記事一覧:金融市場 異論百出417

  • 自販機メーカーを襲った悲劇通貨安戦争で混乱する世界経済

    金融市場 異論百出
    自販機メーカーを襲った悲劇 通貨安戦争で混乱する世界経済

    2015年2月21日号  

    飲料やスナックの自動販売機を運営している企業が、1月に生じたスイスフラン高で“悲劇”に見舞われた。スイスの大衆紙「ブリック」によると、セレクタ社はスイスに1万6000台の自販機を設置している。それらはスイスフランとユーロの両方で商品を買えるようになっていて、自販機の為替レートはスイス国立銀行(SNB)が2011年以来維持していた1ユーロ=1.2スイスフランだった。

  • ブランド戦略は差別化の処方箋世界1位米銀は50年の歴史あり

    金融市場 異論百出
    ブランド戦略は差別化の処方箋 世界1位米銀は50年の歴史あり

    2015年2月14日号  

    企業のブランド価値を評価している英コンサルティング会社、ブランドファイナンスは「世界の銀行ブランド500」を毎年発表している。2007年は1位米シティバンク、2位英HSBC、3位米バンク・オブ・アメリカだったが、2月2日に発表された15年のランキングは様変わりした。07年はベスト50に1行も名前がなかった中国の銀行が、上位10行中、4行も入っていたことは驚きである。ちなみに邦銀のトップは三菱東京UFJ銀行で12位(07年34位)だった。

  • 格差拡大と“通貨戦争”を生んだ世界の中央銀行による量的緩和

    金融市場 異論百出
    格差拡大と“通貨戦争”を生んだ 世界の中央銀行による量的緩和

    2015年2月7日号  

    「世界のトップ1%が所有する富は、2016年にボトム99%が所有する富を上回るもよう」「世界のボトム50%(14年は約36億人)が所有する富と同額を保有するトップ億万長者の人数は80人だった(10年は388人)」。スイスで1月下旬に行われたダボス会議において、国際協力団体のオックスファムはそう報告した。

  • 無制限為替介入を断念のスイス政策継続の危機は日銀も同じか

    金融市場 異論百出
    無制限為替介入を断念のスイス 政策継続の危機は日銀も同じか

    2015年1月31日号  

    日本銀行の資産規模におけるGDP比は2014年末で60%を超えた。同時期における欧米の主要中央銀行は20%台だったので、日銀が突出している(GDPはIMF〈国際通貨基金〉、欧州委員会の予想)。ECB(欧州中央銀行)が量的緩和を始めてもせいぜい30%前後になるくらいだろう。

  • 日銀の政策続けば待つのは“死” 長年の積み上げ崩れる国債市場

    金融市場 異論百出
    日銀の政策続けば待つのは“死” 長年の積み上げ崩れる国債市場

    2015年1月24日号  

    何事もやり過ぎはよくない。量的質的緩和策の下で日本銀行が猛烈に国債を買い続けた結果、1月中旬に国債の利回りが、3カ月物から4年物までマイナス金利、5年物もほぼ0%になる異常事態に陥った。

  • 日本のインフレ期待の低さ映す「タンス預金」50兆円の可能性

    金融市場 異論百出
    日本のインフレ期待の低さ映す 「タンス預金」50兆円の可能性

    2015年1月17日号  

    10年物の日本国債の利回りが0.2%台に低下した。財務省が市場で発行する国債のほとんどを日本銀行が買い上げているため、需給関係から市場で国債が品薄になっている。原油価格の大幅下落によるインフレ率低下観測や国際金融不安も、国債の利回り低下に拍車をかけている。ここまで下がると、金融機関の収益には深刻な影響が出てくる恐れがある。

  • デフレ下でも力強い経済成長示唆に富むスイスの選んだ“道”

    金融市場 異論百出
    デフレ下でも力強い経済成長 示唆に富むスイスの選んだ“道”

    2015年1月10日号  

    近年のスイスのインフレ率は、若干のデフレか0%近辺で推移してきた。2012年はマイナス0.7%、13年はマイナス0.2%だった。同国の中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)の予想では14年は0%、15年はマイナス0.1%だ。

  • 円安でショッピング意欲倍増コアな中国人観光客を誘致せよ

    金融市場 異論百出
    円安でショッピング意欲倍増 コアな中国人観光客を誘致せよ

    2014年12月27日号  

    大阪・御堂筋の商店街を歩くと、アジアからの観光客の多さに驚かされる。心斎橋の交差点辺りで観光バスから中国人観光客がどっと降りてきて、「免税」と表示されたドラッグストア等に流れ込んでいく。東京でも銀座、新宿などで同様の光景が多々見られる。

  • 原油安で困り顔という異常事態必要性高まる日銀の“逃げ道”

    金融市場 異論百出
    原油安で困り顔という異常事態 必要性高まる日銀の“逃げ道”

    2014年12月20日号  

    日米のガソリン価格の動向が、両国の中央銀行の違いを際立たせている。今年夏のピーク時から10月までのガソリン価格の値動きを消費者物価指数で見てみると、日本は2.7%、米国は13.4%の下落だった。米国の方が圧倒的に安くなっている。日本銀行による事実上の円安誘導で、その開きは今後さらに大きくなりそうだ。

  • 近隣国との距離感に惑う台湾に「日本ブランド」の商機あり

    金融市場 異論百出
    近隣国との距離感に惑う台湾に 「日本ブランド」の商機あり

    2014年12月13日号  

    台湾ドルは円に対しては上昇しているが、対米ドルでは12月初めに過去4年の最安値を更新した。米国でFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げをするという観測に伴って、エマージング(新興国)経済から資金が流出しているのに加え、台湾の統一地方選挙で与党の国民党が大敗した衝撃が表れている。海外投資家にとって台湾経済の魅力の一つは、政治の安定にもあったからだ。

  • グーグルのバスを取り囲み抗議米国で激化する所得階層間対立

    金融市場 異論百出
    グーグルのバスを取り囲み抗議 米国で激化する所得階層間対立

    2014年12月6日号  

    「GBUS騒動」は、米国の近年の所得格差問題を最も象徴しているといえるだろう。先日の出張時、朝7~9時ごろにサンフランシスコの住宅街にある大通りに立ってみた。すると、真っ白い2階建てバスが走っていくのを頻繁に見かけた。10~15分に1度は通り過ぎる。スモークガラスだが、中で乗客が広いテーブルの上にパソコンを開いて作業しているのがうっすら見える。

  • 消費税引き上げ延期で深まる日本の「財政的幼児虐待」

    金融市場 異論百出
    消費税引き上げ延期で深まる 日本の「財政的幼児虐待」

    2014年11月29日号  

    「財政的幼児虐待」。ドキリとする言葉だが、現役世代が若年層あるいはこれから生まれてくる将来世代に、社会保障費等の財政負担を押し付けることを、世代間会計の観点からボストン大学のコトリコフ教授はそう呼んでいる。

  • シリコンバレーで見た彼我の差再度問われる日本版成長戦略

    金融市場 異論百出
    シリコンバレーで見た彼我の差 再度問われる日本版成長戦略

    2014年11月22日号  

    日本銀行の異次元金融緩和策が導入されて1年半以上がたった。10月末には追加緩和策も決定された。しかし、多くの人がここにきて感じ始めているのは、「インフレ率が上がっても、それだけでは生活は良くならないし、経済は成長しない」という現実だと思われる。

  • バーナンキも避けた禁じ手発動出口が遠のく“黒田砲”第2弾

    金融市場 異論百出
    バーナンキも避けた禁じ手発動 出口が遠のく“黒田砲”第2弾

    2014年11月15日号  

    無限にマネーを創造できる中央銀行が株を大胆に購入すれば、株価を押し上げられる。10月31日、日本銀行が決定した量的質的緩和策第2弾(QQE2)における、年間3兆円のETF(上場投資信託)購入は事実上それに当たるだろう。

  • 天敵の台頭を警戒するFRB 言葉の“魔法”が限界迎える日銀

    金融市場 異論百出
    天敵の台頭を警戒するFRB 言葉の“魔法”が限界迎える日銀

    2014年11月8日号  

    「米国の政界で最も興味深い男」。米「タイム」誌10月27日号は、そういった言葉を添えてランド・ポール上院議員(共和党)の写真を表紙に掲載した。51歳の彼は2016年の大統領候補者選挙に出馬するもようで、米国の党派政治を変えてくれるのではないかと期待され始めている。

  • FRBの金融政策に漂う暗雲イエレンも悩む所得格差問題

    金融市場 異論百出
    FRBの金融政策に漂う暗雲 イエレンも悩む所得格差問題

    2014年11月1日号  

    10月3週目は世界の金融市場が大荒れとなった。その翌週に米国へ出張したところ、ニューヨークの空港の入国審査官は皆、青いゴムの手袋をはめていた。空港関係者に聞いたところ、エボラウイルス対策とのことだった。審査官はパスポートを直接触らないように防御している。一方、彼らは入国者に、指紋の写真撮影のため10本の指をパネルに押し付けるよう命じる。前の人々の手の脂でかなり汚れている。こういうときはなんとなく気持ちが悪い。

  • 東西統一25周年控えるドイツで噴出してきた“不都合な真実”

    金融市場 異論百出
    東西統一25周年控えるドイツで噴出してきた“不都合な真実”

    2014年10月25日号  

    この11月9日はベルリンの壁崩壊から25周年、来年10月3日はドイツ再統一から25周年となる。当時のドイツは熱狂に包まれたが、四半世紀を経た現在は複雑な情勢に立たされている。10月10日のG20では、ドイツに景気刺激策としての財政支出の拡大を求める声が相次いだ。

  • 日銀の異次元緩和策に衝撃資金供給策の限界間近を示唆

    金融市場 異論百出
    日銀の異次元緩和策に衝撃 資金供給策の限界間近を示唆

    2014年10月18日号  

    10月3日に日本銀行が実施した、日本国債の一種、国庫短期証券(Tビル)の3.5兆円買い入れオペは衝撃だった。この時期に日銀がこれほど大量にTビルを買うということは、今の資金供給策が限界に近づいていることを意味するからだ。

  • 日銀の金融政策見つめる目に“ブラジル的寛容さ”のすすめ

    金融市場 異論百出
    日銀の金融政策見つめる目に“ブラジル的寛容さ”のすすめ

    2014年10月11日号  

    日本の毎月勤労統計(厚生労働省)によると、8月の一般労働者の給与は前年比で1.4%増えた。ただし、インフレを考慮した実質賃金は2.6%の減少だった。消費税を引き上げた4月以降の消費の回復ペースが緩慢な原因の一つは、自分の賃金がインフレを超えて伸びて行くイメージを持てる人がまだ一部に限られているからだと思われる。

  • 中央政府の“裏切り”と通貨問題スコットランド独立運動の教訓

    金融市場 異論百出
    中央政府の“裏切り”と通貨問題 スコットランド独立運動の教訓

    2014年10月4日号  

    テニス全英オープン、ウィンブルドンの優勝者であるアンディ・マレーはスコットランド出身だ。9月18日、英国からの独立の賛否を問うスコットランドの住民投票が行われたが、この日に彼が独立支持の思いをツイッターでつぶやくと、「全英代表チームに二度と入るな」といった批判が殺到した。しかし、独立否決後の世論調査によると、7割の人は以前と変わらず、マレーをウィンブルドンで応援すると“大人”の回答をした。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…