記事一覧:数字は語る352件
-
数字は語る
情報通信技術の活用で労働生産性を高め 長時間労働の是正を!
2017年9月2日号政府は、「働き方改革」に取り組んでいるが、少子高齢化で労働人口が減少する日本において求められるのは、情報通信技術(ICT)などを最大限活用して生産性を高め、長時間労働を是正することだろう。時間的なゆとりができれば、ワーク・ライフ・バランスに活用して子育ての時間や家族や仲間との交流が増え、豊かな社会の構築につながる。また、ゆとりの時間は柔軟な発想につながり、イノベーションの源泉になる。
-
数字は語る
通貨供給量増加も計画から下振れ 問われる日銀の「約束」
2017年8月26日号日本銀行は昨年9月に金融政策の操作目標を通貨供給量(マネタリーベース)から長短金利に変更するとともに、生鮮食品を除く消費者物価の前年比実績値が安定的に2%を超えるまで、通貨供給量を増やし続けると約束した。
-
数字は語る
千葉県の被害甚大 地価で推定した放射能汚染被害額
2017年8月12日号福島第一原子力発電所の事故の後、原子力発電への依存を続けるべきか否かに関する議論が盛り上がった。事故から6年以上を経た今日に至るまで残る生々しい被害の爪痕は、事故が起こると発生する被害の甚大さを痛感させる一方で、原子力発電に依存しないことが発電コストを引き上げ、それが電気料金の上昇として消費者に転嫁されるという議論もある。
-
数字は語る
基礎的財政収支の20年度の黒字化は困難 財政の現実を直視すべき
2017年8月5日号経済成長で税収増を図り、財政再建と経済再生の両立を図るというのがアベノミクスの戦略の一つだが、2016年度決算における国の税収(55.5兆円)は当初の税収見積もりから2.1兆円下振れし、前年度比で0.8兆円のマイナスとなった。7年ぶりの前年度割れで、日本経済が景気の下降局面に向かい始めている表れかもしれない。
-
数字は語る
住宅購入に踏み切る若者が増加 “背伸び気味”の面も
2017年7月29日号近年、若年層を中心に、住宅購入に踏み切る世帯が増加している。日本銀行の大規模な金融緩和で住宅ローン金利が低下していることに加え、贈与税の改正(2015年)で、住宅取得を目的とした資金贈与での非課税枠が拡大され、親からの贈与を受けやすくなったことが背景にある。さらに、相続税の基礎控除額の引き下げで、親側にも住宅購入資金を生前贈与するインセンティブが強まった。
-
数字は語る
土地の有効活用を阻む「強い所有権」 民法(物権法)の見直しを
2017年7月22日号驚くべきことに、九州より広い面積の土地の所有者が分からないという。所有者がいないのではなく、相続時に登記がされておらず、登記簿から戸籍をたどって探さないと所有者が分からないという意味だ。所有者不明の土地というのは厄介だ。例えば、自治体の公共工事や地籍調査では地権者の了解が必要だが、所有者不明では事業が進められない。
-
数字は語る
高等教育の無償化はバラマキ的な政策 奨学金で対応せよ
2017年7月15日号人工知能(AI)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)といった第4次産業革命が進み、新たな知識や発想が経済成長の大きな源泉となる。教育は未来を担う次世代への投資であるとともに、貧困の連鎖を断ち切る鍵でもある。
-
数字は語る
実感なき景気拡大 財政・金融政策だけで購買力は上がらない
2017年7月8日号景気の拡大は第2次安倍内閣発足時から続いているようだ。内閣府は2017年6月15日に景気の山・谷を判定する有識者会議を開き、12年12月に始まった現在の景気拡大期が戦後3番目の長さになったことを事実上確認した。景気拡大が17年8月まで続けば、戦後2番目に長い「いざなぎ景気」(1965~70年)に並ぶ。
-
数字は語る
縦割り行政の弊害 人名や地名で増え過ぎた漢字
2017年7月1日号アルファベットが26文字なのに対して、日本の漢字はいったい幾つあるのだろうか。その答えは誰にも分からない。それでは漢字を電子的に扱うことができないため、漢字をコード化して整理したのがJIS第一水準と第二水準である。
-
数字は語る
PB赤字の容認も債務残高の引き下げ目標に潜むリスク
2017年6月24日号今年6月9日に「骨太方針2017」が閣議決定された。財政再建の目標について、「2020年度までに基礎的財政収支(PB)を黒字化し、同時に債務残高(対GDP〈国内総生産〉比)の安定的な引き下げを目指す」とある。
-
数字は語る
人手不足を背景に高まる正社員への需要 労働の量も質も改善へ
2017年6月17日号正社員の有効求人倍率は、2017年4月に0.97倍と、比較可能な04年11月以降で、最も高い水準になった。リーマンショック後の09年以降、正社員の有効求人倍率は、ほぼ一貫して上昇しており、1倍目前にまで到達した。これは、正社員への労働需要が着実に増えており、数量に加えて、質の面でも雇用環境が改善していることを表しているといえる。
-
数字は語る
GDPデフレーター下落率 黒田総裁の就任前の水準にデフレ脱却には遠く
2017年6月10日号安倍政権は、経済政策の最優先課題としてデフレ脱却を掲げてきた。消費者物価に並び、政府が注目している指標がGDP(国内総生産)デフレーター。名目GDP(=国内需要+輸出-輸入)を実質GDPで割ったもので、付加価値ベースの物価を表す。デフレ下ではGDPデフレーターの変化率がマイナスとなる。
-
数字は語る
今なお誤解が多く普及目標に遠いマイナンバーカード
2017年6月3日号マイナンバーカードの交付枚数は、制度開始から1年強で1000万枚を超えた。政府は当初、約3000万枚を見込んでいたといわれるからその3分の1の水準だ。住民票や戸籍などの証明書のコンビニエンスストア交付を推進したり、ポイントカードや図書館カードのワンカード化、子育てワンストップサービスを実現したりするなど、マイナンバーカードの利便性を高めようと必死だ。
-
数字は語る
こども保険提言を契機に全世代型社会保障の実現と安定財源の確保を急げ
2017年5月27日号こども保険の創設という提言に関心が集まっている。小泉進次郎議員などが所属する自民党小委員会が2017年3月にまとめたもので、年金保険料に上乗せするなどして財源を確保し、児童手当の拡充や幼児教育・保育の実質無償化などを実施するという。
-
数字は語る
原油価格の回復でも物価上昇は足踏み 賃上げの持続性が鍵に
2017年5月20日号2016年度の消費者物価指数は100.0であり、前年度比▲0.1とほぼ横ばいとなった。消費者物価指数が14年度に99.8、15年度に100.0であったことを踏まえると、物価は低下していないものの、上昇もしていない状態であり、日本経済が明確にデフレから脱却したとは言い難い。
-
数字は語る
年間80万人規模で日本の人口が減少 少子化対策は喫緊の課題
2017年5月13日号国立社会保障・人口問題研究所が公表した「将来推計人口」によれば、日本の総人口は2015年の1億2709万人から、65年に8808万人になるという(出生中位、死亡中位のケース)。50年間で3割減になるということで、1年間で平均約80万人が減少する計算になる。
-
数字は語る
増え続ける法律 分量が多くミスも続発 ITの活用が課題
2017年4月29日号法律とは、日本国憲法の定める方式に従い、国会の議決を経て「法律」として制定される法のことをいう。現在、施行されている法律は1967本ある。現在開かれている国会(第193通常国会)における法律の議案は、衆法・参法・閣法合わせて228本もある。
-
数字は語る
超低金利を背景に貸家供給が増加し家賃に下振れリスク
2017年4月22日号日本銀行は物価安定目標2%を掲げているが、2月のコア消費者物価指数は対前年同月比0.2%と程遠い。その要因の一つが家賃で、2月(対前年同月比)は米国の3.6%に対してマイナス0.4%だった。この1年半の間にマイナス幅は0.2%ポイント拡大し、ここ半年はマイナス0.4%が続いている。コア消費者物価に占める家賃のウエートが18.6%と高いこともあり、家賃が足を引っ張りそうだ。
-
数字は語る
計画ばかりが目立つ成長戦略の総ざらい 進捗評価の実効性が課題
2017年4月15日号成長戦略は十分に総括されたといえるだろうか。2016年9月、成長戦略の司令塔である未来投資会議は、17年1月をめどに「構造改革の総ざらい」を行うとしていた。だが、1月に公表された資料では、今後の政策の方向性などが示された一方、これまでの成長戦略については「着実に進捗してきた」との説明にとどまっている。成長戦略関連法案が94本成立したことなどを指しているのだろう。
-
数字は語る
賃金上昇も重荷 中国から国内へ生産拠点の回帰も
2017年4月8日号日本企業の海外事業戦略は、転機を迎えている。2016年度の日本貿易振興機構(JETRO)の海外ビジネス調査によると、国内外の拠点・機能の再編について、中国から日本への移管が全体の8.5%を占めた。これは、日本から中国への移管の6.8%を上回っており、国内回帰の動きが強まりつつあるようだ。