記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 目利きのお気に入り
自己を知る行為から発想 ドラッカーと孔子の共通点
2014年8月9日号ソクラテスの言葉「無知の知」は、知っていないことを知るの意ですが、これが名言たり得たのは、“回転運動”があるからです。つまり、知ると知らないことが分かり、さらに知ればさらに知らないことが分かる。『ドラッカーと論語』も同じ問題意識が貫徹します。
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Book Reviews 書林探索
アダム・スミスを封建社会から 近代社会への脈絡で読み解く
2014年8月9日号経済学の開祖アダム・スミスは、時代時代に応じて、さまざまな読まれ方をしてきた。かつては、スミスの資本蓄積論をマルクス原理論の原点と考えて、スミスをいわゆる「左側」から読むのが一般的だった。それが1980年代ごろになると、スミスの自由放任主義的姿勢こそ新自由主義の原点だと考えて、スミスを今度は「右側」から(あるいはほとんどミギハシから)読む者が非常に多くなった。
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Book Reviews 知を磨く読書
反知性主義を克服する方法
2014年8月9日号最近、日本人と日本社会が劣化していると危機感を抱く人が増えている。政治学者の白井聡氏は、『日本劣化論』で反知性主義が劣化を端的に示す現象と考えこう述べる。〈もともと反知性主義に対抗するのが啓蒙主義とか教養主義だったんですが、それはすでに失効してしまっています。それらが崩壊したからこそ、反知性主義が跋扈してきている。(中略)反知性主義者に届く言葉はそもそもあるのか疑問です。というのは、反知性主義というのは、知性が不在だということではなくて、知性への憎悪ですから〉
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年8月2日号今号の特集は企画段階から社内でも静かな波紋を広げました。中高年が異様に膨らんだ人口ピラミッドに悩まされているのは、弊社も例外ではないからです。企画趣旨を説明すると反応はさまざま。年齢が高ければ苦笑いし、バブル世代は自省するかのように黙りこくってしまいます。意外だったのが若手。例えば前線でバリバリ働く30代前半の社員からは「まったく関心がないテーマ」と一刀両断されました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【医療・健康】 医療は常に“壮大な人体実験” 間違いだらけの健康常識
2014年8月2日号イグ・ノーベル賞をご存じだろうか? 「人々を笑わせ、そして考えさせる業績」に対して贈られる賞である。2013年度に「オペラを聞かせると心臓移植を受けたマウスの生存期間が延びる」という研究で受賞したのが帝京大学医学部外科准教授の新見正則氏。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
「好き嫌い」が左右する ビジネスの成功法則
2014年8月2日号解説を先に読んだ方が、本全体の内容がよく理解できることがあります。『「好き嫌い」と経営』も、最終章にある著者自身へのインタビューを先に読むと本書の企画意図が分かり、面白さが倍増です。
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Book Reviews 書林探索
真のトップリーダーに必要な コミュニケーション術を分析
2014年8月2日号『言葉力が人を動かす』『経営は言葉である』『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』『人は見た目が9割』など、話術に関するアドバイスは数多く、どの書も大いに勉強になる。
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Book Reviews 知を磨く読書
世界を破滅に陥れる言葉の魔力
2014年8月2日号人間の特徴は、言葉を理解することだ。もっとも言葉には魔力がある。言葉の力を悪用することで、世界を破滅に陥れることもできる。アドルフ・ヒトラーがその例だ。政界登場からドイツ敗戦までのヒトラーの150万語の演説データを分析した『ヒトラー演説』で高田博行氏はこう指摘する。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年7月26日号政治家で、どうしても信用できないタイプがいます。オンレコ、つまり名前を出しての取材じゃない限り受けないという人です。政治家にとっては顔を売ってナンボなのでしょうが、われわれは選挙区向けの広報紙ではないというのが譲れない一線。なのでオンレコ、オフレコを使い分けて距離感を保ちつつも、「人物」かどうか、見極めているつもりです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 登録はゴールではない! 世界遺産に必要な保存維持
2014年7月26日号富岡製糸場と絹産業遺産群が、めでたく世界遺産に登録となった。地元はもちろん日本全国で話題となり盛り上がっている。早速、書店店頭でも富岡製糸場を中心に世界遺産に登録された施設を紹介した書籍が並んでいる。その中でもコンパクトにまとめてあるのが『富岡製糸場と絹産業遺産群』である。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
結果のために究極を目指す 衝撃力と滋味を備えた一言
2014年7月26日号「アサヒ、スーパードライ」「シャープ亀山」など、博報堂クリエーティブの名匠として知られる小沢正光さん。その小沢さんが部下に発した名言・暴言の数々をまとめたのが『おざわせんせい』。
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Book Reviews 書林探索
規制改革に必要なものは何か 元役人が分かりやすくひもとく
2014年7月26日号海外でジャパニーズレストランに入るとがっかりすることが多い。品質向上には外国人が日本で修業するのが良いし、実際本場で修業したいという外国人は多いだろう。出入国管理法によれば外国人フレンチシェフには在留資格が認められても、外国人の板前には認められない。結果として本場で修業する外国人が少なくなり、怪しい日本食が是正されない。あまりにばかげていると思われるかもしれない。そうしたばかげた規制の数々を丁寧に解説したのが本書だ。
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Book Reviews 知を磨く読書
「集団的自衛権」確立の趣意
2014年7月26日号7月1日、安倍政権は憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を行った。もっとも集団的自衛権の行使については、連立与党の公明党が反対していた。そのため閣議決定の内容自体は、個別的自衛権を若干拡大した程度の内容になっている。この内容なら、内閣法制局と外務省の頭の良い官僚は、個別的自衛権と警察権で、完璧な理屈を組み立てることができたと思う。
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This is.
Callaway 「最適な振りやすさ」を追求
2014年7月26日号キャロウェイのドライバー「BIG BERTHA(ビッグ バーサ)」が誕生したのは、1991年のこと。その翌年には、このクラブはPGAやLPGAツアーでプロの使用率ナンバー1となっている。その後も同社は、この大型メタルウッドの進化を目指した。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年7月19日号世界の二大スポーツイベントといえば、サッカーW杯と五輪。特に五輪は、巨額のインフラ投資によって絶大な景気底上げ効果が見込めるため、為政者にとってはおいしい道具です。しかし、「宴」の後は反動で不況に陥る国が多いのも事実。その意味で、W杯、リオ五輪と相次いで宴を催すブラジルがどうなるか注目しています。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 “ひいき”の気分で楽しむ 好きな役者の出演作
2014年7月19日号ファン心理というか、ひいきの気分というか、気になって仕方のない俳優が居て、ついその出演作を見てしまう。いい例がレオナルド・ディカプリオだ。この、どうやっても賞を取れないスターはあがきにあがいて、やたらいろんな傾向の映画に出る。今度は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。ジャンク株を売り付けて巨富を得た男の薬(ドラッグ)まみれの狂騒の生きざまが(マーティン・スコセッシ監督だからすこぶる付きのハイテンションで)描かれる(実話だそうだ)。レオ様も熱演だが、どうして賞が取れないのかもよく分かった。彼自身が実は常識的でつまらないのだ。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
「できません」は禁句 日本橋高島屋のおもてなし
2014年7月19日号読者の方も見たことがあるかもしれません。高島屋日本橋店の正面玄関でお客さまを迎える初老の男性。同社初のコンシェルジュの敷田正法さんで、『日本橋高島屋コンシェルジュの最高のおもてなし』には、「そこまでやる!?」という驚きのエピソードが満載です。
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Book Reviews 書林探索
信頼を基礎に組織は形成される 職場を考える示唆に富む著作
2014年7月19日号著者は、暗号とセキュリティの専門家であるが、本書ではセキュリティの問題として人間の信頼はいかにして可能となるかがテーマである。組織にしろ、社会にしろ、お互いに熟知できる人数(『友達の数は何人?』2012年1月14日号で紹介)を超える人間集団が円滑に機能するためには、未知あるいはよく知らない人々との間の信頼を担保するメカニズム(「社会性圧力」と呼ばれる)が不可欠だ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年7月12日号表紙のデザインは雑誌作りの醍醐味の一つ。手に取ってもらえなければ意味がないからです。該当号の特集担当者を交え、幾つものたたき台を出し合っているのですが、ラフを見ると今イチというのは珍しくありません。
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Book Reviews 著者のホンネ
ジョブズ亡きアップルの 衰退の兆しを追い続けた一冊
2014年7月12日号創業者亡きアップルにどのような未来が待っているのか、ジョブズの死期を現地で取材できた経験から、描きたいと思いました。彼が亡くなってから程なく、「アップルが変わった」と感じたのは彼らの商品広告です。例えば音声認識でユーザーと会話ができる人工知能「Siri」がiPhone4Sに搭載され、その素晴らしさが大きくPRされました。