記事一覧:Book Reviews 書林探索140件
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Book Reviews 書林探索
戦いと共にある人類の歴史 戦争を知らぬ日本の奇跡的幸運
2012年10月6日号尖閣諸島をめぐる情勢は緊迫してきた。これが戦争に結び付くとは考えにくいが、中国が平和国家でも民主国家でもないことに日本人が気付くにはいい機会だ。
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何が首相の権限を制約するのか 「弱い首相」が続く原因を分析
2012年9月29日号「強い首相」だった小泉純一郎首相の後、1年前後の短命に終わる「弱い首相」が続くのはなぜか。現在、各党で党首選が展開され、事実上の次期首相選びが始まった。本書は実によいタイミングで出版された、政治についてじっくり考えるための好著である。
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評判悪い功利主義の入門書 素朴な疑問から倫理学を学ぶ
2012年9月22日号暴走している列車がある。そのままだと5人をひき殺してしまう。スイッチを押すと線路を変えて5人を救える。しかし、変えた先にいる1人は死ななければならない。このスイッチを押すべきか。
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どうなる? 2025年の働き方 将来に備える三つの新常識
2012年9月15日号もし、あなたに10代の子供がいて「将来ジャーナリストになりたい」「僕は医者」と言ったら、親としてどうアドバイスすべきか?これが、本書の元となったプロジェクトのきっかけだそうだ。
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500年にわたる文明隆盛 ヨーロッパ近代化のなぜ
2012年9月8日号本書は、金融史や戦史の分野で多くの書を著し、公開講座やメディアへの寄稿でも世界的に大きな注目を集めている歴史学者の手によるものである。本書の主題は、16世紀以後20世紀末まで500年にわたってヨーロッパが他の地域よりも先進的な立場に立てた理由を見いだそうというものである。さらにヨーロッパの興隆を解明し将来の見通しを立てること、あるいはヨーロッパの没落がいつ起こるのかを知ることにある。
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陸海軍と対峙、財政緊縮を貫く 明治を生きた政治家の現実主義
2012年9月1日号明治以来の首相のうち、最も在任期間が長かったのは伊藤博文でも吉田茂でもなく、桂太郎であるという。それでも7.9年であるから、日本の総理がころころ代わるのは昔からだといえなくもない。桂はどんな時代に生き、どんな時代をつくろうとしていたのか。
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想定できたはずなのに想定外 リスクへの備えが疎かな理由
2012年8月25日号このところ「想定外」のリスクが立て続けに顕在化している。中でも東日本大震災は未曾有の大災害であったが、それ以外でも、電力不足、タイの大洪水、欧州債務危機、超円高など、日本経済に大きなダメージを与える出来事が、ここ数年だけでも多発している。
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資本主義を理解する基礎 英国の近現代史を捉え直す
2012年8月18日号ロンドンオリンピックと、エリザベス女王即位60周年が重なったことで、今年は久しぶりに英国への関心が高まっている。本書は、その英国の歴史、特に18世紀以降の英国近現代史について、新しい観点から展望を試みた一書である。
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いつまでも変わらない日本企業 先進企業が教えるグローバル化
2012年8月4日号グローバル化は今や日本企業のみならず、日本の政府、官庁、われわれ一人ひとりにとって、最も重要な、日本という国のありように直結する課題だ。しかしそんなグローバル化も、その最先端産業の一つである自動車産業であれば、1970年代から取り組んでいた。
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今も受け継がれる精神主義 日本軍の「失敗の本質」
2012年7月28日号30年前に書かれた『失敗の本質』がベストセラーになっている。そこに書かれた日本軍の組織的欠陥が、今も改まっていないからだろう。しかし日本軍の最大の失敗は、勝てるはずのない対米戦争を開始したことだ。
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若者だけでなく「大人」にも有用 交渉学の教科書&実践経済学書
2012年7月21日号論客として最近とみに注目を浴びている瀧本哲史氏の新著である。とてもわかりやすく書かれていて、一気に読むことができる。内容は交渉学の教科書として基本を押さえており、著者のもくろみ通り長きにわたって読み継がれる要素を含んでいる。
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予期せぬ危険を引き起こす 社会の過剰なる結合状態
2012年7月14日号19世紀の中ごろまでには、シカゴは全米の交通の要衝となっていた。しかし、シカゴの地位を決定的なものにしたのは、鉄道である。鉄道網がシカゴを中心に延びていき、西部からの食品はシカゴを経由して東部に送られた。
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世界貿易取引の半分強が経由!? タックスヘイブンの実態ルポ
2012年7月7日号ヨーロッパの金融・財政危機がなかなか収束しそうにない。米国や日本の政府債務も拡大の一方であり、先進国のいくつかが財政破綻に陥る可能性が完全には排除できない状況にある。
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高校生科学オリンピックの物語 真実探求の情熱と使命感の感動
2012年6月30日号本書に収められているのは、13の感動的な物語である。高校生の科学研究を競う大会にかける青春物語だ。
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プレゼンス高まる東アジア 大きな実を取るためのヒント
2012年6月23日号相次ぐ経済危機で欧米経済の不安定性が増す中、ここ10年余りの間に世界経済でプレゼンスを大きく上昇させた東アジア地域に注目が集まっている。東アジアの国々はわが国との歴史的な結び付きも古く、多くの日本企業にとっても新たなビジネスチャンスの場として期待が膨らんでいる。
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ギリシャ問題、日本の財政赤字 「負債」に切り込む文学者の感性
2012年6月16日号市場経済の基本は言うまでもなく交換である。市場経済の問題とはつまるところ、財やサービスの交換をいかに滞りなく行うかである。では、人はなぜ交換をするのか、交換はいつ、どのようにして始められたのかとなると、これが案外よくわからない。
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経済成長に批判の切っ先 追求すべきは「繁栄」と説く
2012年6月9日号本書は、われわれが普段何げなく使っており、かつ最も重要だと信じ込んでしまっている「経済成長」という概念に疑問を投げかける刺激的なメッセージをふんだんに盛り込んでいる。成長は本当に無条件にいいことなのか?
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エネルギー問題で重要なのは 原発の是非ではなく全体戦略
2012年6月2日号原発をめぐって混乱した議論が続いている。「脱原発」か否か、などというのは政策論として無意味だ。電力は1次エネルギーの3割、原子力はその3割なので、全体の1割の問題にすぎない。
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沖縄返還時のドル回収密約 戦後経済史の裏面に肉薄
2012年5月26日号ユーロ危機でギリシャのユーロ離脱の可能性が取り沙汰されている。仮に離脱するとしてその具体策はどうあるべきか。乗り越えるべき障害は大きい。しかし歴史をひもとけば通貨が変更された例は多い。
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現代の食システムの構造問題 規模拡大と価格下落の悪環境
2012年5月19日号2006年に米国でホウレンソウからO157が検出され、死者も出て大騒ぎになった事件を覚えているだろうか。これは食システム(食料の生産・流通・消費体系の全体)の構造問題に起因していて、いつでも同様のことが起こり得ると著者は言う。