記事一覧:数字は語る352

  • 中国の高貯蓄人口政策と未熟な社会保障も要因か

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    中国の高貯蓄 人口政策と未熟な社会保障も要因か

    2017年4月1日号  

    中国は世界屈指の高貯蓄国で、国内総貯蓄率(対GDP比)は、2010年に51%に達している。上昇スピードも極めて速く、1970年代には30%台前半だったものが2000年代初めに40%を超えた。固定資本減耗を除いた純貯蓄率を見ると、政府、法人、家計いずれの部門においても貯蓄率は上昇している。とりわけ家計部門では、都市部でも農村部でも貯蓄率は伸びている。

  • 法律と産業構成の変化で減少を続けた労働災害の発生件数

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    法律と産業構成の変化で減少を続けた 労働災害の発生件数

    2017年3月25日号  

    長時間労働を苦にした若年女性の自殺が注目を集め、労働時間規制の議論が盛んになっている。仕事が理由で命を落とすという痛ましい事態は長時間労働だけで起こるわけではなく、2015年には972人が労働災害により貴い命を失った。

  • 異次元緩和からの軌道修正後も国債干上がりへ

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    異次元緩和からの軌道修正後も国債干上がりへ

    2017年3月18日号  

    日本銀行は、2016年9月に量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)を軌道修正し、長期金利を0%に誘導する新しい金融政策の枠組みの導入を決定した。これまでの「量」を重視する政策から、「金利」を重視する政策に転換したのである。

  • プレミアムフライデー消費を喚起するには業務の効率化が不可欠

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    プレミアムフライデー 消費を喚起するには業務の効率化が不可欠

    2017年3月11日号  

    プレミアムフライデーが2017年2月24日から始まった。月末の金曜日に、従業員が年次有給休暇(年休)を取得するなどして早帰りし、買い物や旅行、家族とのだんらんなどができるよう、官民を挙げて企業や政府に促す取り組みだ。

  • バーナンキショックに学んだFRBの保有資産への言及

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    バーナンキショックに学んだFRBの保有資産への言及

    2017年3月4日号  

    FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(連邦公開市場委員会)メンバーは中央値で今年3回の利上げを想定しているが、それとともに最近注目されだしたのが償還金の再投資だ。FOMCメンバーが再投資の変更に言及し始めたからだ。

  • 爆買い一服も訪日外客の消費は底堅い

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    爆買い一服も訪日外客の消費は底堅い

    2017年2月25日号  

    2016年の訪日外客数は、2403万9000人となった。前年より増加ペースは落ちたものの、前年比21.8%増と、堅調な増加を保ったといえる。全体の7割を占める中国や韓国、台湾などの東アジアに加えて、1割強の東南アジアとインドからの訪日外客も増えた。

  • 注目を集めるシムズ教授の「物価水準の財政理論」物価上昇スピードが問題

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    注目を集めるシムズ教授の「物価水準の財政理論」 物価上昇スピードが問題

    2017年2月18日号  

    米プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授が2月1日に都内で「物価水準の財政理論」(FTPL)の講演を行った。その妥当性に対する論争はあるが、デフレ脱却に向けた2%の物価目標が達成できず、量的・質的金融緩和の限界が明らかになる中で注目を集めている。

  • 同一労働同一賃金実現に向けて整備すべき属性ごとの賃金データ

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    同一労働同一賃金 実現に向けて整備すべき 属性ごとの賃金データ

    2017年2月11日号  

    昨年12月16日に厚生労働省の「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」の中間報告が公表された。筆者も委員の一人として議論に参加し、雇用形態間の賃金格差の推定に従事した。その結果を紹介したい。正規労働者と非正規労働者の賃金差を議論する際に注意すべきなのは、両者で最終学歴、勤続年数、職種などが異なっていることだ。

  • 社会保障費増加が重荷基礎的財政収支の黒字化への道は遠い

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    社会保障費増加が重荷 基礎的財政収支の黒字化への道は遠い

    2017年2月4日号  

    財政健全化目標はほぼ達成されたようだ。2016年12月に公表された内閣府「国民経済計算年次推計」によると、15年度の国・地方の基礎的財政収支(PB、実際の健全化の進捗は復旧・復興対策の経費および財源等を除いたベースで測られる)は名目GDP(国内総生産)比▲2.9%と、目標値(10年度比で赤字半減、同▲3.2%)を上回った。

  • データが資産の時代デジタル通貨発行でGDPの押し上げを

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    データが資産の時代 デジタル通貨発行でGDPの押し上げを

    2017年1月28日号  

    世界トップ層の間では、「ICT(情報通信技術)革命」の次は「データ産業革命」という認識が浸透しつつある。この本丸は「金融」、中でも「仮想通貨」や「デジタル通貨」であり、米誌「フォーブス」には「どこかの国の中央銀行が5年以内にデジタル通貨を実現するだろう」という予測も登場している。

  • 個人消費の底上げや投資の伸びに期待するも高まる不確実性

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    個人消費の底上げや 投資の伸びに期待するも 高まる不確実性

    2017年1月21日号  

    政府の経済見通しでは、2017年度の実質GDP(国内総生産)成長率は、1・5%と発表された。各種の経済政策によって、雇用・所得環境が引き続き改善することで、個人消費や設備投資などを中心とした成長が見込まれている。

  • 年齢差別を廃止し若い世代の雇用流動化が必要

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    年齢差別を廃止し 若い世代の雇用流動化が必要

    2017年1月14日号  

    米国で1960年前後に生まれた人は、18歳から48歳までの30年の間に平均11.7の異なる職を経験している──。そんなデータが米労働統計局にある。特に、若年層における経験職数は多く、18~24歳の間で5.5、25~29歳で3.0と、30代以降のキャリアを確立するまでにさまざまな職を経験している。

  • トランプ次期政権の景気刺激策が進める経常赤字拡大とドル高

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    トランプ次期政権の景気刺激策が進める 経常赤字拡大とドル高

    2016年12月31日号  

    国際通貨基金(IMF)の「対外部門レポート(ESR)2016」によると、ここ数年、米国の対外ポジション(主に経常収支)とドル(実質実効為替レートベース)はほぼファンダメンタルズに見合っているが、2015年の対外ポジションは少し弱く、ドルは強過ぎるという。

  • なかなか増えない女性管理職の割合3割目標には遠く

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    なかなか増えない女性管理職の割合 3割目標には遠く

    2016年12月24日号  

    内閣府男女共同参画局は、2020年までに社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げている。15年6月に実施された統計調査によると、100人以上の労働者を雇う企業において、課長以上の管理的な地位に就く労働者に占める女性の割合は8.7%であった。09年の6.5%に比べると上昇しているものの、このペースでは目標実現は難しそうだ。

  • 非製造業の設備投資人手不足に対応し下げ止まり傾向

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    非製造業の設備投資 人手不足に対応し下げ止まり傾向

    2016年12月17日号  

    非製造業の設備投資は、2016年第3四半期に前期比2.1%と、1年ぶりにプラスとなった。これまで抑えられてきた反動という面はあるものの、非製造業の設備投資はようやく下げ止まりつつあるようだ。他方、製造業は同▲2.6%とマイナスとなった。

  • グローバル化の進展で製造業の雇用が減少強まる保護主義の流れ

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    グローバル化の進展で 製造業の雇用が減少 強まる保護主義の流れ

    2016年12月10日号  

    米国大統領選挙でトランプ氏が勝利した一因に、グローバル化や自由貿易に対する不満があったといわれる。オハイオ州など製造業が集積する激戦州では、保護貿易を訴えるトランプ氏への支持が目立った。

  • 医療制度の改革で財政再建と新産業創出の両立を

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    医療制度の改革で財政再建と新産業創出の両立を

    2016年12月3日号  

    政府の「財政健全化計画(経済・財政再生計画)」では、社会保障費の伸びを年間5000億円以内に抑制する目標を定めている。社会保障費の自然増分6400億円を5000億円以内に抑制するには、医療・介護制度の改革は必須だ。

  • 長期・分散投資の促進に一役買うか「積立NISA」

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    長期・分散投資の促進に一役買うか 「積立NISA」

    2016年11月26日号  

    金融庁は、17年度税制改革要望の中で、NISAに関する制度改革を求めており、その目玉の一つが、非課税期間を20年間、上限額を60万円とする、積み立て形式の新たなNISA制度の創設だ。実現すれば、長期的、継続的な資産運用の選択肢が増えるだろう。

  • バブル期並みに少ない倒産件数楽観できない理由

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    バブル期並みに少ない倒産件数 楽観できない理由

    2016年11月19日号  

    経済実態を把握するには企業倒産の状況も見る必要があるが、2016年度上半期(4~9月期)の4216件という全国倒産件数は、上半期ではバブル期以来26年ぶりの低水準だ。その背景には、企業の資金調達コストが非常に低くなっていることがある。日銀短観の「中小企業からみた金融機関の貸出態度」や「中小企業の資金繰り」では、バブル期と同様の緩和状態だ。

  • 10年間で3.6倍増高齢者に浸透するネットショッピング

    数字は語る
    10年間で3.6倍増 高齢者に浸透するネットショッピング

    2016年11月12日号  

    高齢者にインターネットショッピングが着実に浸透している。2015年の高齢者世帯のネットショッピングの利用割合は、13.6%となり、過去10年で3.6倍に増加した。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…