記事一覧:金融市場 異論百出417

  • 2人のFRB理事が警鐘米国経済の悲観的な見方

    金融市場 異論百出
    2人のFRB理事が警鐘 米国経済の悲観的な見方

    2014年4月26日号  

    米国経済の中長期的な成長力を慎重に捉える見方が最近増えてきている。イエレン議長を含むFRB主流派は、米経済は回復を続けるものの、先行きの改善ペースはゆっくりとしたものになるとみている。それ故、銀行間の短期金利を来年から引き上げ始めても、それが中立的な水準である4%前後に達するには時間がかかるというイメージが発せられている。もしそうなら、日米金利差の観点からは先行きの円安進行は限定的となる。

  • 3年で9%の物価上昇!?消費増税と異次元緩和の行方

    金融市場 異論百出
    3年で9%の物価上昇!? 消費増税と異次元緩和の行方

    2014年4月19日号  

    4月1日の消費税引き上げを機に便乗値上げをした小売店もあれば、税込み価格を引き上げなかった店もある。家電量販店ノジマの折り込み広告は笑えた。「プライスの貼り換え、間に合いませんでした。価格据え置き。約3%値下げ」。

  • 資産規模世界4位に急膨張中国アリババが開始したMMF

    金融市場 異論百出
    資産規模世界4位に急膨張 中国アリババが開始したMMF

    2014年4月12日号  

    中国では年初から理財商品のトラブル、社債のデフォルト、零細銀行での取り付け騒ぎなど不穏な動きが起きている。制御不能の金融システム危機が勃発しているかのような報道が日本ではよく見られる。上海のビジネスマンや日系大手企業の駐在員に先日の出張時にそういった記事を見せたが、大抵、「大げさですねえ」と爆笑される。

  • 利上げはQE終了後「6カ月」?イエレン発言をどう読むか

    金融市場 異論百出
    利上げはQE終了後「6カ月」? イエレン発言をどう読むか

    2014年4月5日号  

    イエレン新FRB議長が3月のFOMC声明文で新記録を打ち立てた。語数が過去最高に多いのである。同声明文は近年どんどん長くなっている。3月で比べると、2009年は419語、13年は643語だが、今回は877語だ。バーナンキ前議長時代の最高は昨年12月の867語だが、それすら上回っている。

  • 共通キーワードは「気合い」?日銀の“ヤンキー金融緩和策”

    金融市場 異論百出
    共通キーワードは「気合い」? 日銀の“ヤンキー金融緩和策”

    2014年3月29日号  

    近年、「ヤンキー文化論」が花盛りだ。日本人の多くに昔から「内なるヤンキー性」が潜んでいるという普遍性の議論がベースとなっている。

  • 追加緩和による円安は迷惑コストプッシュインフレの実態

    金融市場 異論百出
    追加緩和による円安は迷惑 コストプッシュインフレの実態

    2014年3月22日号  

    3月11日の金融政策決定会合後の記者会見で、日銀の黒田東彦総裁は、追加緩和策の必要性は今はないことを改めて強調した。2013年度の成長率は日銀予想を下回りそうだが、日銀は「前向きな循環メカニズムは働いている」とアピールしている。失業率は構造的失業率(3%台半ば)に近い3.7%に下がっており、いずれ人手不足が物価を押し上げ、2%のインフレは15年度中に達成されるという。とはいえ、現時点の物価上昇は「よいインフレ」とはまだ見なせない。円安によるコストプッシュ型だからである。

  • 過去1世紀で最も悪化する米国の深刻な不平等問題

    金融市場 異論百出
    過去1世紀で最も悪化する 米国の深刻な不平等問題

    2014年3月15日号  

    米国の所得格差は過去1世紀で最もひどい状態になっている。2月11日の米下院でのイエレンFRB議長の証言の際、6人の議員が所得不平等を取り上げていた。

  • 欧州で現実味を増してきた「マイナス金利政策」の問題点

    金融市場 異論百出
    欧州で現実味を増してきた 「マイナス金利政策」の問題点

    2014年3月8日号  

    「マイナス金利を真剣に検討している」。ECBのクーレ専務理事は2月上旬にそう述べた。昨年春~夏にドラギECB総裁もマイナス金利を度々匂わせていた。当時はユーロ高回避のための外為市場に対するブラフだったが、最近のECBはニュアンスが変わってきた。

  • ジンバブエが日本円を採用困難な中央銀行の信用回復

    金融市場 異論百出
    ジンバブエが日本円を採用 困難な中央銀行の信用回復

    2014年3月1日号  

    アフリカ南部に位置するジンバブエが、日本円を九つある法定通貨の一つに採用した。もしあなたがジンバブエからビクトリア滝を見に行くなら、ホテルや観光業者への支払いは、形式上は円でできることになる。しかし、以下に見るように実際そうなるかは今は不明である。

  • 初の議会証言は安全運転に終始イエレンFRB始動後の米事情

    金融市場 異論百出
    初の議会証言は安全運転に終始 イエレンFRB始動後の米事情

    2014年2月22日号  

    2月11日に初の議会証言に臨んだイエレン新FRB議長は、「安全運転」を心がけ、バーナンキ路線から外れない無難な発言を繰り返した。

  • FRBの「透明性強化」が一因混乱する新興国市場の行方

    金融市場 異論百出
    FRBの「透明性強化」が一因 混乱する新興国市場の行方

    2014年2月15日号  

    「国際的な金融協調は崩壊した。米国は、自分たちの政策が世界の他の地域に及ぼす影響を心配すべきだ」ラジャン・インド中銀総裁(元IMFチーフエコノミスト、シカゴ大学教授)は、1月下旬にFRB批判を爆発させた。FRBは非伝統的政策を打ってきたが、それが先進国間の緩和競争、通貨安誘導競争を招き、エマージング市場を翻弄してきた。これだけマネーがグローバルに流れながら、先進国の中央銀行が国内のことしか考えていないことを彼は非難した。

  • 大恐慌舞台の映画から見る米国の上流階級のイメージ像

    金融市場 異論百出
    大恐慌舞台の映画から見る 米国の上流階級のイメージ像

    2014年2月8日号  

    F・フィッツジェラルド原作の『華麗なるギャツビー』は米国で5回も映画化された。少し前に、レオナルド・ディカプリオ版(2013年)とロバート・レッドフォード版(1974年)を続けて見てみた。

  • 2014年の投票権で変わるFOMCのタカ・ハトの注目点

    金融市場 異論百出
    2014年の投票権で変わる FOMCのタカ・ハトの注目点

    2014年2月1日号  

    超タカ派のフィッシャー、超ハト派のコチャラコタ、今年のFOMCはこの2人が投票権を持つため興味深い闘いが見られそうだ。FRBは金融政策を決めるFOMCと別に、公定歩合の水準を決める理事会を月1~2回開催している。今の公定歩合は、金融機関が急に資金繰り難になったときにFRBから一晩お金を借りる際の適用金利(現在0.75%)で、実際はめったに利用されない。このため、その会議は“儀式”のようなものなのだが、だからこそ地区連銀総裁の個性が表れる。

  • かき揚げそばの値上げ率を実感物価予想を左右する食料価格

    金融市場 異論百出
    かき揚げそばの値上げ率を実感 物価予想を左右する食料価格

    2014年1月25日号  

    よく行く立ち食いそば屋「小諸そば」の日本橋本店で先日「かき揚げそば」を頼んだ。いつものように350円を払おうとしたら、220円ですと言われた。ビルの建て替えで閉店することになり、最後の1週間だけ「40年間のご愛顧に感謝」で、創業時の価格で提供されていたのだ(1月16日に終了)。

  • 2014年も続く異次元緩和策「痛み止め効果」後に潜む問題

    金融市場 異論百出
    2014年も続く異次元緩和策 「痛み止め効果」後に潜む問題

    2014年1月18日号  

    財政刺激策と国債大量購入による超金融緩和策、および海外経済の回復によって、2013年の日本経済は明るいムードに転換した。以前グリーンスパンFRB元議長は、レーガン大統領のよかった点は、米国民に自信を取り戻させ、米国は没落した大国だというイメージを変えていったことにあった、と述べていた。そういった観点から言えば、アベノミクスの第1段階が日本国民の気持ちをひとまず明るくしたことはある程度の成果があったといえるだろう。

  • 100周年を迎えたFRBQE縮小で始まる海図なき航海

    金融市場 異論百出
    100周年を迎えたFRB QE縮小で始まる海図なき航海

    2014年1月11日号  

    2013年12月23日にFRBは創立100周年を迎えた。ウォール街では、記念特別展が開催されている。100周年の直前、12月18日にFRBはQE3の縮小開始を決定した。これにより、世界の金融市場に出回っていた流動性がタイトになるという見方がある。

  • 米オバマ宅の近所で感じた情勢格差拡大で噴出する国民の不満

    金融市場 異論百出
    米オバマ宅の近所で感じた情勢 格差拡大で噴出する国民の不満

    2013年12月28日号  

    オバマ米大統領の自宅は、シカゴ中心部から南へ車で20~30分行ったシカゴ大学の近くにある。上院議員だった2005年に170万ドルで購入した家だ。大統領2期目が終わったら、オバマ家はこの家に戻るつもりだ。ここから徒歩圏内にゆかりの店が多々あるとウェブサイト「大統領の近所」に書いてあるので行ってみた。

  • 追加緩和を巡る認識ギャップ市場の要求は来年春に強まるか

    金融市場 異論百出
    追加緩和を巡る認識ギャップ 市場の要求は来年春に強まるか

    2013年12月21日号  

    米国の投資家の間では「日銀は年明け早々に追加緩和策を導入する」と信じている人が多い。彼らは「第二の矢は消費税増税によって折れた。第三の矢は出てこない。よって、第一の矢が再び放たれるはずだ」と考えている。しかしながら、現在の日銀内には、消費税引き上げ前に追加緩和策を行おうとするムードは全くない。

  • 感謝祭の“日本化”で起こる論争米年末商戦の厳しい船出

    金融市場 異論百出
    感謝祭の“日本化”で起こる論争 米年末商戦の厳しい船出

    2013年12月14日号  

    「想像を絶する寒さです。お気をつけください」。11月29日にシカゴに到着したとき、フライトアテンダントにそう言われた。「大げさだなあ」と笑ったが、マイナス8℃は確かにきつかった。この日はホリデーシーズン・セールの開始で有名なブラックフライデーだった。ショッピング街であるミシガン通りに行ってみた。地元の人の話によると、寒さで人出は昨年よりも少なかったそうだ。「買い物袋を提げて歩く人が年々減っている」という声も聞こえた。実際の購入はインターネットという人が増えているからである。

  • 高揚感漂う三中全会後の中国“第4の改革”実行の実現度

    金融市場 異論百出
    高揚感漂う三中全会後の中国 “第4の改革”実行の実現度

    2013年12月7日号  

    第18期三中全会(中央委員会第三回全体会議)の翌週に北京を訪れたところ、政府関係者、政治ウオッチャー、金融市場関係者の間に高揚感が漂っていた。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…