記事一覧:世界遺産を撮る210件
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世界遺産を撮る
八萬大蔵経の納められた伽耶山海印寺(HAEINSA TEMPLE JANGGYEONG PANJEON, THE DEPOSITORIES FOR THE TRIPITAKA KOREANA WOODBLOCKS)
2018年11月17日号韓国南部、伽耶山にある海印寺は802年に建立した歴史ある寺だ。「この寺にある竜王の印(海印)を3度たたけば願いがかなう」という言い伝えが寺の名前の由来だが、寺は高麗時代に元(中国)に攻め込まれたのをはじめ、何度か火災に見舞われたこともあって現在その海印はないそうだ。
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慶州歴史地域(GYEONGJU HISTORIC AREAS)
2018年11月10日号慶州は何度行っても飽きない。王陵、石塔、仏像、寺院など十数カ所の名所があるが、特に私が好きなのは雁鴨池と南山、仏国寺だ。雁鴨池は東西200メートル、南北189メートルで鍵の形をしている。
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タオス・プエブロ(TAOS PUEBLO)
2018年11月3日号以前に西アフリカ、マリのジェンネ旧市街に行ったとき、土と植物で建てられた家屋が興味深かった。聞くとこれによく似た建物が米国のタオスという村にあるという。行ってみたいが何しろ遠いのが難点で、2017年秋、ようやく訪れることができた。ニューメキシコ州北部のサンタフェ空港へ飛び、そこから丸1日、レンタカーを走らせた。
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独立記念館(INDEPENDENCE HALL)
2018年10月27日号1749年にペンシルベニア州の議事堂として建てられたこの建物は今日、米国の歴史においてなくてはならない存在となった。すなわち1776年7月4日に英国に対する独立宣言が行われ、その後1787年5月には人類史上初の憲法「アメリカ合衆国憲法」がこの地で誕生した。憲法や「三権分立」の思想は200年の時を経て、世界の民主主義国家の礎になっている。
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チャコ文化(CHACO CULTURE)
2018年10月20日号ニューメキシコ州の北西、険しい渓谷にあるチャコに向かってヒューストンから車を飛ばした。米国のハイウエーを運転するのは実に爽快だ。1時間近く走っても他の車に遭遇せず、まるで駿馬が地の果てへ走り抜けるような気分になった。
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メキシコ・シティ歴史地区とソチミルコ(HISTORIC CENTRE OF MEXICO CITY AND XOCHIMILCO)
2018年10月13日号メキシコ・シティ中心部から南へ少し離れたソチミルコは、アステカ王国の伝統を色濃く残す町だ。川に囲まれた「水の町」でもある。ここの人々は思いのままに、自宅の壁を塗装している。家々の壁の色は異なっているが、遠目に見ると一枚の絵画のようで、言い表せない面白さを感じる。そしてたそがれから深夜にかけて、橋の下や路地の奥から、楽器の音と歌声が響き合う。
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シアン・カアン(SIAN KA'AN)
2018年10月6日号ユカタン半島のカリブ海沿岸地域に広がるシアン・カアンはマヤ文明の言葉で「天空の生まれた場所」を意味する。石灰石に覆われたこの地にはセノーテと呼ばれる泉がたくさんあり、その美しさは私も飛び込みたくなるほどだった。この泉はマヤ文明でいけにえの儀式に用いたそうで、今でも神秘的な雰囲気が漂っている。
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ケベック旧市街の歴史地区(HISTORIC DISTRICT OF OLD QUEBEC)
2018年9月29日号ケベック旧市街は北米で最もヨーロピアンな街だと思う。18世紀に造られた石畳の道を散策すると、フランス語が聞こえてくるし、広場の中央にはルイ14世の銅像があるし、人々の暮らしぶりもフランスの風情が漂っている。700棟余りの古民家と幾つかの教会の大半が19世紀以前に建てられたもので、これらも「小さなパリ」を想起させる。実際、住民の9割がフランス系だ。
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恐竜州立自然公園(DINOSAUR PROVINCIAL PARK)
2018年9月22日号340キロメートルの道のりを一晩中運転して目的地に着いたのは夜が白々と明けるころだった。目の前に広がる荒々しく神秘的な谷を一人で眺めていると、数千万年前に恐竜がここを闊歩する姿が思い浮かんだ。風が吹くたび谷底から響いてくる奇妙な音がまるで恐竜の鳴き声のように聞こえて、思わずぞっとした。
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セルギエフ・ポサドのトロイツェ・セルギー大修道院の建造物群(ARCHITECTURAL ENSEMBLE OF THE TRINITY SERGIUS LAVRA IN SERGIEV POSAD)
2018年9月15日号去年8月、トロイツェ・セルギー大修道院の撮影を終え、車をモスクワの赤の広場に飛ばした。運良く夕焼け時に間に合い、絶景をレンズに収めることができた。ふと広場北側にあるグム百貨店に目をやると、突然20年前の光景がよみがえってきた。
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アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式建造物群(ARLES, ROMAN AND ROMANESQUE MONUMENTS)
2018年9月8日号昨年公開された「ゴッホ~最期の手紙~」は、史上初の絵画による長編CGアニメーション映画として大きな話題を集めた。ゴッホは作品とともに、彼の数奇な生涯が常に注目されてきた。ここアルルは、ゴッホが創作の最盛期に暮らした、フランス南部の小さな町だ。
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スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿(HISTORICAL COMPLEX OF SPLIT WITH THE PALACE OF DIOCLETIAN)
2018年9月1日号アドリア海に面するクロアチアの港町スプリット。バーとレストランが立ち並ぶ海岸沿いのメーン通りは、遊覧船で訪れた、たくさんの観光客で大にぎわいである。
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オオカバマダラ生物圏保存地域(MONARCH BUTTERFLY BIOSPHERE RESERVE)
2018年8月25日号妻の大学時代の恩師は今年94歳。先生ご夫婦の世界を旅するライフスタイルに私たち夫婦は影響を受けており、世界遺産の撮影を続ける原動力にもなっている。
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アレハンドロ・デ・フンボルト国立公園(ALEJANDRO DE HUMBOLDT NATIONAL PARK)
2018年8月11日号2011年3月の旅で、キューバにある世界遺産9カ所のうち7カ所を一気に回った。アレハンドロ・デ・フンボルト国立公園はキューバ島の東の端にあり、最も遠かった。キューバは物価が安く、気候がすがすがしく、雰囲気が素朴で、総じて愉快な旅だった。
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プランタン-モレトゥスの家屋-工房-博物館複合体(PLANTIN-MORETUS HOUSE-WORKSHOPS-MUSEUM COMPLEX)
2018年8月4日号青年時代に付き合っていた彼女。別れた後に私は日本へ、彼女はベルギーへ渡り、それぞれの人生を歩んできた。それが2009年暮れ、私が家族連れでブリュッセルを訪れたのを機に家族ぐるみの交流が始まった。
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フエの建造物群(COMPLEX OF HUE MONUMENTS)
2018年7月28日号フエへはベトナム第二の都市ハノイから夜行バスで向かった。目が覚めるとフエに到着。香江の岸辺は朝日に照らされ、人々は道端のテーブルを囲んで朝食を取っている。私もまねしてビーフンを注文した。見渡すと生き生きとした現地の生活が伝わってくる。
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古代都市ポロンナルワ(ANCIENT CITY OF POLONNARUWA)
2018年7月21日号国民の幸福度が高い国としてブータン、ラオス、ジョージアなどが知られている。スリランカもその一つ。26年続いた内戦は2009年に終結。1人当たりGDPは日本の10分の1しかないが、日本人の余裕のない表情と違い、町で行き交う人々は皆、ほほ笑みが絶えず心豊かな感じを受けた。
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ロスキレ大聖堂(ROSKILDE CATHEDRAL)
2018年7月14日号世界遺産に対する保護意識は国によって違う。発展途上国の中には世界遺産認定を受けるとすぐ、建造物や山林の中にコンクリートの階段を整備するところもあり、「観光客の安全を守るため」と現地は主張する。
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原爆ドーム (HIROSHIMA PEACE MEMORIAL(GENBAKU DOME))
2018年7月7日号6月12日は歴史的な一日となった。シンガポールで初めて米朝首脳会談が開催され、北朝鮮は核廃棄承諾の基本方針を示した。
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パナマ・ビエホ古代遺跡とパナマの歴史地区 (ARCHAEOLOGICAL SITE OF PANAMA VIEJO AND HISTORIC DISTRICT OF PANAMA)
2018年6月30日号2002年に米国、メキシコ、ベネズエラを訪れる旅をした際、パナマ空港で乗り換えるついでにパナマ旧市街を撮影しようと思い立った。夜11時すぎにパナマ空港に着くと、乗り継ぎ時間が4時間ある。