記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 富士鉄、妄想鉄、時刻表鉄…… 一味違う鉄道の楽しみ方
2013年7月27日号富士山がめでたく世界遺産に登録された。それを待っていたかのように、『富士鉄 世界遺産・富士山と列車を撮る 週末ぶらり旅』というユニークな本が出た。著者はカメラマンなので、富士山と列車を絡めた撮影ガイドにやや重点が置かれているが、「富士登山電車」や「富士山トレイン117」などの観光列車の紹介や沿線の観光情報もたっぷりあるので、首都圏からの気楽な週末散策の参考書としても活用できる。「富士鉄」なる新語は、鉄道趣味の一ジャンルとして一般化するかもしれない。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
悪戦苦闘の賃貸経営 マンション投資の“実録物語”
2013年7月27日号ちょっと足踏み状態にあるとはいえ“アベノミクス”の盛り上がりに乗る株式や不動産投資関連の著作が堅調です。最近は、若い人や女性が不動産投資の本を購入しているのが目立ち、中でも人気なのが、『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った 恐る恐るの不動産投資』。本書は、新刊ではありませんが、株やFX投資で失敗した人気ブロガーが不動産投資(賃貸マンション経営)に挑んだ悪戦苦闘を漫画と文章で紹介した“実録物語”が受けている理由のよう。100万円の格安中古マンションを発掘したものの、トラブルが続出。著者はいかに解決したか。それにしても賃貸経営が、こんなにトラブルが多いのには驚きです。
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Book Reviews 書林探索
アベノミクスの最大の成果は マネタイゼーションによる円安誘導
2013年7月27日号1990年代前半のバブル崩壊後、急激な円高進展が日本のデフレ定着の要因となったことは、よく知られている。通常、バブルが崩壊すると、通貨は大幅に減価、それが輸出増をもたらし内需低迷を補う。しかし、日本では円高が進み、内需も外需も低迷した。そういえば、東日本大震災の直後に生じたのも円安ではなく、円高だった。本書は、危機が訪れるたびに増価する円の謎に迫ったものである。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2013年7月20日号鉄道会社を取材していると、時間の流れの違いを感じます。こちらは今日起きたニュースを追う仕事。片や鉄道事業者の計画は、10~20年スパンで組み立てられています。新線の開設や都市開発は、かかる歳月も長ければ、投入されるおカネも数千億円単位と莫大です。渋谷の開発、リニア中央新幹線、そして羽田、成田両空港とつながる都心直結線構想。いずれも完成まで10年以上を要するものばかり。今は現実感がありませんが、完成すれば、ライフスタイルを劇的に変える可能性を秘めています。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 米国製ドラマの最新トレンド タブー素材を使ったサスペンス
2013年7月20日号今回は、評判とは違う3本。難破して家族全員を失ったインド人少年が、太平洋を漂うボートに1人。ところがこのボートに巨大なベンガルトラが1匹いる。「トラと漂流した227日」と副題がついた『ライフ・オブ・パイ』。手に汗握るスリル……と言いたいところだが、感心するのは全編にわたっての幻想的で美しい〈寓意性〉だ。すぐ思い出すのは〈ノアの方舟(はこぶね)〉だが、それより少し前に日本でも大ブレークした〈かもめのジョナサン〉に似ている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
既存の仕組みを問い直す 「新しい公共」への視点
2013年7月20日号東日本大震災以降、世の中の既存の仕組みを問い直し、「新たな公共」とも言うべき仕組みを模索する動きがあります。『「幸せ」の経済学』も、そうした問題意識の著作です。GDPの伸びを基にした経済成長観と所得の増加を前提とする幸福ではなく、ゼロ成長社会(定常型経済)での幸福とはどのようなものなのか。GDPは世界最低クラスなのに、国民の幸福度は世界一のブータンや諸外国の幸福論議を検証しながら、日本が米国型の低負担、低福祉国になるか、ヨーロッパ型の中・高負担、中・高福祉国になるかの選択のときが迫っているといいます。
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Book Reviews 書林探索
『国富論』以来の大問題に挑戦 今後の世界を読む視点を提供
2013年7月20日号ある国はなぜ繁栄し、また衰退するのか。本書はアダム・スミスの『国富論』以来、経済学者たちが格闘してきた大問題に挑戦した話題作である。著者は経済学者と政治学者のコンビ。すでに膨大な研究業績で知られる。本書の特徴は第一に、経済発展における政治体制の決定的重要性を指摘している点だ。経済発展の原動力は新規参入者による創造的破壊である。著者はエリートが他の国民にも機会を提供する仕組みを包括的制度と呼び、他の国民を収奪する制度と区別する。
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Global Survey グローバルサーベイ
機関投資家の委託資産額
2013年7月20日号企業年金など世界の機関投資家のポートフォリオにおいて、新興国株式と債券の存在感が高まっている。マーサーの顧客である世界の機関投資家の外部運用機関への委託額を資産クラス別に見ると、2011年、新興国株式と債券は9位と16位だったが、12年には新興国株式はグローバル株式に次ぐ2位、新興国債券も3位となった。
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This is.
BRITISH AIRWAYS 良質のもてなしで快適なビジネストラベル
2013年7月20日号昨年秋からJALとの共同事業を始めたブリティッシュ・エアウェイズは、150以上の都市を結ぶ世界最大級の航空会社だ。運賃がJALと共通化されたことでスケジュールの柔軟性が高まり、往路はブリティッシュ・エアウェイズ、復路はJALといった選択もできるようになっている。そのブリティッシュ・エアウェイズの「クラブ・ワールド」は、世界で初めてフルフラットシートを導入したビジネスクラスだ。シートは、長さ201センチ、幅63.5センチ。フットスツールも高さと角度調節が可能で、リクライニング機能と相まって、好みに応じた姿勢を選ぶことができる。仕事をするのもよし、睡眠を取るのもよし、機内のあらゆる時間をストレスなく過ごせそうだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2013年7月13日号人を欺くときには、心理特性につけ込んだテクニックが使われます。「『残りあとわずかですよ』と言われると、『欲しい』という思いがたきつけられる」(希少性)、「権威に服従しがち」といったものです。その一つに「返報性」があります。これは「恩恵を与えてくれた人に対して、お返しをせずにはいられない」という心理特性。ロバート・チャルディーニ著『影響力の武器[第二版]』は、「相手から好意を受けると、より大きな好意で返したくなる」「一度、拒絶すると責任を感じ、次の譲歩提案を受け入れがちになる」といった承諾のメカニズムを詳らかにしています。
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Global Survey グローバルサーベイ
海外派遣者の国別増加見込み
2013年7月13日号日本企業にとって海外事業拡大は成長の鍵だ。グローバル競争の相手となる外国企業は、どの国により多くの海外派遣者を投下しようとしているのだろうか。
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Book Reviews 著者のホンネ
優秀な人材を集める方法は 「助けてくれ」と頼むこと
2013年7月13日号ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)社長を退任後、約2年ぶりに“復帰”した南場智子氏が胸中を明かした。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【スポーツ・ホビー】 スポーツの快楽に迫る 尋常じゃない著者の思い入れ
2013年7月13日号今回の3冊はいずれも半端じゃないというか、テーマや対象に対する著者の思い入れが尋常じゃないものを紹介させていただこう。まずは『ボールピープル』。この本好きだな。というかズルい。洒脱なエッセーに加えて、その状況を一瞬のうちに理解させる写真が、時間と空間を超えて読者を現場に連れ去ってしまう。しかもいつでもボールが転がっている地球の隅々までがフィールドだ。ドラッグの売人もお坊さんもマサイ族もサッカーをやっている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
既存の価値感がひっくり返る 未来の働き方を考える
2013年7月13日号働き方や、それに未来予想を掛け合わせた著作が増え、売れ行きも好調です。『やる気もある!能力もある!でもどうにもならない職場』は、やりがいや成長実感を妨げる職場の閉塞感が発生する構造や対応策を、コンサルタントが解説します。冒頭、スキルの限界で昇進ができなくなったり、子会社に封じ込められたりした四つのケースをストーリー仕立てで紹介。これが、ものすごくリアルで鳥肌が立つほど。その興奮が強いせいか、次章以降の解説もストーリー仕立てならばよかったのに、と思ったのですが、それはないものねだり。面白い。
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Book Reviews 書林探索
ビッグデータをいかに使うか 数理マーケティングの入門書
2013年7月13日号本書は、ビッグデータに代表される計量的アプローチをマーケティングに応用した事例の入門解説書である。著者は大学で計量経済学を専攻して、学生時代から大手広告代理店で数理マーケティングを20年以上経験し、現在では同社の数理マーケティング部門長を務める、まさにうってつけの経歴を持つ。
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This is.
立命館 未来のグローバルリーダー育成塾が開塾
2013年7月13日号明治の元勲として知られる西園寺公望(きんもち)は、1869(明治2)年、新しい時代を担う若者を育てる私塾「立命館」を創始した。その意思を受け継いだ中川小十郎が1900(明治33)年に設立したのが、立命館大学の前身「私立京都法政学校」だ。そこには、西園寺の自由主義・国際主義の精神が脈々と流れている。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2013年7月6日号四方を暖流と寒流が交差する海に囲まれた日本。世界有数の魚食民族である日本人は、さまざまな魚料理を編み出しました。中でも、他国の人々がまねできぬ、大胆かつ粋な料理が「刺し身」である──。日本の食文化の素晴らしさを軽妙に伝えてくれるのが、小泉武夫著『食と日本人の知恵』です。
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Global Survey グローバルサーベイ
海外勤務のインセンティブ
2013年7月6日号日系企業では、海外駐在員に対して海外勤務へのインセンティブを支給するのが一般的である。海外の企業でも以前はそうだった。しかし、2012年にグローバルで行った調査では、50%を超える企業が「インセンティブを支給していない」と回答している。北米の企業では57%に上っている。これは海外勤務が特別ではなくなっていることの表れといえる。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ファッション】 ファッション写真で読み解く 着こなし上達のコツ
2013年7月6日号トレンド優先の販売手法を百貨店が取り入れて好評だが、『大人の男のオシャレ塾』は、そんな新百貨店のスタイリストが監修したノウハウ本である。装いを上達させるには、ファッション写真を上手に読み解くのが鍵。その辞書の役割を果たすのが本書である。ジャケットの項ではパンツやニットなどの基本組み合わせを紹介。次に色や素材を変化させての応用を実例写真を多く挙げてわかりやすく解説している。色相環表やトーン表を使って色合わせを理論的に解いているのも画期的だ。解説文が少し言葉足らずになってしまった点が惜しい。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
相手に伝わらないを解消する 思いを他人に伝える力
2013年7月6日号思いを他人に伝える力についての著作が相次いでいます。論理の構成の仕方など、日常で使うにはちょっとトレーニングが必要な本が多いのですが、『仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」』は違います。本書は、指示を出す上司の「話し方」と、質問に答える部下の「答え方」では同じ言葉でもまるで使い方が違うと言います。その上で、間違ってはいないが相手に伝わらないのはなぜなのかを、1見開き1テーマの例題で徹底的に検討します。「言葉ってこう使うんだ」と直感的で、説教くさくなく、納得の連続です。「なぜ2番ではいけないのですか」。これに皆さんはなんと答えるでしょうか。