記事一覧:Book Reviews 目利きのお気に入り419件
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Book Reviews 目利きのお気に入り
心安らぐ「今」を生きる実感 コンプレックスが生む文化
2017年8月12日号今ここから、素直に見てみれば、当たり前に思えたことも、実はそうではないと気付かされる。そんな3冊が手元に集まりました。アフロヘアの元朝日新聞記者、イナガキさんが退社後の生活をつづったのが『寂しい生活』。東日本大震災を機に「1人脱原発計画」を立て、少しずつ自宅から電化製品を捨てていく話です。
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胸を打ち背中を押してくれる働き方論とリーダー論
2017年8月5日号30代後半ともなれば「自己啓発書はもういいよ」という気分になりますし、著者がコンサルティング出身者であれば「ちょっと上から目線」と共感も乏しくなりがちです。しかし『人生をはみ出す技術』は、大いに予想を裏切ります。
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変化の時代を生き抜くためにかみしめたい9の原理原則
2017年7月29日号「佐藤優さんが農業問題ですか」と驚きました。ご本人は「歴史を学ぶなかで農業の大切さを痛感していた」と言います。渦中の人でもあるJA全中会長との対談が『JAに何ができるのか』。日本農業の構造改革はいつもホットなテーマですが、注目したのが協同組合という組織形態が果たす役割についてでした。
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「強欲な投資家」の投資哲学 高名な女性経営者の働き方論
2017年7月22日号「村上ファンド」が、東京スタイルや阪神鉄道、ニッポン放送などと攻防を繰り広げたのは2000年代前半のことで、まだ学生だった私には「強欲な投資家」という悪者のイメージしかありませんでした。しかし『生涯投資家』を読んでイメージは大きく変わりました。
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企業やビジネスの栄枯盛衰 読み継がれるべき迫真ドラマ
2017年7月15日号事業や企業の盛衰はいかにしてもたらされるか。つくづく考えさせられる著作が相次いでいます。まず4月の刊行以来ヒットを続けている『あの会社はこうして潰れた』。ビフテキのスエヒロ商事、ジーンズのエドウイン、「ジュエリーマキ」の三貴等々、誰もが知る企業の破綻の原因そのものが迫真のドラマですが、同時に「倒産のリスク」をヒト・モノ・カネからチェックしたり、手形割引を追跡したりとベテランならではの調査手法も勉強になります。
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より速く成果を出すメソッド ゆっくり丹念な読書の効用
2017年7月8日号天狼院書店も東京、福岡、京都と店が増え、先日は合宿して「天狼院ワークルールズ」策定について議論しました。そのとき私の頭にあったのが『SPRINT 最速仕事術』。グーグル・ベンチャーズのデザイナーによって開発された手法だけに、特にウェブ制作に有効ですが、その枠を超えて商品やサービスの開発にも使えます。
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業務改革阻む勢力への対処法 チャレンジのための実践指南
2017年7月1日号かつて、同じ本なのに帯の色が黄と青の2種類を用意して並べ、「黄色で引きつけ青を売る」を見事に実践した著作がありました。『# HOOKED』でそれを思い起こしました。本書は副題にもあるように、「つい、買ってしまった」の裏に潜むマーケティング技術、つまり消費者をフックする肝を心理学者が解説します。
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花巻の地元で愛された大食堂 再オープンまでの奮闘物語
2017年6月24日号私事ながら、故郷の岩手・花巻の老舗「マルカン百貨店」の大食堂は、帰省すると必ず立ち寄るほど大好きな食堂でした。おいしくて量があり安い。しかしマルカン百貨店は、耐震基準に不適合とされ再建がままならず、昨年6月に閉店。あの大食堂もなくなってしまいました。
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近代日本の偉人たちが教える本物のイノベーターの姿
2017年6月17日号シュンペーターは、環境の激変に従来の慣行的な枠から外れて対応することを「創造的対応」と定義してイノベーティブな姿勢の解明を進めました。その考え方に沿って幕末から第2次世界大戦前までの日本の革新者たちを描いたのが『イノベーターたちの日本史』。
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新しいマーケティングで注目 セールスと交渉術の2冊セット
2017年6月10日号別個の著作なのに、セット売りのように並べ、しかもいずれにも2時間の解説DVDを付けるマーケティング手法で注目されているのが、『売れるまでの時間─残り39秒』と『なぜあの人が話すと納得してしまうのか?』です。
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反面教師となる会社の破綻 身につまされる人生の末路
2017年6月3日号刊行以来、快調に売れているのが『あの会社はこうして潰れた』。信用調査機関の情報部長が、経営破綻した会社を取り上げながら、その理由を探ります。裏には経営再建への塗炭の苦しみを続けながらも民事再生法申請や自己破産申請に至った物語があったのでしょうが、正直、「会社って簡単なことで潰れるんだ」というのが読後感。
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今起こりつつある変化から未来の社会をあぶり出す良書
2017年5月27日号等比級数的に変化を加速させる現代世界について評価と予測の視点を与えてくれる良書が相次いでいます。まず英「エコノミスト」誌による『2050年の技術』。17テーマについて学者や編集者、サイエンスライターが予測します。各論文に共通するのが「限界的事例」と科学技術との関わり方を考察する姿勢。
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リーダー必読の経営実践論 モチベーションを高める技法
2017年5月20日号労働組合委員長を11年も務め、管理職に転じるとコストカッターとして辣腕を振るう。そんな人物が万年赤字会社の経営再建を託されて23年連続黒字を達成する。たどり着いた境地は、「社員のモチベーションが10割」でした。『ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み』は、レーザー機器の専門商社、日本レーザーの社長である著者による経営実践論。
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シリコンバレーで苦闘する 若き起業家たちのリアル
2017年5月13日号レノンとマッカートニー、ジョブズとウォズニアック、キュリー夫妻等々。「孤高の天才」と評される人たちも、実は「クリエイティブ・ペア」でした。ペアはなぜ「1+1=無限」の力を発揮できたのか。
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職場のコミュニケーション 新しい取締役会の実務指南
2017年4月29日号「人事部は、社員のスキルマッチングに疎くタレントマネジメントができていない」。日産自動車で競争優位を生み出す人材育成策の構築に力を尽くしてきた著者による『稼ぐ人財のつくり方』は、手厳しい問題意識から始まります。
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「アメリカファースト」の背景 効率化を目的とする社会の病
2017年4月22日号2006年の『孤独なボウリング』で、米国発展の重要な要素「社会関係資本」(自発的に生成される社会的な絆)の衰退を描いたパットナム氏の新刊が『われらの子ども』。前作同様に素晴らしい著作です。人種、職業、世代、貧困など社会格差が拡大している当事者たちへの緻密なインタビューでエピソードを発掘する一方、背景にある事情を精密なデータで示します。
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ジブリファンを熱くする書 新たな活力をくれる稲盛本
2017年4月15日号スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏の最新エッセー集『ジブリの文学』が発売になりました。前作『ジブリの哲学』から5年。宮崎駿氏の引退宣言もあった中で、「編集型プロデューサー」が、どんな本を読み、いかに文章を磨いてきたかを、各種の投稿原稿を網羅する一方、又吉直樹氏や池澤夏樹氏らとの対談・座談を交えてまとめています。
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内部関係者だからこそ書ける事件の真相、企業の実像
2017年4月8日号「ノルマ証券」と陰口をたたかれながらも、バブル期にはトヨタ自動車を上回る5000億円もの経常利益を稼ぎ出した野村證券。激烈な社内競争を生き抜き、退社後はオリンパス巨額粉飾決算事件で「指南役」として逮捕された著者が、野村黄金期と事件の真相をつづったのが『野村證券第2事業法人部』。
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ビジネスの成果に直結 デザインの基礎と法則を学ぶ
2017年4月1日号「これはすてきだ!!」と感じるデザインやキャッチコピーの書籍広告が掲載されると、すぐさま売り上げが増えます。現場にいると、デザインがビジネスに直結していることを強く実感させられます。『広報・PR担当者のためのデザイン入門』は、“会社の顔づくり”を担う広報・PR担当者が押さえておくべきデザインの基礎知識やルールを網羅しています。
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小説が経済人に問い掛ける政治との距離の取り方
2017年3月25日号トランプ米大統領は、個別企業を名指しで通商問題の標的にする“口撃”を繰り返しています。自由貿易体制は、長い交渉の歴史を経て確立され、企業は自由を手にしました。しかし同時に、経済の政治との距離の取り方に対する関心が薄れ始めているのではないか。『トヨトミの野望』を読んでそう感じました。