記事一覧:数字は語る352件
-
数字は語る
所得の低迷に連動し 家計の教育費は減少 教育格差拡大の懸念も
2018年1月27日号政府は昨年12月の閣議で、「人づくり革命」の推進に向けた経済政策パッケージを決定した。その柱は、幼児教育・保育と高等教育の無償化だ。教育無償化が重点政策となった背景には、所得環境の悪化により教育費の負担が増している現状がある。
-
数字は語る
後期高齢者の増加で社会保障給付費が膨張 中長期的な改革が不可欠
2018年1月20日号国の2018年度予算で社会保障費が過去最大の約33兆円になることが話題になったが、国と地方の公費や保険料で賄う社会保障給付費は年間で約120兆円に上る。そのうち、年金は約60兆円、医療費は約40兆円、介護費は約10兆円である。
-
数字は語る
中国とチリ、トルコで民間債務が危険水域へ 中長期の成長の重石に
2018年1月13日号世界経済の成長率(2018年)は3.2%と前年の2.9%を上回り、金融危機後では最も良い年になると予測する。危機前に4%超え成長が当たり前だったことを考えると、「長期停滞論」的な世界を卒業したとは決していえない数字だ。
-
数字は語る
ゾンビ企業の温存も 生産性2%向上に向けた 経済政策パッケージの課題
2017年12月30日号安倍政権が12月に公表した「新しい経済政策パッケージ」では、2020年までの3年間を「生産性革命・集中投資期間」とし、税制、予算、規制改革等の施策により、生産性を年2%向上させるという。第2次安倍政権発足以来掲げてきた目標だが、最近の日本の生産性(時間当たり労働生産性)上昇率は1%程度にとどまっている。
-
数字は語る
地域課題の解決にテクノロジーを利用 シビックテックの勢い
2017年12月23日号プラスチックなど資源ごみの収集は月に2回、空き瓶は月に1回という自治体に住む人にとっては、ごみ収集日を教えてくれる「5374(ごみなし).jp」のアプリは便利だ。これは、ごみの出し方が分からないという市民の声をもとに開発された。無償で提供されており、全国100以上の自治体が採用している。
-
数字は語る
中国の減速が続いても意外と堅調な世界貿易 保護主義台頭がリスク
2017年12月16日号停滞していた世界貿易が昨年央からやっと回復してきた。物価上昇を調整した実質ベースで見た世界貿易量は、金融危機の2015年に前年比2%弱まで落ち込んだ後、17年は6%近くまで戻り、18年も4.5%の伸びを見込んでいる。
-
数字は語る
賃金からは見えない 獣医師不足
2017年12月9日号加計学園による獣医学部新設問題は政治的な決着を見たが、ここに至る議論が浮き彫りにしたのは、日本における政策論議には実証経済学の知見がほとんど生かされていないという事情である。
-
数字は語る
高等教育費の出世払い 働く意欲の低下に財源確保の課題も
2017年12月2日号大学や専門学校など高等教育の費用負担を軽減するため、自民党・教育再生実行本部から「出世払い」制度の導入が提言されている。これは、政府が授業料等を肩代わりし、卒業後に一定の所得に達した人だけが返済する仕組みだ。返済されない分は社会全体で負担する。
-
数字は語る
低所得の階層に薄い日本の所得再分配 米国並みの水準
2017年11月25日号日本経済の成長率は低下傾向にある一方、社会保障費が急増し、財政赤字が恒常化している。債務残高(対GDP比)は200%を超え、財政・社会保障の抜本改革は不可避だ。社会保障費を抑制しないで財政を安定化させるためには、消費税率換算で20%超の増税が必要であるとの専門家の試算もある。
-
数字は語る
物価目標の未達で金融緩和の継続期待 過剰な楽観論に懸念も
2017年11月18日号国際通貨基金(IMF)の10月の世界経済見通しで、世界の経済成長率が4月時点の見通しから上方修正される一方、インフレ率(消費者物価ベース)は下方修正された。先進国の大半でインフレ率は目標を下回っており、目標へは徐々にしか近づかないとIMFはみる。
-
数字は語る
コンビニで住民票交付 利便性の向上でマイナンバー制度普及へ
2017年11月11日号休みの日に、急に住民票や印鑑証明が必要になった。このような経験のある方は多いだろう。筆者もエネファーム(家庭用燃料電池システム)の設置工事で、業者から補助金申請で印鑑証明が必要だと言われた。
-
数字は語る
増税後も家計消費は増加 洋服代や外食には財布のひもが固く
2017年11月4日号家計消費は2014年4月の消費増税以降、低迷しているといわれる。だが、統計データから見た消費の実態は決して悪くない。増税後の1人当たり実質家計消費は年率1.2%で増加した。この伸び率は2000年代に経験した戦後最長の景気拡大期の同1.0%を上回る。
-
数字は語る
どの指標を取るかで物価上昇率が異なる 統計データの謎
2017年10月28日号最近の人手不足下で、賃金上昇が起こるのはどのタイミングだろうか。実を言うと、それを知るのに必要な統計資料が一つではない。一般に、賃金上昇と言ったときに最も注目されるのが、名目賃金を消費者物価指数で割った実質賃金である。
-
数字は語る
中国の債務が急拡大 党大会後の引き締めで世界経済に減速圧力も
2017年10月21日号最近の世界経済は、金融緩和と債務拡大なしでは成長を維持できないのではないかという懸念が広がっている。リーマンショック後、日米欧はこぞって金融緩和を実施した。危機は脱したものの、低成長と低インフレが続き、金融政策の正常化が遅れている。
-
数字は語る
日銀のETF買い入れ 株価のゆがみに根強い懸念
2017年10月14日号日本銀行は昨年7月、ETF(指数連動型上場投資信託)の買い入れを年間6兆円に倍増した。その後、1年以上が経過したが、物価目標への到達が遠のいている中、ETF買い入れの継続が確実視されている。他方、このままETFを買い続けることを問題視する声も高まっている。昨年9月に、一部株式の品薄から個別の株価にゆがみが生じる可能性があるとして、銘柄別の買い入れ額の見直しを実行したが、日銀が浮動株の保有を増やすことによる株式市場への影響を懸念する声は根強い。
-
数字は語る
消費増税分の使い道が選挙の争点の一つに 財政再建は後回し
2017年10月7日号衆議院解散を決めた安倍晋三首相は、2019年10月の消費増税分の使い道として子育て支援や教育無償化などの福祉に約2兆円ほど充当する方向で民意を問うという。財政再建は後回しにされ、20年度の基礎的財政収支(PB)の黒字化目標の達成はさらに厳しくなった。
-
数字は語る
消費増税を実施しても中期的には1%弱成長 EBPMで政策判断を
2017年9月30日号安倍内閣の政策運営の潮流になりつつあるのが、「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策立案)」だ。これは、証拠となるデータの質を高めて利活用を促し、分析を深めることで政策の有効性を引き上げるという取り組みだ。
-
数字は語る
労働人口の減少に介護や建設、ITの求人増で若年層の労働需給逼迫
2017年9月23日号足元の日本経済は回復が続いているものの、労働者の賃金は伸び悩んでいる。2016年の賃金構造基本統計調査によると、正社員を中心とした一般労働者の所定内給与は、前年から横ばいだった。ところが、年齢階級別に見ると、20代や30~34歳では、それぞれ前年比+1.4%、同+1.5%となるなど、若年層の賃金は比較的高い伸びとなっている。
-
数字は語る
オープンデータを契機に市民と行政の対話へ スタートアップ企業にも期待
2017年9月16日号公共機関が保有するデータを公開し、民間での再利用を促して、政府の透明性の向上、公共サービスの向上、経済の活性化を図ろうというのがオープンデータだ。約2万件もあるのだが、一般にはあまり知られていない。3年前のアンケートでは、オープンデータという言葉をまったく知らないという人が4人のうち3人もいた。
-
数字は語る
返礼品目当てでふるさと納税が急増 経済活動にゆがみも
2017年9月9日号ふるさと納税が急増している。2016年度の納税額は2844億円と前年度から72%増加した。ふるさと納税とは、自分が居住していない自治体に税金の一部を寄付できる制度である。寄付額から2000円を差し引いた額が住民税と所得税から控除され、寄付額の上限は年収に応じて決まる。