記事一覧:特集10409

  • 特集 Part4
    26 財政再建 歳出削減と税制改革の両立が 財政健全化を貫徹する道筋

    2012年12月22日号  

    今回の総選挙で選出された衆議院議員の任期は2016年まで。10年代後半の財政運営の方針を決める上で重要な時期の国政を担う。20年代には団塊の世代が75歳以上となり、社会保障費がさらに増加する。その財源が確保できなければ政府債務は累増し、極めて厳しい財政状況に追い込まれる。経済成長なしに財政健全化ははかどらないが、歳出削減のみならず税制改革も進めなければ、財政健全化は貫徹できない。現行税制をそのままにしていては、財政負担の世代間格差を助長し、所得税・法人税中心の課税が企業や若年世代に過重な負担を課す結果になる。

  • 特集 Part4
    【MINI COLUMN】 シニア世代は消費を増やし 現役世代は貯蓄を増やす

    2012年12月22日号  

    シニア(60歳以上)世代の消費はいまや個人消費全体の3~4割を占めている。若いころからもともと消費性向の高い団塊世代がシニア世代へ移行した影響が大きいが、企業がこの世代へ向けた商品・サービスを投入し、市場変化へ対応してきたことも潜在需要の顕在化に寄与している。震災前と足元の1年を比較すると、シニア世代向けのパック旅行、小分けした調理食品などの消費が大幅に増えた。

  • 特集 Part4
    25 景気 世界経済回復で持ち直し 13年度は1.5%成長に

    2012年12月22日号  

    日本経済は、東日本大震災による落ち込みから回復してきたが、2012年後半は世界経済減速で輸出や生産が大幅に低下した。外需悪化が内需にも波及し、12年7~9月期はマイナス成長を記録した。持ち直しは、13年春以降となろう。13年に入ると世界経済の改善から輸出が持ち直し、春以降は内需にも波及するかたちで、徐々に回復軌道に戻っていくだろう。実質経済成長率は12年度1.0%、13年度1.5%と予測する。

  • 特集 Part4
    坂之上洋子(ブランド経営戦略コンサルタント、一般社団法人JIGH理事)インタビュー

    2012年12月22日号  

    世界の病気・貧困の解決に挑戦するビル・ゲイツの慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」が掲げるタスクリストのうち、特に力を入れている一つが、ポリオと呼ばれるウイルス感染症の根絶。特に子どもが感染しやすい病気だ。2011年にはインドが撲滅に成功。残る流行国は世界でパキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアの3カ国となった。撲滅に成功すれば、病気の撲滅は人類史上、天然痘に次いで二つ目となる。

  • 特集 Part4
    29 【2013 新潮流 (2)NPO】 政府でもビジネスでもない 「社会を変える」主役へ

    2012年12月22日号  

    世界で最も革新的な「寄付税制」を持つ国をご存じだろうか。何を隠そう、日本である。2011年6月、針の穴を通すより難しいといわれた寄付税制改正案が、ひっそりと通過している。だがその価値については、まだあまり理解されていない。認定NPO(Nonprofit Organization。非営利団体)法人に寄付した個人は、なんと最大50%の税額控除が認められる。税金が取れなくなるのだから、最強官庁の財務省が嫌がる制度だ。そんな法律が、実は日本で既に誕生しているのだ。

  • 特集 Part4
    33 金利 景気刺激策で新規国債増発へ 長期金利は1%を超える

    2012年12月22日号  

    1月には米国でオバマ政権の2期目がスタートする。減税の失効や歳出一律削減の期限が集中する「財政の崖」や債務上限問題を与野党の妥協により無事乗り越えることができるか否かが、米国経済のみならず、世界経済や金利を含めた金融市場の先行きを規定する。また、2013年春から夏に向けては、イランの核開発問題により地政学的リスクが増す可能性もある。13年は米国発の財政問題や地政学的リスクが、国債など安全資産への投資が増加する質への逃避を誘発、内外の長期金利の低下要因となることも想定される。

  • 特集 Part4
    32 為替 日銀緩和の効果は薄い 13年は実需で円安方向へ

    2012年12月22日号  

    2013年の為替相場は、円安方向を予想している。年間のレンジは1ドル=80~90円を想定。相場材料としては、(1)日本銀行に対する積極緩和策への期待、(2)米国金利の動向、そして最重要なのが(3)貿易収支、証券投資などの円需給の方向だ。日銀への期待、円安効果については過大視すべきではない。11月以降の円安局面では、野田佳彦首相の解散宣言、その後の安倍晋三・自民党総裁の積極的な金融緩和発言に飛び付いた海外ヘッジファンド勢が、一気に円売りを加速させたという図式だった。

  • 特集 Part4
    31 株式市場 国内外の景気回復で株価上昇 競争力強化進めば1万2000円も

    2012年12月22日号  

    日本株にとって2013年は、内外の環境改善により低迷を脱する年と考えている。新政権が企業競争力強化につながる政策を実現できれば、大幅高もあり得る。まず外部環境だが、ここ数年間、世界の株式市場の重しとなっていた欧州債務危機の収束が見込めることが好材料だ。支援継続決定によりギリシャのユーロ離脱がほぼなくなったほか、ポルトガルやアイルランドでは財政再建が進んでいる。両国は13年に国債発行再開の予定だが、そうなれば債務危機は過去のものとの認識が広まる。

  • 特集 Part4
    30 【2013 注目イベント(1)】 伊勢神宮 式年遷宮

    2012年12月22日号  

    2013年、三重県の伊勢神宮では20年に1度の大祭がある。「神宮式年遷宮」と呼ばれ、正殿など建物一式をそのままの形で新造し、また神宝や装束なども新調して神様に新しい宮へのお遷(かえ)りを願うものだ。1300年前から脈々と続き、伊勢では遷宮の年とその翌年だけ観光客が急増する歴史を繰り返してきた。

  • 特集 Part4
    駒崎弘樹(NPO法人フローレンス代表理事)インタビュー

    2012年12月22日号  

    NPOにとって2012年は、11年の東日本大震災と闘い続けてきた年だった。災害支援を活動内容としないNPOも、国難だけに被災地でさまざまな事業を展開した。最近の変化は、NPO業界とビジネスとの連携。我々はベネッセコーポレーションと共に、被災地の約800世帯の低所得者の子どもたちに対して進研ゼミを提供した。震災を機に、ビジネス側が社会事業にも関心を持ち始めてくれている。

  • 特集 Part5
    【MINI COLUMN】 「財政の崖」が全面延長なら 米国債格下げリスク上昇

    2012年12月22日号  

    長い間、最上位格付け(トリプルA)を維持してきた米国債が、初めて格下げされたのは2011年8月だった。

  • 特集 Part5
    39 米国経済 緊縮財政で景気減速も 金融緩和で住宅市場は回復

    2012年12月22日号  

    ここ数カ月、米国の経済指標は総じて持ち直しているが、企業活動には慎重さが残っている。間近に迫る大規模な緊縮措置、いわゆる「財政の崖」の行方が不透明なことから、企業は雇用や設備投資を控えて様子を見ようとしている。ブッシュ政権時代から続く減税(いわゆるブッシュ減税)やオバマ政権による景気対策の期限、あるいは2011年に法律で決まった歳出一律削減の実施時期などの多くがこの年末年始に集中している。総額5000億ドルを超え、GDP比で3%近い大きさだ。新しい法律を定めてこれらの期限や時期を延期しなければ、大規模な増税や歳出削減となり、米国経済はほぼ間違いなく景気後退に陥る。これが「財政の崖」と呼ばれるゆえんである。

  • 特集 Part3
    23 悩みの“年末大そうじ” すぐに答えを出しちゃダメ! 悩み相談にうまく乗る方法

    2012年12月22日号  

    早いもので、もう年末ですね。忘年会など若手社員と飲む機会も増えてくることと思います。そこで若手から、このような悩みを打ち明けられた時、あなたならどう答えますか?朝日新聞の「悩みのるつぼ」という人生相談コーナーで連載をしています。そこでは「徹底的に役に立つ回答」を目標に掲げ、11の思考ツール(表で一部紹介)を使い分けて回答しています。

  • 特集 Part4
    達増拓也(岩手県知事)インタビュー

    2012年12月22日号  

    目に見えて復興が進んだ2011年と比べ、本格的な復興段階に入った12年は進捗が見えにくくなり、被災者の不安と不満が高まっている。岩手県の達増拓也知事に、県や国が取り組むべき課題を聞いた。

  • 特集 Part4
    28 震災復興 大きなインフラの復旧だけでなく身近な分野の復興を加速できるか

    2012年12月22日号  

    1年前と変わったのは、更地に生える雑草の丈だけ──。かつて住宅が林立していた岩手県宮古市の鍬ヶ崎地区は、東日本大震災から1年9カ月余りが経過した今も、大部分が更地のままだ。市からはすでに復興計画に基づくまちづくり基本計画が示されているが、住民への説明と合意形成に時間がかかっている。「今の計画では、住宅の再建が可能になるのは3年、4年先。そこまで待てないかもしれない」。住民は不安を募らせている。

  • 特集 Part5
    38 欧州 震源はギリシャ、スペイン 危機再燃のリスク払拭せず

    2012年12月22日号  

    欧州中央銀行(ECB)が2012年9月に国債購入措置(OMT)を発表して以降、市場では、いずれECBがスペイン国債を購入するとの観測からスペイン国債利回りが低下、欧州債務危機は小康状態にある。しかし、欧州債務危機が収束したわけではない。筆者は、資金調達を金融支援に依存しているギリシャ政府の「国債市場復帰」を欧州債務危機の収束と定義している。IMF(国際通貨基金)が要求する16年の復帰は困難で、収束には10年程度を要するだろう。そのため13年にもスペイン、ギリシャを震源とした危機が再燃するリスクは払拭されていない。

  • 特集 Part5
    37 【2013 注目イベント(2)】 歌舞伎座 こけら落とし

    2012年12月22日号  

    歌舞伎界にとって2013年の最大の話題は、東京・銀座の第5期歌舞伎座だろう。リニューアルオープンは4月2日の予定で、12年12月5日に死去した中村勘三郎さんも新しい舞台を楽しみにしていたそうだ。

  • 特集 Part5
    36 ジョセフ・ナイ(ハーバード大学教授)インタビュー

    2012年12月22日号  

    米国も含めた海外で、中国系団体などによる「尖閣諸島は中国領土」との広告攻勢が続いている。ジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授は、そうしたPRが米国国民の見方を変えることはないと断言する。

  • 特集 Part5
    【MINI COLUMN】  週に1回、党宣伝部と“打ち合わせ” 知られざるメディア統制の実態

    2012年12月22日号  

    毎週木曜日、「人民日報」など中国のメディア関係者たちは、北京の共産党中央宣伝部に馳せ参じる。宣伝部といえば、国内のプロパガンダ・イデオロギー政策を一手に握る機関。中国が国内の新聞やテレビ、出版物やインターネットに至るまで厳しく監視を行っていることは日本でもよく知られるが、具体的にはどのような統制が行われているかご存じだろうか。

  • 特集 Part5
    35 中国 景気対策には期待できず 個人消費で持ち直す巨龍

    2012年12月22日号  

    指導部交代や新5カ年計画の本格始動を迎えて明るさが広がるはずだった2012年の中国経済。だが、実際には回復が後ズレしていった一年となった。12年7~9月期の中国の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比+7.4%と、小幅ながらも前期と比べて0.2%ポイント低下し、減速傾向が続いた。景気減速の主因は、欧州債務危機をきっかけとした海外経済の減速、加えて、賃金上昇、元高などによる競争力低下を背景とした輸出の停滞だ。また、中央政府の不動産バブル対策などを背景に、投資が減速し、鉄鋼や設備機械などを中心に、企業が生産・在庫調整を続けたこともある。

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記者の目

  • 編集部 重石岳史

    富裕層は健康への投資も抜かりない

     今回の特集で、数年前に知り合った富裕層の方々と久しぶりに再会しました。コロナ禍を経て資産を減らした人もいれば増やした人もいて、不謹慎かもしれませんが、その各人各様のエピソードがなかなか興味深い。プライベートバンカーや税理士、資産家仲間など、彼らの周りにはさまざまなプロがおり、そこからもたらされる情報で「もうけた」「損した」と話題は尽きません。
     富裕層といっても資産の中身は千差万別ですし、お金の使い道も人それぞれ。ただし必ず共通の話題となるのが健康です。高額サプリメントなどに皆詳しく、健康への投資も抜かりないようです。数年後にまた再会したとき、その投資効果が分かるかもしれません。

  • 副編集長 大矢博之

    時代のトレンドを反映していた高額納税者公示制度

     かつて5月の風物詩といえば長者番付でした。高額納税者の氏名や住所が税務署に掲示されるという、個人情報保護の意識が浸透した今となっては信じられないような制度があったのです。
     子供の頃の私も、長者番付の記事はひそかな楽しみ。芸能人や文化人の番付を見て、とんねるずの2人で差があるのはなぜなんだろうと疑問に思ったり、「ドラゴンクエスト」生みの親の堀井雄二さんの番付入りに、「これからはゲームの時代だ」と想像を膨らませたりしていました。
     時代のトレンドを反映していた長者番付。今も存続していたならば、ユーチューバーなども番付入りしていたのでしょうか。絶対に無理だとは分かっていますが、復活してほしい制度です。

最新号の案内2024年5月25日号

表紙

特集億万長者 カネを生む知恵

日本国民の実質賃金がマイナスとなる中、純金融資産1億円以上の富裕層は約150万世帯に達するとされ、拡大を続けている。歴史的な円安や金利上昇局面において、彼らは資産をいかに生み出し、守っているのか。億万長者のお金事情に迫る。

特集2石油ムラ 大異変

2代続けてのセクハラでENEOSホールディングスは、旧日本石油出身者から旧東燃出身者へトップが代わった。出光興産のトップ人事では非主流派の起用も取り沙汰される。コスモエネルギーホールディングスは、異例の資本提携に踏み切った。石油元売り業界は…