記事一覧:Book Reviews オフタイムの楽しみ418件
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 名画をめぐるサスペンスの力作 熱く激しいフランスミステリー
2016年5月21日号原田マハ『暗幕のゲルニカ』の主役は、ピカソの名画「ゲルニカ」。その実物は42年間もニューヨーク近代美術館に展示された後、スペインに返還されたが、その後も複製のタペストリー(複製とはいってもピカソ監修の下に制作されたもの)は国連安全保障理事会会議場のロビーに残された。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 大仕掛けとアナログが同居 007シリーズの「らしさ」
2016年5月14日号『007 スペクター』。最初の映画化からもう53年、24本目。ボンドがダニエル・クレイグに代わってからでも10年。さすがに今回は力が入って、アストン・マーティンはじめ腕時計などの小道具も主題曲も大事に扱われていて、懐かしい。それでも1回目の「ドクター・ノオ」の方に軍配が上がるのはショーン・コネリーにあった英国風のユーモアとやぼったさが薄くなったからだ。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 わが子に買い与えたい本 「育成」のための最良の教科書
2016年4月30日号子どもを持つ親として必ずぶつかる疑問の一つは、「わが子に、どの本を与えるべきか」というものである。情報が溢れ過ぎていて困る現代の悩みだ。質問されたら、私は『今、この本を子どもの手に』を薦めている。好評で感謝されることが多い。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽】 音楽シーンに風を吹き込んだ濃厚なるインタビュー集
2016年4月23日号日本のフォークソングの3大レーベルといえば、URC、エレック、ベルウッドだが、ベルウッドはマイナーでもなくメジャーでもない特殊なレーベルだった。キングレコードというメジャーの中に1972年に設立されたからだ。その意味ではマイナーとメジャーの良さを併せ持っていたということだ。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【サイエンス】 こんな手があったのか! 工夫を楽しむ読書の醍醐味
2016年4月16日号テーマの見せ方に工夫がある本は楽しいものだ。『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』は「こんな手があったのか!」と瞠目する一冊。人の認知バイアスを紹介した本なら多数あるが、それをクイズ形式に置き換えた構成の見事さには舌を巻く。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食文化】 基本の繰り返しと失敗に学んだ「料理の哲学書」の神髄
2016年4月9日号宮川順子著『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』。この本は料理本ではあるが、正確にいえば料理の哲学書である。「人間のからだはすべて食べたものだけでできている」を命題に、何を調理するか、それをどう食べるかを、自分の家庭を見つめながら、じつに具体的に書いてある。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【健康・医療】 いいかかりつけ医探しの手引き 賢い患者になるための基礎知識
2016年4月2日号「病気になったとき」「健康で長生きするために」「終末期の生き方」……人生いろいろではあるけれど、そこには常に医師の存在があるのが今日という時代。この中で終末期には「在宅医療」がクローズアップされている。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 外国人に人気の地、奈良、下町 日本再発見のためのガイド
2016年3月26日号春の訪れとともに旅がしたくなる。どこへ出掛けようか迷うところだが、国内旅行のヒントになりそうな本が何冊か出たので、それらを読みつつ行き先を決めたいものだ。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【スポーツ・ホビー】 全編にあふれる敬意と畏怖 無性に山へと登りたくなる本
2016年3月19日号2年前から登山に目覚め、月に2~3回は山行している。ただ素人故に冬の山には登れない。そこでこの時期に本屋に行くとついついこんな本、『人生のことはすべて山に学んだ』に惹き付けられる。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ファッション】 新しいスタイルが台頭した 東日本大震災後のファッション
2016年3月12日号『ワンコイン古着』は専門店のヴィンテージではなく、リサイクル店にある100円ウエアのガイドブック。グラフィックデザイナーが本業の著者は、腐っても鯛的な古着を独特のセンスで見極め、その成果を写真で紹介している。またワンコインでそれを入手するノウハウも解説。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 臓器移植に真正面から挑む 傑作連続ドラマの迫力
2016年3月5日号異常なまでのしつこさと手段を選ばぬ取材方法で、害虫のように忌み嫌われるパパラッチ。多くは一匹狼で、機器の進歩した今日ではアマチュアでも簡単になれる。日本ではもっぱら芸能人がターゲットだが、外国では政治家が本命らしい。一人のパパラッチが新人からスクープでのし上がってゆく姿をドキュメンタリー風に描いたのが『ナイトクローラー』。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【酒・酒文化】 仏で大ヒットのワイン教本 初心者のためのカクテル入門
2016年2月27日号フランスでベストセラーとなったワインの教本が『ワインは楽しい!』というタイトルで翻訳された。全編がイラストで構成されていて大変親しみやすい。実用情報が簡潔かつ分かりやすく解説されている。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 近未来の超管理社会が舞台 秀逸なるSFミステリー長編
2016年2月20日号今月は何といっても、トム・ヒレンブラント『ドローンランド』にとどめを刺す。読み始めたらやめられない面白さだ。無数のドローンによって全てがデータ化された超管理社会が舞台。米国は没落し、ブラジルやEU(欧州連合)などが新しいエネルギーをめぐって覇権を争っている近未来で、欧州議会議員の死体が発見され、ユーロポールの主任警部ヴェスターホイゼンが捜査を始めていく。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【サイエンス】 楽しく折って科学と遊ぶ 折り紙の魅力を堪能する
2016年2月13日号任意の鋭角を3等分せよ。定規とコンパスでこの問題は解けないが、なんと折り紙だとできる。『ドクター・ハルの折り紙数学教室』は幾何や代数の授業に折り紙を導入する30のアイデアが紹介された、科学好きの読者の想像力を刺激する本だ。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 受験に挑戦するわが子に親としてできるアドバイス
2016年2月6日号自分の子が受験をする。親として、費用を稼ぐ以外にやれることはあるだろうか。例えば「良い学習方法はこうだ」と言い切れれば格好いいだろう。大抵は自分個人の成功体験程度しか語れないのだが、『脳が認める勉強法』は、記憶やひらめき、効果的な学習法について、心理学や脳科学の研究を踏まえて説明してくれていて参考になる。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 日本の歌謡曲文化の黎明期 79年の音楽シーンの特殊性
2016年1月30日号『1979年の歌謡曲』はタイトル通り1979年の歌謡曲に的を絞った評論本だ。ではなぜ著者は79年というたった1年間に狙いを定めて評論を書いたのか? その答えは79年の音楽シーンの特殊性にある。79年は歌謡曲とニューミュージックとの「一年戦争」と著者は言う。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【健康・医療】 到来! スギ花粉症への切り札 舌下免疫療法を正しく知る
2016年1月23日号2月になるとスギ花粉症の季節到来。今シーズンは例年並みの飛散量と予測されている。スギ花粉症の舌下免疫療法薬が保険適用(2014年10月から)となり、治療を受けて初めてのシーズンを迎える人が多いはず。その人たちの感動の声が上がるだろう。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 マンネリ恐れぬ娯楽大作 パンチが効いた新作の感動
2016年1月16日号「007」「ターミネーター」。どこを見てもシリーズ物ばかり。新しい名前を売り込むのが、いかに困難か。『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』は、前身のテレビ番組まで溯(さかのぼ)れば卒倒するほど旧いが、トム・クルーズがイーサン・ハントの役を手に入れて巨大なアクション映画に仕立ててからでも、もう5本目。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食文化】 牡蠣をめぐる日仏の友情物語 国民食ラーメンの政治経済学
2016年1月9日号年を越して、牡蠣のシーズン真っただ中である。そして、間もなくあの3・11がやって来る。2011年3月11日の東日本大震災で、東北・気仙沼の牡蠣がほぼ全滅した。ところが、翌年早くも牡蠣が奇跡的に復活した。海がかき回され、残っていた牡蠣が栄養をたっぷりと取ることができたためらしい。ところが、養殖場を再開したくとも資金が足りない。そこに援助の手を差し伸べたのが、かばんで有名なルイ・ヴィトンだった。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 イタリア、北欧、冬のドイツ ヨーロッパの旅を楽しむ本
2015年12月26日号ヨーロッパへの旅心をそそる本が相次いで出版されたので、紹介してみたい。まずは、『美しき秘密のイタリアへ』。サブタイトルにもあるようにイタリア半島にある51の世界遺産と小さな村を最新のカラー写真で紹介した本だ。ヴェネツィア、フィレンツェといった有名どころからモンタニャーナ、スペッロといった知られざる村の美しい情景まで丹念に案内しているのが魅力である。