記事一覧:野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く376件
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
AI活用のファンドは 高収益を実現できるか
2018年6月2日号ビッグデータを用いるディープラーニング型の人工知能(AI)が、図形認識などで目覚ましい成果を挙げている。囲碁でも、AIは人間に大勝した。では、この手法を資産運用に活用できないか? そうすれば、市場の平均収益率を常に上回る収益を生むファンドを作れるのではないか? こうした期待が高まっている。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
AIで株価を予測して 利益を上げられるか?
2018年5月26日号人工知能(AI)が進歩して株価を予測できるようになれば、それを用いて利益を上げられるだろうか?そのようなことはできないと考えられる。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
かつて大蔵事務次官は 強力な指導者だった
2018年5月19日号大蔵省(現財務省)元事務次官、東京証券取引所元理事長の長岡實氏が逝去された。長岡氏は、1973年に私の上司だった。長岡氏は大蔵省主計局次長、私は証券局から異動してきた主計局調査課の課長補佐。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
ディープラーニングの驚くべき威力と限界
2018年5月12日号コンピューターが最も苦手なのは、パターン認識(図形や自然言語の認識)だとされてきた。例えば、写真の映像が男か女かを判別することだ。人間なら一瞬のうちに判別できる。しかし、コンピューターにはできなかった。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
複雑な因果関係につき AIで原因を推定する
2018年4月28日号原因から結果への因果関係が分かっているとき、観測された結果から原因を推測することができる。本連載第901回では、一つの原因が一つの結果をもたらす場合をベイズの定理で考えた。もちろん、実際の現象はもっと複雑だ。複数の原因と結果があり、因果関係は単純な一対一ではない。こうした問題を扱うのに、ベイジアンネットワークという手法が使われる。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
人工知能で用いられるベイジアンアプローチ
2018年4月21日号人工知能はどのようにして推論し、予測し、判断しているのだろうか?フェイスブックのデータから人格を推定する問題を最初に分析したマイケル・コシンスキーが用いたのは、「いいね!」ボタンを押す確率を、性別や年齢などさまざまな要素で説明する重回帰分析だった。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
フェイスブックの利用で人格情報が把握される
2018年4月14日号アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ陣営が契約していたデータ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(CA)が、フェイスブック利用者約5000万人の個人情報を不正収集していたと報道された。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
データ駆動型への転換で科学は自動化できるか
2018年4月7日号2000年6月、ビル・クリントン・アメリカ大統領(当時)は、ヒトゲノム(人の全遺伝情報)の解読作業がほぼ終了したと宣言した。ヒトゲノム解読計画は1990年に始まり、公的資金でサポートされた国際チームの共同作業によって進められていた。クリントン大統領の横には、国際チームを率いたフランシス・コリンズがいたが、もう一人、ジョン・クレイグ・ヴェンターがいた。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
「データ駆動型経営」はパラダイムの転換だ
2018年3月31日号「データ駆動型(Data driven)経営」とか「データ駆動型意思決定」ということが、最近しばしばいわれる。これはどのような意味であろうか? またどれほど重要な事柄だろうか?
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
デジタル・レーニンはAIで登場するか?
2018年3月24日号市場と政府の役割分担は、経済運営の根本的な問題だ。政府によるコントロールを極限まで進めたのが、計画経済である。その評価をめぐって1920~30年代に行われた経済体制論争で、計画経済が機能しないとしたフリードリヒ・フォン・ハイエクの論文The use of knowledge in societyの基本的論点は、情報に関するものだ。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
無料で集めたデータを価値ある資産に転換する
2018年3月17日号現代のアメリカ経済をリードしているのは、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)などに代表される新しいタイプの情報関連企業である(これらをまとめてFANGと呼ぶことがある)。同じことが中国でも起こっており、バイドゥ、アリババ、テンセントが著しい成長を見せている(これらはBATと呼ばれる)。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
ビッグデータの利用で統計学は不要になる?
2018年3月10日号スマートフォン利用の広がりなどによって、これまでは利用できなかったデータが利用できるようになってきた。これらはビッグデータと呼ばれる。これに伴って、データを扱う方法論や考え方が変わってきた。これは、単なる手法の変化ではなく、本質的な変化だと考えられる。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
新しい情報技術と 情報の非対称性の克服
2018年3月3日号市場取引は、社会的に望ましい結果をもたらすと考えられる。ただし、その前提は、取引される財やサービスに関する情報が完全に提供されていることだ。ところが、現実には、この条件は満たされていない。まず、商品の品質が購入者に分からないことが多い。粗悪品が多い市場を「レモンの市場」というが、これは、「レモンは腐っていても外から見えない」ということに由来する。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
平均値からの脱却が 新しい世界をつくる
2018年2月24日号フィンテックの分野で新しい保険が開発されつつあり、注目を集めている。その一つは、契約者ごとに料率が異なる自動車保険だ。このためには契約者の運転状況を把握することが必要であり、自動車にセンサーを搭載し、運転状況を詳細にモニターする。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
フリーランス普及に 所得税制改革が必要
2018年2月17日号新しい働き方であるフリーランスは、組織間の人材の流動化、技術開発の促進などの観点から、望ましい。アメリカでは、フリーランサーが顕著に増加しており、これが社会の活性化に寄与している。Freelancing in America 2017というレポートによって、アメリカの状況を見ると、次の通りだ。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
構造改革を阻害した円安と輸出の増加
2018年2月10日号1990年代の末に金融機関の破綻が相次ぎ、日本経済全体が大きく落ち込んだ。法人企業の営業利益は、98年度には、90年度の約半分の水準にまで減少した。実質国内総生産(GDP)の対前年度成長率は、98年度にはマイナスになった。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
世界経済の構造変化が93年ごろから顕在化した
2018年2月3日号1993年に、二つのショックが日本を襲った。一つは円高。もう一つは、「コンパックショック」と呼ばれるものだ。まず、円高を見よう。円ドルレートは、92年6月以降、ほぼ1ドル=120円台で推移していたが、月中平均値で93年3月に110円台、6月に100円台、94年7月に90円台と円高が進み、95年8月まで(94年12月を除き)90円台という円高水準が続いた。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
日本人は組織に頼り 問題を放置した
2018年1月27日号日本の地価は1991年から下落し始めたが、地価バブルの傷は90年代の中ごろになるまで表面化しなかった。実は、90年代前半に「イトマン事件」「富士銀行不正融資事件」「尾上縫事件」など、バブルに絡む事件が発覚していた。しかし、これらは、担当者の個別的事情で引き起こされた特殊な不祥事件にすぎないと考えられていた。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
90年代停滞の原因は金融面でなく実体面に
2018年1月20日号1990年代の初めに、株価、地価、企業売上高、営業利益など多くの経済指標が下落・減少した。それまで高い率で伸び続けていた設備投資も、そうだった。実質民間設備投資は、84年度から90年度までは(86~87年度を除いて)前年度比2桁増の高い伸び率だったが、その後低下した。
-
野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
平成回顧ブームを意味あるものにする
2018年1月13日号2019年4月30日の天皇陛下退位が決まったことで、平成の時代が終わりに近づいているとの感覚が強まり、平成回顧ブームが起きている。多くのメディアが、「平成を振り返る」という特集を組んでいる。