記事一覧:金融市場 異論百出417件
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金融市場 異論百出
終わりなき「長期戦」に突入か 日銀の総括検証に功罪両面あり
2016年10月8日号「もし信頼に欠く中央銀行が、『信頼できない政策を実施する』と信頼できるかたちで約束したら、二つのネガティブさが打ち消し合って、信頼が生み出されるのだろうか」。9月27日の米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、日本銀行の「総括的な検証」と新たな政策の枠組みを評して、そう描写した。
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金融市場 異論百出
散髪代「700円vs21ドル」 意外な日米インフレ差の象徴
2016年10月1日号大阪の通天閣周辺にある商店街は、串カツ人気やアジアからの観光客増加もあって活況を呈している。しかし、有名串カツ店を除けば、この辺りの物価水準は異様に低い。梅田駅周辺と比較すると別世界に来たような感覚にとらわれる(商店街の名前は「新世界」だが)。
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金融市場 異論百出
今こそ日銀は「総括的な検証」で 構造改革の必要性を強く問え
2016年9月24日号「えっ、マイナス金利ちゃうの?」。大阪で金融機関の営業担当者が企業へ貸出金利の交渉に行くと、そう言われるケースが多いという。無理を承知で言っている面もあると思うが、日本銀行がマイナス金利政策を採用して以来、金融機関の利ざやは大阪に限らず一段と圧縮されている。大半の金融機関にとって最大の資金調達源は個人預金だが、事実上その調達金利をマイナスにはできないからだ。
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金融市場 異論百出
日銀の総括的な検証を占う 黒田講演「三つの注目点」を解説
2016年9月17日号9月21日に日本銀行は、マイナス金利付き量的質的金融緩和策(QQE)の「総括的な検証」を公表する。それに先立って5日に行われた黒田東彦・日銀総裁の講演には、注目すべきポイントが3点あった。
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金融市場 異論百出
現実は“ゲーム”ほど甘くない 英中央銀行が直面する悩ましさ
2016年9月10日号英ロンドンにある英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)の金融博物館に「金融政策ゲーム」がある。海上を走るヨットが画面に映し出され、その速度が上がるとインフレメーターの数字も上がる。BOEのインフレ目標である2%でヨットが巡航できるように操作するというゲームだ
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金融市場 異論百出
「現金お断り」のスウェーデン 背景にマイナス金利の余波も
2016年9月3日号スウェーデンのストックホルムに先日行ってきた。特に印象的だったことが二つある。一つは、将来の不安を感じている人が予想以上に少ないという点だ。日本のように「長生きが心配」で高齢者が貯蓄を抱えているようなことはまずない。社会保障が手厚いため、貯蓄は死ぬまでに使い切って楽しまなければ意味がないそうだ。
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金融市場 異論百出
人手不足で「アミーゴ紹介求む」金融緩和を左右する移民政策
2016年8月27日号群馬県邑楽郡の大泉町は日系ブラジル人が多い街だ。先日訪れたところ、ポルトガル語の看板の多さに驚いた。スーパーマーケットにはブラジルの国旗が多数掲げられ、かの地の食材が並ぶ。併設のレストランでは「リオ五輪開催中の土日はブラジル料理ビュッフェ食べ放題1780円」といったキャンペーンも目に入った。
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金融市場 異論百出
「大株主は日銀」の異常が多発 異次元緩和の検証は虚心坦懐に
2016年8月13日号日本銀行は、「マイナス金利付き量的質的金融緩和策」の効果を9月の金融政策決定会合で「総括的に検証」すると発表した。どのような結論となるのか、市場の観測は二分している。「新たなバズーカ緩和策の導入か」という期待の一方で、「マイナス金利を撤廃するのではないか」との見方もある。
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金融市場 異論百出
世界16位相当の経済都市、東京 新都知事は魅力を伸ばせるか
2016年8月6日号本誌が店頭に並ぶころには、東京都知事選挙の結果が出ているだろう。あらためて東京の経済規模を見ると、県民総生産額(2013年度)は93.1兆円(内閣府経済社会総合研究所)。13年の世界各国の名目国内総生産で16位に相当し、インドネシアやオランダを上回る世界有数の巨大都市だ。
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金融市場 異論百出
元王朝もフランスも経済大混乱 歴史に学ぶヘリコプターマネー
2016年7月30日号海外の投資家は「ヘリコプターマネー」政策を日本政府・日本銀行が採用するのではないかと関心を持っている。菅義偉官房長官と黒田東彦日銀総裁は否定的発言をしているが、話題はくすぶり続けている。
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金融市場 異論百出
テニスの次は金融で深刻化 新たな「ウィンブルドン現象」
2016年7月23日号テニスの四大大会の一つ、ウィンブルドン選手権の男子シングルス決勝が7月10日に英ロンドンで行われ、英スコットランド出身のアンディ・マレーが2度目の優勝を果たした。会場であるセンターコートの貴賓席は例年以上に華やかだった。ウィリアム王子夫妻をはじめとする英国王室一族、デイビッド・キャメロン英首相(当時)、サディク・カーン・ロンドン市長に加えて、俳優のヒュー・グラントや往年の名テニスプレーヤーであるビヨン・ボルグなどの姿も見えた。
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金融市場 異論百出
トランプ旋風でも揺るがない 米国の「LGBT」サポート姿勢
2016年7月16日号米ワシントンには政治関連グッズを取り扱う土産物店が多い。米財務省の近くにもそういう店があるが、今年は大統領選挙があるだけに例年よりも大勢の客でにぎわっていた。店内の米国人観光客が爆笑していたのは、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏のTシャツだった。
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金融市場 異論百出
英国経済の混乱はどう映る ポピュリズムの世界伝播なるか
2016年7月9日号「Brexit後の世界経済は不透明感が強いが、仕事はイージーになった」6月23日、英国は欧州連合(EU)からの離脱「Brexit」の是非を問う国民投票を実施。離脱派の勝利は世界の金融市場に衝撃を与えた。その翌週、米ニューヨークの金融街であるウォール街を回ったが、ある著名FED(米連邦準備制度)ウォッチャーは苦笑交じりにそう述べた。
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金融市場 異論百出
金融緩和の円安効果はリセット 突っ込みどころ満載状態の日銀
2016年7月2日号円が日本の主要な貿易相手国の通貨に対して、どの程度強く(あるいは弱く)なっているかを示す指数に名目実効為替レートがある。日本銀行が推計したこの指数を見ると、異次元金融緩和策の導入前日である2013年4月3日は106.53だった。それが15年6月8日に85.63まで低下した(数字が小さくなると円安、大きくなると円高)。
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金融市場 異論百出
EU離脱派はトランプ支持者? 英米の類似性が欧州で話題騒然
2016年6月25日号「欧州連合(EU)離脱派は、髪形がましなトランプではないか」──。英紙「テレグラフ」はそんな論評を掲載していた。米大統領選挙で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏の支持者と、英国におけるEU離脱支持者との類似性が欧州で話題になっているのだ。
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金融市場 異論百出
ヘリコプターマネーに漂う幻想 金融政策は“ただ飯”ではない
2016年6月18日号退任早々の元日本銀行幹部による異例の発言が物議を醸している。5月末に日銀理事を退任した門間一夫氏が、日銀による2017年度中のインフレ目標2%達成は「相当ハードルが高い」と、米通信社ブルームバーグに語ったのだ。特定の近い時期に目標達成を目指す姿勢を続けると、「さらに想像を絶するような対応を取っていくことになる」とも指摘している。
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金融市場 異論百出
需要“先食い”のツケが回った 消費税率引き上げ延期の真因
2016年6月11日号消費税率の引き上げが2年半延期されることになった。2014年11月に安倍晋三首相は次のように述べていた。「さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年(17年)4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします」。
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金融市場 異論百出
EU離脱で地中海旅行の予算増 国民投票前に英政府必死の説得
2016年6月4日号「DIY景気後退になる」。ジョージ・オズボーン英財務大臣は、6月23日に行われる国民投票で英国が欧州連合(EU)離脱となったら、深刻な不景気を自分自身で招いてしまう(Do It Yourself)という意味で、その言葉を使った。
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金融市場 異論百出
効果のなさは日本が世界一? マイナス金利が効きにくい理由
2016年5月28日号「近代の中央銀行の歴史上、最強の金融緩和スキーム」。それがマイナス金利付き量的質的金融緩和に関する黒田東彦・日本銀行総裁の説明だ。その「最強」の政策の効果がこれから表れてくるため、4月末の金融政策決定会合では追加緩和を見送ったという(ただし、インフレ目標達成時期は先送りされた)。
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金融市場 異論百出
英金融街の接待に当局が警告も 日本と違う英市民の意外な反応
2016年5月21日号「金融街シティの資産運用会社は顧客を接待し過ぎている」。英国の金融業界の振る舞いを監視しているFinancial Conduct Authority(FCA)は最近、そうした警告を発した。