記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
デフレが問題の本質ではない 日本経済は劇的に復活できる
2017年4月1日号“バブル経済の崩壊”から20年以上経過しているが、日本経済はその後の“失われた20年”からも完全復活していない。こうした中で、『新・所得倍増論』は、失われた20年に関して徹底的なデータ分析をすることで、今も潜在能力を生かせない「日本病」の正体と処方箋をあぶり出す。人口が減っても、「昭和の常識」を打破すれば、平均年収は2倍、GDP(国内総生産)は1・5倍になると詳述している。
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Book Reviews 知を磨く読書
宇宙ロケットを生んだ珍妙思想
2017年4月1日号清水義範著『ウケる! 大人の会話術』は、実用的な会話術の本だ。例えば、仕事で人を動かすときの話術についてこう記す。〈この依頼をあなたに受けてほしいのだ、という時は、なぜあなたに依頼するのかを語るべきである。ほかの人ではなく、なぜあなたなのか。そのことがはっきりとわかるならば、相手も動いてくれるというものである。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年3月25日号予期せぬ米国大統領の登場で、世界経済に混乱を来すのではないか。そんな予測をあざ笑うかのように世界の株式市場は上昇を続けている。これをトランプ相場と呼ぶらしい。とはいえ、トランプ相場が実体のあるものかといえばそうではないようだ。刺激的な口調で減税や投資拡大、規制緩和など聞こえの良い政策を声高に叫んでいるだけのような気がしてならない。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 難しい役どころを難なく好演 見逃しては大損の「実話物」
2017年3月25日号まず同じトム・ハンクス主演の2本。『インフェルノ』の方は『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続く西欧中世史家ラングドン教授の歴史推理のシリーズ──。こう言ったら誰も見ない。実はアクションたっぷりの大観光映画なのが人気の秘密。今回はあの『神曲』のダンテが謎だから、フィレンツェの美しい街と美術がたっぷり。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
小説が経済人に問い掛ける政治との距離の取り方
2017年3月25日号トランプ米大統領は、個別企業を名指しで通商問題の標的にする“口撃”を繰り返しています。自由貿易体制は、長い交渉の歴史を経て確立され、企業は自由を手にしました。しかし同時に、経済の政治との距離の取り方に対する関心が薄れ始めているのではないか。『トヨトミの野望』を読んでそう感じました。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
米国の経営者に読み継がれる経営実践書のアップデート版
2017年3月25日号34年前に書かれた内容が中心であるとはいえ、今日でも十分に通用する。1968年、米国の半導体素子メーカーのインテルの設立に参加したアンドリュー・S・グローブが、長年の経験に基づいて83年に企業の中間管理者を対象に著した経営実践書があった。本書は2015年のアップデート版である。
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Book Reviews 知を磨く読書
金正恩の行動を読み解く鍵
2017年3月25日号山内昌之編著『中東とISの地政学』は、一級の中東専門家たちによる優れた論集だ。山内氏は、〈現在のような政府軍とテロリストの非対称の対決、アメリカとロシアなど大国間の代理戦争など多様な構図の戦闘や対決が同時進行している状況は、「複合危機」と呼ぶにふさわしいものである。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 有益情報が満載の旅ガイド 達人ならではの心得とヒント
2017年3月18日号私の所属している日本旅行作家協会の名誉会長・兼高かおるさんは、往年のテレビ番組「兼高かおる世界の旅」の取材で全世界を駆け巡り、その豊富な体験を何冊もの本にまとめた旅行ジャーナリストである。今回、長年にわたる旅のエピソードや波乱に満ちた半生をほぼ同年代の作家、曽野綾子さんと対談形式で自由に語り合い、『わたくしたちの旅のかたち』にまとめた。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
感動の共有、先端技術と農業 迫られるビジネスの再構築
2017年3月18日号私事ながら、昨年の異動でイベント企画を担当するようになり、自分の趣味に絡む企画も積極的に組むようにしています。なぜならば趣味を共有できるお客さまの要望が、手に取るように分かるからです。その方針が間違っていないと実感したのが『UXの時代』。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
“米中”は衝突する運命にある 日本人は読むべき中国脅威論
2017年3月18日号毎年、正月にユーラシア・グループが発表する“世界10大リスク”(地政学リスクの予測)は、日本でも注目されているが、2017年は例年とは様子が違っていた。同グループを率いる国際政治学者のイアン・ブレマーは、発表に際したインタビューで「米国と中国が衝突する可能性が高い」と異様な警戒感を示していたからだ。
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Book Reviews 知を磨く読書
名を残す村上春樹新作
2017年3月18日号村上春樹著『騎士団長殺し』は歴史に残る傑作だ。目には見えないが確実に存在するイデアが、主人公(私)の前に騎士団長の形を取って現れる。〈騎士団長は「歴史の中には、そのまま暗闇の中に置いておった方がよろしいこともうんとある。正しい知識が人を豊かにするとは限らんぜ。客観が主観を凌駕するとは限らんぜ。事実が妄想を吹き消すとは限らんぜ」〉と言う。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年3月18日号地政学、東芝、株投資──。今年に入って自分が担当した特集です。東芝の緊急特集以外は、トランプ米大統領に翻弄される世界を異なる角度から掘り下げたものです。三つの特集の取材を通じて感じたのは、「経済」が「政治」に対する隷属の度合いを強める現実です。
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This is.
HICKEY FREEMAN
2017年3月18日号1899年、ジェイコブ・フリーマンとジェレミア・ヒッキーの2人がニューヨークで新しいファッションブランドを生み出した。「ヒッキー・フリーマン」だ。当時の米国はロンドン発の紳士服が主流だったが、この米国らしい自由なスタイルを持つ新ブランドは、“ロンドン流”に食傷気味だったニューヨーカーたちを大いに喜ばせたという。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年3月11日号特集の中にも、取材が楽しいもの、逆に憂鬱になるものがあります。私にとって「相続特集」は後者。普段、見て見ぬふりをしている自分の死と向き合うことに気がめいるからです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【スポーツ】 記録ずくめ女性登山家の決意 マラソン界「7人の侍」の直言
2017年3月11日号これは本というより彼女の決意書、あるいは人間の可能性を引き出すためのマニュアルのようにも思えた。『冒険の書』の内容の多くは彼女が果たした登山の報告だが、戦っている相手は山や高度ではなく、自分自身だということが見事に伝わってくる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
因果関係を正しく掴む思考法 コンビニの父からのメッセージ
2017年3月11日号販売の現場ではよく、「チラシを打つと売上げが増える」「ポイントアップは集客効果が高い」などと議論になります。でも、それって本当なのでしょうか。私も悩んでしまうことが少なくありません。『「原因と結果」の経済学』は、そんな疑問に清涼剤のようにすっきりと答えてくれます。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
計量分析でマクロに観察した産油国をめぐる“矛盾”の構造
2017年3月11日号最近では出光興産の創業者・出光佐三がモデルの小説『海賊とよばれた男』、古くはジェームズ・ディーン主演の映画「ジャイアンツ」で描かれたごとく、石油はいつの時代も人々の欲望を駆り立ててきたようだ。
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Book Reviews 知を磨く読書
高等教育と短期の利潤追求
2017年3月11日号高校の理科で地学を選択する人は少ないので、大多数の読者にとって地学は疎遠な学問と思う。鎌田浩毅著『地学ノススメ』は地学の魅力を伝える優れた作品だ。〈地球の歴史の上では、さまざまな事件が次々と起こります。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ファッション】 帽子、手作りの靴、軍服から紳士服の深さと妙味を知る
2017年3月4日号17世紀にビーヴァーの毛をフェルト状にして成型した帽子は、黒いダイヤモンドのような価値を持ち、富の象徴だったという。『帽子の文化史』では古今東西の小説、絵画、写真などから帽子に関わる部分を引用し、年代順にその変遷をたどる独特の手法が採られている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
名物キャスターが向き合った伝えられない「内なる言葉」
2017年3月4日号誰にも、醸成・熟成が足りずに人には伝えられていない「内なる言葉」があります。それを「外に向かう言葉」にするにはどうすればよいか。「世界は誰かの仕事でできている」の名コピーで知られるコピーライターが、自らの手法を明かしたのが『「言葉にできる」は武器になる。』。