記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 ノーベル文学賞受賞のルーツ 天才の創作の秘密と苦悩
2017年2月4日号ノーベル文学賞受賞であらためて注目されたボブ・ディランだが、“ディラン本”も新旧取り交ぜて思わぬ特需となったようだ。そんな中で定番は『ボブ・ディラン』だ。著者は後書きで「ボブ・ディランとは、どのような活動をしてきたのか。それは何故なのか。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
経営者、リーダーの必読書 革新を生む生産性向上の鍵
2017年2月4日号先週号の本欄で、八重洲ブックセンターの鈴木寛之さんが『生産性』を紹介していましたが、それを承知で私も本書を一押しにしたい。硬派なテーマなのに感動的なまでの説得力と面白さを備えているのです。著者は、生産性向上こそがサステイナブルな企業の前提であるとの時代状況を説明した上で、数々の取り組みの視点を提示します。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
新進気鋭のロシア学者が洞察 プーチン大統領の苦悩の軌跡
2017年2月4日号「強い指導者」。それが、ロシアのプーチン大統領に対する大方のイメージだろう。米国のオバマ前大統領のもたつきを尻目に、国際政治での強硬ぶりと存在感は際立つ。「強いロシア」は、就任当初からのモットーであり、射撃の名手で柔道家、元KGB(国家保安委員会)の工作員という個人像も、そのイメージ形成を補っている。
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Book Reviews 知を磨く読書
言語の果たす役割の大きさ
2017年2月4日号柄谷行人著『柄谷行人講演集成1995-2015 思想的地震』に収録された「他者としての物」と題された講演録が面白い。〈私の定義では、他者とは、ヴィトゲンシュタインの言い方でいえば、言語ゲームを共有しない者のことです。彼はその例として、しばしば外国人をあげていますが、精神異常者をあげてもよい。確かに、彼らとの間に合意が成立することは困難です。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年2月4日号大みそかと三が日は、初詣ではなく、東京湾岸と武蔵小杉の“タワーマンション詣で”にいそしみ、マンション市場の安寧と発展を心から祈念してきました。比較的暖かく、雲一つない青空に恵まれたのが幸いでした。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年1月28日号私にとっては、中国が覇権国への野心を明確にし始めた2015年4月に続く、2度目の地政学特集でした。外交官、安全保障関係者、地政学研究者、米政府関係者への取材は、普段、金融市場関係者との情報交換が多い身としては、非常に興味深いものでした。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 体を張った公教育改革の現場 日本初の学校設立の感動物語
2017年1月28日号教育改革を語る人は多い。誰もが、自分が授業を受けた経験や、わが子を預けている経験で、何事かは言えるからだ。しかし、体を張り生活を懸けて改革に取り組む人は少数だ。『ほんとうの教育をとりもどす』は、日本各地で話題になった幾つかの公教育改革を、何年にもわたり、足と目を使って丹念に取材した力作。ジャーナリストってこういうものだよなと思わせられる情熱にあふれている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
負債を通じた経済社会への警鐘 ホワイトカラーの生産性向上策
2017年1月28日号軽量な本に慣れてしまった脳を引き締めましょう。全700ページの『負債論』。電車の中で毎日10ページ読み続ける努力を無としない、経済システムの基本を考えさせてくれる好著です。負債とは経済用語なのに著者は文化人類学者。そのあやは、例えば奴隷売買の話に示されます。いわゆる奴隷は、どのように“調達”されたのか。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
英国のビジネス思想家が説く 長寿社会を生き抜く指南の書
2017年1月28日号日本でも多くの読者を獲得した『ワーク・シフト』や『未来企業』で、技術や社会の変化が、仕事とキャリアや企業にどのような変化を起こすかを論じてきた英ロンドンビジネススクールの著名教授が近著で取り上げたテーマは、“長寿化”だ。
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Book Reviews 知を磨く読書
現代も強い力を持つ観念論
2017年1月28日号的場昭弘著『「革命」再考』は、ソ連崩壊が資本主義に与えた影響についてこう述べる。〈一時的にソ連・東欧の崩壊、中国の資本主義化で、一気に自由主義が拡大します。これによって低賃金でつくられた製品が世界に蔓延します。そして工場移転によって半周辺国、周辺国は突如として経済成長します。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 リメーク版が続く外国映画 日本は実力派揃いの警察もの
2017年1月21日号世界中で社会が変わろうとしているのに、2016~17年の年末年始には映画もテレビも新企画がない。最初に紹介するのは、なんと『ターザン REBORN』である。密林の王者類猿人(類人猿ではない。猿(ゴリラ)によって育てられた孤児)。実は英国貴族グレイストーク卿の話は何十回となく映画になっている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
本音で語られたリーダー論 ユニークな法律家の文章読本
2017年1月21日号年末年始にかけて興味深い新刊が相次いでいます。まず『僕が「プロ経営者」になれた理由』。 日本マイクロソフト会長にしてMBAホルダー、元コンサルタントというからスーパーエリートかと思いきや、正反対の人柄から発信された本音のメッセージ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年1月21日号「天才・奇才」といわれる人たちを脳科学、芸術、スポーツ、お受験など幅広い専門家視点から探った風変わりな特集です。日本は長らく平等主義で天才や奇才を育てることをタブー視してきたのではないでしょうか。そのタブーを打ち破る機関が出始めています。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
住民主導でドヤ街を改革した経済学者チームの奮闘の記録
2017年1月21日号どこの地方・地域の改革でも、やるべきことは明確になっている場合が多い。しかし、改革は進まず、問題は悪化の一途をたどる。何をすべきかが分かっていることと、それらを実行に移すことは、全く次元の異なる話だ。そこで、改革に必要なノウハウ、テクニック、戦略・戦術、段取りを教えよう──。
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Book Reviews 知を磨く読書
米国のキリスト教的価値観
2017年1月21日号木谷佳楠著『アメリカ映画とキリスト教』は、米国におけるキリスト教の性格について掘り下げた傑作だ。人工的な米国社会では、米国人という概念は自明でない。米国人である(being)ということではなく、米国人になる(becoming)という生成過程が終わることなく続いている。
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This is.
JT
2017年1月21日号終戦から間もない1946年1月。日本が、戦争で全てを失い、「平和」の意味を噛み締めていたときに発売された国産たばこ、それが「ピース」だった。戦後日本を象徴するブランドの一つだ。その生誕70周年を記念して、ファンにとってはたまらない特別アイテムが完成した。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年1月14日号新年早々、手前みそで恐縮ですが、集中力に関しては編集部はかなりのレベルにあると思っています。なにせ新書1冊分に上ることもある第1特集を、締め切り前3日間で仕上げるデスクがゴロゴロといるからです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食】 ジビエ料理は山野の恵み 日本の尊い自然を食で知る
2017年1月14日号フランス料理が大好きな方でも、「ジビエ」はなじみがないかもしれない。青首鴨、蝦夷鹿、仔猪、雉などの「野生鳥獣」のことをいう。ヨーロッパでは晩秋ともなると、ジビエの季節到来となり、レストランの真冬にかけての大ご馳走となる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
増す流動性と社会の内向き化 加速の先には何があるか
2017年1月14日号「世界は、内向きになる」といわれつつも、それでもなお世界は流動性を増しています。『「移動」の未来』は、物の移動の現状と将来への課題を探るルポ風の文明論。著者はまず、世界の商品がどのようなサプライチェーンにより消費者の手元に届くか解きほぐします。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
一般の読者に向けて書かれた “政策”を哲学的に考える好著
2017年1月14日号政策を考える場合、「エビデンス(証拠・根拠)」こそが重要との議論が根付いてきた。しかし、エビデンスがあるからといって、それが政策上の解をもたらすとは限らない。例えば、本書で議論されているように、鉄道事故による死者は年平均2人というエビデンスがあったとして、ではそれを防ぐために60億ポンドもの安全対策を講じる必然性はどこに求められるのか。