記事一覧:Book Reviews 書林探索140件
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Book Reviews 書林探索
日露戦争もう一つの戦い 『坂の上の雲』の裏面史
2012年5月12日号本書は日露戦争の戦費調達と金本位制維持のためにロンドンやニューヨークで奔走した高橋是清と深井英五の軌跡を追ったものである。司馬遼太郎が日露戦争を描いた『坂の上の雲』の裏面史ともいえる内容となっている。
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地方官吏になる愚を説いた 福澤諭吉の泉下の嘆き
2012年5月5日号本書は福澤諭吉の四つの評論を集めたものだ。勝海舟と榎本武揚の出処進退を論じた「痩我慢の説」と西郷隆盛の挙兵を弁護した「明治十年丁丑公論」については多くの人が知っているだろうが、「旧藩事情」と「士人処世論」は初めてという人が多いのではないだろうか。
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火急の課題・パラダイム転換 成長するアジアとの共存共栄
2012年4月21日号中国、インドなど、新興国の急速な台頭により、ここ10年余りの間に世界経済の勢力図は大きく変容した。そうした中で、新興国を加えた主要20ヵ国・地域によるG20が、世界経済のガバナンスを話し合うフォーラムとしてその重要性を増してきた。
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社会の課題を解決し価値を生む 今の若者のさりげないアイデア
2012年4月14日号社会的企業というと、これまでは「営利企業でもなければ、NPOでもない企業」といった、いわば補集合的な存在としてくくられるのが一般的だった。
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人間の本性に踏み込んだ投資論 株式投資の本質を抉り出す快著
2012年4月7日号個人投資家に向けた株式投資の指南書である。これがめったやたらに面白い。僕は株式投資に関心がない。関心がない僕が一気に読んでしまうぐらいだから、面白さは保証できる。
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相互依存進み、小さくなる地球 求められるグローバルマインド
2012年3月31日号日本のグローバル化の必要性が叫ばれて久しい。しかしその意味するところについて共通理解はあるだろうか。
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原発事故処理を大混乱させた 首相と官僚と東電の疑心暗鬼
2012年3月24日号福島第1原発事故については政府と国会の事故調査委員会が調査を進めており、政府事故調の中間報告が昨年発表されたが、政府が危機にどう対応したかについては、あっさりとしか言及していない。これは政府による調査の限界だろう。
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合理的な目と温かい心で 読み解く犯罪をめぐる問題
2012年3月17日号人は誰でも過ちを犯し得る。その過ちが深刻な場合には犯罪となり、司法によって逮捕・検挙、裁判、そして服役という過程をたどる。だが、そこで話は終わらない。犯罪者も人であり、その後の人生がある。
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知られていながら放置され悪化 予見可能な危機へ対処する法
2012年3月10日号ハーバード大学のビジネススクールと行政大学院で教鞭を執る著者らは、組織や国家が直面する危機には、予見不能な危機と予見可能な危機とがあるという。
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新たな姿を現した日本金融史 繰り返すべき歴史の再評価
2012年3月3日号本書は日本金融史研究の泰斗である寺西重郎教授が公刊された900ページを超える戦前期日本の金融システムに関する大著である。
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エコノミストの武器が満載 「よい円高論」に鋭く反駁する
2012年2月25日号本書は、為替レートをめぐるさまざまな議論を紹介した後、円高がなぜ悪いのかを説明する。では、なぜ円高になるのか。そうならないためにどうしたらよいのかを最後に提示している。
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将来世代へのつけ回しは限界 今向き合うべき問題の核心
2012年2月18日号少子高齢化が急速に進展するなか、生まれた年によって受益と負担が異なる世代間格差が大きな問題になっている。年金、医療、介護など社会保障制度の根幹で受給のバランスが大きく崩れる一方で、財政赤字は拡大の一途をたどり、将来を担うべき若者の雇用不安が高まっている。
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見直し迫られるエネルギー政策 技術より政策にある問題の核心
2012年2月11日号東日本大震災と福島原発事故を受けて、日本のエネルギー政策は今ゼロからの見直しを迫られている。
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新しい幸せのモノサシを提示 芽生える“かかわり”の価値観
2012年2月4日号日本の閉塞状況がいっこうに解決せず、新興国との競争の激化、少子化の進展や目の前に来ている高齢化社会など悪条件は重なる一方で、日本の未来を明るく思う人はますます少なくなっている。
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グローバル化の先頭を走る? 隣人・中国との差異を知る書
2012年1月28日号日本にとって最も重要な国は戦後ずっと米国だったが、21世紀にはまた中国になろう。日本は2000年近く中国と付き合ってきた。古代には漢字や仏教など多くの文化を中国から輸入し、律令制度など政治体制も中国のまねをしたが、両者は10世紀頃を境に大きく違う方向に発展する。
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中国といかに向き合うべきか 広く目配りされた良質のガイド
2012年1月21日号中国が大きな問題であることは間違いなく、その影響は広範囲にわたっている。早稲田大学の久米郁夫、河野勝両教授の研究によると、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についての人びとの賛否は、政府の役割をめぐる問題だけでなく、対外関係とも相関があるという。
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仲間の数は150人まで? 「進化」で解き明かす人間社会
2012年1月14日号動物の集団行動には2種類あるという。一つは哺乳類のみならず、鳥類・魚類・昆虫も含め多くの動物がつくる集団で、ここでは個体は(たぶん)区別されず、集団への出入りは比較的自由である。
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日本でも実業を侵食する金融 「経済の金融化」に気骨ある論考
2012年1月7日号本書は英国人日本研究の第一人者であるロナルド・ドーア教授が、過去30年間、英米を中心に起こった金融業の実体経済に対する支配権の強化を「経済の金融化」ととらえ、それが経済全体に与える弊害を論じた、きわめて刺激的な論考である。
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政府の暗黙の保護下の暴走 解き明かされる原発のパズル
2011年12月24日号本書は、なぜどこの国も原子力発電所の寿命を延ばすのか、なぜ日本では原発という国策を民間企業が遂行するのか、という二つのパズルを解き明かす。
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情緒的な格差論・幸福論に一石 幸福とは何かを探究する啓蒙書
2011年12月17日号人は誰しも幸せになりたいと願う。しかし、「幸福」とは何かを真正面から問われたとき、それを納得するかたちで説明できる人は少ない。幸福は単なる金銭的な豊かさを追求して実現できるものではない。