記事一覧:金融市場 異論百出417

  • 「2年で2%」という日銀の約束言い回しの細かな修正が最善策

    金融市場 異論百出
    「2年で2%」という日銀の約束 言い回しの細かな修正が最善策

    2014年9月27日号  

    9月11日夜のテレビ番組に出演した際の、黒田東彦・日本銀行総裁の発言は、円安誘導を狙ったものだったと思われる。黒田総裁は、もしインフレ率が十分に上昇しない場合は、躊躇なく金融緩和策を強化するつもりであること、追加緩和策の手段は限られておらず、市場から購入できる資産はいくらでもあること、などを強調していた。

  • 欧州の「財政出動が必要」発言で消費税10%先送りの議論は早計

    金融市場 異論百出
    欧州の「財政出動が必要」発言で消費税10%先送りの議論は早計

    2014年9月20日号  

    ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は、意外にアベノミクスを意識しているようだ。米ジャクソンホールでの講演(8月22日)で彼は、金融緩和が効果を発揮するには、財政政策の助けが必要との認識を示した。

  • スコットランドの独立運動賛成派が猛追も課題は山積

    金融市場 異論百出
    スコットランドの独立運動 賛成派が猛追も課題は山積

    2014年9月13日号  

    「今がわれわれの時間だ、われわれの瞬間だ。さあ今やろう!」政治家の言葉は、理屈を超えて人々の心を動かすことがある。スコットランドの独立運動を主導するアレックス・サモンド自治政府首相は、8月25日のテレビ討論会で熱くそう語り、負けが濃厚になっていた独立運動の流れを変えた。

  • 欧米の白物家電市場に“姿”なし 韓国勢の後塵拝す日系メーカー

    金融市場 異論百出
    欧米の白物家電市場に“姿”なし 韓国勢の後塵拝す日系メーカー

    2014年9月6日号  

    EUは省エネルギーの観点から、1600ワットを超す強力なモーターを搭載した掃除機の販売を9月1日から禁止する。その結果、欧州の家電量販店などで売れ筋だった掃除機の多くが姿を消すことになる。英「デイリーメール」紙(8月23日)は、「ブリュッセルの官僚どもは余計なことをする」という反EU感情を込めながら、販売禁止前に買うべき掃除機ベスト10を掲載していた。

  • “政冷”最悪の中にも“経熱”あり 経済界が待望する日中首脳会談

    金融市場 異論百出
    “政冷”最悪の中にも“経熱”あり 経済界が待望する日中首脳会談

    2014年8月30日号  

    週末の東京・銀座の歩行者天国は、場所によっては日本人よりも中国人観光客の方が多く歩いている。おもちゃ屋の博品館から資生堂、ラオックスを経てユニクロの旗艦店までの区間は特にそうだ。品揃えが細やかで充実している日本の小売店での買い物は、彼らにとって非常に楽しいものらしい。

  • 米人気ロックバンドKISSの「トップ1%富裕層」擁護論

    金融市場 異論百出
    米人気ロックバンドKISSの 「トップ1%富裕層」擁護論

    2014年8月23日号  

    米国の長寿人気ロックバンドKISSのジーン・シモンズが、所得階層トップ1%を擁護する発言を行い、話題になっている。

  • 地区連銀候補だったボルティモア米東海岸の港町に見る栄枯盛衰

    金融市場 異論百出
    地区連銀候補だったボルティモア 米東海岸の港町に見る栄枯盛衰

    2014年8月9日号  

    先日、米国東海岸の港町、ボルティモアに行く機会があった。インナーハーバー(内港)地区は観光客で大変なにぎわいを見せていた。1980年頃から再開発が進められた同地区は、全米有数の巨大水族館などで構成され、近くには美しく整備されたボルティモア・オリオールズの球場もある。この辺りだけを見れば活気ある街なのだが、実はこの都市は深刻な人口減少に長く悩まされてきた。50~70年代は90万人台だったのに、2000年代に入ると60万人台前半まで落ち込んだ。

  • ロボットがサッカーで勝つ未来製造業からは雇用は生まれない

    金融市場 異論百出
    ロボットがサッカーで勝つ未来 製造業からは雇用は生まれない

    2014年8月2日号  

    ワールドカップで優勝したサッカーチームを、人間型ロボットのチームが打ち負かすのはいつの日か?ロボットによるサッカーの大会「ロボカップ」の開催を1997年に開始した関係者たちは、その目標達成時期をおよそ半世紀後の2050年に設定した。今年同大会の参加チームは150を超えた。しかし、現時点では「50年にそんなことが可能なのだろうか?」と感じる人が多いと思われる。

  • コンビニで起こる価格駆け引き円安と増税効果が剥がれる物価

    金融市場 異論百出
    コンビニで起こる価格駆け引き 円安と増税効果が剥がれる物価

    2014年7月26日号  

    東大日次物価指数(消費税を除く)は6月中旬以降、前年比マイナスの状態が続いている。渡辺努・東京大学教授らが作成している同指数はスーパーマーケットのPOSデータを集計したもので、速報性に非常に大きな価値がある。7日間平均は4月7日に前年比+0.73%へと急上昇した。スーパーは増税以上の値上げにチャレンジしたわけだが、消費者はその動きについてこられなかった。

  • 「デフレ=大恐慌」は例外BIS年次報告書の警告

    金融市場 異論百出
    「デフレ=大恐慌」は例外 BIS年次報告書の警告

    2014年7月19日号  

    「良いデフレ」「無害なデフレ」のときにインフレ目標を達成しようとして金融緩和策を行うと、危険なバブルを発生させる……。BIS(国際決済銀行)は6月下旬に発表した第84期年次報告書で、従来の持論をあらためて展開した。「デフレという言葉に、異様に感情的になる傾向がある。それは即、大恐慌の亡霊を想起させる。だが、大恐慌のデフレは標準ではなく、例外だった」。

  • 過去10年で最大の価格調整か下落する中国不動産市況の見方

    金融市場 異論百出
    過去10年で最大の価格調整か 下落する中国不動産市況の見方

    2014年7月12日号  

    ワールドカップのブラジル対チリ戦のときに上海にいた。テレビで試合を見せていたスポーツバーやレストランは若者たちで大賑わいだった。中国はアジア予選で敗退したが、ワールドカップへの関心は驚くほど高い。欧州のチャンピオンズリーグがテレビで毎シーズン放映され、それを若い人たちは食い入るように見てきたので、サッカーマニアがすごい数に増殖している。街中では企業のワールドカップにあやかった販促キャンペーンが至る所で行われていた。

  • 「ノイズ」と片付けられない世界的な食料価格上昇の警告

    金融市場 異論百出
    「ノイズ」と片付けられない 世界的な食料価格上昇の警告

    2014年7月5日号  

    「最近、消費者物価指数が少し上昇したが、われわれは今ノイズを見ているのだと思う」イエレンFRB議長は6月18日の記者会見でそう述べた。5月の米国の消費者物価指数前年比は+2.1%だった。2月は+1.1%だったので、急激な上昇だ。しかし、彼女のその発言は、政策金利(フェデラルファンド金利)の引き上げを急ぐつもりは今はないことを意味している。

  • 人手不足でも賃金上昇はまばら物価上昇に必要な「儲かる経営」

    金融市場 異論百出
    人手不足でも賃金上昇はまばら 物価上昇に必要な「儲かる経営」

    2014年6月28日号  

    人手不足のために派遣やパートの時給が上昇していると報じられている。しかし、実際は業種によるばらつきが激しい。ジョブズリサーチセンターによる「派遣スタッフ募集時平均時給調査・三大都市圏」にそれが表れている。前年比を見ると、5月のIT・技術系は+6.9%と高い伸びを示していた。しかし、営業・販売・サービス系は+2.3%、オフィスワーク系は+1%で、いずれも昨年暮れより伸び率が低下した。医療介護・教育系に至っては前年比マイナスである。

  • マイナス金利は“銀の弾丸”?ユーロ高対策のECB追加緩和

    金融市場 異論百出
    マイナス金利は“銀の弾丸”? ユーロ高対策のECB追加緩和

    2014年6月21日号  

    “銀の弾丸”。狼男を倒せる唯一にして最強の弾丸がそれだという言い伝えが欧州にはある。「マイナス金利政策は、デンマーク経済にとっての“銀の弾丸”だったかって? いや、そんなことはなかった」。同国のダンスケ銀行チーフアナリストはそう語った(米「ニューヨーク・タイムズ」6月3日)。この4月までの2年弱、デンマーク国立銀行は同政策を行ったが、それは特効薬ではなかったという認識を彼は示した。

  • STP化する日本国債市場強まり続ける日銀の存在感

    金融市場 異論百出
    STP化する日本国債市場 強まり続ける日銀の存在感

    2014年6月14日号  

    国債市場がひどいことになっている。「STP化してしまった」との自虐的ジョークが債券ディーラーから聞こえてくる。財務省が国債発行入札を行うと、その翌日に日銀はほぼ必ず大規模な買いオペを実施する。日銀がオペで国債の価格を押し上げている(金利上昇を抑制している)ため、金融機関や機関投資家がそれを買う意欲は低下している。

  • MBSの自然減すら見送りか薄氷を踏むFRBの出口政策

    金融市場 異論百出
    MBSの自然減すら見送りか 薄氷を踏むFRBの出口政策

    2014年6月7日号  

    FRBの前回の利上げ局面(2004年6月から)で、政策金利の引き上げ幅は計4.25%に及んだ。当時は住宅バブルが燃え盛っていたが、今回はそのような過熱感はない。逆にイエレン議長は、住宅市場の回復が鈍化してきたことを気にし始めている。現時点では、来年半ばから始まると思われる政策金利のトータルの引き上げ幅は、前回引き締め時よりかなり小さくなると考えられる。

  • ブランド価値を高めるスイスブランド価値に無頓着な日本

    金融市場 異論百出
    ブランド価値を高めるスイス ブランド価値に無頓着な日本

    2014年5月31日号  

    スイスの超高級時計・宝飾グループ、リシュモンが2014年3月期決算を先日発表した。同グループは、カルティエ、ピアジェ、ヴァシュロン・コンスタンタンなどを傘下に擁している。近年は2桁増の売り上げが続いていたが、14年3月期は5%増にとどまった。

  • 米住宅市場が弱含む背景にある学生ローンの借り入れ増加

    金融市場 異論百出
    米住宅市場が弱含む背景にある 学生ローンの借り入れ増加

    2014年5月24日号  

    米住宅市場の回復の勢いが弱くなってきている。イエレンFRB議長も議会証言でその問題に触れていた。今回の米経済の回復を牽引してきた重要な柱の一つが住宅セクターであるだけに、当面は注意が必要だ。

  • 乖離する長期金利とインフレ率追加緩和が孕む金利急騰リスク

    金融市場 異論百出
    乖離する長期金利とインフレ率 追加緩和が孕む金利急騰リスク

    2014年5月17日号  

    今後のアベノミクスにとっての最大のリスクは、長期金利高騰によるショックにあるだろう。

  • いずれ「トラック運転手って何?」労働者を脅かすテクノロジー

    金融市場 異論百出
    いずれ「トラック運転手って何?」 労働者を脅かすテクノロジー

    2014年5月3日号  

    シェールガス革命によるエネルギーコストの低下を主要因に、一部の製造業は工場を米国に戻し始めた。ただし、それらの工場はオートメーションが極限まで徹底された設計となっており、雇用の増加は限定的という報道が見られる。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…