記事一覧:コラム2379

  • 昇給率の業種間格差

    Global Survey グローバルサーベイ
    昇給率の業種間格差

    2013年6月8日号  

    報酬水準、昇給率については各社とも競合他社と大きな差異が出ないよう神経を尖らせる。特に中国では個人間での報酬情報の開示・交換が活発(開けっ広げ)で、インドでもその兆候が出てきており、評価・報酬制度の透明化が喫緊の課題となってきている。

  • 【ミステリー】緊迫感あふれるアクションに物語の面白さを加えた冒険小説

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【ミステリー】 緊迫感あふれるアクションに 物語の面白さを加えた冒険小説

    2013年6月8日号  

    まったくうまい。東野圭吾『夢幻花』だ。まずプロローグが二つ。一つは夫婦が街を歩いているときに暴漢に襲われる話。もう一つは、台東区入谷の朝顔市で同い年の孝美と知り合った中学生の蒼太が、彼女と会えなくなるまでの話。ここから始まる物語だが、メインストーリーが始まっても最初のうちはなかなか全貌が見えてこない。

  • 相手に手間を取らせない具体的な提案こそ本物のマナー

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    相手に手間を取らせない 具体的な提案こそ本物のマナー

    2013年6月8日号  

    新入社員の皆さんも配属先が決まり、本格的な社会人生活が始まっていることでしょう。そうした時期にぜひお薦めなのが、『そこのあなた! その自己中(ひじょうしき)マナー、失礼です!!』。小うるさいおつぼね風のタイトルですが、内容は他のマナー本とは一味も二味も違います。単に「こうすべき」と説くのではなく、実践の場で、「なぜ、そうする必要があるのか」を考える構成になっているのです。例えば、「お手伝いすることはありませんか」は、どう評価されるべきか。本書は「×」です。それは、相手に仕事を探してもらう手間を取らせるからで、具体的な提案こそ相手の立場でのマナーだと説きます。

  • 平和と繁栄の前提が崩れ「いい人」が評価される贈与経済

    Book Reviews 書林探索
    平和と繁栄の前提が崩れ 「いい人」が評価される贈与経済

    2013年6月8日号  

    社会がどんどん「イワシ化」しているという。小さな魚ながら、巨大な群れとなって泳いでいる。どこにも中心はないが、その場その場のはやりにうまく身を任せている。深い教養も思考もないまま、自分の気持ち至上主義で、傷つけられたくない、人からとやかく言われたくないという性向を持つ。そんなイワシ同士がネットでつながって、リスクを避け互いにリアクションし合っているだけ。これからの日本の姿を描けないまま、どんどん社会はその根底においてバラバラになってきている。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2013年6月1日号  

    名うての塾講師に取材したときのこと、最後に「わが子への教育」が話題となりました。その練達の先生いわく、「生徒でなく、わが子に教えるとなるとずいぶん、勝手が違うんですよね」。過剰に言葉を荒らげたり、叱りつけたり。「ふがいないと感じ、むきになってしまう」というのです。

  • 「一撃」の説得術がなければ正しいことでも伝わらない

    Book Reviews 著者のホンネ
    「一撃」の説得術がなければ 正しいことでも伝わらない

    2013年6月1日号  

    成功した説得は、非常に短い言葉で、事の本質を明確に言い表している場合が多いのです。最近では安倍内閣の「大胆な金融緩和」もそうです。国民やマーケットが、一撃で説得された。過去では、1960年代に池田勇人内閣が提案した「所得倍増計画」もよい例です。「大胆な金融緩和」も「所得倍増計画」も、政策の中身そのものについては議論の余地があります。しかし、議論を呼ぶこと自体が重要ともいえます。例えば“物価上昇率2%は実現できるのか”というふうに論点がはっきりする。

  • 【映画(DVD)】異ジャンルの作品で考える“日本的とは何だろう”

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【映画(DVD)】 異ジャンルの作品で考える “日本的とは何だろう”

    2013年6月1日号  

    忘れていけないのは1960、70年代に“帰国(還)事業”という運動が盛んに行われたことだ。在日朝鮮人が北朝鮮に帰って祖国建設に従事するのを支援しよう、かの国は社会保障完備の理想国家をつくりつつある──わが国の進歩的文化人、メディアはこぞって声をそろえ、10万人近い人が、少なくとも7000人近くの日本国籍の妻子を連れて帰った。その後のことは言うまでもない。家族の一部だけが帰鮮した例もある。映画『かぞくのくに』では主人公(話題の新人、安藤サクラ)の兄がそうだ。その兄が脳腫瘍の治療を受けに十何年ぶりに日本に来た。北朝鮮の監視員を連れて──。

  • 身近なケースを基に考える「円満な相続」への準備

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    身近なケースを基に考える 「円満な相続」への準備

    2013年6月1日号  

    孫への教育資金の贈与非課税制度の創設、相続税基礎控除の縮小など相続絡みの税制改正が続き、実務本が好調です。『38歳からの相続』もベストセラー入りの勢い。40歳前後は、相続にはまだまだ縁遠い年頃と思われていますが、教育資金贈与など、親の協力が得られるならば「円満な相続の実現」への準備を始めるべき年頃だといいます。といっても制度の解説本・実務本ではなく、夫が突然死した場合、アラフォーの独身女性の場合など身近に見受けられるケースを基に、相続や税の仕組み、考え方を紹介します。

  • 人類1万年の歴史から読み解く「グローバリゼーション」

    Book Reviews 書林探索
    人類1万年の歴史から読み解く 「グローバリゼーション」

    2013年6月1日号  

    18世紀まで経済成長は人類社会にとり、必ずしも自然なことではなかった。収穫逓減の法則が支配する農耕社会では、生産増が人口圧をもたらすマルサス的制約が働き、1人当たり所得を増やすことはできなかった。ペストなどで人口が大幅に減少すると、1人当たり所得が増え、その豊かさがルネサンスの原動力ともなった。人類がマルサス的制約から解放されたのは、19世紀以降、収穫一定の法則が支配する工業社会に移行し、1人当たり所得を増やすことが可能となったためである。

  • 変動賞与のグローバル比較

    Global Survey グローバルサーベイ
    変動賞与のグローバル比較

    2013年6月1日号  

    日本では明るい業績見通しの報告が聞こえ始めた。会社業績が上がれば連動して変動賞与もアップするのが一般的だが、グローバルに見るとその支払い方法は、国によって特性があるようだ。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2013年5月25日号  

    私の祖父は、信州・松本で朦朧新聞の社長兼主筆をしていた時期があります。職を転々とした後、これに飛びついたようです。朦朧新聞は戦前戦後、とりわけ松本市で粗製乱造された小さな地域新聞の総称。祖父の新聞は最盛期には3000部ほど発行されたと聞きましたが、定かではありません。現物は今や影も形もなし。一部たりとも残っていません。1913年5月、東京・日本橋の貸間で小さな雑誌が創刊されました。「経済雑誌ダイヤモンド」です。創刊号は1000部印刷されたそうです。

  • アベノミクスと昇給率(2)

    Global Survey グローバルサーベイ
    アベノミクスと昇給率(2)

    2013年5月25日号  

    昇給率の主要な決定要素は、消費者物価指数(CPI)、GDP成長率、失業率である。その中で昇給率と最も相関性が高いのがCPIだ。アベノミクスの3本の矢の一つ、金融政策では2015年後半をめどにCPIを2%まで引き上げるインフレターゲットが設定されている。

  • Edouard Club“名品”のオーナーだけが入会できる会員制クラブ

    This is.
    Edouard Club “名品”のオーナーだけが入会できる会員制クラブ

    2013年5月25日号  

    エドワード・ホイヤーが1860年に創立して以来、タグ・ホイヤーはスポーツの世界と密接に提携しながらその地位を築いてきた。特にモーターレーシングとの関係は深く、現在はモナコ・グランプリ、ル・マン24時間レース、インディ500で公式時計の重責を担っている。セレブリティとの関係も豪華だ。俳優のレオナルド・ディカプリオ、女子テニスのマリア・シャラポワをはじめ多くの著名人がタグ・ホイヤーとパートナーシップを結んでいる。

  • 【コミック】本格派からパロディ派まで注目のSF系新人たち

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【コミック】 本格派からパロディ派まで 注目のSF系新人たち

    2013年5月25日号  

    読み応えのあるSFを描く新人が登場した。庄司創『三文未来の家庭訪問』は、短編3本を収めた作品集。SFといっても分野はいろいろあるが、この著者が描くのはアイデアの「センス・オブ・ワンダー」で正面から勝負する本格派の作品だ。絵柄はおとなしく、表現もかなり地味だが、だからこそ内容の面白さや構成の妙が際立つ。SF的な展開が人間ドラマときちんと結びついており、感銘深い読後感を残す。かつて藤子不二雄が得意にしたSF短編シリーズなどが好きな人には、ぜひお薦めしたい。

  • 本物志向も実は予定調和米国消費社会と意識の関係

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    本物志向も実は予定調和 米国消費社会と意識の関係

    2013年5月25日号  

    スターバックスには、味わい深いコーヒーが環境に配慮されたカップで用意されている。著者は、そこにはまさに本物の休息があるといいます。一方でそれは、本物志向といいながら予定された調和を欲望しているにすぎないとも指摘します。だから、『お望みなのは、コーヒーですか?』という書名も納得。本書は、スタバを分析対象にしたマーケティング論&社会論。米国では、楽しみを表す場合に一般名詞ではなく固有企業名が多いのはなぜなのか。スタバ、アップル、グーグル。米国社会の消費と人々の意識の関係が鮮明に描かれています。

  • 随一の大恐慌研究家による現代の危機を読み解く手引き

    Book Reviews 書林探索
    随一の大恐慌研究家による 現代の危機を読み解く手引き

    2013年5月25日号  

    2000年に刊行された本書は、大恐慌研究の古典である。出版事情が厳しい中、本書が翻訳されたことは喜ばしい。今回の経済危機で世界的に大恐慌の意義が見直されている。もっとも日本では15年に及ぶデフレ不況のため、大恐慌への注目は一部でより早く集まっていたし、ほかならぬバーナンキ現連邦準備制度理事会(FRB)議長がプリンストン大学教授のころから、大恐慌研究を生かして日本のデフレ不況に政策提言を行っていた。

  • アベノミクスと昇給率(1)

    Global Survey グローバルサーベイ
    アベノミクスと昇給率(1)

    2013年5月18日号  

    アベノミクスで最も重要なのは、インフレターゲットの設定である。インフレ率が上昇すると、購買力維持のために昇給率に反映させる、というのが人事の定石だ。インフレ率と昇給率の相関は国によってさまざまである。表はマーサーの報酬サーベイで調査した各国の(1)昇給率、(2)消費者物価指数(インフレ率)、(1)から(2)を引いた差異を示したものだ。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2013年5月18日号  

    創刊100周年記念の今号特集では、日本の産業・企業の将来を示唆する企業体、パナソニックの今を徹底検証しました。今号よりスタートした新連載を足早にご紹介します。 池井戸潤さんの小説「銀翼のイカロス」は、ご存じ「オレバブ」シリーズの主人公・半沢が帝国航空を舞台に大活躍します。落合博満さんの「采配【第二幕】」は、ベストセラー『采配』の待望の続編。

  • 【科学読み物】生物学と数学の融合が進み素粒子やウイルスに迫る科学

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【科学読み物】 生物学と数学の融合が進み 素粒子やウイルスに迫る科学

    2013年5月18日号  

    『数学で生命の謎を解く』は、数学者の手になる生物学の啓蒙書だ。生物学の知の体系に数理の発想を絡めたことで、読者の思索力を刺激する読み物となっている。生物学は、顕微鏡の発明やDNAの構造の発見など五つの大革命を体験してきたと著者は言う。そのいずれにも数学が関係しているが、現在は一段と生物学との距離が縮まり、第6の革命に向かっているという位置付けだ。

  • 顧客と従業員を魅了するストーリーの語り方

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    顧客と従業員を魅了する ストーリーの語り方

    2013年5月18日号  

    S・ジョブズのプレゼン本がヒットして以降、ストーリーでビジネスを語ることに注目が集まっています。『リーダーはストーリーを語りなさい』は、まさにそうした要請に応える新刊です。基本はリーダーシップの本なのですが、ストーリーにどんな力があるかを示し、ストーリーのつくり方も詳細に説明します。しかも巻末には、本文で紹介したストーリーの状況別使い方や、ストーリー構成の早見表が付いていたりと至れり尽くせり。

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記者の目

  • 編集部 重石岳史

    富裕層は健康への投資も抜かりない

     今回の特集で、数年前に知り合った富裕層の方々と久しぶりに再会しました。コロナ禍を経て資産を減らした人もいれば増やした人もいて、不謹慎かもしれませんが、その各人各様のエピソードがなかなか興味深い。プライベートバンカーや税理士、資産家仲間など、彼らの周りにはさまざまなプロがおり、そこからもたらされる情報で「もうけた」「損した」と話題は尽きません。
     富裕層といっても資産の中身は千差万別ですし、お金の使い道も人それぞれ。ただし必ず共通の話題となるのが健康です。高額サプリメントなどに皆詳しく、健康への投資も抜かりないようです。数年後にまた再会したとき、その投資効果が分かるかもしれません。

  • 副編集長 大矢博之

    時代のトレンドを反映していた高額納税者公示制度

     かつて5月の風物詩といえば長者番付でした。高額納税者の氏名や住所が税務署に掲示されるという、個人情報保護の意識が浸透した今となっては信じられないような制度があったのです。
     子供の頃の私も、長者番付の記事はひそかな楽しみ。芸能人や文化人の番付を見て、とんねるずの2人で差があるのはなぜなんだろうと疑問に思ったり、「ドラゴンクエスト」生みの親の堀井雄二さんの番付入りに、「これからはゲームの時代だ」と想像を膨らませたりしていました。
     時代のトレンドを反映していた長者番付。今も存続していたならば、ユーチューバーなども番付入りしていたのでしょうか。絶対に無理だとは分かっていますが、復活してほしい制度です。

最新号の案内2024年5月25日号

表紙

特集億万長者 カネを生む知恵

日本国民の実質賃金がマイナスとなる中、純金融資産1億円以上の富裕層は約150万世帯に達するとされ、拡大を続けている。歴史的な円安や金利上昇局面において、彼らは資産をいかに生み出し、守っているのか。億万長者のお金事情に迫る。

特集2石油ムラ 大異変

2代続けてのセクハラでENEOSホールディングスは、旧日本石油出身者から旧東燃出身者へトップが代わった。出光興産のトップ人事では非主流派の起用も取り沙汰される。コスモエネルギーホールディングスは、異例の資本提携に踏み切った。石油元売り業界は…