記事一覧:Book Reviews 目利きのお気に入り419件
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Book Reviews 目利きのお気に入り
読み応えある格差への処方箋 IoTによる経済の大転換
2015年12月26日号2015年はトマ・ピケティで明け、アンソニー・B・アトキンソンで暮れる。そんな勢いを見せるのが『21世紀の不平等』。弟子のピケティが『21世紀の資本』で問うた格差問題について、不平等研究の権威である師が、格差を諦めない15の方法を提言します。
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転機に力を与えてくれる 大女優の気遣いと仕事応援歌
2015年12月19日号自分の生活に転機を迎えたときと、ずっと気になっていた本を手にする機会が重なりました。『高峰秀子との仕事1 初めての原稿依頼』。
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街の本屋のビジネス物語 建設的なコミュニケーション
2015年12月12日号本屋では、棚の本を整理することを「耕す」と言います。農家が畑を耕し実りを得るように、本屋にとっての畑は棚だという直喩です。でも『まちの本屋』の著者は本屋とは「地を耕す」ものと踏み込みます。
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素朴な言葉とあふれる情熱 読めば元気になる3冊
2015年12月5日号今月は、「俺も頑張ろう」と心が元気になる新著から。まずは、『運は創るもの』。ニトリの創業者である著者が、「日本経済新聞」の「私の履歴書」での連載をまとめたもの。
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期待通りの「内容整理」の技術 統計で読み解く東京23区の姿
2015年11月28日号『外資系コンサルの3STEP思考術』は、同じ著者の『外資系コンサルの資料作成術』が、三省堂有楽町店で数百冊も売り上げたヒット作だけに期待が膨らみます。そしてやはり、期待は裏切られませんでした。
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ルーズと粘りのイタリア人 石部金吉ドイツ人の店の魅力
2015年11月21日号「アバウトで陽気、そして異性好き」。イタリア人のイメージは、こんな感じでしょうか。でも、『最後はなぜかうまくいくイタリア人』を読むと、心底、「面倒くさい」と思われるでしょう。
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近代人のアンチテーゼか 「幼さ」の構図と可能性を探る
2015年11月14日号現代社会の「幼さ」の背景とその系譜をもう少し探れる新刊から、まず『ヤング・アダルトU.S.A』。1980年代以降の米国の映画、音楽、青春ドラマをなぞり、米国の精神性の解明に挑みます。
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起業のヒントと新たな活路 ストックビジネスのノウハウ
2015年11月7日号起業したものの、来月の売り上げも読めず、ひたすら馬車馬のごとく働く“自家ブラック化”に陥る。これは私にもいえることで、そこに活路を開いてくれたのが『ストックビジネスの教科書』。
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日本のビジネス社会を変え得る 自分だけのノート、IT産業革命
2015年10月31日号この本を全てのビジネスパーソンが読んだならば、日本のビジネス社会は変わる。そんな確信さえ感じたのが『経営者になるためのノート』。ユニクロを展開するファーストリテイリングで、柳井正社長が店長向けに作成した社内資料を書籍化したものです。
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日本特有のコミュニケーション 世界のつながりを理解する
2015年10月24日号世の中には、自分が考えている以上の深い曰く因縁があるものだと実感させられたのが今月の3冊。『「正論バカ」が職場をダメにする』。タイトルだけで手にしてしまいますが、日本のビジネス現場特有のコミュニケーションのお作法を説きます。若いころは、正論に耳を貸さない上司に憤ったものですが、著者は、「コミュニケーションとは、日本では良好な関係をつくり維持する手段であり、欧米的な説得活動を意味しない」と指摘します。
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人が成熟するための問いと答え 「労働」や「贈与」の意味
2015年10月17日号最近、「どうして?」と呆れるような事件や行動が多い気がしませんか。その疑問は、「まるで子どもだ」という驚きでもあります。『困難な成熟』は、そうした状況への思索です。「社会の中で生きる」「働く」「与える」「伝える」「この国で生きる」をテーマに、25の質問に著者が答えます(ご本人は「説教」と言う)。さすが、目からうろこの卓見が続きます。例えば「労働」。その本質は制御つまり管理であると言います。なぜか。例えば「贈与」。自然からでも人からでも、与えられたものを次の人に渡すサイクルにどのようなメッセージを読み解くか。その感性と理性的な理解こそが「市民的な成熟」であると言い、人が成熟できない時代における成熟の重要さを語ります。
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地ビール造りの苦難と魅力 全国人気地方産品のつくり方
2015年10月10日号地方創生の一つの鍵が、地方産品が全国で認められ、地方の活力へとつながる流れをつくれるかにあります。岩手県盛岡の地ビールといえば「ベアレンビール」。クラフトビールとして確固たる評価を得ていますが、そのビール造りの艱難辛苦をまとめたのが『つなぐビール』。事業の基本は、売上高ではなく岩手の人たちとビール文化を育む姿勢にあります。地域に根差し、町を幸せにする志はいかに実現されるのか。
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ゲーム理論に時間活用術 エッセンスを手際よく学ぶ
2015年10月3日号言葉は知っているが深くは知らない。でも専門書を手にする意欲はない。そんなわがまま(?)に応えてくれるのが今月の3冊。まず『戦略思考を磨くゲーム理論トレーニング』。著者は、京都大学の教員時代からSF関係の著作もある風変わりな先生。本書では81問のクイズやパズルを示し、それを解明していく過程でゲーム理論のエッセンスを学びます。
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プロ経営者の自伝的仕事論 経営理論の実践活用ガイド
2015年9月26日号じわじわと売れ始めているのが『どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力』。著者は、日本コカ・コーラ、デル、レノボ、アディダスジャパン、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)の幹部を務め、現在はハイアールアジアの社長。書名は第三者的な解説本を思わせますが、実は著者がプロ経営者へと育つ自叙伝的仕事論。
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思うようにはいかぬ「伝え方」 落語家による指南書の説得力
2015年9月19日号「伝える・伝わる」は一筋縄ではいかない。だからこそたくさんの本が出ているのですが、『いつも同じお題なのに、なぜ落語家の話は面白いのか』は、題名から何かが伝わってきて思わず手にした1冊でした。内容は、落語家の話し方からコミュニケーション技法を説いたもの。グッと前のめりになったのが第3幕「間」。著者は「落語では間こそ重要」と言います。それはお客さまが笑いを理解し、消化し終えるまで待つものであり、相手に間を上手に使ってもらうのが伝わることにつながる。途切れずに喋れと説く類似本とは正反対。師匠である立川談志のエピソードも小気味よいリズムをつくり、落語の棚でなくビジネス書の棚の方がぴったりきます。
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プログラミング、遺伝子工学 人間の叡智を見詰め直す3冊
2015年9月12日号大衆は文明を自然物であるかのように扱い、文明が道具を作り出すことのできた原理・叡智に情熱を向けようとしない。そんなオルテガの言葉を思い出した3冊。『プログラミングバカ一代』は、劇画みたいな書名ですが、提示する思想は深い。小学生でPC9801を使いこなし、3Dグラフィックのプログラムを自作したほどの天才が、先輩、仲間、そしてアラン・ケイなどとの邂逅を通じてたどり着いたのは、B・ゲイツとS・ジョブズが一般ユーザーから隠し遠ざけようとした人類の叡智としての「プログラミング」。
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魂を奮い起こしてくれる 大いに納得の営業本3冊
2015年9月5日号私事ですが、南池袋に東京天狼院書店を開店したとき、近所の理美容院に雑誌配達のローラー営業をかけました。しかし、理美容院向けに割引価格で雑誌を売る専門卸があることを知り、あえなく撤退。でもローラー営業で一つ賢くなったのは幸いでした。『トップセールスはお客さまの何を見ているのか?』は、書名通り、トップセールスマンが飛び込み営業の際に、瞬時に客の属性や営業をかけるべき会社かどうかを見抜く秘伝の数々を紹介します。
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生産性が自然と上がる働き方 付箋が増える値決めの戦略本
2015年8月29日号今月は、いつにも増して自信を持ってお薦めできる3冊。まずは、『ワーク・ルールズ!』。グーグルの人事担当上級副社長が、同社の採用、育成、評価、福利厚生の全てを明らかにします。著者自身が、「あらゆる企業の人の扱いに影響を与えたい」と入社し、6000人から6万人に拡大する過程で構築した人事システムは、「心地よく働ければ生産性は自ずと向上する」の一点に集約されます。現場への権限委譲はイノベーションの源泉。課題となったテーマは徹底的に検証し、数値化する。
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希望が持てる国の基礎固め 前向きに暮らすための心得
2015年8月22日号新進の社会学者・古市憲寿さんのこれまでの著作(例えば『誰も戦争を教えてくれなかった』等々)には、その切り口の良さ故に苦手さも感じていたのですが、『保育園義務教育化』では、見識の深さに心底驚かされました。
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闇の共鳴と日本文化への傾倒 2冊の「2人の物語」の迫真
2015年8月8日号『佐治敬三と開高健 最強のふたり』が売れています。寿屋宣伝部とトリスバーの時代を知る読者には、「何を今更」でしょう。しかし本書は、よく知られた事実の裏にある2人の「闇」の共鳴こそが夢の光芒を放ったことを明らかにします。