記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
真っ当な仕事に唸らされるトランプ米大統領の「正史」
2017年3月4日号昨今は、書店に「トランプ本」があふれ返っている。多くは、昨年11月の米大統領選挙の結果後に慌てて準備されたもので、評者の目が届く範囲で有益なものは見出し難かった。あえて1冊ということになれば、米「ワシントン・ポスト」紙が突貫作業で仕上げ、文藝春秋が迅速に翻訳した『トランプ』しかあるまい。
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Book Reviews 知を磨く読書
自由に耐え得るたくましさ
2017年3月4日号池澤夏樹著『知の仕事術』は、読書法、表現法、整理術など知を扱う基本的技法についての優れた参考書だ。池澤氏は、〈読書とは、その本の内容を、自分の頭に移していく営みだ。きちんと読んだ本はその先、自分が物を考えるときに必ず役に立つ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年3月4日号「対象に肉薄する」。某週刊誌の編集長に取材した際、この言葉が出てきたことにはっとしました。同誌といえば、現場の最前線に入り込み、当事者に“直撃”することでスクープを連発。記者が足を使って対象に迫ってきた雑誌です。驚いたのも、データサイエンティスト協会の幹部が口癖のように「対象に肉薄する」と話していたからです。
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This is.
Callaway
2017年3月4日号「ルールは破らない。常識を破る。」──そんな挑発的なスローガンを掲げたゴルフクラブが登場した。キャロウェイが持てる技術を惜しげもなく投入したという新モデル「GBB EPIC Sub Zeroシリーズ」だ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年2月25日号スクープ記事の中には、出合い頭でたまたまというものがあります。汗をかき、靴底をすり減らして真相にやっとたどり着くものもあります。記者としてうれしいことに変わりはないものの、編集長である自分の立場でより価値を認めるのは後者。前号の農業特集で暴いたコメの産地偽装疑惑はそれに該当します。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【サイエンス】 込められた研究者たちの思い 脳科学の最新成果を知る
2017年2月25日号『つながる脳科学』は一見よくある「著名研究機関が広報目的で最新成果をまとめた本」だが、単に研究者9人の並列的な自己紹介では終わらない。記憶、情動、心の病。どれも読むとごく自然に研究現場が感じ取れて、脳科学への理解の基盤を一気に刷新できるのが特長だ。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
真のリーダーシップを教える白熱の講義録と復刻本の迫力
2017年2月25日号春の人事異動の内示が出たり、新人君たちが事前研修に姿を見せたりする時期になった。ということでリーダー論の好著を紹介しましょう。まず『カルロス・ゴーンの経営論』。大手企業の幹部候補生を対象にした「リーダーシップ養成講座」での、ゴーン氏と受講生の白熱したやりとりを再録しています。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
トランプ米大統領誕生で注目 「比較優位理論」の実証に学ぶ
2017年2月25日号若き日のことだった。後年、大経済学者となるポール・サミュエルソンは、同じく大数学者となるスラニスラフ・ウラムから「社会科学の中で、真実であるにもかかわらず自明ではない命題は何か」と問われた。サミュエルソンは思いつかなかったが、30年後にふと考えたのが、デヴィッド・リカードの「比較優位の法則」だった。
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Book Reviews 知を磨く読書
「生きた言葉」という虚妄
2017年2月25日号NHK取材班著『トランプ政権と日本』では、各分野の専門家によるトランプ米大統領についての現時点での評価を知ることができる。例えば、日米関係と安全保障問題に詳しい森本敏氏(元防衛相)はこんな見方を示している。〈森本氏の個人事務所を訪れたのは、トランプ氏当選の二日後。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年2月18日号「国家」vs「企業」──。古くて新しい対立の構図ですが、トランプ大統領登場を機に、vs「民衆」を加えて世界を読み解けないかと考えました。アメリカファーストを打ち出した“暴君”の顔色をうかがって、名だたる企業が軍門に下っています。面従腹背もあるでしょうが、利潤を求めて平気で国境をまたいできた企業にとっては、税逃れ批判に続く敗北かもしれません。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【酒・酒文化】 芸術家に愛された伝説の酒 正しく酒を語るという武器
2017年2月18日号アブサンはニガヨモギを原料とするリキュールで、アルコール度数が70%前後と高く、水を加えると白濁する。製造禁止の時代もあったが、独特の個性故か、多くの芸術家たちに愛され、さまざまな映画や小説にも登場する。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
貴重な情報を見つけ出す技術 多読乱読を維持する秘訣
2017年2月18日号国民的認知度では、ベテラン芸能人をもしのぐのではないか。ジャパネットたかた創業者の髙田明さんは、それほど知られた顔です。2015年に社長の座を長男に譲って退任。その初の自叙伝が『伝えることから始めよう』。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
米国社会に警告を発し続ける元労働長官が語る社会改革案
2017年2月18日号結局、米国にはトランプ新大統領が誕生したが、2016年の大統領選挙を彩ったのはサンダース候補だったと私は考える。彼は、中間層の没落に危機感を抱く人々、低賃金にあえぐ若者層などの支持を受けた。そのサンダースを予備選挙で支援したのが、クリントン政権時代の労働長官だったライシュである。
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Book Reviews 知を磨く読書
物まね芸人とスパイの共通点
2017年2月18日号ジョン・クリーズ著『モンティ・パイソンができるまで』は、英国のコメディアングループ「モンティ・パイソン」をつくった著者の自伝で、洞察力に富んでいる。クリーズ氏は、〈これは広く認められた真理だが、最もすぐれた物まね芸人には、みょうに個性の薄い人が多いものだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年2月11日号これまで企画として何回か出しても、誰も食い付かなかったテーマがあります。「世代間闘争」がそれです。年金をはじめとした新旧世代間の待遇格差はよく語られますが、さらに世代を細かく分けると、一つ違えば結構、悲喜こもごもが生じています。特に私の属するバブル世代以降は、わずかな景気の波によって、就職から給料、結婚まで損得が入り交じっています。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 異世界を描くパニックSF 熟達の奥行きあるミステリー
2017年2月11日号森岡浩之著『突変世界 異境の水都』は、地球上の一定区画が突然消滅し、異世界の地球の区画と入れ替わってしまう「突変現象」を描いたもので、その意味ではSF小説である。しかし同時に自然災害を描くパニック小説でもあるので当欄で紹介してもいいだろう。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
人工知能とどう付き合うか 独自視点による入門書3冊
2017年2月11日号人工知能(AI)関連では多くの書籍が出ていますが、今月は入門書としての要素と独自の視点を併せ持った良書を紹介しましょう。まず『ビジネスパーソンのための 決定版 人工知能 超入門』。AIがもたらす影響と実際的な光景、そしてリスクまで満遍なくフォローしています。羽生善治・松尾豊両氏の対談から始まり、AIの歴史、用語解説と進み、著名企業の最前線の取り組みを紹介。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
マイルドデフレ長期化を分析 最新の手法もカバーする好著
2017年2月11日号政府と日本銀行は2013年の初頭に物価安定目標を掲げ、大胆な金融緩和に踏み出した。以降、消費者物価の基調は上昇しつつあるものの、依然として足取りは重い。こうした中で出版された『慢性デフレ 真因の解明』は、執筆者に日銀のリサーチャーのみならず、ビッグデータの研究者も加わる。インフレ・デフレに対する日銀の対応について、多角的なアプローチで考察している好著だ。
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Book Reviews 知を磨く読書
弱まる日本社会の知力
2017年2月11日号雨宮処凛著『一億総貧困時代』を読むと、貧困が急速に日本社会全体に広がっていることが分かる。大学・大学院の奨学金は以下のような状況だ。〈問題なのは、学ぶために学生が多額の借金を背負わざるを得ないという状況そのものなのであり、それを後押しするかのようなシステムなのである。
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This is.
桧家ホールディングス
2017年2月11日号部屋、廊下、トイレ、玄関など、家の中を一定の温度に保つのは、単に快適なだけでなく、健康にも良い。例えば、急激な温度差が原因とされるヒートショックによる死者は年間約1万7000人。冷え性や睡眠障害などにも、「室温のバリアフリー化」が有効だ。