記事一覧:ものつくるひと169件
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「アーム式ピッチングマシン」 吉田 義(吉田加工所代表取締役社長)
2017年10月7日号「図面は頭の中にしかないよ」。野球用のピッチングマシンを自らの手で一から設計し、およそ50年にわたって造り続けてきた大職人、吉田義(72歳)は誇らしげに語る。千葉県内の小さな町工場で、今もせっせとマシン造りに励む日々だ。高い技術を誇る“ゴッドハンド”の職人芸は業界で名高く、阪神タイガースへの納入を手始めに、プロ球団とも長年の取引実績がある。これまで全12球団が吉田のマシンを活用してきたほか、数年前から米メジャー数球団にも製品を卸している。無論、プロのみならず高校や大学、少年野球までニッポン球界の幅広い需要に応える。
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「段ボール製函機『EVOL』」 仁内邦男(三菱重工印刷紙工機械 開発本部 技術部 部長) 波多野 治(三菱重工印刷紙工機械 開発本部 技術部 主幹)
2017年9月30日号大物流時代が到来し、社会に欠かせない“インフラ”となった段ボール箱。三菱重工業グループは、約60年の長きにわたって段ボール箱の製造機械の開発・生産を手掛けている。その中でも2003年にローンチされた「EVOL」シリーズは、世界23カ国で支持されるロングセラー。今も月間5台が世に送り出されている。
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「歯科材料向け樹脂ブロック」 岡田浩一(クラレノリタケデンタル社長補佐(開発担当))
2017年9月23日号多忙な毎日を送る現役世代のビジネスパーソンにとって、できることなら行きたくない場所の一つは、歯科医院であろう。たいてい、我慢ができない状態になってから治療に駆け込むため、しばらく通院することを余儀なくされがちだ。この時間の捻出が簡単ではない──。
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「スタディサプリ」 山口文洋(リクルートマーケティングパートナーズ社長)
2017年9月16日号「母子家庭で無理と思っていたが、『受験サプリ』(2016年に『スタディサプリ』に名称変更)のおかげで志望校に合格した」。そんな声がリクルートマーケティングパートナーズ社長の山口文洋の元に多数、寄せられている。
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「ウル・オス」 櫻井千秋(大塚製薬常務執行役員)
2017年9月9日号1980年発売の「ポカリスエット」、83年発売の「カロリーメイト」……。「新たな市場を創り出す」をコンセプトに掲げ、大塚製薬ニュートラシューティカルズ(「ニュートリション=栄養」+「ファーマシューティカルズ=医薬品」の造語)関連事業は数々の製品を世に送り出してきた。そのラインアップへ2008年に加わったのが、男性スキンケアブランド「ウル・オス」だ。決して平たんではなかった開発の現場には、今ではウルトラの母ならぬ「ウル・オスの母」と呼ばれる現コスメ事業総括、櫻井千秋の姿が常にあった。
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「装着型ロボット」 藤本弘道(ATOUN(アトウン)社長)
2017年9月2日号地上2メートルの高さまで手が届き、重さ100キログラムの荷物を軽々と持ち上げて、二足歩行で悠々と段差を越えて移動する──。高さ1.6メートル、重さ230キログラムのヒト型ロボットの名称は、「NIO(ニオー)」。奈良県の名所、東大寺の金剛力士像の「仁王」にちなんで名付けた。建設現場や災害現場での活躍が見込まれる重作業用の装着型ロボット。その開発を手掛けるのが、奈良市内に小さな本社を構えるATOUN(アトウン)社長の藤本弘道だ。
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「海底ケーブル」 佐藤吉雄(NTTコミュニケーションズ サービス基盤部基盤設備部門担当部長)
2017年8月26日号海の底にひっそりと沈む海底ケーブル。その内部では1秒間に50兆ビット、DVD1300枚分を超す膨大なデータが飛び交っている。世界をつなぐ通信手段といえば通信衛星を思い浮かべるかもしれないが、海底ケーブルは日米間を約9000キロメートルでつなぐことができるのに対し、衛星を介すと往復約7.2万キロメートル。通信速度と容量で圧倒的に有利な海底ケーブルは今や国際通信の約99%を占める、通信インフラの根幹なのだ。
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「ファミリーマート、サークルKサンクスの物流統合」 大野 泰(ファミリーマート物流企画部長) 中田順吉(ファミリーマート物流運行部長)
2017年8月12日号コンビニエンスストアのサークルKやサンクスの店舗の前に、ファミリーマートのロゴが描かれたトラックが停車し、商品を運び込む様子を目にしたことはないだろうか。2016年9月、ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(ユニーGHD)の経営統合でユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)が発足した。
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「リチウム硫黄電池」 道畑日出夫(東京電力ホールディングス経営技術戦略研究所技術開発部需要家エリアスペシャリスト(電解質材料技術)工学博士)
2017年8月5日号2016年6月、二次電池の研究に関わる事業者や研究者なら誰もが驚く新型二次電池「リチウム硫黄電池」が、東京電力ホールディングス経営技術戦略研究所の地下にある小さな研究室で生まれた。生みの親は道畑日出夫。新卒で電力会社に入社したものの、一貫して電池の研究を続けてきた、“電力マン”ならぬ“電池マン”である。
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「チャイルドシートレインカバー」 西野貞明(ペアライドプランニング&デザイン代表取締役社長)
2017年7月29日号「ようやく買えた!」。都内に住むある専業主婦は今年6月、歓喜の声を上げた。Eコマースサイト「楽天市場」で、ある自転車用チャイルドシートのレインカバーを手に入れることができたからだ。主婦の入手した「リトルキディーズ」のレインカバーは一時、楽天市場に入荷後1分もたたずに完売していた人気商品。販売店舗に連絡しても「予約しても数カ月かかる」といわれていた。そのため喜びもひとしおだった。
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「中判ミラーレスカメラ」 飯田年久(富士フイルム 光学・電子映像事業部 事業部長)
2017年7月22日号京都府にある世界遺産、二条城。明治維新のきっかけとなった大政奉還が行われた場所である。2017年はその大政奉還から150周年という節目の年。そんな中、2月に異例の発表会が二条城で行われた。発表されたのは、富士フイルムの中判ミラーレスカメラ「GFX50S」。広告のための撮影をするようなプロや、高い画質を求めるハイアマチュアといわれる層に向けたカメラで、決して広く一般的に売れる製品ではない。
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「トランスフォーマー」 大西裕弥(タカラトミー ボーイズ事業部 ボーイズ第一企画部 企画開発課 主任)
2017年7月15日号一見すると何の変哲もないミニカーが、ドアを引っ張り、ルーフを持ち上げ、タイヤをずらしていくことで、たちまちロボットフィギュアに大変身する。タカラトミーのロボット玩具「トランスフォーマー」は130の国と地域で5億個以上の販売実績を持つ大ヒット商品だ。
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「未来型店舗」 丸山 光(三井住友銀行 チャネル戦略部 部長)
2017年7月8日号未来の銀行店舗とは、どのような姿であるべきなのだろうか──。この問いに対して、三井住友銀行は、東京・銀座の地で一つの答えを導き出した。それが、今年4月にオープンした銀座支店だ。その銀座支店が店舗を構えるのは、松坂屋銀座店跡地を再開発して誕生した、大規模商業施設「ギンザ シックス」。国内外の超一流ブランドが軒を連ねる中、その7階に銀座支店はある。
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「ウィンジョブシリーズ」 郡山智彦(アシックス グローバルコアパフォーマンス スポーツフットウエア統括部 開発部 コート開発チーム)
2017年7月1日号「ワーキングプロダクトの開発チームに入ってくれないだろうか」2012年、アシックスの中途採用に応募した郡山智彦は、最終面接の場で、こう告げられた。大学卒業後、日用品メーカーに就職。世界陸上などでテレビに映ったアスリートたちの足元に見えるアシックスのロゴマークに、ずっと憧れを抱いてきた。そんな郡山にとって、ワーキングプロダクトは耳慣れない言葉だった。
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「独自ATM(現金自動預払機)の開発」 深澤孝治(セブン銀行 ATMソリューション部部長)
2017年6月24日号アップルといえば、iPhone。ソニーといえば、ウォークマン。多くの企業には代名詞となる商品が付きものだが、あなたが普段利用している銀行の独自商品は、と聞かれて、連想するものはあるだろうか。住宅ローンはどの銀行でも扱っているし、投資信託などの金融商品も銀行は他社商品を売っているにすぎない。となると、お手上げという人も多いかもしれない。
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「ウォークマンNW-WM1Z」 寺井孝夫(ソニービデオ&サウンドプロダクツ V&S商品設計部門 モバイルソフトウェア設計部2課 Walkmanカテゴリー UX設計リーダー)
2017年6月17日号ヘッドフォンを耳に当てて再生ボタンを押すと、目の前の会議室の風景が一変したような錯覚に陥った。まるで8年前に他界したマイケル・ジャクソンが、全盛期の姿で生き生きと目の前50センチメートルの所でレコーディングをしているかのようだ。マイケルの細かな息遣いや、バンドの演奏の繊細なストリングスの余韻、曲の間のフィンガースナップが、あたかも自分の耳の横で繰り広げられているとしか思えないリアルな音で響いた。初めての体験だった。
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「高ケルセチン玉ねぎ」 岡本大作(植物育種研究所 代表取締役)
2017年6月10日号「好きでやってきたので、つらいと思ったことは全くないです」実直な口ぶりでそう話すのは、北海道夕張郡で玉ねぎの新品種開発などを行う植物育種研究所代表の岡本大作。世界中の玉ねぎを交配させ、これまでにない付加価値を持つ品種を創り出してきた。付いたあだ名は「玉ねぎ博士」だ。
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「映像再生タイミング同期技術」 林 和義(ヴォバイルジャパン常務執行役員)
2017年6月3日号会場に行かずとも、その姿を1秒でも長く見ていたいというファンの心をくすぐるテレビ番組が、4月下旬に放送された。民放キー局のテレビ朝日が放送した「世界フィギュアスケート国別対抗戦2017」だ。同番組の最大のポイントは、日本人選手が滑っている姿を地上波で放送しながら、羽生選手をはじめとする選手団が応援席から必死に声援を送る姿をカメラで捉え、その映像を視聴者が手持ちのスマートフォンで、専用アプリを通じて見られるようにしたことだ。
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「海底資源探査・水中ロボット」 Team KUROSHIO
2017年5月27日号ロボットによる海底資源探査の技術を競う世界的なコンペに、30代前半の2人の若者が挑もうとしている。このコンペは、無人の水中ロボットで、いかに速く海底の地形を把握するかを競う。世界中から参加した32チームが、技術者のプライドと総額700万ドルの賞金を懸けて戦う。
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「知的財産ビジネスの開拓」 徳本光宏(三井物産ビジネス推進部知財ビジネスチームビジネスコーディネーター)
2017年5月20日号「L8020」という見慣れない文字がプリントされたタブレットや洗口液などの商品を今後、コンビニエンスストアやドラッグストアで見掛ける機会が増えるかもしれない。L8020とは、虫歯や歯周病の原因となる菌を減らす乳酸菌の一種だ。広島大学教授の二川浩樹が約10年前に人の口腔内から発見し、「80歳になっても20本の歯を」との願いを込めて命名した。