記事一覧:世界遺産を撮る210件
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世界遺産を撮る
トスカナ地方のメディチ家の別荘と庭園群(MEDICI VILLAS AND GARDENS IN TUSCANY)
2019年4月13日号2010年にイタリアのフィレンツェ市主催で私の作品展が開かれ、さらに光栄なことに、現地のラウレンツィアーナ図書館に作品が2枚収蔵されることになった。
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ラヴェンナの初期キリスト教建築物群(EARLY CHRISTIAN MONUMENTS OF RAVENNA)
2019年4月6日号イタリア語、イタリア文学の礎であり、近年は人気のハリウッド映画シリーズをきっかけに再注目されるようになったダンテの「神曲」。この長編叙事詩が書き上げられた場所が、古代ローマ時代から中世にかけて繁栄したイタリア北東部の都市ラヴェンナである。
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ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(HISTORIC CENTRE OF ROME, THE PROPERTIES OF THE HOLY SEE IN THAT CITY ENJOYING EXTRATERRITORIAL RIGHTS AND SAN PAOLO FUORI LE MURA)
2019年3月30日号ここ数年は世界遺産の写真のカレンダーを出しているので、毎年ローマとパリに新作を撮りに行っている。もう何度ローマを訪れたか定かではないが、行くたびにコロッセオの朝焼け、あるいは夕焼けは撮るようにしている。一昨年の初夏に行った際は朝焼けを撮り終えた後、喫茶店で朝食を済ませ、初めてガイド付きの見学ツアーに参加した。コロッセオの内部を詳しく知りたくなったのだ。
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ドロミーティ(THE DOLOMITES)
2019年3月23日号イタリア・ベネチアからハイウエーを北へ走ってアルプスに入り、走行距離160キロメートルを超えるとドロミーティに到着した。これまでスイス、オーストリア、フランス、ドイツ、スロベニアからアルプスの雄大な姿を見てきたが、そこには他とは全く違う風景が広がっていた。山の高さは3000メートル程度だが、石灰岩が切り立った岩壁は、のこぎりの歯のような形状で印象的だ。ドロミーティの名前の由来は「白雲石」という石灰岩の一種らしい。
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トゥルネーのノートル-ダム大聖堂(NOTRE-DAME CATHEDRAL IN TOURNAI)
2019年3月16日号ベルギーは地理的、歴史的な背景から北部はオランダ語、南部はフランス語、ドイツと隣接する地域はドイツ語が話されていて、それぞれ街の雰囲気が異なる。現在12ある世界遺産は、それぞれのエリアに分布していて、日本人にはアニメ「フランダースの犬」でおなじみのノートル-ダム大聖堂はオランダ語圏のアントワープに位置する。
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聖地キャンディ(SACRED CITY OF KANDY)
2019年3月9日号スリランカの国土は日本の九州の2倍に満たないが、世界遺産は8カ所もある。加えて世界一のサファイアの埋蔵量を誇る。
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アフラージュ、オマーンの灌漑システム(AFLAJ IRRIGATION SYSTEMS OF OMAN)
2019年3月2日号オマーンでは自然遺産に登録されていた「アラビアオリックスの保護区」が、油田開発が原因で2007年にユネスコから抹消処分になった。こうした事態は世界でもまれなことだが、オマーンの残り四つの世界遺産をカメラに収めておこうと現地に駆け付けた。
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チトワン国立公園(CHITWAN NATIONAL PARK)
2019年2月23日号ごく限られたエリアにしか生息していない貴重な動物、角が1本の一角サイ(インドサイとも呼ぶ)がチトワン国立公園の“主役”である。撮影はあえてゾウに乗って上から撮ることにした。この方がカメラアングルも安全面においてもよいからだ。
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チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群(VAT PHOU AND ASSOCIATED ANCIENT SETTLEMENTS WITHIN THE CHAMPASAK CULTURAL LANDSCAPE)
2019年2月16日号メコン川の中流に立つ寺院、ワット・プーを撮影するため、すぐ近くのホテルに滞在した。そこの支配人に頼まれてホテルの宣伝写真を撮ってあげると、お礼にホテル特製のティッシュペーパーボックスのカバーをくれた。それは今もわが家のリビングで活躍している。
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ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献(THE ARCHITECTURAL WORK OF LE CORBUSIER, AN OUTSTANDING CONTRIBUTION TO THE MODERN MOVEMENT)
2019年2月9日号2018年11月27日、フランス南部のモンペリエ空港からレンタカーでマルセイユに到着した。ちょうど燃料税引き上げに抗議する「黄色いベスト運動」の真っ最中。車道の両脇に置かれたドラム缶から火が燃え上がり、黄色いベストを着た男たちが大声で叫びながらフランスの国旗を振り回す様子は映画「パリ・コミカル」のワンシーンのようだった。
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長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(HIDDEN CHRISTIAN SITES IN THE NAGASAKI REGION)
2019年2月2日号数十年前に留学生として来日した直後、遠藤周作の『沈黙』を読んだときの衝撃はいまだに心に残っている。長崎の隠れキリシタンたちが、徳川幕府による残虐な刑罰に屈することなく200年以上も耐え続けたという史実を基にした小説にとても感銘を受けた。
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ピュー古代都市群(PYU ANCIENT CITIES)
2019年1月26日号まな娘が次の年に一度の家族旅行は、ミャンマーへ行きたいと言い出した。理由は大好きなアイドルがヤンゴンを旅するテレビ番組を見て感化されたから。そのアイドルと同じホテルに泊まり、同じレストランで食事をし、同じ観光名所で記念写真を撮りたいという。何とも思春期らしい趣味、思考だと思ったが、私もある打算が働き賛同した。ミャンマー唯一の世界遺産、ピュー古代都市群に行けるチャンスだと思ったからだ。
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ゴブスタンのロック・アートと文化的景観(GOBUSTAN ROCK ART CULTURAL LANDSCAPE)
2019年1月19日号アゼルバイジャンの首都、バクーから1時間ほど車を走らせると、岩石がそびえ立つ荒漠たる高地にゴブスタンの岩絵が見えてくる。その数およそ6000枚。氷河期の後、この地に定住した人々が描いたもので、考古学的ロマンを感じる。
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城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔(WALLED CITY OF BAKU WITH THE SHIRVANSHAH'S PALACE AND MAIDEN TOWER)
2019年1月12日号カスピ海沿岸にあるアゼルバイジャンの首都、バクーは5世紀ごろからある古都で、中世の街並みが今も残る。12世紀に建てられた要塞「乙女の塔」は、名前の由来が諸説ある。最も悲しい伝説はこうだ。
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ムツヘタの文化財群(HISTORICAL MONUMENTS OF MTSKHETA)
2018年12月29日号ジョージアの首都・トビリシから北西へ約25キロメートルの所にある古都、ムツヘタ。代表的建造物がスヴェティツホヴェリ大聖堂である。
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アッパー・スヴァネティ(UPPER SVANETI)
2018年12月22日号「勇猛な戦士」と称されたスヴァン民族がいたこの地は、15世紀にロシアに征服されるまで独自の文化を育んでいた。代表的な建造物が石の塔である。これまでもイタリア、イエメン、中国など世界各地でこの手の石の塔を見てきた。民族も信仰も文化も異なるが、石の塔には共通して「敵の侵入を監視するタワー」の役割があるようだ。
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ゲラティ修道院(GELATI MONASTERY)
2018年12月15日号ゲラティ修道院は1106年に当時のジョージア国王ダヴィド4世によって創設された。国を代表する科学者、神学者、哲学者らが集うアカデミーの役割も担っていたことから、長い間、同国における知的・文化的な発信地として機能していたそうだ。教会内は壁画と彫像が数多く並び、とても荘厳で華麗だった。外には巨大な十字架があり、観光客のほとんどが記念写真を撮っていた。
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ゲハルト修道院とアザート川上流域(MONASTERY OF GEGHARD AND THE UPPER AZAT VALLEY)
2018年12月8日号ゲハルト修道院はその造りから「洞窟修道院」とも呼ばれる。「ゲハルト」とは槍を意味し、キリストの脇腹を突いた槍の一部がここで発見されたのがその名の由縁だ。
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ハフパトとサナヒンの修道院群(MONASTERIES OF HAGHPAT AND SANAHIN)
2018年12月1日号前回に続きアルメニアである。人口約400万人の小さな国は、世界で最初のキリスト教国であるにもかかわらず、地理的要件により次々と外来民族に支配されてきた。最初はビザンチン帝国、次にセルジューク・トルコ、その次はモンゴルに、そして1454年にはオスマン帝国(トルコ)に、さらに1828年はロシア帝国に統治された。そうして1991年9月23日、ようやくソ連から独立し、今に至ったのである。
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エチミアツィンの大聖堂と教会群及びズヴァルトノツの古代遺跡(CATHEDRAL AND CHURCHES OF ECHMIATSIN AND THE ARCHAEOLOGICAL SITE OF ZVARTNOTS)
2018年11月24日号アルメニアは301年に歴史上初めてキリスト教を国教と定めた国だ。そのためエチミアツィン大聖堂は世界中の大聖堂のルーツになっているといわれる。他方、隣国のアゼルバイジャンとは長らく戦争状態で(ナゴルノ・カラバフ戦争)、今なお自由に行き来できない。