記事一覧:金融市場 異論百出417件
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金融市場 異論百出
日銀の市場介入を支持する日本 FRBに正常化圧力かける米国
2018年6月2日号日本銀行の株価指数連動型上場投資信託(ETF)保有額は、5月20日現在で19.7兆円に達した。黒田東彦総裁就任前は1.5兆円だったので、13倍に膨張している。現在、金融緩和策の一環として、株価操作を意図してETFか株式を市場から購入し続けている中央銀行は、世界を見渡しても他にない。
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金融市場 異論百出
世界の未来と呼ばれた国が凋落 日本はアルゼンチン化防げるか
2018年5月26日号ノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツ氏は、「世界には4種類の国がある。先進国、発展途上国、日本、アルゼンチンだ」とかつて語った。発言当時の日本は、急速な工業化と高度成長で驚異の対象だった。他方でアルゼンチンは、第1次世界大戦前は世界で十指に入る豊かな国だったが、長期低落傾向が続いていた。
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金融市場 異論百出
日銀新体制の船出で変化の兆し 率直な修正は評価されるべき
2018年5月19日号3月の実質賃金(名目賃金から物価上昇率を差し引いたもの)の前年比が、4カ月ぶりにプラスになった。といってもプラス幅はわずか0.8%だ。「決まって支給する給与」の実質額は0%と横ばいである。大半の家庭にとっては、生鮮食品の価格高騰が年初よりも落ち着いてきたのに伴って、給与の目減り感が一時より和らいだかな、といった程度の感覚と思われる。
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金融市場 異論百出
世界で巻き起こる住宅バブル 無縁の日本が喜べない陰鬱な訳
2018年5月12日号米国の10年金利が4月最終週に3%に到達した。「住宅ローン金利はどうなる」といった記事を米メディアは盛んに流している。これまで米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は、長期金利が跳ね上がらないように超金融緩和策からの出口政策を慎重なペースで進めてきた。賃金や物価の上昇ペースがゆっくりだったからだ。
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金融市場 異論百出
揺れる安倍政権と市場の思惑 欧米と異なる政治と日銀の距離
2018年4月28日号4月9日から、黒田東彦総裁の体制下として2期目の日銀金融政策がスタートした。安倍晋三首相が黒田総裁を再任し、副総裁の1人にリフレ派経済学者の若田部昌澄氏を任命したのは、超金融緩和策の継続を政権が望んでいることを明確に示している。
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金融市場 異論百出
「腐敗指数」は先進国で中の下 日本に要る忖度しない財政機関
2018年4月21日号今年2月に世界の「腐敗認識指数2017」(トランスペアレンシー・インターナショナル)が公表された。世界180の国と地域において、専門家とビジネスパーソンにアンケートを行い、「公的部門が腐敗していると感じている」と答えた人の割合を指数化したものである。ランキングが上位ほど清潔で、下がるほど腐敗度が高い。
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金融市場 異論百出
本当にインフレ2%が理想的か 英米の価格高騰は再考の材料
2018年4月14日号英国と米国、日本の過去20年における毎月の消費者物価指数前年同月比の平均は、各2%、2.2%、0%である。日本銀行のインフレ目標は2%なので、日本では英米のような物価上昇率が理想とされている。
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金融市場 異論百出
「日本の鉄道」自賛で見誤る 終わりなきサービス改善の問題
2018年4月7日号世界中どこに行っても、鉄道の駅や車内には乗客に注意を促すさまざまなポスターが張られている。例えば、米ニューヨークの地下鉄では次のような注意をよく見掛ける。「ポールは安全のためにあります。
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金融市場 異論百出
住宅ローン借り入れに例えると 日銀超緩和策の危うさが分かる
2018年3月31日号政府と日本銀行を合体させた「統合政府」で考えれば、日銀が国債を買い続ければ、政府の借金は“帳消し”になる。それ故、財政再建を進める必要はないのだ、という妄言を時折耳にする。
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金融市場 異論百出
新日銀法20周年を機に考える 改正の教訓は今も生きているか
2018年3月24日号この4月1日で現行の日本銀行法は施行20周年を迎える。旧日銀法は、日米開戦直後の1942年に制定された。その主目的は、戦時下で急拡大する財政赤字を日銀にファイナンスさせることにあった。
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金融市場 異論百出
中国に遅れるITサービス普及 日本の「変化の遅さ」は懸念材料
2018年3月17日号アベノミクスと日本銀行の異次元金融緩和策が始まってから丸5年が経過する。日銀が副作用を考慮せずに大量の“カンフル剤”を経済に注入し続けていることに加え、世界経済回復の多大な恩恵を受け、現在の日本の景気は良好といえる。
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金融市場 異論百出
日銀の次期首脳人事前に必要なリフレ派理論の「総括的検証」
2018年3月10日号政府は2月16日、次期日本銀行総裁・副総裁の人事案を国会に提出した。黒田東彦総裁の続投および雨宮正佳・日銀理事と若田部昌澄・早稲田大学教授の副総裁への推挙だ。
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金融市場 異論百出
日銀に現状維持のお墨付きで 近づくヘリマネの“プロペラ音”
2018年3月3日号超低金利が招く金融機関の経営危機、ETF(上場投資信託)の大規模購入による株式市場のゆがみ(日銀が大株主になる企業が続出する)、国債金利の低下に伴う財政規律の弛緩といった問題に、日銀は直面する恐れがある。
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金融市場 異論百出
次期日銀総裁の苦労を示唆する 「一物一価」に反する日米価格差
2018年2月24日号日本国内では熾烈な低価格競争を繰り広げている飲食店やサービス業が、海外に進出すると利幅が厚いビジネスモデルにチャレンジする傾向が最近よく見られる。例えば、立ち食いそば店の「名代富士そば」は、国内では「かけそば」300円、「冷やしたぬきそば」390円、「天ぷらそば」410円(いずれも税込み)といった価格帯で勝負している。
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金融市場 異論百出
米国で株価暴落が起きたその時 市場の思惑、FRBの本音とは
2018年2月17日号米国で2月2日に発表された1月の平均時給は、前年同月比2.9%と高い伸び率を示した。通常、賃金が上昇することについて株式市場は好材料と受け止めるわけだが、今回は違った。
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金融市場 異論百出
パウエル新FRB議長が船出 任務は“砂糖”の後の反動対処
2018年2月10日号今筆者は年明け後の金融市場関係者の見解を聞くために米国東海岸に来ている。当面の米経済については、やはり全般的に強気の見方が多い。昨秋から米景気の改善が顕著になってきたところに、さらなるカンフル剤である減税策が決まった。米トランプ政権は今秋の中間選挙に加えて、2年後の大統領選挙も強く意識しているようだ。
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金融市場 異論百出
日銀総裁に必要な資質は何か 「黒田回答」から浮かぶ次期候補
2018年2月3日号黒田東彦・日本銀行総裁は1月23日の記者会見において、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と異なって、現時点で日銀は金融政策を変えるつもりはないことを強調した。
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金融市場 異論百出
中央銀行のデジタル通貨発行 議論過熱も主要国は控えめ姿勢
2018年1月27日号ビットコインなど仮想通貨の相場に世間の注目が集まる中、国内外の多くのマスメディアが昨年来、中央銀行によるデジタル通貨発行の議論をたびたび報じている。
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金融市場 異論百出
戦中より国債を保有する日銀 その金融政策の異常さに再警告
2018年1月20日号日本銀行の金融市場局は、1月9日に超長期国債の買い入れオペを200億円減額した。為替市場では「日銀が金融緩和策の出口に向かって動き始める」との見方が広がり、円高が進んだ。
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金融市場 異論百出
中国で強権発動の社会主義と自由市場の資本主義が混在
2018年1月13日号世界経済の好調さもあって、中国国内のエコノミストや国際機関は2018年の中国経済を比較的楽観視している。先日の出張時に中国・北京郊外でマンション価格が下落しているという話を聞いたが、全体的には不動産市場も安定している。