記事一覧:Book Reviews オフタイムの楽しみ418件
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 青春ミステリーの心地よい筆致 物語が大どんでん返しのすご腕
2019年9月7日号今回は、浅倉秋成著『九度目の十八歳を迎えた君と』から。通勤途中の駅のホームで、高校時代の同級生、二和美咲を見るのがこの長編の発端だ。彼女はなんと、十八歳のままの姿で向かいのプラットホームに立っていた。
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【旅行・乗り物】 世界に冠たる鉄道の職人芸 観光列車とローカル線の魅力
2019年8月31日号新幹線車両の先頭部を形作る「おでこ」のような流線形は、きっと大工場にある最新鋭の機械で造り出されているのだろうと何の疑いもなく思っていた。ところが実際には、小さな町工場で、職人さんがハンマーで板金をたたくといういかにも原始的な手作業で1両ずつ造り上げていくのだ。
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【ファッション】 哲学や名画を通して新発見 「ファッション」を捉え直す
2019年8月24日号美術や音楽などに比べファッションは文化的に地位が低いと見られてきた。しかし衣服は人と社会に関わるものだけに、思想家にとっても興味深い研究対象になるらしい。
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【マンガ】 通説を覆した明智光秀物語 計略に長けた中学受験の軍師
2019年8月10日号『信長を殺した男』では、「明智光秀は逆賊、豊臣秀吉は英雄」といった通説を覆す物語が描かれる。実は光秀は信長のある計画を阻止しようとしていた。光秀が本能寺の変を起こした真の動機とは何だったのか……。光秀の異例の出世が身近な例で説明されているのも分かりやすい。
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【スポーツ】 とことん走りと向き合った 100年前のランニング指南
2019年8月3日号6月のある日、後楽園ホールで久しぶりにプロレスを観た。会場はファンで満員だった。その中に気になる選手が……。入場時は有刺鉄線のような物を巻いた「こん棒」を持つ危険な存在だったが、そのレスリングスタイルは正統派のものだった。こん棒とのギャップが印象に残った。
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【サイエンス】 生き物の進化は偶然か必然か 生命史の「謎解き」を楽しむ
2019年7月27日号時間を巻き戻して生命進化のテープをリプレーしたらまったく違った結果になるのだろうか、それともやはり地球は似た生物で賑わい、ヒトも生まれるのか? この謎に挑むのが『生命の歴史は繰り返すのか?』だ。別の場所でよく似た生物が独立して発生することがある。本書の主題、収斂進化だ。サメも魚竜もイルカも流線型で紡錘形なのは水中で高速遊泳するためだ。
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【酒・酒文化】 繁盛店にビジネスのヒント 古今東西の文学に描かれた酒
2019年7月20日号料理はうまいのに客の入りがいまひとつと思わせる店がある。居酒屋の神様といわれる著者が、長年の経験を基に商売繁盛の秘訣を説いたのが『たった3品で繁盛店はできる!』だ。
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【音楽・演劇・演芸】 チェッカーズが疾走した時代 清志郎への思い溢れる証言集
2019年7月13日号『チェッカーズの音楽とその時代』は、1983年から92年までのチェッカーズの音楽の素晴らしさを世に問い、彼らが駆け抜けた9年間の活動の軌跡と80年代という時代を振り返る構成で、年ごとにチェッカーズの名曲が紹介されている。
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【子育て・教育】 公教育現場の迫力ある改革 「教えない」による授業革命
2019年7月6日号公教育をより良くしようという運動には、私も長年関わってきたが、外部の人間である限界は何度か突き付けられた。本来先生たち自身の中から迫力ある改革の動きが起こるべきだと感じてきた。『「目的思考」で学びが変わる』の工藤校長の登場には、喝采を送りたい。
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【料理・食】 「牡蠣と森」の30年の記録 料理ドラマ主人公の筆頭候補
2019年6月29日号2011年の東日本大震災で大きな被害に遭いながら、ルイ・ヴィトンなどの支援を受け、驚異的な立ち直りを見せた気仙沼「水山養殖場」の畠山重篤さんは、30年ほど前から「森は海の恋人」をキャッチフレーズに、森に木を植えながら牡蠣の養殖を続けてきた。
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【健康・医療】 症状を知ってしなやかに対症 身近な病気うつ病の予習復習
2019年6月22日号日本では中高年の自殺が増えており、うつ病が大きく関係していることが指摘されている。精神疾患は5大疾患の一つ。実際にうつ病の人で医療機関を受診したのは110万人を超えているほど多い。が、それでも受診者は4人に1人にすぎないのが現状である。
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【ミステリー】 近未来東京のテロルの鮮烈 驚異の名探偵が活躍する傑作
2019年6月15日号吉上亮著『泥の銃弾』は、東京オリンピック・パラリンピックを見据えて難民の受け入れを決めた近未来の東京を舞台にした長編である。
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【スポーツ】 選手への思いと野球への情熱 「人」をテーマとした哲学書
2019年6月8日号タイトルにこそ「野球」の文字が入っているので、これをスポーツの本として紹介するが、その内容は「人をつくるとはどういうことか」「人生とは何か」を教えてくれる優れた哲学書である。『野球が教えてくれたこと』には、北海道日本ハムファイターズの現役監督、栗山英樹氏の選手への思いと野球に対する情熱が詰まっている。
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【マンガ】 老いを描いた錚々たる面々 ジャズ演奏に挑む若者の情熱
2019年6月1日号イチロー選手の引退会見で、愛犬が老いても懸命に生きているのを見て頑張らなきゃと思ったと言っていたのは印象的だったが、老いを描いたマンガは少ない。
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【サイエンス】 宇宙で人間以外の知性体と 出会う日はやって来るのか
2019年5月18日号私たち人類はまだ人間の知能しか知らない。シンギュラリティが来たら新しい知能と対面するのだろうか。人間以外の知能や生命との接触はあり得るか。こうしたテーマは宇宙人論にも通じる、胸が躍る話だ。
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【ファッション】 イメージが変わる小道具 眼鏡、帽子、万年筆の手引き
2019年5月11日号最近の眼鏡は視力矯正の道具というよりイメージアップ用のおしゃれ小物という意味合いが強い。しかし『あなたの眼鏡はここが間違っている』では、されど眼鏡は医療器具である、という姿勢を貫いている。
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【酒・酒文化】 人々の生活に深く根差した バイプレーヤーとの付き合い方
2019年4月27日号ウオツカは世界で最も広く飲用されている蒸留酒の一つだ。手ごろな価格でクセがないだけにカクテルとしての消費も多い。その誕生から発展の過程、多様化した商品や飲み方まで、幅広く解説したのが『ウオッカの歴史』だ。
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【音楽】 昭和の名歌謡曲の制作現場 ヒットの盛衰で振り返る平成
2019年4月20日号『現在ここで、ちゃんとやれ! そして、夢よ叫べ!』にはエンケンこと遠藤賢司の数々の言葉が、素直な思いが、あふれるほど詰め込まれている。1947年1月に茨城県ひたちなか市で生まれ、初めて木琴で作曲した中学生時代。
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【子育て・教育】 安心の子育てを可能にする ねぎらいとつながりの在り方
2019年4月13日号日々、子育て真っ最中の親たちと接する私が、四半世紀に及ぶ現場経験でつかみ取った、子育ての最重要事項は、「親(特に母親)を、つながりの中に置くこと」だと考えている。頑張り精神で安らかな子育てはできない。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食】 味わいのあるコーヒーエッセー 料理人が通い詰める店の意外
2019年4月6日号中学生のころ、親に隠れてこっそり飲んだ、琥珀色のエキゾチックな香りと味わい──。コーヒーに初めて魅了されたときの記憶が蘇ったのが、片岡義男著『珈琲が呼ぶ』である。エッセーだが、モカ、マンデリンといったコーヒーの種類やサイフォン、ネルドリップなどの淹れ方、ストレート、ブレンドの味わい方を詳しく深く説くにとどまらない。