記事一覧:Book Reviews 目利きのお気に入り419件
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Book Reviews 目利きのお気に入り
ミスをしないことを意識せよ 個人でも勝てる投資の鉄則
2015年3月7日号株式市場は、いまいち盛り上がりに欠ける景気に気迷い相場が続きますが、資産形成では証券市場にも足場を持つのが大事なことに変わりはありません。といって株式相場に一喜一憂してしまうのも本末転倒。
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異業種参入にどう備えるか? “読破保証型”の競争戦略本
2015年2月28日号ビジネス競争が熾烈になるほど競争戦略の理解が不可欠なのですが、難解な著作が多く、匙を投げるケースが少なくありません。しかし、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』は違います。最近の競争の特徴の一つが、既存の競争ルールを破壊する異業種の参入です。本書はまず、(1)相手のもうけの仕組みを無力化する「秩序破壊型」、(2)顧客が気が付いていない価値を具体化する「市場創造型」、(3)新たな事業モデルを創る「ビジネス創造型」、(4)バリューチェーンを見直す「プロセス改革型」の、四つのゲーム・チェンジを分析。その上で、既存のプレーヤーがどう闘うべきかを指南します。
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尊敬はしないが尊重はする 大人を感じさせる人の思考法
2015年2月21日号2016年春卒から就活エントリーが3月になったこともあり、就活本がやっと動き始めました。就活生を想定した新刊は多いのですが、中にはベテランズにこそ手にしてほしい著作も多くあります。『大人らしさって何だろう。』。著者はスピーチコミュニケーションのコンサルタントで、「この人は大人だなと感じさせる者と、そうではない者の差はどこにあるのか」を40のテーマで語ります。
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さまつな報道では分からない イスラム国成功の理由
2015年2月14日号日本人人質問題には心が痛みます。イスラム国やムスリムについての緊急出版が相次いでいますが、まず手にしていただきたいのが『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』です。著者は、対テロファイナンスの専門家で、さまざまな資料を提示してイスラム国が単なる過激派集団ではなく、明確に「近代国家の創立」を目指していることを明らかにします。多頭型の代理戦争の間隙を突き、経済的自立も志向し、さらにさまざまなテクノロジーを駆使して国家を創ろうとしている。池上彰氏は解説で、「彼らの『近代性と現実主義』が成功してきた理由」と指摘します。さまつな報道では分からない底流を読み解きます。訳は名手、村井章子さん。
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ジョブズ以上の狂気を持つ アップル躍進の真の立役者
2015年2月7日号アップル製品の秀美さに異論を唱える人はいないでしょう。スティーブ・ジョブズの狂気的なこだわりと理解されていますが、その裏には1人のデザイナーがおり、彼こそがアップル躍進の真の立役者でした。
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5500円の価値は十分! 『21世紀の資本』読破の喜び
2015年1月31日号700ページ超、5500円の経済書にもかかわらず売れ続けている『21世紀の資本』。まだ購入をためらわれている方には、私なりの読み方をご披露させていただき、あらためてお薦めします。本書の主張はたった一つです。「インフレ率が2%で、資産運用利回りが5~7%とすると、金持ちの資産は永続的に拡大し、資産格差が広がる」。これだけ。付箋を張った箇所を抜き書きしてみると、何度も同じことが繰り返されているのに気が付きます。
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ブラックボックス解体に挑む 酒蔵の経営改革物語
2015年1月24日号1を100にするよりも、0を1にする方が難しい。だが、そこにこそやりがいがある。こんな思いで設立された出版社から、自らが学ぶためでもあるように刊行されたのが『ものづくりの理想郷』。和歌山にある酒蔵の後継者の経営改革物語。ベンチャー企業に勤め、実家に戻って10年。「杜氏という名のブラックボックスの解体」に挑みます。“最高製造責任者”である杜氏の自負とそれ故の内向きさ。社長といえども介入できない杜氏次第の経営リスク。後継者は、だからこそ外に目を向け、独自ブランドを確立しようと杜氏たちに新たなものづくりを提案します。
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より少なく、しかしより良く 大事な仕事の見極め方
2015年1月17日号「仕事の山で新年から残業続き」とお嘆きの皆さんに、当店、法律経済書担当一同の一押しが『エッセンシャル思考』。ヒットの手応え十分の動きです。単なるタイムマネジメント本ではありません。仕事を抱え込んでしまいがちな人、仕事を断るのが苦手な人たちに、仕事を絞るシステマチックな方法を伝授します。キーワードは「より少なく、しかしより良く」。その上で要は三つ。「何でもやらなくてではなく、何をやるかを決める」「大事なものはめったにない」「何でもできるが全部はやらない」。まず仕事に対する見方を変え、さらに具体的な仕事を断る技術や大事な仕事を見極めるすべを説明しています。
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資本主義の暴走を加速させる 「負の連鎖」を解明
2015年1月10日号格差問題に、あらためて関心が高まっています。一種、熱狂的に読まれているトマ・ピケティの『21世紀の資本』が、ビッグデータを駆使した統計学的な視点から書かれているのに対し、『ロバート・ライシュ 格差と民主主義』は、政治学的な立場で格差問題に斬り込みます。
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スキルだけでは課長失格 「社内政治」への処し方
2014年12月27日号新たな年の身の処し方に思いを巡らせる季節になりました。『社内政治の教科書』を手にしたときは、サブカル寄りの著作かと思いましたが、なんのなんの、正面から社内政治への処し方を示すリアルな著作で、ビジネス小説とは違う面白さがあります。
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言葉で商品の価値を上げる 広告コピーの仕事の神髄
2014年12月20日号学校や研修会ならば10万円ぐらいの授業料が掛かるものが、1000円ちょっとで学べる。内容が濃く、深い洞察に満ちた一冊に出会えるのが読書の楽しみです。『ここらで広告コピーの本当の話をします。』も、そんな著作。広告コピーの言葉をめぐる技術本ではありません。「コピーを書くのは締め切り日の前日でよい」という言葉に象徴されるように、コピーおよびコピーライターが、マーケティングで果たすべき役割と、そのための仕事への姿勢を語ります。特にメインコピーに寄り添うタグラインに込められる広告全体への思い入れに驚かされます。そして、コピーライターとは、「商品をいじらず、言葉を使って商品の価値を上げている人」という定義にたどり着きます。広告・宣伝はもちろん、マーケティング担当に一押しです。
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“ナノ秒”単位で先回りする 超高速取引業者の正体
2014年12月13日号今春、ウォール街を揺るがした『フラッシュ・ボーイズ』が翻訳・刊行されました。不正・不法ではないが、こんなことが本当にあってよいのか。『マネー・ボール』の著者による衝撃のノンフィクションです。コンピュータ画面に表示される株の買値・売値で取引しようとすると、ふっと気配値が消え、必ず買いなら高く、売りなら安く取引が成立してしまう。その謎に挑んだのがカナダのディーラー、ブラッド・カツヤマ。彼は、高速サーバと光ネットワーク、特殊なアルゴリズムを駆使してナノ秒単位で先回りする「超高速取引業者(HFT)フラッシュ・ボーイズ」の存在を突き止めます。そしてナント、彼らのサーバは、証券取引所が提供する場に置かれている。日本ではそんなことはないのか、も含めて続きは本書でどうぞ。
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3度の危機を乗り越えた 名門グッチのブランド戦略
2014年12月6日号「ジャッキー」「バンブー」「ホースビット」「フローラ」……。すぐに分かった人は、かなりのブランド通。むしろ分からなかった人にこそ、お薦めの1冊が『グッチの戦略』です。副題にもあるようにグッチは、戦争による創業直後の原材料不足、一族による骨肉の争い、救世主経営者とデザイナーの退任という3度の危機を乗り越え、ラグジュアリーブランドの地位を揺るぎなきものにしました。なぜ危機を乗り越えることができたのか。本書は緻密な分析を通して秘密に迫っていきます。「メード・イン・ジャパン」が衰退する中で、グッチの危機戦略は、日本メーカーへの痛烈な批判である一方で、一筋の光明でもあるでしょう。単なるブランド論を超え、抜群の企業ノンフィクションに昇華しています。
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仕事を創造的なものにする 企画の技術の全貌
2014年11月29日号どのような職種であれ、企画という作業と無縁ではいられません。仕事をより創造的なものにしたいのならば、企画の技術は、一つのリテラシーとしてビジネスパーソンに不可欠なものです。『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本』(長い!!)は、カンヌ広告祭金賞など数多くの賞を受賞した著者による、広告制作を軸とした企画技術の本ですが、読者は広告関係者にとどまりません。そもそも企画とはどのような行為なのかから始まり、企画を生み出す脳の鍛え方まで詳細に説き起こします。自身のメソッドの命名法、図案の配置、平易で吟味された言葉等々、本書自体が、企画の具現であることに気が付かされます。
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編集者が嘆き、和んだ 「神様」の人間くさい言葉
2014年11月22日号「ブラック・ジャックの病気がないんですよ。アイデアが出ないんです」。そう言われても、原稿を待つ編集者にアイデアがあるはずもない。しかし、この一言に手塚治虫という人の気遣い、親しみ、完成度の高さへの貪欲さを感じ、編集者たちは嘆き、和むのです。『手塚治虫 壁を超える言葉』は、手塚プロダクション社長である著者が書き留めた手塚(てづか)の言葉とエピソードを紹介します。私はポスト手塚世代で、手塚治虫も「若くして亡くなった天才」という程度の認識でした。しかし、「神様」と呼ばれても、さらなる高みを目指した壮絶で人間くさい生きざまを示す言葉の数々には脱帽で、それを後世に伝えることこそが出版への思いであったかと感じます。
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世の中が望むことが見える!? 名作を生む“後ろ向きの緩さ”
2014年11月15日号CMプランナーと聞けば、ちょっと華やいだイメージですが、著者は正反対。地味で暗くて人付き合いが大の苦手。同窓会に出れば、「あんまりしゃべったことなかったね」と言われる。なのに「宇宙人ジョーンズ」「こども店長」「フジカラーのお店」等々、聞いただけで頭に浮かぶ名CMの数々を作ってきました。その発想の豊かさの秘密を見せてくれているのが、『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』。
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海賊組織の姿を通して迫る 資本主義の“業”
2014年11月8日号資本主義の変容を捉えた良著が相次いでいます。まず、『海賊と資本主義』。その着想のユニークさ通り、面白く説得力のある展開が続きます。著者たちは、「海賊集団」は資本主義の枠組みの転換期に、登場すると言います。資本主義初期の領土拡大期(海賊)、インターネット社会の普及期(ハッカー)、遺伝子革命での遺伝子操作(バイオハッカー)等々。「領地」から「海洋」「ネット」へと新たなテリトリーの拡張や新たな規格化を画策し、競う国家に対し、それらの隙間に「公益」を求める「海賊組織」。
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“学習中毒”が指南する 「そこそこレベル」になる秘訣
2014年11月1日号やってみたいことはたくさんあるが、腰を据えて取り組めない。でも、早くできるようになりたい。そんな願いを持つ人に、ビジネススクールに行かずにMBAの知識を身に付ける方法を説いた『Personal MBA』をヒットさせた著者が、「まずはこの方法で」と指南しているのが『たいていのことは20時間で習得できる』。
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精神科医「モタさん」がつづる 今日も明日も上機嫌な言葉
2014年10月25日号「モタさん」こと精神科医の斎藤茂太。42年間の著作活動で約650冊もの刊行書があり、人気のすごさを実感させられます。実は私、彼の著作を一冊も読んだことがありませんでしたが、『今日も明日も上機嫌。モタさんの“言葉”』には、やられました。
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イスラム教徒を理解する 「ハラール」対応の最前線
2014年10月18日号先日、大阪と京都へ小旅行。外国人観光客の多さや大阪城のエレベーターガイドさんの流ちょうな英語に驚き、そして目に付いたのがスカーフをかぶったイスラム系の女性たちです。世界人口の4分の1を占めるイスラム教徒の受け入れは、観光立国の重要なポイントで、イスラム法で「合法」を意味するハラールへの対応が急がれています。