記事一覧:金融市場 異論百出417

  • 自分勝手でも怠惰でもないギリシャ人が世界へ反論を叫ぶ

    金融市場 異論百出
    自分勝手でも怠惰でもない ギリシャ人が世界へ反論を叫ぶ

    2015年7月18日号  

    「ギリシャ国民はなぜあんなに自分勝手なのか」とドイツ人は怒っている。しかしながら、ギリシャ人にはギリシャ人なりの反論があるようだ。アテネ在住の数人に話を聞いたので紹介してみよう。納得し難い説明もあるが、債権団側とギリシャ側の感覚のズレを知ることは非常に重要と思われる。

  • 利上げ迫る米国で体感した賃金上昇と格差問題のはざま

    金融市場 異論百出
    利上げ迫る米国で体感した 賃金上昇と格差問題のはざま

    2015年7月11日号  

    「ギリシャ・リスクは大きなワイルドカード(不確定要素)だ」米ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアム・ダドリー総裁は、ギリシャがユーロから離脱した場合の市場の反応を警戒するコメントを英紙に寄せていた。政策金利の引き上げを検討している米連邦準備制度理事会(FRB)としては、7月5日にギリシャで行われる国民投票の行方が気になっている。

  • 黒田総裁の言葉につきまとう日銀の“ピーターパン的”宿命

    金融市場 異論百出
    黒田総裁の言葉につきまとう 日銀の“ピーターパン的”宿命

    2015年7月4日号  

    日本銀行は来年から金融政策決定会合の回数を年14回程度から年8回に減らすと発表した。現在、米国ニューヨークにいるのだが、米国人の市場関係者にその感想を聞いてみると(知らなかったという人ばかりだが)「FRB(米連邦準備制度理事会)も昔から年8回だからいいんじゃない」という答えが大半だった。

  • 円高へ吹き飛ばした「黒田発言」円安けん制ではなくハプニング

    金融市場 異論百出
    円高へ吹き飛ばした「黒田発言」 円安けん制ではなくハプニング

    2015年6月27日号  

    黒田東彦・日本銀行総裁が6月10日の衆議院財務金融委員会で発した言葉で、ドル円レートは瞬時に円高方向へ吹き飛んだ。通信社が報じるヘッドラインを集めて、アルゴリズムでトレードするシステムが動きを加速させたともいわれている。

  • 第二のジャック・マーを求めて中国がつくった「創業大街」

    金融市場 異論百出
    第二のジャック・マーを求めて 中国がつくった「創業大街」

    2015年6月20日号  

    「私は小学校の重要な試験に2回落ちた。中学の試験は3回失敗した。大学入試は3回落ちた」 中国最大手のEコマース(電子商取引)、アリババグループの創業者ジャック・マー氏は、今年1月のスイス・ダボス会議で生い立ちをそのように説明していた。彼の失敗談はまだまだ続く。

  • 一時125円台の急激な円安で日本の消費マインド悪化の恐れ

    金融市場 異論百出
    一時125円台の急激な円安で 日本の消費マインド悪化の恐れ

    2015年6月13日号  

    5月22日にジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内のゼロ金利解除(リフトオフ)実施の可能性を示唆して以来、円安が急速に進んだ。6月2日には一時125円台に乗った。

  • 実はアベノミクスが手本?株価上昇でリスク先送りの中国

    金融市場 異論百出
    実はアベノミクスが手本? 株価上昇でリスク先送りの中国

    2015年6月6日号  

    中国政府は、9月3日に抗日戦争勝利70周年式典を開催し、その日を祝日にすると発表した。9月3日は木曜日だが、翌金曜日も休めるなら4連休となる。このため中国人の間では「連休になるなら日本に買い物に行こう」と相談し合っている人が少なくないという。今、この原稿は中国で書いているのだが、北京でも上海でも、「日本での買い物は安いし、楽しい」と何度も言われた。個人の実体験が口コミで広がる中で2国間の関係が改善していくならば、それは非常に望ましい流れである。

  • 15年前の日銀利上げ時と酷似FRB発言に感じるデジャビュ

    金融市場 異論百出
    15年前の日銀利上げ時と酷似 FRB発言に感じるデジャビュ

    2015年5月30日号  

    「最近よく当たっている」とちまたで評価が高いアトランタ連邦準備銀行の経済成長率予想、「GDPNow」。第1四半期の予想は、ウォール街のエコノミスト予想よりも大幅に低い数値だったが、結果はそちらに近かった。そして、5月13日に「GDPNow」は第2四半期の予想を0.7%成長と発表した。

  • 低所得者ほど将来に悲観的日銀の期待を裏切る逆転現象

    金融市場 異論百出
    低所得者ほど将来に悲観的 日銀の期待を裏切る逆転現象

    2015年5月23日号  

    日本銀行は4月30日の金融政策決定会合で予想通り現状維持を選択した。もし日銀が追加の金融緩和策を決めていたら、環太平洋経済連携協定(TPP)反対派の米議員たちが「日本は輸出を有利にするためにまた円安誘導を行った」と色めき立って、せっかくの安倍晋三首相の訪米が台無しになっただろう。

  • 企業や店が客を選別する英国クレーム対応で利益が細る日本

    金融市場 異論百出
    企業や店が客を選別する英国 クレーム対応で利益が細る日本

    2015年5月16日号  

    先日、日本放送協会(NHK)の朝の番組で「過剰クレーム」を取り上げていた。店員や駅員に対して土下座を強要したり、顔や名前をインターネットに投稿するぞと脅したりする客が増えているという問題である。客からの激しい抗議で精神的なショックを受け、職場に行くのが怖くなる人もいるという。

  • 日銀の政策を制限する可能性TPPと追加緩和の意外な関係

    金融市場 異論百出
    日銀の政策を制限する可能性 TPPと追加緩和の意外な関係

    2015年5月2日号  

    「国会議員たちへ、懸命に働いている家庭のために立ち上がれと要求する。われわれは、米国の労働者を裏切って破滅的な貿易協定に賛成する議員を忘れない」バラク・オバマ米大統領にTPP(環太平洋経済連携協定)などの貿易交渉の権限を与える通商一括交渉権(TPA)の審議に議会が入ると発表された4月15日、米労働組合の全米食品商業労働組合(UFCW)は、そういった過激な反対声明を発表した。

  • いい大学、いい会社に入らねば韓国の激烈競争社会が招く格差

    金融市場 異論百出
    いい大学、いい会社に入らねば 韓国の激烈競争社会が招く格差

    2015年4月25日号  

    天ざるそば6100円、長崎ちゃんぽん6500円、うな重8600円、特選海鮮丼1万3200円。韓国・ソウル中心部にある外資系五つ星ホテルの最上階に日本食レストランがあった。そのメニューをのぞくと、前述のような驚愕の価格が記されていた(元の表示はウォン、サービス料・税込み)。

  • ブランドビジネス再考を促すIT×時計のスマートウォッチ

    金融市場 異論百出
    ブランドビジネス再考を促す IT×時計のスマートウォッチ

    2015年4月18日号  

    「ベントレー・モデル、12.7万元(約250万円)」。高級車ベントレーが250万円なら安いじゃないか、と誤解する人がいるかもしれない。しかし、実はこれ、自動車ではなくて上海で先日販売されていたスマートフォンである。英ラグジュアリー携帯電話機メーカー、ヴァーチュ(元ノキア子会社)がベントレーにあやかって最近発表したモデルだ。

  • 世界がなびく経済力と影響力AIIB騒動に見る中国の台頭

    金融市場 異論百出
    世界がなびく経済力と影響力 AIIB騒動に見る中国の台頭

    2015年4月11日号  

    「英文学で最も有名な生徒は誰か? ハリー・ポッターだ。彼の最初のガールフレンドは誰か? 最初にキスした相手は誰か? 中国人だ」ボリス・ジョンソン・ロンドン市長が2013年秋に北京大学を訪れた際、彼はそう言って北京の人々に愛嬌を振りまいた。そして、同行したジョージ・オズボーン英財務大臣は「(デービッド・)キャメロン首相はもうダライ・ラマには会わない」と断言して、ロンドンのオフショア(海外)人民元市場の相談を中国政府と進めた。

  • 市場が混惑する二つの理由日銀が陥ったワナと陰の標的

    金融市場 異論百出
    市場が混惑する二つの理由 日銀が陥ったワナと陰の標的

    2015年4月4日号  

    「日本銀行の説明はよく分からない」。そう語る市場参加者は国内外において非常に多い。昨年10月に日銀は、原油価格の急落が国民のインフレ予想を低下させる恐れがあること、2015年の春闘にとって昨秋は大事な時期だったこと、以上2点の理由から「予防的措置」として追加緩和を決定した。

  • 悲観と楽観のはざまに揺れる“期待”の制御に苦心する中国

    金融市場 異論百出
    悲観と楽観のはざまに揺れる “期待”の制御に苦心する中国

    2015年3月28日号  

    中国経済の減速がきつくなっているという報道が相次いでいる。注意が必要なのは、地域や業種によって様相はかなり異なっているという点である。北京や上海では景気減速は感じにくい。先日、上海の金融街にある超高層ビルの地下レストラン街へランチタイムに行ってみたが、このビルで働く人々で以前にも増して大混雑になっていた。

  • 日本では当局の網にかかったウーバーが中国でも規制に挑戦

    金融市場 異論百出
    日本では当局の網にかかった ウーバーが中国でも規制に挑戦

    2015年3月21日号  

    「銀行を使っているのは、今じゃスマートフォンを使わない年寄りだけだよ。銀行の窓口では延々と待たされるし、他行への送金だと手数料を取られる。でも、これなら、電気、ガスの支払いはすぐ完了するし、他行への送金も無料。映画やコンサートのチケット、航空券も買えるからすごく便利」 北京在住の知人(中国人)はそう言って、スマホのアプリを見せてくれた。中国の電子商取引最大手、アリババグループの「支付宝(アリペイ)」である。同グループのオンラインショッピングでの支払口座を管理するそのアプリは、今では利便性が極めて高い多様な資金決済機能を利用者に提供している。

  • ドイツは資産バブルへ向かうか「ゼロ金利」が巻き起こす格差論

    金融市場 異論百出
    ドイツは資産バブルへ向かうか 「ゼロ金利」が巻き起こす格差論

    2015年3月14日号  

    ドイツ・フランクフルトの中心部から東へ車で10分ほど行くと、かつて欧州最大規模の青果市場だったエリアがある。このマイン川沿いの場所に欧州中央銀行(ECB)は新本部ビルを建設し、昨年11月に移転した。

  • FRBの利上げ動向を様子見日銀による追加緩和は当面なし

    金融市場 異論百出
    FRBの利上げ動向を様子見 日銀による追加緩和は当面なし

    2015年3月7日号  

    米国議員の間に、通貨安誘導を行っている国(日本もそうみられている)と環太平洋経済連携協定(TPP)等の交渉を進めるべきではない、という主張が現れている。米国の労働者に大きな不利益をもたらす恐れがあると彼らは警戒している。

  • 監査法案の提出で“宣戦布告”米政界で最も注目の男vsFRB

    金融市場 異論百出
    監査法案の提出で“宣戦布告” 米政界で最も注目の男vsFRB

    2015年2月28日号  

    「ランド・ポール上院議員とFRB(米連邦準備制度理事会)が戦争状態になっている」(CNNマネー、2月11日)。彼は共和党の2016年大統領選挙の有力候補者の1人であり、昨年、このコラムでも紹介したように、10月27日号の米「タイム」誌の表紙で「米国の政界で最も興味深い男」と紹介された人物である。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…