記事一覧:連載4635件
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野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
賞与増額の効果は 無視できるほど小
2013年4月13日号今年の春闘で、自動車や電機などの大手メーカーの年間一時金(ボーナス)の増額回答が相次いだことが、大きく報道された。これがきっかけとなって、所得増と消費増の好循環が生じるとの見方もある。本当にそうなるのだろうか? それを判断するには、ボーナス増額が経済に与える影響を、大きさと持続性の両面から正確に把握する必要がある。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
国民栄誉賞ダブル授賞の裏に 透ける参院選対策という打算
2013年4月13日号久しぶりに「え、ほんと?」と思わずつぶやいたニュースに出くわした。プロ野球元巨人軍監督、長嶋茂雄(77)と元大リーガー、松井秀喜(39)の国民栄誉賞のダブル授賞だ。これを最初に報じたのが群馬県の県紙「上毛新聞」の4月1日付朝刊。1面には2人の顔写真もなく見出しだけだった。「長嶋、松井氏に国民栄誉賞」記事は2面に掲載された。ニュースの大きさからいえば極めて地味な扱いである。4月1日付ということもあって読者から「エイプリルフールの記事なのか」と問い合わせもあったそうだ。
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連載小説 ハゲタカ4 『グリード』
衝撃と瓦解(第61回)
2013年4月13日号ベストセラー『ハゲタカ』のシリーズ4作目。作家・真山仁が金融業界の裏側を赤裸々に描き、人間の強欲「グリード」の本質に迫る!
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鹿島田明宏の「脱」セオリーで飛距離アップ!
テンプラ防止は上体を右に残してスウィングしよう!
2013年4月13日号テンプラとは、飛距離が出ないミスショットの一つで、ボールがフェースに当たらず、クラブヘッドの上部(クラウン部)に当たってしまうことです。クラブがボールの下をくぐり抜けるようなインパクトになるため、まさに「天ぷらを揚げる」がごとく、打球は空高く上がるだけで飛びません。ボールをすくい上げるとテンプラのミスが出る、と勘違いしている人がいますが、実際は飛ばそう(当てよう)として、ダウンスウィングで上体が突っ込み、上から打ち込み過ぎることが最大の原因です。
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カラダご医見番 ライフスタイル編
日本発の調査研究から 緑茶とコーヒーでStop! 脳卒中
2013年4月13日号先月、米国医学誌「Stroke:脳卒中(オンライン版)」に日本の国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの共同研究結果が報告された。それによると、緑茶とコーヒーを習慣的に飲む人は、脳卒中の発症リスクが低下するという。同研究は、1995年と98年に別々に行われた研究の参加者、8万2369人を平均13年間にわたり追跡調査。年齢は45~76歳で、男女比はほぼ半々、参加当時にがんや心血管系疾患の既往はなかったが、追跡期間中に3425人が脳卒中を発症していた。
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山崎 元のマネー経済の歩き方
ファンド・オブ・ファンズをめぐるあれこれ
2013年4月13日号ファンド・オブ・ファンズとは、複数のファンドを集めて一つのファンドとした商品だ。一般個人向けの投資信託にもあるし、機関投資家向けの運用でも、ヘッジファンドなどを集めたファンド・オブ・ファンズが存在する。個人向けの投資信託で最近多いのは、主に海外市場に上場されているETF(上場投資信託)を複数組み合わせたファンドだ。このタイプのファンドは、小口単位で行う投資に向いている。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
池口恵観氏の45億円は いかに調達されたのだろうか
2013年4月6日号三月二六日、在日本朝鮮人総連合会(朝総連)の中央本部の土地・建物が競売にかけられ、池口恵観(えかん)氏が法主を務める最福寺(鹿児島市)が四五億円の高値で落札した。最低価格の二倍弱、四五億円の手当はすでについているとのことだが、池口氏が、落札した建物を朝総連に貸してもよいと語ったのには驚いた。その場所を「世界の民族融和」の拠点にしたいというのだ。朝総連は、日本人の拉致や、北朝鮮の核ミサイル開発に必要な技術や資金の調達に関わっていた濃厚な疑惑を持たれている。いま、日本は国を挙げて、厳正な法執行で北朝鮮の暴挙を抑制しようとしている。そんなときに、「賃貸」の形を取って彼らの活動拠点を担保してやるのが宗教家のすることだろうか。そもそも四五億円もの大金はどのように調達したのか。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
安倍・菅ラインが密かに進める 少人数の「閣僚会議」システム
2013年4月6日号「漁協の同意が取れたら、すぐ申請します」官房長官の菅義偉は、首相の安倍晋三にこう耳打ちした。「申請」とは米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移転先となる名護市辺野古沿岸部の埋め立て許可申請のことである。安倍は3月15日に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を決断したばかり。矢継ぎ早の決断の背景には、安倍の日米同盟強化に懸ける意気込みと同時に、菅との絶妙なコンビネーションがあった。3月22日午後3時50分すぎ、沖縄県庁に沖縄防衛施設局から段ボール箱に詰められた申請書類の山が運び込まれた。受理は午後4時。菅の計算通りの展開である。安倍はホワイトハウスで行われた先の日米首脳会談で、米大統領オバマに普天間問題を前に進めることを約束していた。1996年の返還合意から既に17年。東アジアにおける安全保障環境は中国の台頭、北朝鮮の核実験など激変した。それに合わせて在日米軍の再編計画が発表されたが、普天間問題が立ちはだかり再編は遅々として進んでいない。 主な理由は、在日米軍基地の4分の3が沖縄に偏在しているにもかかわらず、負担の軽減が一向に進まないこと。沖縄が重い負担と犠牲を強いられてきた戦前からの歴史。さらに民主党政権の迷走。とりわけ元首相、鳩山由紀夫の普天間の移転先をめぐる「最低でも県外」発言。沖縄県民の期待を高め、逆に混乱に拍車をかけた。
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野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
円安下で深刻さを増す 自動車産業の環境
2013年4月6日号円安が追い風となって、自動車関連企業の採算が好転していると伝えられる。2013年3月期の決算が増益となることを背景として、春闘のボーナスも満額回答となった。これで日本経済が所得面から押し上げられることになると、報道されている。しかし、そうした傾向は、統計には表れていない。統計から見られるのは、まったく逆に、日本の自動車産業を取り巻く環境が深刻さを増していることだ。円安にもかかわらず輸出が減少し、他方、国内ではエコカー補助金の終了で販売台数が激減しているからだ。まず最初に、乗用車の輸出動向を見よう。アメリカに対する乗用車の輸出は、東日本大震災の直後に大幅に落ち込み、その後回復した。このため、12年5月には、台数で対前年比134%増、金額で135%増という目覚ましい伸びを実現した。しかし、それは、11年における落ち込みがあまりに大きかったことの反動にすぎない。
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連載小説 ハゲタカ4 『グリード』
衝撃と瓦解(第60回)
2013年4月6日号ベストセラー『ハゲタカ』のシリーズ4作目。作家・真山仁が金融業界の裏側を赤裸々に描き、人間の強欲「グリード」の本質に迫る!
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鹿島田明宏の「脱」セオリーで飛距離アップ!
ヒッカケのミスに悩んでいる人は背骨のラインを重視
2013年4月6日号スライスのミスが直ってボールがつかまるようになると、飛距離が出る半面、ヒッカケやチーピンといった左方向へのミスに悩まされることがあります。その最大の原因は、ダウンスウィングで上体が右に倒れて(傾いて)しまうことです。そこで左方向へのミスが出始めたら、スウィングの回転軸となる「背骨のライン」を意識しましょう。まずアドレスでは、背骨のラインをほぼ垂直にセットすることが大切です。アイアンはもちろん、ドライバーでも垂直に近い状態で構えます。飛ばそうと意識して体重を右足に乗せ過ぎると、回転軸が右に傾いてしまうので注意が必要です。
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カラダご医見番 ライフスタイル編
睡眠不足でアルツハイマーに? 生活のリズムと寝室の見直しを
2013年4月6日号何年か前、米ワシントン大学の研究グループが「睡眠不足はアルツハイマー病(AD)の発症要因」という研究結果を報告した。マウスの睡眠を意図的に奪って観察した結果、ADの発症の一因とされる「アミロイドβ(いわゆる老人斑)」の脳内蓄積が促進される、というのだ。今年3月、同じグループから英国の医学誌「JAMA神経学」に、今度は人を対象とした研究の続きが報告された。
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山崎 元のマネー経済の歩き方
岩田規久男日銀副総裁への 三つの期待と心配
2013年4月6日号注目の日本銀行首脳人事が先般決着した。黒田東彦氏の総裁就任もさることながら、岩田規久男氏の副総裁就任が注目される。岩田氏は、金融緩和政策の代表的な論客であるのと同時に過去の日銀を徹底的に批判してきた人でもある。できたら総裁にと思わぬでもなかったが、岩田氏が日銀の内部に入ることは画期的だと筆者は思う。ご活躍に大いに期待したい。まず、有効な金融緩和策を実行する上での議論の主導を期待する。日銀の金融政策は、金融政策決定会合の多数決で決まるのであり、総裁・副総裁の一存で決まるわけではない。正副総裁3人以外の委員は、「小出しの美学」、白川方明前総裁の政策におおむね賛成してきた人たちだ。一方で長いものには巻かれるだろうとは予想するものの、これまでの政策を不連続に変えることには抵抗感があろう。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
北朝鮮に謀略戦で敗れたことが 韓国のまともな国造りを妨げている
2013年3月30日号韓国がおかしい。例えば韓国人窃盗団が対馬のお寺から盗んだ長崎県有形文化財の仏像を、韓国のお寺が、元々これは一四世紀に自分の寺で作ったものだと主張し、“自分の寺に戻してほしい”と要求する。戻してほしいのは日本のほうだ。三月二五日、初の女性大統領となった朴槿恵氏は、北朝鮮が核の小型化に成功し実戦配備が可能となったこの非常時に、国民の安全ではなく国民の幸福を守るという就任演説を行った。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
TPP交渉の裏に隠された 中国包囲網という安全保障
2013年3月30日号歴史は繰り返す──。手元に今から20年前、1993年12月14日午前4時から行われた首相、細川護煕(当時)の記者会見を報じた新聞の切り抜きがある。──この決断が世界、日本の将来にとって決して間違いでなかったと評価される日が来ることを固く信じている。──コメの一部輸入、乳製品、でんぷんの関税化の影響を最小限に食い止め、農業の将来展望を切り開き、農業維新の実現ができるよう全力で国内対策に取り組むことを約束する。──この苦しみは世界の中で日本が真に開かれた国となるための陣痛の試練だ。その痛みを農家の方々だけに負わせることなく、われわれ国民のすべてが理解し、分かち合っていきたいと思う。最近どこかで聞いた記憶があるだろう。3月15日夕、首相の安倍晋三が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明した際の記者会見の発言と全く同じといっても過言ではない。細川会見は、7年にわたって協議が続いた関税貿易一般協定(GATT)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)をめぐり、最後まで未解決の課題として残った日本のコメ市場開放問題で細川が決断したのを受けて行われた。
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野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
実体経済から見れば 株価は2割程度割高
2013年3月30日号株価が上昇を続けているが、実体経済面では厳しい状況が続いている。最大の問題は、輸出数量が伸びないことだ。貿易統計によると、2月上中旬の輸出は、対前年比2.9%の減だ。2月中旬の為替レートは、この1年間に1ドル79.4円から93.4円にほぼ17.6%減価していることを考慮すると、輸出数量は、対前年比20%程度の減になっているはずである。1月には、輸出数量は5.9%の減、価格指数が13.1%の増で輸出額は6.4%の増になった。2月には、事態がそれより悪化しているわけだ。円安にもかかわらず、昨年秋以来の輸出の減に歯止めがかかっていないどころか、悪化している。 株価が上昇しているのは、「円安になれば日本の輸出が増えて国内生産が増える」という期待があるからだ。しかし、その期待は実現していない。輸出数量の減少を反映して、国内生産も低迷を続けている。1月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比13.1%の減少となった。これは、2005年以降で2番目に大きな落ち込みだ。前年同月比では9.7%の減少だ。また、2月の工作機械の受注は、前年同月比21.5%の減となった。対前年比減は、10カ月連続している。
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連載小説 ハゲタカ4 『グリード』
衝撃と瓦解(第59回)
2013年3月30日号ベストセラー『ハゲタカ』のシリーズ4作目。作家・真山仁が金融業界の裏側を赤裸々に描き、人間の強欲「グリード」の本質に迫る!
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鹿島田明宏の「脱」セオリーで飛距離アップ!
スライスが直らない人は両足爪先を右に向けて振ってみよう
2013年3月30日号今回は、スライスがどうしても直らないという人に向けて、一風変わった、効果てきめんのドリルを紹介します。まずドライバーを持ち、ボールを左足かかとの延長線上にセット。右足を左足に近づけて、スタンス幅を通常の半分くらいにします。そして、両足爪先を飛球線の斜め後方に向けます。角度は約45度が目安です。イメージとしては、右を向き、背中を目標に向けながらスウィングする感じです。素振りよりもボールを打ったほうが効果的。最初はうまく当たらないと思うので、ティーアップを少し高めにするといいでしょう。
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カラダご医見番 ライフスタイル編
糖尿病予備群に朗報? 強い運動なしでリスク減少
2013年3月30日号糖尿病の発症予防には週に150分以上のウオーキングなり何なりが効果的。わかっちゃいるけどムズカシイ…と半ば開き直っている諸氏に朗報か?今月初めに欧州糖尿病学会の機関誌「糖尿病学」に報告された研究によれば、1日の生活の中でじっとしている時間を90分減らすだけで、2型糖尿病の発症リスクを週150分の運動効果に匹敵するほど、下げられるという。
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山崎 元のマネー経済の歩き方
金融マンの報酬と バブルの関係
2013年3月30日号欧州連合(EU)は、銀行員のボーナスに上限をつける制度を導入するという。基本的に、ボーナスは年間給与(ベースサラリー)と同額までとして、銀行の株主の過半数の承認があれば、2倍まで許容する、という内容になるようだ。EUは、まだ決まったわけではないが、投機取引を抑える方法として金融取引税の導入も検討しているという。外資系の投資銀行マンがベースサラリー2000万円、ボーナス8000万円といった構成で報酬をもらっていたとすると、同額の年収を得るためには、ベースサラリーを5000万円に増額しなければならない。金融関係の人材を扱うヘッドハンターに話を聞くと、外資系の会社では、かつてよりもベースサラリーを高めに設定する動きがすでに始まっているようだが、これが高給取りの外資マンリストラの一因になっているという。