記事一覧:Book Reviews 目利きのお気に入り419件
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Book Reviews 目利きのお気に入り
新たな視点や実践を交えた 資本主義の在り方を問う3冊
2014年10月11日号リーマンショックを契機に、資本主義の在り方を問う著作が相次いで刊行されました。最近は、ちょっと一服気味でしたが、時間を経たが故の新たな視点や実践を交えた著作が出始めています。
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無意識だからこそ難しい 憂鬱な「第二の天性」の正し方
2014年10月4日号「第二の天性」といわれる習慣。『広辞苑』は、「反復によって習得し、少ない心的努力で繰り返される固定した行動」と見事に定義していますが、「何とかならないかなぁ」と憂鬱になる習慣も珍しくありません。
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超一流のプレゼンに不可欠な 「考える力」と「魅せる力」
2014年9月27日号ワード、エクセル、パワーポイントでの企画書作りとプレゼンテーション。「一通りできますよ」という方は多いと思います。でも、『外資系コンサルが実践する資料作成の基本』を読むと、実は穴だらけだったことにがくぜんとするでしょう。本書が、流行の外資系企画書・プレゼンのテクニック本と一線を画するのは、発案からプレゼンに至る全ての過程で発揮されるべき「考える力」と「魅せる力」を詳細に示していることです。例えば、提案書の作成過程で、内容の妥当性を修正するポイントは、どこにあるのか。企画書を、電子ファイルで提供した場合、図表類のプロパティから出所が分かり、「こんな引用をするような担当者とは安心して取引できない」と土壇場で不採用になることがある等々。安易なテクニックをいさめ、資料作成手法の神髄を伝えます。
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必死に働き過ぎていないか? 働く女性の陥りやすい行動
2014年9月20日号先日、新刊発売記念の写真展を企画しました。社長への企画意図の説明の際、「目の前の企画と作業に夢中でお客さまのことを忘れていませんか」と苦言をもらい、そんなときに手にしただけに、一言一言が身に染みたのが『大人の女はどう働くか?』。働く女性ならではの陥りやすい行動や考え方を101項目にわたって指摘し、その改善策を具体的にアドバイスしています。例えば、「必死に働き過ぎていないか」。必死さ故の視野狭窄に陥らないために原点に戻れと説きます。
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父が対話形式で説く やさしくないマクロ経済学
2014年9月13日号決してやさしくない。しかし、ただ難しいだけではない。繰り返し「土俵に上がれ」と勇気づけ、完読の喜びを与えてくれる。そういう本があります。『父が息子に語るマクロ経済学』も、そんな至福の一冊です。父(大学教授)が、大学1年生の息子に、マクロ経済学を対話形式で説きます。しかし気鋭の経済学者である著者は前書きで、「本書はマクロ経済学の入門書ではない」と断言。その真意は、まさに私が感じた至福こそ著者が届けたいと願っていることだからです。
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事業戦略に求められる 明確で整理された行動指針
2014年9月6日号私自身も経営企画系の部署に所属しており、『経営企画部が日本企業をダメにする』というタイトルを突き付けられると、もう読まずにはおれません。歯に衣着せぬ本音の事業戦略批判が強烈で、著者は、口先で顧客を丸め込むのが大嫌いなコンサルタントに違いないと確信します。中盤以降は、本格的な事業戦略論が展開されます。
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物を買う喜びを創造する 安心感を創出するサイクル
2014年8月30日号物を買う喜びは、どのように創造されているのか。身近なお店を取り上げた好著が相次いで刊行されました。まずは『鎌倉シャツ 魂のものづくり』。鎌倉シャツは私もよく行くお店の一つですが、直感的に「この店、いいなぁ」と思っていたことと、本書が記す経営のあり方がピタッと一致してうれしくなりました。4900円シリーズに象徴されるシャツを実現するための協力会社との誠実な関係づくり。「目標を作ると、その達成のために無理を重ねることになる」(社長)という方針の下、出店要請を受けて取り組まれる出店計画や店のサイズに応じた採算計画の練り方等々。ファッション販売を知り尽くした著者が、「買う物」と「買う者」の両方に対して安心感を創出するサイクルを、落ち着いた筆致で解き明かします。
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稼ぎは住むところで決まる!? 年収の都市間格差の秘密
2014年8月23日号『年収は「住むところ」で決まる』。編集者の気持ちはよく分かるのですが、おっと驚くものの、買おうという気持ちにまではいかない。もう一工夫が欲しい書名ですが、これが実は大当たり。一級の経済エンターテインメントになっており、どう売っていこうかと悩みました。
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自己を知る行為から発想 ドラッカーと孔子の共通点
2014年8月9日号ソクラテスの言葉「無知の知」は、知っていないことを知るの意ですが、これが名言たり得たのは、“回転運動”があるからです。つまり、知ると知らないことが分かり、さらに知ればさらに知らないことが分かる。『ドラッカーと論語』も同じ問題意識が貫徹します。
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「好き嫌い」が左右する ビジネスの成功法則
2014年8月2日号解説を先に読んだ方が、本全体の内容がよく理解できることがあります。『「好き嫌い」と経営』も、最終章にある著者自身へのインタビューを先に読むと本書の企画意図が分かり、面白さが倍増です。
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結果のために究極を目指す 衝撃力と滋味を備えた一言
2014年7月26日号「アサヒ、スーパードライ」「シャープ亀山」など、博報堂クリエーティブの名匠として知られる小沢正光さん。その小沢さんが部下に発した名言・暴言の数々をまとめたのが『おざわせんせい』。
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「できません」は禁句 日本橋高島屋のおもてなし
2014年7月19日号読者の方も見たことがあるかもしれません。高島屋日本橋店の正面玄関でお客さまを迎える初老の男性。同社初のコンシェルジュの敷田正法さんで、『日本橋高島屋コンシェルジュの最高のおもてなし』には、「そこまでやる!?」という驚きのエピソードが満載です。
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議論の本質は価値の創造 意見を伝える三つの手法
2014年7月12日号「KYかな」「間違ってるかも」と意見をためらう。会議とは、ためらいの上に成立しているのかもしれません。しかし、『世界のエリートが学んできた自分の考えを「伝える力」の授業』は、ディスカッションの本質と伝える手法を分かりやすく説きます。議論とは、「勝ち負けを競うものではなく、テーマの内容を発展させ、価値を創造すること」と定義。その上で意見を伝えるための「シンプルな結論」「意見の絞り込み」「重要度の高いものから」という三つの手法を解説します。基礎的なレベルに寄り添った内容ながら、読後感の豊かさは、まさに伝わっているからなのです。
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30歳は“脳の成人式” 専門医が指南する脳の強化法
2014年7月5日号売れ行きが好調で内容も面白い3冊を、と用意してみたら、いずれもユニークな指導者による著作集となりました。一押しが、『脳の強化書』。MRIの画像診断専門医が、大人になっても脳が成長し続けている人が居ることを発見し、「30歳は脳の成人式」と脳の強化法66を指南します。いわく「大好きなものを10日間断つ」「相手の口癖を探しながら聞く」など何げなくできることばかり。ちなみに本書は、2010年に実用書として刊行されたのですが鳴かず飛ばず。半年前からビジネス書として展開したら大ヒット。書店員も脳を鍛えておかないと機会ロスを増やします。
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自身に滋養をもたらす 仕事との向き合い方
2014年6月28日号「情熱大陸」(TBS系)は、大阪・毎日放送の制作。その5代目プロデューサーが、番組作りや出演者から学んだ仕事術をまとめたのが『情熱の伝え方』です。
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自由とプライバシーを重視し 社会貢献する“ヒッピー文化”
2014年6月21日号今や、私の最も身近なツールであるツイッター。遠くに住む人たちとの意見や感想の交流は、思考の手掛かりとなっていますが、ツイッターの4人の創業者たちの奮闘を紹介する上質なノンフィクションが『ツイッター創業物語』。
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特定の分野に埋没しない イノベーターの育成手法
2014年6月14日号特定の専門研究に埋没せず、越境し、かつ社会と積極的に関わることでイノベーションを創造する──。イノベーター育成の在り方を探る著作が相次いでいます。
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乱世に勝利できる企業とは? ビジネスにおける権力論
2014年6月7日号今月は、タイトルだけを見れば身構えてしまいそうですが、内容はいずれも直球勝負の3冊を。
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地上数百メートルで働く男の 仕事への誇りと美学
2014年5月31日号東京スカイツリーにも携わった鳶職人が、ブログの原稿と自らスマートフォンで撮影した写真をまとめたのが『鳶(とび)』。文章がうまい。写真も、そこで働いている者にしか撮影できない生々しさ。地上数百メートルの空間で、自分を守り、仲間を守り、ナット一つさえ落としてはならない緊張に耐えながら、ビルやタワーを造り続ける仕事への誇りと美学に満ちています。貴い仕事の記録です。
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個人起業の限界を超える 会社のリソースの使い方
2014年5月24日号良質な啓蒙書には、やさしい言葉で深い教訓を与えてくれるという共通項があります。今月は、そんな3冊がそろいました。