木心護さんを紹介していただいた。
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【酒・酒文化】 古今東西の映画47作品に見る ウイスキーの重要な役どころ
2014年3月22日号『ウイスキー アンド シネマ』は、ウイスキーが登場する古今東西の映画47作品を紹介したものだ。それぞれの映画の中で、ウイスキーが重要な脇役を演じていたことを知らされる。
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【ミステリー】 半年後に人類は壊滅するのに なぜ刑事は殺人犯を捜す?
2014年3月15日号こんなヘンな小説、読んだことがない。ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』だ。半年後に巨大な小惑星が地球と衝突し、人類はほぼ壊滅すると予想されている米国が舞台。ではSFなのかというと、そうではない。米国探偵作家クラブ賞を受賞したように、ミステリーである。
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【映画DVD】 MY WAYの原曲を作った 仏アイドルの知られざる生涯
2014年3月8日号25年間トップの座を占めてきた弦楽四重奏団。そのリーダーのチェリストが突然パーキンソン病と診断され、楽団は解散を余儀なくされる。途端に長い間たまっていた憎悪、不満、隠されていた恋愛感情が噴き出す──。『25年目の弦楽四重奏』。名優ばかりがズラリ。第一バイオリンになれない不満を抱えたままビオラ奏者の妻を得た第二バイオリン(つい最近、薬物過剰摂取で急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン)、チェロ(クリストファー・ウォーケン)。全編を流れるベートーベンのop.131にピタリと合う弓の動き、指のポジションにも驚くが、何より芝居がすごい。このところ見たものの中では文句なしに一番。
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【科学読み物】 物語が秘められた写真で 大自然の魅力を読む
2014年3月1日号『竹田津実写真集 アフリカ』は、大自然を読み応えのある形で提示している。普通、写真は視覚の対象だが、本書の場合は、作品の1枚1枚が物語性を秘めている。だから眺めるよりも、読み進む感覚になるのだろう。300点の写真の基調を成すのは、生命の輪廻。草食獣のヌーやシマウマ、ガゼルの群れがいて、ライオンやチーター家族の営みがある。
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【子育て・教育】 子どもを伸ばしたい親必読の 「自己肯定感」の育て方
2014年2月22日号「子どもを伸ばしてあげたい」というのは、すべての親たちの切なる願いだ。だが、多くの親がそのためにどうすればよいかがわからずに空回りしている。そこで、お薦めしたいのが『伸びる子の育て方』だ。
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【音楽・演劇・演芸】 晩婚化はユーミンの罪!? 文化や時代をつくる音楽の力
2014年2月15日号『ユーミンの罪』は、ユーミン(松任谷由実)のアルバムを、著者の実感的記憶と突き合わせながら振り返り、時代の空気と女性の移り変わりを検証する。時代を「鋭い刃物で切り取る」ように提示したユーミンの歌は、女性たちのライフスタイルや気分に見事にシンクロした。
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【医療・健康】 がんと向き合い、がんと闘い がんと共に生きる!
2014年2月8日号「がんはどのように対応するのがよいのだろうか?」。人は死に向かって歩んでいる。生きるとは死ぬことなり、などと言うつもりはないが、いざ、がん宣告をされ、それが末期がんであると人はどんな対応をするのか──。それを42歳のときに体験したのが心療内科医の星野仁彦氏。がん患者の心のサポートをするケースも増えている心療内科医だが、自身のときはS状結腸がんの末期で、「5年生存率0%」と知ったとき、冷静ではいられなかったし、うつ病にもなったという。
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【旅行・乗り物】 観光地巡りとは一線を画す ヨーロッパの大都市の歩き方
2014年2月1日号ヨーロッパの大都市に滞在できるとしたら、どんな楽しみ方があるだろう。通りいっぺんの観光地巡りではない過ごし方を、最近のユニークな本を基に考えてみたい。
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【映画DVD】 骨太な捜査ものに仕上がった テレビ版『レディ・ジョーカー』
2014年1月25日号『舟を編む』。人間一生分の時間と労力を費消させる辞書作り。それに従事する奇特な変わり者たちの哀歓を描いた三浦しをんの異色の小説が映画化された。地味だがハートウオーミングないい作品だ。俳優たちが適材適所、松田龍平はじめ全員好演だが、特にオダギリジョーが不振を吹き飛ばす出来。やっぱりいい役者なのだ。
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【スポーツ・ホビー】 心が動く現在進行形の真実 公式戦に出た83歳の女子高生
2014年1月18日号これでも物書きの端くれ。本質を突くものでなければ、心が動かない。作り物の感動には、嫌悪感さえ覚える。その立場からの感想だ。『83歳の女子高生球児』には、完全にやられた。何しろ描かれていることが、現在進行形の真実なのだから。
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【ファッション】 サブカル成長をもたらした 東京オリンピックの熱気
2014年1月11日号日本のサブカルチャーは、東京オリンピック以降に高度成長を遂げた。インターネットのなかった時代に、洋雑誌、洋楽レコード、洋画を元ネタにした最新の海外情報を発信していた植草甚一の果たした役割は大きかった。
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【料理・食文化】 世界無形文化遺産に登録 和食の魅力にせまる3冊
2013年12月28日号2013年暮れ、日本の食事「和食」がユネスコの「世界無形文化遺産」に登録された。この絶好のタイミングにすてきな本が続けて出た。一冊は辻芳樹『和食の知られざる世界』。著者はプロフェッショナルの料理人を養成する辻調理師専門学校の校長だ。10代から、先代の辻静雄に連れられ、何度も大阪の吉兆本店で食事をした経験を持ち、英国に留学して、外国からも、日本の料理を見詰めてきた。
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【酒・酒文化】 見る者の想像力を刺激 切り絵で描くバーの魅力
2013年12月21日号バーをこよなく愛した切り絵作家、成田一徹氏が他界して1年、その遺作ともいえるのが『新・神戸の残り香』だ。白と黒のみ、しかも切り絵という表現の制約された世界は、作家の創造力を大いにかき立てたことだろうが、見る者の想像力も刺激してくれる。
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【ミステリー】 読み始めるとやめられない 変わり種ミステリー
2013年12月14日号東山彰良『ブラックライダー』が読ませる。時は未来。人が人を食うようになった時代が舞台の小説である。蟲(むし)が蔓延し、こいつも人を食い殺していく。とんでもない設定だが、蟲のついた人を殺して歩くアウトローと、その殺人者を追う保安官が登場するから、未来のウエスタンでもある。そういう小説は駄目だなと思った読者は、いきなり「2」から読むのがいい。ここはアウトローの章だが、結構いい話でもあるので、ぐいぐいと読ませる。その勢いを借りて「1」に戻れば、後は大丈夫。