記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
経済の初心者でも理解できる 欧州リスクの未来を描く好著
2014年11月1日号ギリシャショックにより、市場が混乱した2009年の秋以降、ユーロ圏の悲観論を語る欧州関連の経済書が次々と出版されている。こうした流れの中で出版された本書だが、いたずらに悲観論に終始することなく、実務的な観点から欧州経済の行方を詳細に分析している。主に二つの内容から構成されている。
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Book Reviews 知を磨く読書
人間の闇に深く切り込む
2014年11月1日号早見和真氏の『イノセント・デイズ』は、サスペンス小説として抜群に面白い。同時に人間存在の闇に深く切り込んでいる。田中幸乃は、確定死刑囚だ。元恋人・井上敬介への未練を断ち切ることができない。介護付き老人ホームで敬介が夜勤しているときに、敬介のアパートが放火され、妻と1歳の双子の姉妹が焼死した。自宅で大量の睡眠薬を飲んで自殺を図った幸乃が警察の調べに対して殺意を認めたので、逮捕、起訴される。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年10月25日号今回、いわゆる“水素ムラ”の方々にお会いしました。石の上にも三年といいますが、地道にコツコツ水素研究に携わってうん十年。ようやく、成果が日の目を見るときが訪れました。彼らの多くが、企業の日陰者です。トヨタには燃料電池車(FCV)のエンジニアが1000人いますが、ハイブリッド車のそれは2万人いるといわれています。FCVに本気で挑むトヨタすら、水素は傍流にすぎない。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 読んでも見ても楽しめる 東海道新幹線開業50周年
2014年10月25日号東海道新幹線が、この10月で開業50周年を迎えた。これを祝って、さまざまな新幹線をネタにした出版物がちまたにあふれていて、書棚を眺めるだけでも壮観である。その中で、第一にご紹介したいのが『東海道新幹線50年の軌跡』だ。まず、0系からN700系に至る歴代車両のイラストを並べた表紙に引かれてしまうが、もちろん本文も充実している。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
精神科医「モタさん」がつづる 今日も明日も上機嫌な言葉
2014年10月25日号「モタさん」こと精神科医の斎藤茂太。42年間の著作活動で約650冊もの刊行書があり、人気のすごさを実感させられます。実は私、彼の著作を一冊も読んだことがありませんでしたが、『今日も明日も上機嫌。モタさんの“言葉”』には、やられました。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日本国憲法をアイドルに講義 勘所を押さえた優れた入門書
2014年10月25日号ぱっと見の印象は、AKB48の人気に便乗した際物、だろう。『憲法主義』というタイトルも耳慣れないし(実際、そういう専門用語はない)、帯でも、著者の表記でも、高校生(現在は慶應大学生)の内山奈月さんを前面に押し出している。書店では、アイドル本のコーナーに並んでいることも多い。
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Book Reviews 知を磨く読書
日韓関係の優れた構造分析
2014年10月25日号外交評論家で元外交官の宮家邦彦氏が『哀しき半島国家 韓国の結末』において、日本と韓国の関係についての優れた構造分析を行っている。本書のオリジナリティは、コリア半島(韓国・北朝鮮)と中国の間にあるマンジュ地方(旧満州国に相当する地域)を「中華でもコリアでもない地域」として重要な変数に組み入れていることだ。
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This is.
Paul Stuart 上質感が際立つシンプルなステンカラーモデル
2014年10月25日号ニューヨークにあるポール・スチュアートの本店は、1938年の創業時と変わらぬ場所に立っている。それ自体が、このブランドのいちずさを雄弁に物語っているといえるだろう。例えば洗練された柔らかな肩のシルエットなど、同社が独自に提案したテーラードスーツのルーツは今も健在だ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年10月18日号今号から編集部の一員になりました。初仕事となった学生の就活事情の取材で強い既視感を覚えました。大手に人気が集中し、中小企業に応募がない──。私の学生時代にも、学生と企業のミスマッチがありましたが、10年たっても解消していません。学生の「内向き志向」を嘆くのも、どこかで見た風景。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 ハイスクールの化学教師が マイホーム主義の麻薬王に
2014年10月18日号『大統領の執事の涙』。執事ものという特別なジャンルが外国の映画にはあって、必ず名優が演じることになっている。米国大統領に仕える黒人執事を演じるのは、天才サックス奏者チャーリー・パーカーを演じては残された録音にピッタリ合う楽器演奏で驚かせ、アフリカの独裁者アミンを演じてはソックリの容姿で驚かせたフォレスト・ウィテカー。挙止動作は完璧。代々の大統領は皆名優たちのゲスト出演(先頃亡くなったロビン・ウィリアムズがアイゼンハワー)。彼の親は奴隷だった。そこから今日までの黒人の地位向上も、闘争の歴史も学べる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
イスラム教徒を理解する 「ハラール」対応の最前線
2014年10月18日号先日、大阪と京都へ小旅行。外国人観光客の多さや大阪城のエレベーターガイドさんの流ちょうな英語に驚き、そして目に付いたのがスカーフをかぶったイスラム系の女性たちです。世界人口の4分の1を占めるイスラム教徒の受け入れは、観光立国の重要なポイントで、イスラム法で「合法」を意味するハラールへの対応が急がれています。
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Book Reviews 書林探索
仏教の世俗的易行化が生んだ 日本人の経済行動の特質
2014年10月18日号本書は、今年3月に日本学士院賞を授与された寺西重郎氏による最新作である。日本型経済システムの源流を、宗教とその経済行動へのインパクトに求める斬新なアイデアが本書の根幹を成している。
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Book Reviews 知を磨く読書
「イスラーム国」は弱くない
2014年10月18日号9月22日、米軍がシリア領内に所在するイスラーム教スンニー派原理主義過激派「イスラーム国」の拠点を空爆した。米国の軍事行動にサウディアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、ヨルダン、バハレーンが有志連合として加わった。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年10月11日号マスメディアで働く人間の悲しいさがか、何年ぶりという言葉を聞くと自然に体が反応します。その数が多ければ多いほど、心が躍るのです。120年ぶりの民法抜本改正と聞き、「これはいずれ特集で取り上げるしかない」と決めていました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【スポーツ・ホビー】 目指す頂は過去の中にある 登山が呼び起こす心理
2014年10月11日号近頃の山ブームは、どうやら本物らしい。仕事場の近所にも、いつの間にかアウトドア系のショップができたし、テレビでも登山やトレッキングの番組がたくさん放送されている。ただ、登山中の心理や山での人間関係を語るものは少ない。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
新たな視点や実践を交えた 資本主義の在り方を問う3冊
2014年10月11日号リーマンショックを契機に、資本主義の在り方を問う著作が相次いで刊行されました。最近は、ちょっと一服気味でしたが、時間を経たが故の新たな視点や実践を交えた著作が出始めています。
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Book Reviews 書林探索
未経験者の農業への新規参入 山あり谷ありの生の声が満載
2014年10月11日号農業の後継者不足と、それに伴う耕作放棄地の増加は、年々深刻の度を増している。そうした中、農業への転職を希望する人々が、今増えている。それも家がもともと農家だった人たちではなく、農業の経験はないのに、仕事を辞め、新たに農業を始めようという人々だ。
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Book Reviews 知を磨く読書
猫を通して見える人間社会
2014年10月11日号犬と違って猫は人間にこびない。群れずに自由に活動する。そういう猫の神秘的な行動を動物行動学者の山根明弘氏が『ねこの秘密』で分かりやすく解明している。猫も人間も哺乳類ということでは同類だが、雄猫は、子育てを一切手伝わない。だから、雄猫の目的は、少しでも多くの子孫を残すことになる。雌猫は、出産と子育てに大きなエネルギーを割かなくてはならないので、どの雄猫の子をはらむのか、質を重視する。結局、自分の遺伝子をどう残していくかという基準で猫が行動していることがよく分かる。
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This is.
AUSTIN REED 今を生きる「ジェントルマン」のアイテム
2014年10月11日号「紳士」──あまり使われなくなったが、男たちが忘れてはいけない言葉の一つだろう。礼儀やマナーをわきまえ、高い教養や気品ある趣味を持ち合わせた「紳士」に、人は大いなる敬意を払う。今の日本には少なくなったかもしれないが、せめてそれに近づく努力はしたいものだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年10月4日号消費増税後も、ランチや飲み会、買い物などに大して変化はなかったのに、財布の中身が減るのが速い。そう感じていたら、実質賃金が下がっているという統計数字を見て納得しました。